人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

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【赤】 残氷 の エアハート

オーウェン! 今日がお前の命日だ!
poru 2021/12/18(Sat) 21:00:00

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「……は、屁理屈、お上手ですね」

自分だってそうだけれど。なんて言葉は心に秘めて。
代弁のつもりで言った事だが、確かに自分が拒否していたなら、そうは言っていなかったのも、それはそう。
悔しいが、自分“も”認めたと言えるのも事実だろう。

「いいでしょう。貴方が、革命軍として生まれた私から、
 革命軍を取り除いて、白紙になった私すら求めるなら。
 証明してくれたら、その願いごと、新たに書き写して」

そして、未だ決め切れていない迷いの渦中にいる俺に、
対面する時間を稼いで、取り持ってやっても悪くない。
そんな気持ちになるのは、懇願めいた命令もあるが、
元々、精神干渉が効きやすい相手が誰かなんて明白で。

つまりこの洗脳が解ける時点で、そんな懇願を重ねずとも
──明日も、私は残っていられたんでしょう。
役目を失う前に、新たな「役目」を渡されれば可能だった。
ただ、そのつもりがなかっただけだ。乞われれば別だが。

さて。貪欲な交わりと前提条件としたなら、
後は相手と、相手“への”想いの度合いの勝負。
それならこの後の結果なんて語る必要すらないでしょう?


                
 Erhard 
 
Eddy
 
が生まれた在る日の回顧録
 
(-36) poru 2021/12/19(Sun) 21:33:58

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
さて、互いの
初吸血体験
を終え、いつかの会話も終えた先。
貴方がエディと呼ぶ事が片手程度にはあった頃。

組織を抜けると言うのは簡単ではない。
とは言え、直接潜入して来た蝙蝠野郎は目の前にいるし、
組織の為に付与されていた「静」の気質が合わさって、
割と性格の悪い抜け方を虎視眈々と狙っているらしい。

「……結局、この街から出たい──
 で、よかったんですか? フランドル」

今はまだ完全に手を切り切る前の処理を行いながら、
部屋に呼ぶなり訪れるなりして、そう尋ねる。

「私は正直、誰かさんのせいで狂信を綺麗さっぱり
 消されましたが、まあここで生き続けもできますしね。
 でも貴方、騎士団の所属のままでしょう。
 
 私は別に逃げませんから傍にずっといますけど、
 そも、この構図もハーディとの問題で出来てるなら、
 “これから”の話は私が決める物じゃないと思いまして」

一応名目上はまだ貴方は騎士団所属。
こちらは革命軍所属だ。どちらも抜けられはできるが、
意味なく抜けても駄目だ。何処かを目指すなり逃げるなり、
目的地辺りを決めるなりしないなら現状維持が一番になる。

その辺りを革命軍の名簿を一部消したりしながら尋ねた。
(-38) poru 2021/12/19(Sun) 21:48:06

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「追われてる、と言っても本腰入れてないでしょ騎士団。
 正直、厄介払いで来てラッキーくらいじゃないですかね。
 奪って抜けた本人にとっては……
 それくらい価値があったらしいですけど」

本人、と例えるがまあ自分だ。何故そうしたのか、
どういう理論で行ったかはわかっている。馬鹿らしいと思うかは別として。

「私が言うのもあれですけど、つくづく健気ですよね。
 わかりました。じゃ、後やる事はもう決まってますよね。
 まさか分からないとは言いませんよね?
 
はいでは、本人に代わりますので、よろしく」


まるで通信を切るかのノリで、更に貴方の返答を、
……恐らく、これは本人の返答すら待っていない。
そんな速攻で、あっさりと。
散々焦らしたのか焦らされたのか、長くて短い別れは、
こんな気の抜けたギャグの様なノリで、終わりを迎える。▽
(-64) poru 2021/12/20(Mon) 0:03:52

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「ちょっと待てお前いや俺何も聞いてな──」

拳を振り上げて抗議する姿。
精神内でも物理的手段があるかはさておき、
貴方と目が合うと“それ”或いは“本人”はピタリと動きを止めた。

止めて、固まって、迷って。
あの日、あらゆる負の感情と執着を込めて、逃げる事を選んだ男は、
少しの困惑の後、気まずそうに頬を掻いて、

「……あー……えー……っと、……久しぶり」

アドリブに弱いと言うほどの男ではなかった。
ただ、余りにも唐突過ぎる時、そして感情が乗ってる時。
それは妙にぎくしゃくした物になる。昔からの癖だ。

例えるなら、告白の時とかだけは照れるタイプだ。
最も、そんな甘酸っぱい告白ではまるでない……
いや、人からすると似たようなものかもしれないが、
イレギュラーではある。

ただ、間違いなく、貴方と20年生きていたエアハートだ。
(-65) poru 2021/12/20(Mon) 0:05:26

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
貴方のその返しに答える者はいない。
豪勢な椅子にでも座ってワイン片手に回してるだろう。
そんな高級な家を持った事は今の一度もないが。

「……そう、だな。……何」

元気にしてたか?何てとてもじゃないけど言える状況ではない。
精神面でも状況的にも。本体の方は当然それは理解済だ。
とは言え非常に気まずい。まだ出会った時のをされた方がマシだ。
その時に洗脳されていて出れなかったのは自業自得なのだが。

最も、今このタイミングで入れ替わりやがったあいつは別として。
とにかく、落ち着いた様子が逆に怖いが、提案を聞いて。

「殴……
いや、ダメ」


即答した。
この男、これだけやらかして探させて、
おわせまでした上で、即答した。

貴方はもう迷わず殴っても全く問題ないだろうが、
しかしまあ、ここで普段は断る男ではなかったはずだ。
普通なら黙って殴らせていたのに、あえて断っている。
その意図は伝わらなくても、ただ本当に殴られたくなくて
断ったのわけではないだけは伝わるだろう。
(-93) poru 2021/12/20(Mon) 1:43:33

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

「んんー…ある意味合ってる。だからこそ、だ。……殴って一発で済ませて良いようなアレじゃなかったろ。俺が逆の立場なら、間違いなくそれで済まされたら殴るじゃすまねぇもん」

自分が一方的に悪いとは当然思っていない。思ってるなら、
せめて葛藤した理由なり貴方に残して去ったはずだ。何も残さないで去る、なんて貴方が傷付く方法を取るわけがない。

「……まあ、言う通りの手始めって意味なら構わない。
 だったら、
よし!!来いフラン!!
って言える。来ていいぞ。
 ただお前、一回殴ってたら後で結局絆されたりするだろ。
 そう言う意味で、この一回でお前が気持ちごと……
 拳一発で流“せた”って持っていかないかの方が心配になった」

相手の葛藤が拳一発程度で済まされないか。
不平等なのは好きじゃない。こちらだけ甘いのも、差別だから。
  貴族と言う単語さえなければ、そう在れるのに。難しいな。
  ……俺には、俺達には、この世界が難しすぎるよ。フランドル。


「言えよ普通に。そりゃあ俺が散々嫌ってたのもわかるけど。
 いつかバレた時の方がヤバいのわかっててそれしてたのか。
 お前のそう言う所、ほんとムカつくし嫌い。変にビビって…
 ……そうお前が思ってるのを理解した上で、
 受け入れられなかった俺が、俺は許せないし逃げたかった」

「……俺は直接言ってないけど、アイツに聞いただろ。
 嘘じゃない。殆ど大半が事実だ。それが全てじゃなくても、全ての一部には全部含まれた感情だ。……ったく。……別側面みたいに俺を分析しやがってさぁ、本当にさぁ……」

何なんだあれは。人工知能AIでも搭載されたようだ。溜息を吐く。AIもどきの人格にも、相変わらずの死ぬ願望も。

「改めて言うけど、
お前を殺させる気は一切ないからな。

 
絶対許さないってなったとしても、死ぬのは許さない。

 ……って言える程、別に俺、何も偉くもねぇけどな」
(-103) poru 2021/12/20(Mon) 3:36:30

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「やけに素直だな……こう言えば殴りはしないだろうが、
 多少噛みついて言い返すかと思……ン?……あー」

やる気が萎えたと言うよりは、冷静に言葉を交わして
その結果別の嫌な事が起こったみたいに見える。
勘が良すぎる訳でも、相手がわかりやすい訳でもなく。

「もしかして吸血したの、超絶に後悔してる?
 そんな俺の血ヤバい味した?いやまあ鉄臭いしな……
 自分の血ですら吐き捨てるくらいだし素に戻ったらそう」

さてこの言い方では気付くだろう。発想が飛躍しすぎてる。
幾ら勘が良いとは言え、だ。つまり“元々気にしていた”コト
それに関連してそうな態度が飛んできたからピースが填まっただけ。“あの行為の後吐いてた”のを知ってる故の。

「引き延ばし戦法は大体碌でもならないぞ。
 見ろ、実際俺が団を飛び出した。人の事言えないけど。
 …………。どうしてりゃよかったんだろな。

 あ、でもお前の問いは答え出せるわ。簡単だろ、
 「正しかった事」は有り触れてるから気付かないだけ。
 だから間違った時に許し合え、ってなるんでしょうよ」

そう、言うだけなら簡単なのだが。現実はどの口が言う?

  “ずっと隠されていた”。

その事が「自分は信じられていなかったのか」という事実を突きつけられたようで、あらゆる負の感情を生んだのも事実。何より──仮に、彼が明かしていてくれたとして、だ。自分が受け入れられていたのか、今ですら答えは出せない自分が、彼にいったい何を偉そうに言えるのだろうか。
(-107) poru 2021/12/20(Mon) 7:50:31

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「俺が考えてた事はさ。
 第二回ヨルムガンド喧嘩杯で言ったから割愛する気
 だったけど……そもそもお前、責めたり怒らないの?」

もしかすると割愛する事に怒られるかもしれないが。別に説明しろと言われればするし非難は受け入れる。そのつもりだった。まあこんな唐突にこの日が来るのは予想外だったが。

「何でお前を苦しめる必要が──ンン、…あるんだよ…
 あくまで前提は“俺が生きてる以上は”だからな?

 俺が死んだら俺、お前に“死んでいいよ”って言うよ。
 だってお前生きていけないだろ。傍にいたら殺すよ。
 お前が自分で言った“殺しても死なない”ように、
 
“生かしたって生きない”のが目に見えてるだろ」


自分で言うのも何だが、依存もとい存在理由にされている、その自覚は当然ある。どんな人間でもこんなに浴びると気付く。

なお謎の間に対しては、不幸にも意図せず芽生えた物を考えて貰うと答えは明白だろう。“そう言う意味”以外では必要はない。
  
「考えてた事、いきなり止められたんだけど。
 ……え、一番円満だろ。駄目なのか。
 他は……お前の血を全部抜いて別のに入れ替える。
 それか半分お前の血を貰って俺に半分突っ込む。交換。

 …完全に消し去るのだけはとうとう見つからなかった。
 まあ、そらそうだよな。血に貴族物質が混ざってないし」

貴方に別れも告げず、騎士団から何かパクって、
こんな街までやって来てうっかり洗脳にかかったり
そんな旅路で探して為そうとしていた行為が
これ
である。
(-108) poru 2021/12/20(Mon) 7:55:03
エアハートは、わかっているが、最悪である。
(a22) poru 2021/12/20(Mon) 7:55:20

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

 
「どうかしてたのはアイツの方じゃないのか?

 いやハニトラ引っ掛かってたみたいなもんだけど、
 これ俺が俺を殴る羽目になるから助けて欲しい。

 何、不味くなかったの。
 あれさ、酔っぱらうのって、誰相手にでもなるのか?
 ならないなら、俺実は大して気にしてないぞ、そこ。

 って言うか異種族系のハーフには何も言わないだろ、俺
 ……まあ、貴族嫌いだから、信用薄いのはわかるけど、
 吐くほどビビらなくても引かねえから。…悪かった」

誰相手にでもなるなら別の意味でまた拗らせるのだが。何せ、彼が吸血した行為を見ただけなので、条件やその他諸々は全て知らない。となると、サラリと聞いてはいるが、割と回答次第では恐ろしい事になるのだが表面上はシレっとしている。

この顔に敬語をつければ、もう折角分けた二人も見分けが付かないので、つまりはやはりアイツもエアハートとの判断は、その通りなのだろう。どうかしてたのはアイツでハニトラしてたのもアイツ(自分)で色々拒否したいが。

「まあ何も言わないで居続けたのが発端なのはそう。
 でも、普通にお前はお前って言えたら終わった話だ。
 ……けど、ごめん。俺は、思いたくても思えなかった。

 はは、嫌いな存在と同じ事してるのに、理解してるのに
 …感情がついてこないんだよな。俺に、お前に、貴族に
 最終的に世界にまであらゆる負の感情を向けた。

 こうやって偉そうに言ってるけどさ、結局一緒なんだよ。
 相手を信じ切れなかったの。むしろ、俺の方が根深い」

あくまでフランドルは、元々貴族が嫌いと言ってる相棒に受け入れられないのを怖がっていたにすぎない。そして、実際本人ですらそれを否定できないなら、単に貴方は物事を正しく認識していたにすぎない。赤ん坊じゃあるまいし、血筋は決められるものでないのだから、それを受け入れられない自分が駄目なだけなのだ。
──そこで、駄目だから「血を消そう」と言う方向に言った上に、素直に謝罪しないで思い立ったが吉日と飛び出すのが本当に悪癖なのだが。
(-144) poru 2021/12/20(Mon) 17:46:12

【秘】 残氷 の エアハート → 残影の フランドル

「って言うかお前、条件付きとはいえ、
 体内の血ひっこぬかれる事自体は別にいいんだな。
 俺は生命力タンクだから別にいいけど。血気盛んだし」

正直、いいと言うと思ってやってたけど。拒否されても割と無理やり「じゃあ俺が拒絶するのとどっちがマシ?」と最悪過ぎる脅しをしていたかもしれない。やはりハーディとエディは同一人物である。念のためフォローをしておくと、普段こんなにヤバい訳ではなく、貴方に対してだけヤバくなるだけである。

「……複雑だよ。散々貴族を嫌ってたし、今もだし。
 一族の仇って言う嫌悪に、嫉妬もあるんだよなこれ。
 100%拒絶にはならない。嬉しくは当然ないけどな。

 ただ、……そもそも、こんな手段を取ってる時点でさ。
 お前の全てを受け止められてない。…不甲斐ないけど。
 なら、俺も無理に俺のエゴをぶつけたなら受けなきゃ。
 せめてお前に与えていた苦しみも分け合うべきだって。

 それもエゴだろと言われたらそうだけどさ。
 ……ゼロにはならない。蟠りも全部消えるとかじゃない。
 でも、俺を俺が納得させられるのは、これって思った。
 「お前の傍にいていい存在じゃない」とも考えてた。
 けど血混ぜて半々になったらまあいっか!ってなるだろ」

余りにも暴虐──横暴の極み──
なのだが、「どうしても受け入れられない部分」の解法だ。
なお方法を聞かれたら、呪術とか恐ろしい部類の方向が大量に出てくるし、「生命力を使うマジックアイテム」の存在を求めていたのも、この時の魔術の魔力源や動力源に使うつもりだった。

最も、あらゆるマジックアイテムで一つの家に戦争を吹っ掛ける勢いの攻撃をする予定か?としか見れない量なので、つまり本命は家自体を潰すのが第一候補だったようだが。まあいずれにせよ、できる状態まで持ってきていたと言う事だ。そうでなければこんな話を言い出さないし、とっくに戦争は起きていた。

最も、念には念をで、治安と地形から血の入れ替え術式の実行に相性が良いこのヨルムガンドに来たのが運の付きで、後の黒歴史で、何故かもう一人生える謎過ぎる結果になったのだが。
(-148) poru 2021/12/20(Mon) 18:25:42

【秘】 残氷 の エアハート → 騎兵 リーゼロッテ

「……本当に、全部リーゼロッテの言う通りと思うんですが、
 その、多分可愛らしい女の子が使う口調なのに、
 それでいてかなりの猛者。更に割り切れている。
 ギャップがそう、多くの人を驚かせるのでしょうね」

『狂ってる』とまでは言わないが、そう言いたくなる意図はわかる。人間だれしも異端だったり感性の違う相手を恐れるから。

「割り切れずに苦しむ人も多い中、やはり貴方は強いですね。
 強い者は強い故に、己の水準を人に強いたりするのに、
 どうにもそれを感じさせない。

 貴方が貴族じゃなくてよかった。
 そんな気持ちと、貴方みたいな貴族がいれば……いえ、
 無意味な仮定はの話は止めましょうか」

なお、コイバナに関しては笑顔で誤魔化した。誤魔化した。
これは貴方以外に対しても同じ事をしていたのだが。

「……私も、理解できないですよ。
 でも、淘汰の結果、と言うのは、そうですね。
 そうなのかも、しれませんね。……」

『そうであってほしい』と自分が内心思っているだけでは。
それでも、人に肯定されれば落ち着くものだ。
特に彼女に対して、一方的な親近感をこの男は抱いていたから、それは尚更だった。貴族嫌いにも、口を出さなかったから。

小さく、ありがとう。と呟いた。貴方に意味が分からなくても、この男にとっては凄く大きな、ある日の会話だった。
(-159) poru 2021/12/20(Mon) 20:56:18

【秘】 残氷 の エアハート → 元騎士 フランドル

 
「え?いや、別に。俺だけでよかったけど。
 まあ言いたい事はわかるけど、人間貴族と吸血鬼がこう、
 そもそも突拍子もなさ過ぎて、
 異能の一部な感覚でさ。俺にとっては。

忘れがちだが独占欲の塊である。貴方が他を向かないと信じているからこそ束縛がないだけであって、ある意味表向きはまだカラッとした性格に見えているのは貴方のお陰、とも言えるのだろう。

「なので、まあ。今までもし、
 俺に引かれると思って我慢してたならさ。
 これからは、吸いたかったら吸っていいよ。いつでも。
 ……いや、衝動によるもので
 毎回後悔するなら止めとけするけど。

 でもこれさあ、血が半分になったらどうなるんだ?
 自分で自分の血啜りだすならエクソシスト呼ばないと…」

無論冗談半分、半分はその特性だけ祓おうとする半分。
別に血を捧げたって、気にやしないのだ。
なんせ別に半分丸ごと上げるのにすら躊躇しない男なのだから。
(-160) poru 2021/12/20(Mon) 20:57:19

【秘】 残氷 の エアハート → 元騎士 フランドル

 
「夢が万が一叶っても、
 死後にバレて俺に詰め寄られてたかもだ。
 それに、息苦しいだろ、隠し続けるお前もずっと。

 ──『全部』は受け入れられない。
 元より物語から弾かれたような場所の生まれの俺達だ。
 全てを平等に、在りのままに肯定する公平な騎士様。
 そんな綺麗な人間にはなれなかった。
 お前の言う夢は消えた。

 でも、内心で怯え続けるお前と、それに気づけない俺。
 そんな夢なら、壊れちまってよかったと思う」

何度目だったか。3度目だったか。
本当にこいつは、と言いたいのを堪える。
ほら見ろ、結局1発殴る事すら忘れてるじゃないか。

「お前、ほんとその点だけは心配性だな。
 別に靡いた事は……組織はノーカンな?洗脳だしな?
 ないんだから気にすんな、って言っても気にするんだろうなあ」

自分がこんな手段ではないと割り切れないように。
理屈は簡単でも実行に移せない事だって幾つもある。
そう言えば、実行と夢で思い出した事があった。

「お前が気付いてないだけだよ、フランドル」

 
(-161) poru 2021/12/20(Mon) 20:58:17

【秘】 残氷 の エアハート → 元騎士 フランドル

 
「…覚えてるか?俺達騎士になるの、死ぬほど苦労した。
 入るまでは馬鹿にされて、入っても“やれ下級市民が”

 皮肉なことに路地裏で得た、闇討ちと脅しの技術が、
 お坊ちゃん育ちが多い騎士団に多いのはちょっと痛快でさ。
 下手すると、路地裏生活の頃にパンを盗んで捕まって、
 店主に1時間蹴られ続けてる方が楽なくらいだったのに、
 それでも夢物語と言われてた騎士になって──

 ──そんで、あっさり捨てた。
 お前は見切りをつけかけてたけれど、俺は結構さ、
 気に入ってたんだ、騎士様。物語に自分が成ろうと思った。
 実は思ってたんだぜ?でも、お前の事知って、捨てた。
 捨てられる程度の事だったんだよ。あんな努力したのに」

思い出話を騙りながら、地図を取り出す。
騎士団から飛び出した際に使っていたもの。勿論盗品。
でも、だからこそ正確で、行き先だって無数にある。
不意に、「そろそろ気づいたか?」と呟いた。

「俺の世界には、最初からお前しかいなかったんだよ」


動機が怒りや妬みや嫌悪だとしても。
それでこれから再び取り返せない、自分が持っていた全てを、
投げ捨ててしまえるなんて、考えなしでももう少し考えるだろう。

「だから、待たせた分、見せてやるよ。影だと言うなら、
 お前がより強くなる、とびきり眩しい場所に。
 ──な?
“残影”
さん?」
(-162) poru 2021/12/20(Mon) 20:59:15
エアハートは、残影の意味を知っている。
(a58) poru 2021/12/20(Mon) 20:59:22

エアハートは、かすかな、それでも確かにそれは“光”の意味だと。
(a60) poru 2021/12/20(Mon) 20:59:32

エアハートは、貴方は私の影で、剣で、
(a62) poru 2021/12/20(Mon) 20:59:41

エアハートは、何もない路地裏で見出した、
(a64) poru 2021/12/20(Mon) 20:59:46

エアハートは、目に焼き付いた光/残影だった。
(a68) poru 2021/12/20(Mon) 20:59:51

 




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