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【置】 涼風拝啓 ひぐらしの声を聞いて胸に寂寥感が芽生え始めて参りました。残暑厳しき折ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 手紙を書き始め、次で十通目になります。 月日が経つのも早いものです。私の周りも、私の立場も、昔と比べると変わったものが随分増えました。 それでも変わることのないものがあります。どれだけ経っても、決して色褪せないものたちが。 (中略) 手紙は勿論書きますが、来年はようやく時間が取れそうですからきちんと貴方にお会いして挨拶をしようかと思います。 それに、見せたいものもありますから。ようやく夢が形になったんです。 (中略) 略儀ながら、書中をもちましてお見舞い申し上げます。 敬具 20××年 8月××日 涼風薫 (L9) 2021/08/21(Sat) 14:40:39 公開: 2021/08/21(Sat) 14:45:00 |
【秘】 宵闇 → 公安警察 清和「なあ、そういやルカ。お前この間最後のぎゃふんの『ん』は ──俺が作る、お前への歌と交換だって言ったな」 不発弾の処理が終わった後くらいそろりとやってきて話す。 ここから帰りたくないような 誰かが自身を呼んでいるような、そんな声が聞こえていた頃 けれど、薄々とここが夢だということに気づきはじめていた頃。 「それは"ここから"帰って再会した時ってのはどうだい」 ここで全て済ませてしまうことはできる。 その材料が揃っているからだ。 「全部田舎で済ませちまうのも、なんか勿体ないだろ ──まあ、先に聴いておきたいってんならいいけど」 せっかく再会したのだから、その先があってもいいはずだ。 だからこれは口実のようなものだった。 清和を追いかけるための。 「それに、実はさ、その曲ってのはお前だけでなく アキラにも聴いてもらいたい曲なんだよな、どうだ?」 そして、男は不敵に笑った。 (-54) 2021/08/21(Sat) 14:41:04 |
【置】 涼風 家か、或いは関係者に渡したのか。 手触りのいい和紙の便箋がとある人宛に送られた。 『優くん元気?私だよ。涼風です。 こうして手紙を君に送るなんて、昔を思い出してしまうね。 久しぶりに話がしたいな。アイスでも食べてさ。ところで、おすすめのアイスとか知らない?折角だし一緒に買おうよ。お墓参りが終わった後にでも。 追伸 なんとなく昔を思い出したからお墓参りも自転車で行きたくなっちゃった。まだ自転車はある?』 ほっそりとした字で、ありとあらゆる無茶振りが書かれている。 そんなマイペース極めた手紙を貴方が読み終えた頃── (L10) 2021/08/21(Sat) 14:44:09 公開: 2021/08/21(Sat) 14:45:00 |
【神】 涼風>>変わらない君 某所、某日。 「すーぐーるーくん! あーそびーましょー! ……ふふ、なんてね」 呼び鈴を鳴らしつつ、声を上げる人影が一人分。昔よりも髪は更に伸びたものの、楽しげに揺らす姿はあの頃となんら変わりない。 (G19) 2021/08/21(Sat) 14:45:38 |
【独】 陽は落ちぬ 夕凪チリーン…… 風鈴の音が鳴ります。 「雪子おばさんに教わったパンナコッタよ、夜凪!」 「夕凪慣れない料理は―――」 「私の向上心を叩き潰すのはよくないわ。 雪子さんが6割つくったから味は平気よ」 「味噌汁ですらちょっと味付けぶれてるじゃん……。 ちゃんとはかってさ。細かいところ面倒くさがらないで。 どうしてそうなるのかを理解をするのが上達の一歩だよ」 「几帳面ねそういうところは。 夜長さんはなにしてもうなずいてくれるって言うのに。 晴臣くんもよ! 私の作る料理美味しいって言ってくれるわ!」 「僕の料理の方が数秒美味しいって言うの早いよ」 「言ったわね。 今度どっちが美味しいかって言わせる勝負をしましょう。 お菓子作りならまけないわ!! 雪子さんの味で二人を落としてみせるんだから」 ▼ (-55) 2021/08/21(Sat) 14:46:39 |
【独】 陽は落ちぬ 夕凪「たまにはさ、……僕に美味しいもの作ってよ夕凪」 「何か言った? 夜凪」 「なんでもないよ。 その場で感覚で生きている夕凪が好きだなって思ったんだ」 「あら、私も。 どんなときでも几帳面でみんなを見ている夜凪が大好きよ」 「……」 「……」 「「ふふ。 知ってる」」 (-56) 2021/08/21(Sat) 14:49:26 |
【神】 髪置>>変わらない君 手紙を読み終えたところで聞こえたいつもの声に、思わず笑みをこぼす。 「は〜あ〜い〜!」 あれから10年、流石に少しばかり気恥ずかしい気持ちにはなるものの、変わらないことの嬉しさが勝り、ついつい乗ってしまうのだ。 大声で返事をしてドアを開け、変わらない貴方を髪置が出迎えるだろう。 こちらは髪型、服装こそ変わらないものの、仕事がら体ががっしりしてきて、顔つきも少しばかり男前になっている。 (G20) 2021/08/21(Sat) 14:56:46 |
【神】 髪置>>G21 涼風 「そ、そりゃあまぁ……ね。俺より後ろに乗るほうが大変だと思いますよ、二人乗り」 確かにやってみたさはあるのだが、怪我をさせそうなのでやんわりと断ろうとする。 「で、お墓参りですか。ここからだと自転車じゃあちょっと遠いような……」 距離を考えつつ、涼風の方を見ると……もう完全に自転車で行こうという気満々の顔をしている。 「ま、なんとかなりますか。自転車は持ってきてますか?ないなら本当に俺が二人乗りで死ぬほど疲れることになりますけど」 それにご近所様からすごい噂をされてしまうのだが、そんなことは多分気にしないのだった。 (G22) 2021/08/21(Sat) 16:13:40 |
【神】 涼風>>G26 年齢も性別もバラバラな自分達が集まったあの不思議な夢。あれはいったい誰が根本的な原因なのかとずっと思っていた。 自分や百千鳥、編笠など夢に引き留めたい者たち──自分は夢の終わる直前になるまでその役割を忘れてしまっていたが──は確かにいたけれど、夢を自分の手で作り上げたという自覚はない。だから、元凶とも呼べるだろう人物がいるのだと思っていた。 考えに考えて、一つの共通点にたどり着く。 全員"帰省して最初に挨拶をした人"が同じ人物であったと。 手にした結論をもとに手紙を書こうと決めたのだ。 どれだけ長い年月が経っても、我が子のように自分達を愛してくれた貴方。貴方にも寂しい思いなどしてほしくないと、自分達は変わらず元気であると……そう伝えたくて。 (G27) 2021/08/21(Sat) 16:50:28 |
【秘】 貴方の隣に 宵闇 → ただいま 御山洗>>-50 「お、やっと素直になったな」 そう、それでいいんだよ、なんて上から目線。 細身の男は背丈も体格も違うその腕の中にすっぽりと収まって くすくすと機嫌がよさそうに笑う声が耳をくすぐる。 男は、嬉しかったのだ。本当に、嬉しかった。 あの時苦痛を堪えるようだった姿は 怯えるように男を無理やり遠ざける姿は もう見なくてもいいのだと思うと肩の力も抜ける。 そうだ、彼に笑ってほしかったんだ。 この心が少しだけ満たされるような気分になる。 「ああ、待ってるよアキラ」 目を閉じて、広い胸に額を押し付ける。 「そしたらさ、また俺に好きだって言ってくれよ 何度でも聞いてやるし、言ってやるし」 ゆっくりと話しもしたい。この先に想いを馳せる。 ──だから夢が終わるまで、もう少しこのままで。 (-57) 2021/08/21(Sat) 17:03:54 |
【神】 夢の綴り手 涼風「……10年の節目。今年は手紙で終わらずきちんと貴方の元に来ること出来てよかったよ」 友人と交代して自転車を漕いで、ようやく訪れた場所。夢から覚めた後、連絡を取ることのできたとある記者から教えてもらったのだ。 掃除を済ませ、お供え物を並べて、線香をあげた後。 「手紙に書いた、報告したかった事というのはこれなんだ」 そう言って取り出したものは一つの紙の束。コピー用紙に文字を印刷したものを簡単に留めたものだから、本とすら言い難い拙い出来のもの。でも、それでもいいのだ。ファンだと言ってくれた双子に知らせて、表紙を描いてもらおうと決めているのだから。 それを自慢げに、誇らしげに取り出して墓前に掲げる。 (G28) 2021/08/21(Sat) 17:12:34 |
【神】 夢の綴り手 涼風>>G28 夕凪、夜凪と交わした約束。幼少期から秘め続けた宝物めいた夢。 大人になってからは時間がなかなか取れなくて、仕事で使う文字以外一切書けなかった時期もあったけれど。 夢を抱いてから10年。一度諦めて、夢の中でもう一度夢を叶えたいと決意して更に10年。 28歳でようやく、物語は形となった。 初めて生み出した作品は短編集。モデルは勿論、愛する故郷で出会った人たち。彼らがどこか夢を見ているような、ほんの少しだけ不思議な体験をする物語。 「万華郷」と書かれた表紙の夢を抱いて、青年はそっと微笑んだ。 眠る間に見る夢はいつしか覚めるもの。でも……いくつになっても、見ていいものだと気付いたから。 「慈姑おばあちゃん」 私が私である限り、これからも報告しにきます。 あの時夢を見せてくれた貴方に、今度は自分が夢を見せる番だから。 (G29) 2021/08/21(Sat) 17:13:11 |
【置】 再点火 花守>>添木 【乾杯】 おつかれさまヒサシ、ホントに警察になっちゃってまあ、よくがんばったな。 久しぶりに会って、あんたの家に行って、ご飯したり酒飲んだりして、"オトナ"になったくせに昔っから変わらない所もあって、楽しかった、でも、それが逆に寂しいやらでさ…… 結局、言い出せなかったけど、私は『約束』守れなかったよ。 あんたと同じか、それ以上に努力してきたつもりだったけど、現実はいつも私に厳しくって、それでも次こそはって頑張ってきたけれど……あれから10年経って私は医学部にも入れず8浪だよ。 8年、『約束』も果たせず、"オトナ"にもなりきれないで停滞してた時間が8年間、親に呆れられて、毎日毎日生活費と学費を稼いで、隙間の時間で勉強した時間が8年間、振り返っても空虚しかないこの時間の重さ。 それに気が付いちゃったから、もうダメだって諦めてた。 だからだろうね、私がここにきたのは。 この村の大人たちはそんな好きじゃなかったけど、私の人生で一番充実してた青春が、確かに此処にあったから。 嘘つきは嘘を隠したまま、幻想の中のあの頃をもう一度望んで、あんたや私の事を知ってても知らなくても、良くしてくれた皆に会いたくて………… でもさあ、会っちゃったら、やっぱ悔しかったわ。 昔っから『対等』だって思ってたあんたが成功して、私はそのままって、惨めで悔しかったわ。 だから待ってな、今度こそ果たせなかった『約束』を果たして、ついたウソを告白して、あんたは呆れるかな、それとも昔通りでいてくれるかな、ともかく── ──果しにいくよ。 (L11) 2021/08/21(Sat) 18:09:37 公開: 2021/08/21(Sat) 18:30:00 |
【置】 再点火 花守>>清和 【約束】 『約束』、うん『約束』するよ、センパイ。 今度こそ、ウソをホントにする為の、私の人生を、この10年を。 いや、この人生が無駄じゃなかったと、私が私であると胸を張って言える様にする為に、もう一度『約束』する。 だから、貰ったメモにはしばらく頼らない、ここに連絡するのは私が合格した時だって決めた。 すぐ連絡できるかも知れないし、もしかしたらまた永く待たせちゃうかもしれないけど、これはケジメ。 そうしたら、よくやったって、褒めて。 きっとそれで、それまでの苦労が報われるから。 あと、合格したら、一緒に両親に会って欲しい、散々試験に落ちた私をみかねて、もう諦めたらと心配してくれてた二人。 意地っ張りで、見栄っ張りな私は、それに反発して喧嘩して、もう何年も会ってないから、今更顔を合わせるのが怖くて、謝りに行くのに、一人じゃちょっと難しいから、一緒に来て欲しい。 まだまだ、こんな歳になっても"コドモ"のままの私に、もう一度歩き出す勇気をありがとう。 それに報いれるように、今度こそ"オトナ"になった私をみせられるように頑張るから、きっと、必ず、いい知らせを届ける、だから私を信じて、見守ってて、いつか"コドモ"を── ──卒業できるように。 (L12) 2021/08/21(Sat) 18:11:07 公開: 2021/08/21(Sat) 18:30:00 |
【人】 再点火 花守>>4:41 「ホント、こなくてもよかったな。 甘い夢を見に来たのに、辛くて重ーい現実と向き合う勇気、貰っちゃう事になるなんて、思いもしなかった。 あーあ、諦めようと思ってたのに、これじゃ仕方無いかね」 立ち上がって、土埃を払って、大きく伸びをする。 「それに……」 ハウリングするくらい目一杯の叫びがスピーカーからきこえる。 小さい方のアキラくんの、青春生放送。 「また集まるんだったら、顔向け出来るようにしとかないとね」 夏の終わりに産まれた彼女の誕生花はシロツメクサ。 この"花"に込められた言葉を、きっと彼女は"守り"果たすだろう。 (38) 2021/08/21(Sat) 18:12:08 |
【置】 あの頃の 宵闇すこし古ぼけてかすんでいる楽譜、かろうじて読めるくらいの。 まだ音楽への知識が浅い時にはじめて創作したもの。 その曲のタイトルは『再会』 あの頃の少年が細い指でギターをかき鳴らす。 ──ふわりと、頬を風が撫ぜた 前奏、それはそよ風のように優雅に 爽やかな空気の流れるはずんだ音 雲ひとつない青空広がるすっきりとした空。 ──僕らは繋がっている ──きっと同じ空を見上げている 間奏、転調、雨が降ったように、ぽつりぽつりと。 しっとりとした、音が紡がれる。 それは恵みの雨、悲しみを流す清らかな水だ ──晴れた夕焼け空にカラスが鳴く ──帰ろう、僕らの道へ 後奏、夜が訪れるように 宵闇は光へと続くしずかな夜だ。 ──朝は必ずやってくる ──それまでは安らかな夢を (L13) 2021/08/21(Sat) 18:19:17 公開: 2021/08/21(Sat) 18:20:00 |
【置】 あの頃の 宵闇 "未来"の宵闇 翔へ 元気ですか? ちゃんとメシ食ってますか? 彼女はできましたか? 夢は叶えましたか? 俺は小さい頃、なんとなく母さんが喜んでくれるからって 理由でピアノをやってたけど、今ではすごく楽しんでる。 都会の音楽に触れられるようになったのはルカのおかげだし。 俺もなにか夢を持ってみたいと思ったのはアキラのおかげだ。 未来の俺はどうですか? もし、挫折してたりつまんねえなって思ってたら いっそ音楽なんてやめちまえばいいと思います。 それもいやなら、一緒に入れた楽譜を見て思い出してくれ。 これはアイツらには今はナイショだけど、曲をつくったんだ。 練習もしたから今の俺は歌えるし、思い出すはずだ。 まだうまくできないけど、未来の俺がアイツらと再会したら 歌ってくれよな。絶対はずかしいと思うけど。 過去の宵闇 翔 (L14) 2021/08/21(Sat) 18:21:01 公開: 2021/08/21(Sat) 18:25:00 |
【秘】 あしたの 御山洗 → あの頃の 宵闇>>-57 宵闇 じわりと滲んだ涙をうまく堪えることが出来なかった。体温の移ったしずくがぱたと落ちる。 喜ばしいからか、安堵したからか。許されたからか、まだ薄く残る罪悪感なのか。 ぐるぐると胸の内をわだかまっていたものは、溜息と共に落ちて、消えた。 好きだ、ともう一度だけささやく。今度は耐えきれなかったためではなく。 今こうして伸ばされた手を、掴み取ることが出来た手を、ちゃんと握って。 逃げるためではなく、心から伝えたかったこととして。 夜空から夢の世界を見下ろすような花火が消える頃には、夢は醒めてしまうのだろう。 ひと夏の気紛れと思い出が作り上げた願いの世界は、消えてしまっても。 ちゃんと自分の意思で願って、その手を掴みに行くために。 置き去りにしてしまった不発弾を、皆でもう一度見るために。 背中を向けたままだった思い出の中の人達に会いに行くために。 今なら、それが出来る。 ベゴニアの花言葉は――。 (-58) 2021/08/21(Sat) 18:51:17 |
【秘】 警部補 添木 → 巡査部長 鬼走「はいはい、そうですか。フフッ」 楽し気に笑いながら、のんびりと進む。 「……ああ、わかってるよ。あんたは金に踊らされる側じゃあないもの」 目を伏せて、困ったように笑う。 うんざりするほど長い生。 生きるべきだった人、生きたかった人は亡くなってしまって。 金なんてもので、それが多少是正できるのなら、それは良い事だ。 「あはは。感慨深い?そう。まあそういうのが出るようになったの……」 目を細めて、 持っていたりんご飴を相手の唇にぺちんと当てた。 「あんたのお陰さ。面倒見てくれてるの、感謝してる。」 (-59) 2021/08/21(Sat) 18:52:03 |
【秘】 夢のその先 百千鳥 → 夢の綴り手 涼風「ダメって言ったら」 伸ばされた手を躱すふりをして、少しだけ悪戯に笑う。 「それで諦めちゃうなら、少しがっかりするかもね。」 それでもきっと、追いかけて来てくれると信じていたくって。 勝手に期待していた現実に少し裏切られた気持ちになるだけで 決して嫌いになるわけではないけれど。 「夢を見るのは疲れたから、 叶わない夢 を見るのは暫く休憩させてほしいけど。今居る薫兄さん達に会うのは、叶わない夢じゃないでしょ?」 今は少し、夢を見るのには疲れてしまったけど。 今の"僕"は、もう夢の見方もあやふやだけれど。 誰かと同じ夢を見る事なら、きっとそう難しくはない。 「僕はきっと、これからも 一人でだってただ何となく生きていけてしまうけど でも、だからって誰も目を向けてくれなかったら そりゃあきっと、辛くて苦しくて泣きたくて、でも泣けなくて 一人じゃどうしようもなくなるくらいに寂しいよ」 「だから諦めないで、手を伸ばしていて。 僕から、僕が掴める誰かの手を一つでも取り上げたりしないで。 そしたら僕も、きっと諦めないでいようって思えるから。」 (-60) 2021/08/21(Sat) 19:47:44 |
【独】 天狼の子 夜長こうしたい ああしたい あの人みたいになりたい 同じことが出来るようになりたい ないものねだりはしても仕方がないが、それでもしてしまうものなのだと思う。はやく、今すぐに大人になりたい。そんなこと、普通はかなうはずがない。それでも考えずにはいられなかった。 叶った気分になったこの夢でも、大人になり切れなかったと思っている。大人になったら何でも出来ると思っていた。何でも自分で出来るのが、大人だと思っていた。 でも、案外そうでもないらしい。 なったつもりの晴くんだけでなく、大人も大人で出来ないことは出来なかったように見えた。魔法みたいに、急に出来るようになったりはしない。 経験の砂時計の色砂はすぐに沢山にはならないし、家族の時計もすぐに動かせない。それがよく分かったなと思う。俺はまだ、出来ないがたくさんだ。 出来ないことが出来るようになりたい。 ないものねだりでなく、これは宣誓だ、目指すものだ。なくなってしまった誰かや何かも、この夢も。これから新しく増えるものも。持てるものは、持っていきたいものは、全部ぜんぶ抱えて。それでみんなと、歩いていける人になりたい。 (-61) 2021/08/21(Sat) 20:26:56 |
夜長は、 夢から覚めた後、モモチに会うのが少し照れくさいかもしれない。 (t7) 2021/08/21(Sat) 20:28:41 |
夜長は、早く大人になりたい。夢に来る前と、理由は変わった。 (t8) 2021/08/21(Sat) 20:28:52 |
夜長は、来年中にはお兄ちゃんになっています。 (t9) 2021/08/21(Sat) 20:29:41 |
【置】 夢のその先 百千鳥「さようなら、慈姑さん。 ずっとを望むくらいには、ここは良い夢だったよ。 あなたにとってもそうであったらいいんだけど。 ──待っててね、きっといつか、また皆で会いに行くから。」 皆を見送る老婆に挨拶を終えて、 爽やかな風の吹き抜けるあぜ道を歩く。 夢から覚めたら、現実を生きていかなければならないから。 だから夢と現の狭間、微睡の中にある今の内に これからの事を考えよう。 皆を守る、"正義の味方"を守るのは誰? 誰もなれないのなら、今は何にもなれない自分がそうなろう。 いつも皆の背を追ってばかりのあの人は、 今や自分も追われる側なのだといつ気付くだろう? 物語を、夢を紡ぐ事を今尚捨てなかった人々に "みんな"の居る長閑な村を、物語の中に創ってもらうのもいい。 水鉄砲の、最後の一発は"またいつか"のその時までとっておこう この村に来た時に、自身の慕う兄がそうしたように "再会の挨拶"を叩き付けてやるのだ。 自分と同じように、抱えきれないほど多くを欲しがって 同じ夢を見て、そしてこれからも同じ夢を見続ける 大人になりきれなかった誰かさんに。 (L15) 2021/08/21(Sat) 20:40:29 公開: 2021/08/21(Sat) 20:50:00 |
天狼の子 夜長(匿名)は、メモを貼った。 2021/08/21(Sat) 20:42:58 |
【置】 君ぞ来まさぬ 百千鳥わが門の 榎の実 もり食む 百千鳥 千鳥は来れど 君ぞ来まさぬ ──作者未詳 『万葉集』 巻16-3872 雑歌 我が家の門前の榎の実を啄みにくるたくさんの鳥たち、 鳥は来るのですが、あなたは来てくださらないのですね。 (L16) 2021/08/21(Sat) 20:43:33 公開: 2021/08/21(Sat) 20:50:00 |
【赤】 夢のその先 百千鳥「ばいばい、呼子姉」 「みんなと一緒に、ここで待ってはいられないみたいだから」 「だからみんなを連れて、会いに行くよ」 「いつか、きっと。」 (*3) 2021/08/21(Sat) 20:49:36 |
【人】 音楽家 宵闇ここにずっといたら取り戻せそうだった心があった。 今の自分にはなくて、過去に置いてきてしまったものがあった。 思い出せそうだった、すこしだけ思い出した。 それは『好き』という、身近にあって大事もの。 この村で培ってきたものが、音楽が好きだった。 男はきっと、この夢の事を一曲にするだろう。 ひとりの老人が、皆が愛した村。 ──時数えの田舎村。 (39) 2021/08/21(Sat) 20:55:31 |
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