人狼物語 三日月国


113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】

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オーウェン! 今日がお前の命日だ!

「―――えぇ」

そうであると。
貴方も思ってくれること。

「私も、とても嬉しい」

以前と同じ事を。
以前よりも柔らかな表情で返した。

実験体や奴隷に近い扱いを受けていたという所はもやりとしたものが燻ったが。

似ているなと思った事も、あるのだ。
掃き溜めで生まれたこと。拾われたこと。救われたこと。
形は違えど、『親』を手伝っていたこと。
どうあれ、最期を見送ったこと。

食事も決めきれなかった貴方だ。
なし崩しになったとはいえ、仕事が勝手に舞い込んでくるものでもない冒険者という職には苦労したのだろうと思う。
実際に難儀している所を見た事だってあっただろう。

「……何故、その方が貴方に自身を殺すよう命じたのか。
理由はわからないのですか?」

その魔術師は最期に何を思ったのだろう。
つい、そんな疑問が口をつく。
―――貴方を困らせたり傷つけるような問ではなかったか。
言いたくなければ無理には、と慌てて添えた。

ミズチは、乾杯をした。チンッ>>-40
(a14) 2021/12/20(Mon) 0:50:12

ミズチは、今は目で物を見ている。フェリックスを見返した。
(a15) 2021/12/20(Mon) 0:51:11

ミズチは、手足と関節部でなければ、手触りは人間と変わらない。
(a16) 2021/12/20(Mon) 0:51:14

ミズチは、触れられた。覗き込まれた。
(a17) 2021/12/20(Mon) 0:51:20

ミズチは、それで、何だろう? 首をかしげてフェリックスの返答を待っている。
(a18) 2021/12/20(Mon) 0:53:37

ミズチは、「記憶」 ミズチは復唱した。
(a19) 2021/12/20(Mon) 2:40:37

ミズチは、・・・・・・・・・・・・・。
(a20) 2021/12/20(Mon) 2:40:50

ミズチは、「……?」
(a29) 2021/12/20(Mon) 13:29:06

ミズチは、「ないが」
(a30) 2021/12/20(Mon) 13:29:13

ミズチは、「ないが?」
(a31) 2021/12/20(Mon) 13:29:22

ミズチは、「ないが。」
(a32) 2021/12/20(Mon) 13:29:28

ミズチは、・・・・・・・・・・・・。
(a33) 2021/12/20(Mon) 13:30:17

ミズチは、葡萄酒をちびちび。いっぱいの縁から酒は零れ落ちなかった。
(a34) 2021/12/20(Mon) 13:30:28

ミズチは、・・・・・・・・・・・・。
(a35) 2021/12/20(Mon) 13:30:31

ミズチは、葡萄酒をちびちび。
(a36) 2021/12/20(Mon) 13:30:38

ミズチは、・・・・・・・・・・・・。
(a37) 2021/12/20(Mon) 13:30:44

ミズチは、葡萄酒をちびちび。飲み切るまで沈黙した。考えた。そして、
(a38) 2021/12/20(Mon) 13:30:49

ミズチは、空の杯を見つめたまま。
(a39) 2021/12/20(Mon) 13:33:03

"あの頃生きていた自分"と"今ここにいる自分は"違うと認識している。前世の記憶みたいに。他人事というには近くて、自分のことだと言うには少し遠い。
でも確かに身体に刻み込まれている記憶は、掘り起せば
じわじわと。蝕むように蘇ってくる。あれは自分だった。

「あの時、殺せと命じられたのは──"家族"」

「目の前に用意された、見たことのない人間を殺した記憶はある。……おれはたぶん、それを家族だと認識できなかった」

生みの親の顔なんて覚えてなかったから。
だから、本当に命令通りに家族と思っている者を殺しただけだ。

「"殺してみろ"」

「"身内も殺せないような脆弱なヤツはいらない"」


彼の最期のことばは、それだった。
そこからもう命令してくる声は二度と聞こえなくなった。

「…………それだけだ」

せめて苦しまないように、即死できるような殺し方をした。
何を思い、死んでいったなど、知る由もない。
もし、死人に口があったらと考えると
その時、はじめて……恐ろしいと感じた覚えがある。

「おれはきっと、捨てられるのが怖かったのだろう。
 だが、その行動の矛盾に気づかないくらいどうかしていた」

しかしそれも、もう昔のこと。
今更困ることも、傷がつくこともない。
もしそうだとしても、そんな顔は貴方には見せない。

「………おれが、貴方に命令を乞うたのも
 そういった生き方しか、してこなかったからだ」

これは、前にも同じようなことを言ったかもしれない。
最初から、貴方でなくてはいけない理由なんてなかった。
誰でもいいからただ使ってくれればいい、簡単で単純な願い。
それだけで救われていた。

ただ、貴方の下す命令は、いつも知らない感覚を覚える。
だけど、その自身の望みによって、貴方の役に立てることに
感じる喜びは、いままでのものは同じようで、すこし違った。

「……でも、おれは貴方のおかげで、少し自分の望みを
 許せるようになった、気がする……」

きっと様々な生き方があることをこれからも知っていく。すこしづつ、明りが灯るように、見える景色がひろがっていく。

「……………ああ、そうか…………」
「だから、」

何かに思い至ったように口を開く。

「これからもそれ
<喜び>
をおれに教えてほしい」

この街は、きっとこれから変わっていく。貴方が言っていた『より良い日々』かもしれないし、そうでないのかもしれない。


ただ、確かに言えるのは。どう景色が変わっていこうとも
番犬は──エドゥアルトは貴方の傍にいる。

ミズチは、死体になれます  生きています  。なりたいでなく、なれます。
(a41) 2021/12/20(Mon) 19:34:05

ミズチは、ようやく、そう思えました。
(a42) 2021/12/20(Mon) 19:34:10

ミズチは、「ありがとう、フェリックス」 感謝を述べて。それから、
(a43) 2021/12/20(Mon) 19:35:24

ミズチは、もういくらか彼と言葉を交わし、別れを告げて去っていった。「それではまたいつか。良い旅を」
(a44) 2021/12/20(Mon) 19:35:59

くそったれ。


顔も知らない魔術師に思ったのはそんな言葉だ。
それでも貴方にとっては『家族』であって、捨てられたくなくて、大事な人だったのだから。

これもまた言葉を飲み込んで、素知らぬ顔でいるのだ。

「……それは、仕方ありませんよ。
だって、知りもしない『肉親』を家族だなんて思えないじゃないですか。
だって、貴方にとっての『家族』はそれぐらい大事だったんじゃないですか。
見捨てられたり失望されたり、したくなかったのでしょう」

自分だってそうだと零す。
少しの行き違いが起きて、これはその行き違いが取り返しのつかない事だった。
『それだけ』の話。
……そう思わないと、どうにも、誰も救われない話。

切欠は互いの声が聞こえた事。
理由がどうあれ、『より良い日々』を共に想ってくれた。
貴方の喜びが、もっと広がればいいと思うのだ。

「―――えぇ。
私が知るものを全部、教えましょう。
貴方が自分のそれ
<喜び>
を選び取れるよう。
もっと、たくさんの事を」

この街はまた、変わっていく。
良い方にも悪い方にも。
きっとどちらにも傾いて、最後にどこに辿り着くのかはまだわからない。

「……今度、屋台にでも行きましょう。
私はチキンが一押しですが、まだおいしいものはたくさんあります。
貴方のお気に入りを探してみたい」

それでも、きっと昨日より『良い日々』になるだろうと思う事ができる。
灯りに照らされ伸びる影は、もうひとつだけではないのだから。

ミズチは、さみしい。ずっとさみしい。それを知っていても、さみしいところから動きませんでした。でも、
(a65) 2021/12/20(Mon) 20:59:47

ミズチは、今までよりももう少し、さみしくなくなるように生きていけます。歩いていけます。
(a67) 2021/12/20(Mon) 20:59:50

もうさみしくない ミズチは、メモを貼った。
(a69) 2021/12/20(Mon) 20:59:53

 




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