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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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ソニーマウロを見張った。

ソニーマウロを殺害した。

【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ

2月、花祭りの名残のある日和。窓の外には白い小花があちらこちらに散って見える。
いつかの日。遠く過ぎ去った春の日。
思い返すのは青年か、貴方か、どっちだったろうか。

ニュースにもならないような小さな話だ。
路地裏でたむろしているチンピラの一人が街から居なくなったという。
あるものは出稼ぎでも言ったんだろうといい、あるものは夜逃げでもしたかといった。
島の上から社会の益にもならない人間がひとりきり消えていったところで、誰も問題にはしない。
そんな誰かの名前なんて、誰も覚えていやしないはずだった。

いくつかある貴方の隠れ家の内、たかだかの駒であっても知れるような場所。
一つくらいは他のカモフラージュのために、近しい人間には明らかにしていたところがあったのだろう。
ちょうど貴方がそこに滞在していた頃、貴方が世話していたうちの子供が尋ねてきた。
子供、なんて言ってもとうに成人してから2年は経っていて、孤児院からは離れていて。
そのくせまだ日雇いやアルバイトを転々として身の置き所も定まらないような問題児だ。
ソレが意味のある言葉をやっと長く繋げて日々の報告だとかを向けてくるようになった頃から、
ずうっと貴方の手を煩わせてきた、ちょろちょろと周りをうろつくだけの、ただのガキだ。

「先生、居る? 留守かもな……忙しいって言ってたし、こっちには居ないかもな」

貴方が滞在している時に青年がちょうど訪ねてきたのは、おおむね偶然だったんだろう。
同じ組織の中にいるのでもない子供が貴方のスケジュールを把握しているわけもないし、
どこで今何をしてるか、だなんて聞ける相手を、知っているわけでもない。
気まぐれな生き物は、訪ねてみてから連絡すればいいか、なんて楽観的に考えてもいたのだろう。
インターホンを押して数秒。待つこともうしばし。貴方は顔を出してくれるだろうか、なんて。
そわついた素振りをして、窓に映した自分の顔を見ながら髪型を整えたりなんかしていた。
(-1) redhaguki 2022/08/24(Wed) 23:25:52

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 天使の子供 ソニー

その昔、冷たい風が肌を撫でる季節。
春の訪れがまだ見えないのをいいことに暖炉にくべる薪を増やして、男は部屋に引きこもる準備をしていた。
外回りをするといって定期的に向かういくつかの隠れ家、人の暮らしている形跡を普段から残しながら使わないと脆く朽ちていく家具たちを消費する。掃除は嫌いだからハウスキーパーを雇いつつ、だ。

一息ついたところで鳴り響くインターホン、体を動かさずともスマートフォンから監視カメラの映像を確認する。映ったのは嫌でも心を揺さぶらせる子供の姿だ。子供、なんて言ってもとうに成人してから2年は経っている、立派な――社会の一員になるべき俺の駒の一人。

「あいつ、今の状態の俺に会いにくるなんて。
 どれだけツいてないんだ」

居留守を使うにも幹部として確かめなければいけないことがある、今この目の前の子供が敵であるか。排除しなければいけない対象であるのか。
家具の隙間に隠してある拳銃の弾の段数を確認して再び戻し、数秒数えてため息をつけばネクタイを緩めて玄関へと向かう。
あのニュースにもならないような情報がひどく頭で響いていた。


ごきげんようBuonGiorno、ソニー。
 ……仕事終わりで今から休むところなんだ、風呂に入りたいんだが話は長くなるか?」
(-2) toumi_ 2022/08/24(Wed) 23:58:00

【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ

「!」

足音が聞こえて来たなら慌てて姿勢を正し、すぐに開くのだろう扉の前に直立に向き直る。
別にそれも大きな音じゃない。今までの多くのために培われた教育と資質の賜物だ。
それでも今、いつかの未来よりも一層立ち振舞いはあからさまなくらいにわかりやすい。
唯人、ごく普通に市井を生きる一般人とは一挙手一投足の洗練のされ方まで違えてしまってるくせにだ。

ごきげんようBuonGiorno、先生」

扉の隙間から見えた姿にほとんど飛びつくみたいに、一歩踏み出して両頬にキスを交わした。
別に特別なものじゃない、ふつうに人々が交わすバーチョだ。右に一回、左に一回。
けれどもなんとなく緊張だったり落ち着かなさだったりの滲む動きはほんのり不自然だし、
それをごまかすために一度唇を歯のうちにぎゅうと巻き込んでから笑顔を作って見せもするし。
貴方に対してはどうにもばかばかしいほど隠し事の出来ない男が、誰某れからの刺客である筈もなく。
けれどそこまでわかっていたって、背に回したままの片手には目を留めるだろう。
ちら、と自分の背中に一度目をやってからそれを取り出すんだから、凶器であるはずもないのだが。

「コレ、花祭りの季節だからさ。その辺の枝折ってきちゃった。
 忙しいトコごめん! どうしても先生に話したいことあったんだけど、ダメ?」

目の前に差し出されたのは白い小花をつけた木の枝だ。言う通り、勝手に折ってきたのだろう。
もちろん街路樹を傷つけるなんてのは良いことであるはずもないのだが、
チンピラ上がりの青年には、目先のこと以外はどうにも後回しにしがちなんだろう。
未だに、一生相手の背丈を越せそうにもない小柄な上背の上にくっついて見上げる顔は、
簡単に用事だけ済ませて帰るつもりはなさそうな、既に名残惜しそうなさみしげな表情をしている。
(-3) redhaguki 2022/08/25(Thu) 0:20:45

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー

「それがっ、妄想だというんだっ
 あの方は、お前をいつも気にかけていただろう……!」

俺が何を持っているというのだろう。
確かに俺は可愛がってもらったが、上司の愛はお前のものだっただろう。と、男はそう思っている。
自分たちの間にあるのは、主従の関係であって、同じ高さに居るものではない。
父も母も、最初からいなかった。
養親は、最悪の人種だった。

今はただ、上司への敬愛と、幼馴染への親愛で生きている。

愛など、そんな不確かなもの。
俺は知らないし、要らない。

「んぅ……、っ、奪ってもないものの返し方など、知ら、ぃ、あ」

拭う手付きですら、快感にしかならなくて、
それで吐息をかけられれば、素直な身体はぶるりと震えた。

上司ですら、俺のものではない。
俺が、上司のものであるだけ。
元々俺のものでは無いものを返すことなど不可能だ。

(-4) eve_1224 2022/08/25(Thu) 0:38:43

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー

だからこのアイオライトのピアスは結局、どういう意味を込めていたのだろうかと、耳を弄られながら思う。
やっぱり、犯し恨みをぶつける相手を、狙いを、俺に定めたという意味だったのだろうか。
それは、この男にしかわからないことだ。

――ぎくり。


転がされ、告げられた言葉に心臓が鷲掴みにされた気分になった。
女相手ならともかく、男相手に性行為などしたことがなく、そこは、堅く閉ざされたままだ。
何をされるのかは最初から理解はしていても、簡単に受け入れられる身体になどならない。

それでも、気持ちいいよりも、痛い方がいい。
なんて、欠片だけ残った理性が叫ぶ。

「……はっ、どうせなら泣き叫ぶほど痛くしてしまえ。
 愛撫なんぞ――――」

異物が。まさぐる。
どうして優しくしようとするのか、理解が出来なかった。
(-5) eve_1224 2022/08/25(Thu) 0:39:30

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 天使の子供 ソニー

(ここも引っ越して……
 あえて残して仕事場に泊まっていることにするか?
 いや、完全に姿を消すような真似は怪しまれるな)

見える範囲のスキンシップは激しくなってきて、つるんでる連中の色も怪しい。おまけに色事がなんとも褒められたものではない噂が飛び込んできたんだが、信じられなくて監視の目を閉じてからもうどれぐらい過ぎたか。仕方ない身分なのはしっているが、本当に苦い虫を噛んでる気分には変わらない。

そんないつでも己の懐に入って幹部様を刺せそうな子供が差し出すのは白い花だ。警戒する方がバカらしくなってくる。

「……用が済んだら帰れよお」

頬に口づけを返して家に招いてやる。暖まった空気が余所者を迎え、玄関に向かう前に電源をつけておいたコーヒーメーカーから豆がが薫っているリビング。
ソファーにその疲れきったを沈めれば隣を開けてやった。

「話したいことって?例の話だったら
すまないな


 あのしつこい就職の催促なら俺のせいだ。
 この間ソニーが早く自立している姿が見たいと愚痴ってやったからな、次にあったら叱ってやると息巻いていた」
(-6) toumi_ 2022/08/25(Thu) 1:01:37

【秘】 天使の子供 ソニー → 銀の弾丸 リカルド

「そうだね。……でもオレだって、此処にいなかったらアンタの位置に居たかもしれない。
 わかってる、オレが此処に居るのは蔑ろにされてるからじゃない、わかってる……」

伝わっていないわけじゃない。疑っているわけじゃない。
だからといっていつだって、納得出来るわけじゃない。納得したくない、わけでもない。
肩を押しやって添えられた手、その指にひきつったような力が込められた。
貴方が彼の隣に居るのは己とは何も関係はなく、逆も然り。けれど、羨ましいのは変わりない。
そしてその決定を疑ったり覆したり――彼の決定を間違いだと言いたいわけえでも、ない。

不意に背中に水が落ちた。一滴、それだけ。
読んでいる途中の本を曲げ広げるみたいにぐ、と背中に掌を押し当て、上体を下げさせる。
濡れたシャツの絡んだ腕はその上。後ろ手に腕を組んだような形で固定して、そのまま。
安くはないものの柔らかくて沈むようなソファに、肩と膝とで身体を支えさせる。
肩の力だけで立ち上がるにしたって、普段どおりに動きやすくとはいかないだろう。

「ああ、痛いのが好きだった? 知らなかったな、その情報は。
 でも苦しめるためにやってんだからそんな気が楽になるようなことするわけないだろ。
 ……煙草の、匂いがする」

背中に落ちる視線は痛く刺さるようなものじゃない、どこか、遠くの景色を見ているような。
薄く透けてしまいそうな曖昧で、何も見てやしないようなかすかなものだった。
ふ、と口にしたのはどこか肌に染み付いた残り香だったかもしれないし、錯覚だったかもしれないし。
背筋からするりと腰のほうまで上がってきた手は、尻肉を親指で押し広げる。
急に蹴りつけてきたり暴れたりしないように余った手で抑えながら、覆いかぶさるようにして。
つ、と舌先が触れる。まだその先を想像したこともないだろう窄まりを、尖らせた舌がなぞって。
皺の一つ一つを外側へと押しのけるように、ゆっくりと動かす。唾液が滴って跳ねる音がした。
深い呼吸が舌の付け根から落ちるように聞こえる音と重なるそれだけで、
見えないところで自分の身体に何をされているかっていうのは、感触を含め想像はつくだろう。
(-7) redhaguki 2022/08/25(Thu) 1:58:56

【秘】 風は吹く マウロ → 天使の子供 ソニー

舌を絡ませて、口内に残る酒気が混ざり合っていくのを感じる。
喉を鳴らす音に、ぞくりとした感覚。
自分のちょっとした支配欲のようなものが刺激されたような。
身体を触れさせる代わりに、口付けは主導権を握ってやると言わんばかりに 貪るように深く。
鼻を擦り付けるような様相には、まるで犬のようだななんて思いながら 耳から後頭部に移した手で口付けを深くする手伝いとしていた。
お互いの口端から唾液が零れていくのも構わず、浮かされたように暫くそうしているだろう。

「ああ、クソ……それも、そうだ」

納得させられてしまうのが、ほんの少しだけ腹立たしい。
その感情の矛先は自分なのか、相手なのかは分からなかったけれど。
そう思ってしまえば、この状況を受け入れるしかなくて。

青年のそれも、このシチュエーションと酒が入って興奮気味であることもあいまって。
口付けの高揚もあったものだから、常時よりも張って その存在を下着の下で主張し始めていた。
ボクサーパンツの中で窮屈そうにしているのが見て取れる。
君の物が擦り付けられるのなら、小さく声が漏れて。
お互いの興奮を感じ合う事で、更に下半身に熱が溜まっていく。薄らと下着も湿っていくのだろう。
君の見上げた青年の顔は、薄く目を開けてはいるけれど 眉間に皺を寄せて、先ほどよりも紅潮しているのがはっきりとわかるだろう。
自分のそれを誰かの前で触るのは憚られて、
だから、少しだけ君の張り詰め始めている性器の先の方を下着越しに触れる。
時折、爪の先で強く弄ってみたりして 殊更に興奮を煽ることが出来るだろうか。
(-9) otomizu 2022/08/25(Thu) 3:39:12

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー

大事だからこそ遠ざけておきたいという思考は理解できる。
そうだからこそ、自分たちマフィアの世界に巻き込みたくないと思うのは当然の理だ。
それくらい、本当はこの男だって気づいているんだろう。
だからこそ蟠りが燻って、恨みとないまぜになってしまっている。

雫が背中に流れて、それが何なのか気づいたけれどわからない振りをした。
泣いているのか、と。
指摘したってどうにもならないことだし、隠そうとしているのだからそれに合わせてしまったほうが良いだろう。

代わりに、少し、押し黙ってしまったけれども。

そもそも体勢がもう、自由に喋ることを許してはくれない。
腕の自由を拘束された上で腰だけ上げれば、自然と顔は下に突っ伏してしまう。
柔らかなクッションがあるからこそ痛くはないが、大きな声を出さない限りはくぐもった声になってしまうことだろう。
完全に屈服させられている姿勢に、触れられている事に、流石に快楽とは別の羞恥心が大きくなった。

「――――っ!! な、に……をっ」

その煙草の香りは、上司が使っている物と同じものだ。
いつも買ってこいと言われるから、同じものを用意したら喜ばれたからそうなってしまっただけで他意はない。
それでも、この男が同じ香りをさせていることについてどう思うかは話は別。
受け入れるのを決めてはいても、やめろ、と。叫んでしまいたい気分だった。
痛くされないのはまだしも、まさか、そんな所を舌で刺激されるなんて思わない。
柔らかな感触が堅く閉ざされた窄まりをほぐそうとしているのが、ひどく気持ち悪いキモチイイ
動く度に喘ぐ声は、クッションに溶けて消えていく。
身体が根本的に作り変えられていってるような、そんな気分だった。
(-10) eve_1224 2022/08/25(Thu) 8:01:01

【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ

今も昔も、そんなふうに案じられているなんているのはいざ知らず。
心はとうにずうっと飽きもせず途絶えもせずに貴方のものだ。けれど相手はそうではない、と。
大人と子ども、相手にされやしないものだと内心仕方なく思いながらに追いかけ続けていた。
とっくの昔に捧げた心、それ以外の身体だとかっていうのはどう振る舞おうが構わないと考えていた。
今更操立てして他に目移りすることがないなんて示したところで、何か意味を成すわけじゃないのだし。

聞き方を変えれば長居はするなと嗜められているようなものなのに、大層嬉しそうに笑う。
それがなんとも得意げそうなのだ。別に自分の功績ではないんだけれど。
いつまでたっても子供っぽさの残るような仕草も、垂れ目の童顔の上では浮いても見えない。
あなたの前じゃいつだって、背伸びをしただけの子供だった。

跳ね回るように後ろをついて歩いて、当然のように開けられた隣に座って足を伸ばす。
ぽきりと折られた白い花の枝は、挿す花瓶も都合よく空いてるわけじゃないから、
適当にテーブルの隅っこに置き去りにされてしまう。季節の花を見せたかっただけなのかもしれない。

「そうなの? ちぇ……そのこと報告に来たんだけどな。
 オレだっていつまでもあちこちほっつき歩いてるワケじゃないよ、ホント。
 最近はバイトだって続くようになって来たし……」

隣にぴったり座っていたって尚身長差を感じるような小柄な体躯とは裏腹に、振る舞いはいっぱしだ。
いっぱしのチンピラだという意味でしかないけど。放っておきゃもっと始末に追えなかったろう。
心配をかけてばかりの生き物は、言い訳めいた言葉を吐くごとに段々と声を小さくする。
ちら、と怒られる気配を察したみたいに、上目遣いに貴方の目を覗き込むのだ。

「先生もやっぱ、……困ってた? オレがいつまでもフラフラしてるから……」
(-11) redhaguki 2022/08/25(Thu) 8:37:31

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 天使の子供 ソニー

「ああ、早く一人前になって」

ノッテの刺客かと疑われたソニーのファミリー加入は容易でなかった。孤児院はマークされているし、なによりも俺と仲がいいことぐらい監視の目があればいくら誤魔化しても知られるのだ。

「まともな金を稼いで、家族たち孤児院に出来るようになれ。
 懐の余裕は心の余裕だ。しっかり背広を着こなすお前はそれはいかした男になるだろう」

であればできることは余計な接触を持たず、子供たちがいる所でのみ会話し、こうした密会など持っての他で、とっくに気づいているその熱のこもった瞳を見つめ返さないようにすることだ。
あの事件さえなければ変わっていた距離感感情に気づいてはいけない。


うまくいったのはたったひとつのコネだ。
先代が救ったアルバの知人幹部はひとつだけ何かを融通をしてくれると約束をしていた。彼が亡き今通用するとも思わなかったその願いを聞いてくれたときは、ただではつぶれない組織になると感嘆したものだ。合併の推進派はすでに押し込まれて、互いに敵対をしている立場。互いの信用と誓いの証は、二度と接触をせず全て管理を任せ、情報を渡し合うことをしないことに収まった。

「なんだ?今さらか、お前の振るまいには困ってたさ」

視線は白い花に注がれている、さてこいつの種類はなんだったか。手は伸ばさずにただただ見ている。

「なんせ俺はお前をずっと見てきたんだからな、
 この間だって医者に胃に穴が開く寸前だと言われた」

誤魔化してばかりの人生だったが、これは真実である。
(-12) toumi_ 2022/08/25(Thu) 10:06:59

【秘】 ザ・フォーホースメン マキアート → 天使の子供 ソニー


役に立ててる気分になれるから、身体を求められること、求められた分だけ返すことが好きだ。
その間柄に偽りのない愛情がこもっていれば申し分ない。

腰を導かれる間、切羽詰まった声で何度か名前を呼んで。散々愛撫で翻弄された尻穴に熱いものが宛がわれると、本能のもと待ち侘びたとばかりに咥え込んでいく。

音にならなかった喘ぎを荒々しく吐いては、今度は浅い呼吸を繰り返し、視線を下に落として表情を窺う。見るまでもなく心地よさを感じてくれてるのだろうけど、それでも。

「あ───……入っ、ぁ゛、
 気持ちい、ソニー……キミも、オレの中……イイでしょ?」

額に触れるような口づけを何度かしたり、包むように両腕を回して肌を触れさせたり。こちらが辛くないように、という気遣いを細々としたところに感じると、人懐っこい笑みを零す。

陽物が抜けていく動きに合わせ絡みつくように肛を締め付けて、それから奥まで抉ってもらえるように緩める。客を喜ばせる為に覚えたことを、己が満足の為に卑しく行って。
でもそんなちょっとした余裕は、動きが速まるのであればぐちゃぐちゃにかき混ぜられ、やがてされるがままに。
(-16) backador 2022/08/25(Thu) 18:58:58

【秘】 天使の子供 ソニー → 風は吹く マウロ

「ん、」

きゅ、と眉根が寄せられる。抗議のようにも性感に落ち着かなさを覚えているようにも見える。
全てが演技なわけじゃない、得られた快楽を普段よりも深く受け取って、わざと弱気を曝け出している。
こんなところに連れ込んで、強気に出たところでそそらせることは出来ない、から。
自分から仕掛けたくせに文句の一つでも言いたそうな顔をして、深く深く息を吐く。
手先に誘導されて顎を上げ、絡み合う舌は相手に任せながらに時折顎の裏側をなぞった。
息の苦しいのをごまかすように、時折顎を引いて短い言葉を交わす。

「それ、好き、かも。もっと触って、マウロ」

甘えたように懇願して、時々額をこつりとぶつけた。堪らないものを伝えて、せがむよう。
布越しに擦れ合う陽物はだんだんと芯を持ち始めて、下着を引っ張る形の先に体液が滲む。
手の内で質量を増すごとにふ、ふ、と息が弾む。爪先が凹凸をなぞるとぞわりと背を震わせた。
恥じて怖気突いて、興が冷めてしまう前にと自分が先に下着の中から腫れた肉を取り出した。
充血して、亀頭は滴った先走りでじわりと濡れていて。望みを伝えるようにコツコツと腰を合わせる。
交差するように合わさった陰茎を片手で包む。筋張った指がふたつ、包み込んで擦りあげる。
互いの熱が混じっていくごとに、抑えが利かないみたいに腹筋に力が入った。

互いの頭のコントロールをすっかり相手に任せて、片手の指先を唾液ですっかりと濡らした。
片手は相手のベルトを緩めながらボトムの裾に入りこんで、さして自由の利かない空間の中で動く。
街路からのかすかな喧騒から隠れるように、ほとんど体勢は変えないまま。
そのくせこれからどうしたいか、表すように指は段々と裾から中へ、尻肉の間に入っていく。
尾骶骨を指が押し上げて、その下に捩じ込むように入り込んで。隠れた窄まりに、触れる。
長く、息を吐いた。

「……片足、ちょっと開いて」
(-28) redhaguki 2022/08/25(Thu) 23:07:20

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニー

音も無く、幽鬼じみた影が一歩、また一歩と近付いて。
それが発する声は、やはり随分と生気の削げたように聞こえる。
柔くも鋭くもなく、ただどこかうつろに底冷えしたその音を
対話とその他のどちらともつかない距離で聞いて、息を吐く。

「烏は選り好みをしない。
 仕事とあらば何だってやりましょうとも。けどね、
 身内の死体をどうにかしてやろうってのは、結構なことですが」

見せたくない、ではなく、見せてやりたくない。
敢えてそのような言い回しを選ぶ事から、身内のものと推測した。
それを選ぶ人間は、世に居ないわけではないけれど。

掃除屋に処分を頼む・・・・・・・・・って事が、どういう事なのか。
 あんたもわかってないわけじゃないだろうに……」

掃除屋に処分される。人によっては、それそのものが冒涜になる。
持ち込まれた遺体はバラバラに切り刻まれて、炉で焼かれる。
キリスト教圏では土葬が主流で、その理由を思えば、尚の事。

「……まあ、いいさ。
 それがこっちに一つとして利の無い仕事だったとしても。
 死んだ奴にだって、見るに堪えない姿を晒さない権利はある」

「お時間頂けりゃ結構。どうせ後は時間潰しだ」

どこか冷めた声色は、あなたのそれとはまた異なるもの。
何ら信の置けるでもない相手からの、大した益も無い仕事。
それでも理由はどうあれ了承を返して、何処へも足は向けない。
一度相手の言葉を待つ。用事のある者・・・・・・は何処に、と問うように。
(-29) unforg00 2022/08/25(Thu) 23:33:58

【秘】 天使の子供 ソニー → 銀の弾丸 リカルド

たいそう大事にされていたのだろう男は、けれども背中に隠されていた時間が長すぎて。
大事にされていたのだということそのものが見えなくなって、離れて遠くなりすぎた。
分かる筈もない。随分と遠ざけられて、すり減って。そうして在るのが、今此処の彼岸だ。

薬というのは、弱いものほどセッティングが大事だ。集中できる環境が無ければ悪酔いするだけ。
そして強度が違えど機序は、通る神経は同じだ。薬効の危ういほど、対外的な補助は不要になる。
場が整えば、神経を走る感覚と融合すればするほど。一層脳が蕩けだす。
鼓動が打つほどにきっと、血の廻るように楽園が血管を流れるのは、最悪の気分だろうな。

口を開いて乾けば、唾液腺からつうと水気が溢れる。それを舌に伝わらせ、潤すように。
尻肉の間に鼻先を埋めるようにして、丹念に穴に舌を這わせて、馴染ませて。
そう簡単に熟れてくれるものじゃない体も、薬のおかげで真っ更よりかは扱いやすい。
しつこいくらいに舐めていればどうしたって何もしないよりかは受け入れやすくなるはずだ。
相手の声の調子が随分と変わってくるくらいになると口を放して、膝をの間に足を割り込ませる。
着衣のままの男は、ポケットからプラスチックの瓶を取り出した。手先に中身を出して、少し温めて。
粘度の高い温感ローションに塗れた指を、今しがた舐め解していた穴に擦り付ける。
少量から、量を増やして。門渡りに垂れるくらいには、いくらか指先をねじこんで。

「……ね、気持ちいい? ケツの穴舐められて、ほじくられてさ。
 イヤそうにするわりには随分よく鳴くよね。興奮してるワケ?
 コールガールにでもいじらせてた? ああでも女避けがちなんだっけね」

相手の事は相応に調べていた。普段のスケジューリング、弱み、嗜好や交友関係に至るまで。
一端のソルジャーよりも余程重要な立場だからこそ、噂は立ってしまうものだ。
だからこうやって揚げ足取りのように論う材料には、事欠かない。
言い返す元気はまだあるかな。ゆるゆるとかったるく動く指は優しいのに、口先は下品なものだ。
(-31) redhaguki 2022/08/26(Fri) 0:24:59

【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ

「はあい……オレに出来っこないよそんなの。先生くらい背が高けりゃな。
 でも先生も着こなすって感じじゃあないよ。たまにシワ取りきれてないじゃん」

返事はするけれど、やはり青年はいわゆる優秀な子供ではなかった。手先は器用だが、頭は並だ。
荒事ばかりが運ぶわけではない世界に混ぜ込むための人材を作る施設の中では、評価は良くも悪くも。
身体能力では劣っていても頭の良さで青年を上回って見込まれた人間のほうが、それなりに多かった。
だから、望まれるような一人前の姿は……ちょっとだけ、自信がない。

「……いじわる」

説教じみて耳に痛い言葉から逃れるように、低い位置にある頭は貴方の肩に埋もれた。
肩口というにはもうちょっと内側、胸板につながる辺りのところに、少し固めの髪がうずくまるよう。
子供じみた仕草をするにはもう大人に過ぎる。昔から、怒られるとよくこうしていたのだろう。
いつまでも子供のつもりで居る、わけではない。自分の年齢に相応しい振る舞いを弁えてないわけじゃない。
甘やかされるのを期待しているのが半分。甘えてもいい相手だと思っているのが、半分。
心臓の音と体温を感じて、うまく詰めきれない距離をどうにかしてしまおうとしているのが、ほんの僅か。

「オレも先生といっしょがよかったな。また会いづらくなる……
 先生のお菓子だって最近食べてない気がする。味忘れちゃうよ。なんかない?」

言葉にしてみると思い出したように、ぐうと腹が鳴った。条件反射が早すぎる。
これだけ寄り添っていたくせに現金な目は急にきょろきょろと部屋の中を見回す。
わがまま放題に振る舞うのは、貴方に随分甘やかされて育ってしまったからなんだろう。
同じような季節の、木に成る花に近しいようで違う独特の甘い香りのせいかもしれない。
この時期、一部の観光地や街路樹には、机に今転がされているのと同じアーモンドの花が咲き誇っていた。
花祭りの季節、別にそれを目にするのは珍しいことでもなんでもなかった。
(-32) redhaguki 2022/08/26(Fri) 0:47:38

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー

体を触られ始めて、どれくらいの時間がたっただろうか。
実際にはそんなに経ってなかったとしても、自分には永遠にも長い時間が経過しているように感じられて、危険だ。

「――――――ふ、うっ」

最後に残った羞恥心が、クッションを噛むようにして声を殺した。
もう十分に回ってしまった強い酒と薬が混ざり合って、身体の中で暴れていて、熱い。
喉はからからと乾いているくせに、湿らされた下の方ばかりが熱を求めて震えている。

頭の中では警笛が鳴り響き続けているけれど、それに従う理性はもう欠片も残っていない。
ただただどうにもならない飢えが、叫びだしているかのようにその舌を、指を受け入れてしまっていて、
とろりとしたローションにまみれてしまう頃には、空気を求め浮いた口から甘くなった吐息が漏れ出た。

「そ……な、こと、した―――ことな、っ、あ、あぁ」

決して女のようには柔らかくないそこが、男根を受け入れるための受け皿になっていく。
熱があるかのように火照ったそこだけは潤んで、身体がどんどん作り変えられていくかのようだ。
どんなに言い返して見せたって、その顔はもう、生真面目な幹部候補のそれではなかった。
(-33) eve_1224 2022/08/26(Fri) 1:46:49

【秘】 天使の子供 ソニー → ザ・フォーホースメン マキアート

小さな椅子の基部とクッションとが、重みで引っ張られて軋んだ。よく働いてくれるものだ。
きし、きしと小さく耳に立つ音に合わせるように、喉奥から弾む息が漏れる。
呑み込まれる感覚にひく、と眉を動かし、喘鳴のような声が絡むように混じった。
直接的な快ではなくとも、額に柔らかな感触を受けると幸福感で腹筋に力を入れる。

「んァ、やば……も、出しちゃいそう。
 もちっと、格好つけさして、よっ」

相手が貴方とあっては、自分のペースに合わせて余裕綽々にとはいられない。
すねたような文句を飛ばしつつ、腰に巻き付けた腕を引き寄せてホールドする。
辛うじて伸ばした爪先を起点に、自分の体を持ち上げるようにして下から突き上げる。
締め上げられるたびに耐え難いものに縋るように引きつった声を上げ、上がってくる何かを塞き止めた。
汗の絡んで柔くなった髪が、互いの体が跳ねる度にくしゃくしゃになって揺れる。

「すっげぇ、気持ちい。死んじゃうかも」

今の状況にあっちゃ縁起でも無い言葉だ。
自分で言ってしまってから自覚したのか、なんだかやけに可笑しくて笑ってしまった。

椅子の軋む音がどれだけ続いたか自分自身ももうじきの限界を感じ始める。
左の下腕で抱いた腰の重心を任せ、顎で胸板を押すようにちょっとだけ隙間を作る。
腰の動きだけでぐ、と神経の先に感じるとっかかりを引っ掛けるように刺激し続けながら、
余らせた手で相手の性器を包み、追い詰めるように扱き上げる。
息が弾む。まだイカされないうちにと、自分に相手を追いつかせるように前後から責めたてて、それで。
(-35) redhaguki 2022/08/26(Fri) 6:43:46

【秘】 天使の子供 ソニー → 鳥葬 コルヴォ

「……半分は、もう見つかってるから」

人の魂はどこに宿るのだとか、怒られるかも知れないだとか。考えないわけじゃない。
けれどもうまく答えが出なかった。相手からしてみれば呆れるようなものかもしれないな。
死んだ人間の処分に困る、なんてことは今までなかったのだ。困るほど選択肢に迷いがなかったから。

「望まないかも知れない、けど、これでいい。もう充分辱めを受けた、だから。
 これ以上きれいにしてやれないなら、もうこれで、いい」

滔々と流れるような言葉はテープレコードのような無機質を孕んでさえいる。
拙い頭を動かしはして、考えるだけはして、その結果だ。他に思い浮かばなかった。
わかっている。わからないわけじゃない。貴方が本来敵対する人間なのも。
狭き門を潜る門を閉ざす行いだということだって、ちゃんとわかっていて、それでも。

暗がりの向こうを指差す。そこには白いバンの輪郭が浮かんでいた。時折街を走る、花屋の配達車だ。
こんな場所、こんな用事にも関わらず乗り合わせてくるなんてのは見るからに冷静じゃない。
どんなに頭を巡らせたところで、とうに錯乱し切って頭は壊れているのかも知れないな。

貴方がついて歩いてくるなら男はバンの扉を開いた。後部座席、小さな花びらが点々と散るその中に、
男物のジャケットを着せられた、女の上半身がやわらかいブランケットの上に寝かせられていた。
夏の三日月島は穏やかだ。死臭が満ちて、水気を含んだそれは既に状態も悪くなり始めている。
貴方が今朝方のニュースをアジトで耳にしていたなら、アルバファミリーの庇護下にある女が一人、
抗争の混乱の中でひどい死に方をしたのだという話を聞いていたはずだろう。その、片割れ。
海の匂いのかすかに混じり、髪には真水で洗いきれなかった塩がほんの少し残っていて。
それでもなんとか小綺麗にまとめて、顔の化粧を薄くやり直してやって。裸の体を隠してやって。
今貴方に、彼女にとって縁のない人間に引き渡す直前までは、礼儀を尽くされていたのだろうそれは、
このまま警察に引き渡したならこの男が犯人だと断定されかねないくらいには手を加えられていた。

(-37) redhaguki 2022/08/26(Fri) 8:17:53

【秘】 天使の子供 ソニー → 鳥葬 コルヴォ

胸元の皮膚を削ぎ取るように与えられた傷は、すっかり血が抜けてから出来たものなのだろう。
そこに何が刻まれていたのかだって、件の報せを聞いていたなら察しがつくはずだ。
可能な限りに整えて、与えられた侮辱を覆い隠して、あまりサイズの変わらない上着を着せられて。
それでも凄惨だ。耐え難く、おぞましい。人の悪意の残り香がある。
そういう、用事だ。

「見つかるなら、逆ならよかった。けれどそうならなかったなら、見せるべきじゃ、ない。
 女たちに追い打ちをかけるわけにはいかないだろ? わざわざそんなこと、さ、
 ……どうするの、移動したほうがいいの」

空笑いが声に混じった。努めてなんでもないと振る舞おうとしたのは、失敗した。
男女の情愛では無いこそすれ、目の前の彼女と男の間にはそれなりの心の通い愛があったのは、
ばかばかしいくらいきちんと整えられた彼女の有様を見れば、貴方にもなんとなくわかるだろう。
呆然と眺めるのをやめて、貴方に指示を仰ぐ。
(-38) redhaguki 2022/08/26(Fri) 8:18:22

【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 天使の子供 ソニー

小さな重さを受け止めつつ、一瞬上がった熱を感じながら深呼吸をした。
鼓動がいつもより早くなりそうで自分でも驚いた、油断すれば――その距離が0になってしまうのも時間の問題だったのだ。
一度過ちでも犯してしまった方が楽なのかと思考が走り、この子供が大人しくなる光景が浮かばない。与えるのは甘くて溶けるような、そんなドルチェだけでいい、そう繰り返してため息をついた。

「雇ってもらえただけありがたく思え。
 そう簡単に選べる立場でもないだろお?
 もっとお前自身がしっかりして、
 雇い先が潰れでもしたら次の仕事を斡旋してやるよ」

子猫のように部屋を見る貴方を暫く眺めていてもよかったが、小腹をすかせ過ぎるのも困り者だ。
懐から出すのは変哲もないキャンディで。
包装を外し、フルーツのフレーバーをした雫を人差し指と親指でつまめば餌を求める口元へと連れていってやった。

「もっと美味しいのは冷蔵庫だ、今はこれで我慢できるか?」

差し出しながら立ち上がり、座って待っていろと視線を他所へと向けた。
こんな四年後の男が見ても甘すぎる態度。今の男が四年後を見ても、触らなくなっただけじゃないかと乾いた笑いを溢す仕草。どうしようもないほど甘くて、他のもので中和するのに一苦労している。
薄く香る白い花も、二つ分の温度もこの家にはあまりに余分すぎる。祭りだからいいか、と納得付けるにもこの街では何度祭りが行われるかなんてわかりきっている頭では、いつまでたっても離れてくれないことを示していた。

貴方にとって我慢できない時間と、男にとって我慢できない時間が違いすぎる。わかっていて押し付けた関係、いつ殺されても仕方ないなと気付いていたのはこの頃からだっただろうか。
(-39) toumi_ 2022/08/26(Fri) 11:55:14

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニー


「せめて人知れず葬ってやるしかない事もある」

見切りをつけたような、或いはがっかりしたような。
或いは失望か諦めのような。その焼け残った灰のような冷たさは、
何れも向ける先はあなたではないものだけれど。
それはあなたの知った事ではないだろう。その逆も、また然り。

「わかるとは言わないが、わからないとも言えやしないな」

肯定はしないが、否定もしない。
共感と理解は必ずしも片一方を伴うものではない、別々のものだ。
何れも正しくそれを行う事ができるほど事情を知りもしない。

けれど空回る思考の末に選んだその選択が、
結局は何処までも生者の自己満足でしかない事は知っている。
今更道理や正しさを説いた所で、どうにもならない事なのだと。
ただどうしようもなく、その事だけを知っている。

だから他人事の男は、他人事ゆえに肯定も否定もしない。
客観的に見て、客観的な事実だけを認めて、ただそれだけを言う。

そもそもの話、あなたの話の何処までがはかりごとでないかなど
あなたと死者の間柄を知らぬ者からすれば、
少なくともこの時点では、まったくわかったものではないのだ。
(-44) unforg00 2022/08/26(Fri) 22:06:42

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニー


けれど何れにしたって、どうだって良い事でもあって。
何せどうにもならない事なのだから、なるようにしかならない。
心の底にはいつだってそんな諦めが広がっているものだから。
リスクを、最善を、想定はするけれど、何れも信じてはいない。

尽くを失って来た人間は、何にも手を伸ばそうとはしない。


だからあなたが先に背を向けたなら、喪服姿はその影のように。
人間二人、三人ほどの距離を開けて、粛々と後ろをついて歩く。


嗚呼成る程、たしかに半分だ。

そうして開かれた扉の先。
別れ花じみた花弁と、後部座席に横たえられた女の上半身。
そんな光景を一瞥して、他人事の思考はただそれだけを思う。

名もなき烏は生者の顔など逐一覚えてはいないし、
そうでなくたって、今ここで眠る女は知った顔でもなかった。
けれど未だ記憶に新しい報告が脳裏を過りはしただろう。
それを聞いた時、思う事が無かったわけでもない。けれど。

今ここで言う事なんて、なんにもありはしない。
弔いの言葉一つ言いはしない。それは自分の役目ではないから。
(-45) unforg00 2022/08/26(Fri) 22:07:22

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニー


悪意に晒されて、酷い仕打ちを受けて、剰え既に朽ち始めていて。
今は善意によって、丁寧に整えられて、こうして庇護されている。
それでももうどうにもならないアンバランスな亡骸。
もはや何処にも行き場の無いそれを、せめても一思いに葬り去る。

いつだって、ただそれだけが自分のすべきこと。
あなたの痩せ我慢を気にする人なんて、今は何処にも居やしない。

「……このまま俺の仕事場まで送ってもらえます?
 生憎と、今夜仕事があると思ってなかったもんで。
 持ち歩くのに難儀する道具は一つも持って来てないんですよ」

「用向きのある奴をこれ以上待たせるのも酷な話だ。
 何より今から取りに戻って、
 それを待つなんてのはあんたも手間でしょう」

運転は任せます、免許持ってないんですよ。
思い出したようにそれだけを付け加えて、
仕事場である僻地の廃倉庫の場所は簡潔に伝えられる。
この男の根城たるその場所に赴くかは、あなた次第だけれど。

それをあなたが許容するなら、二人と一人の道中は何事も無く。
やろうと思えばやれる、なんてのはきっと互いに同じ事。
掃除屋が手を出す事は無い。あなたが何もしない限りは。

今この時に限り後部座席が死者の為の寝台であるならば。
乗り合わせるにしても、きっとそこは避けるべきなのだろうな。
(-47) unforg00 2022/08/26(Fri) 22:08:42

【秘】 天使の子供 ソニー → 銀の弾丸 リカルド

かわいそう、と他人事みたいに口の中で呟いた。音になっていたかはわからない。
捨鉢な頭の中で、これが理不尽であることはわかっていて、されど止める理由もない。
小暗い高揚が胸の内を占めている。散々に虐げたことで、怒りそのものは収まった。
けれど、最初から怒りのためにこんなことをしているわけではない。
探しているのだ、  を。だから、狂人の行いだと言われたのだし、その謂れは正しいのだ。
碌な理屈も持ち合わせちゃいないのだから、感情が冷えたところで止まるわけでもない。

一度きりでそうそう具合がよくなるわけでもないが、薬は様々な助けにはなるだろう。
筋肉を緩めたり痛みを誤魔化したり、互いにとって都合がいい。それが喜ばしいかはさておき。
指先をねじ込んで開かせ、どれぐらい緩んだかを確かめ、頷いた。

「アンタの仲間たちはどう思ってくれるもんかな……少なくともアンタを知らない連中は。
 本当は不誠実な人間だった、って。そおう思ってくれたなら、オレも気分がいいんだけどな」

代わりに手を動かすのはやはり僅かばかり燻る悋気だ。いつからか、貴方が羨ましかった。
仰ぎ見る誰かの隣にいられることか、それとも見たこともない親と同じポストにあることか。
もしかしたらそこに、理想的なものを見出していたのかもしれない、だからこそ。

ベルトを緩め、ボトムの前を寛げる。体裁だけでもそれらしく、とはしない。必要がないから。
緩く立ち上がりつつあった熱に指を添えて擦り上げて、陰惨な欲動を陽物に集める。
薄く滴りのあるうちに、今しがた押し開いた後孔へと亀頭を無理矢理ねじ込んだ。
皮膚であったり肉であったりのひきつるような感覚があった。ぐ、と息を詰まらせる。
深呼吸をして痛みを誤魔化する。人並み程度の大きさだが、それでも呼吸が苦しくなるほど。
ゆっくりと腸壁に馴染ませるように、男根を押し込んでいく。
(-48) redhaguki 2022/08/26(Fri) 22:53:30

【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ

相手がどう感じているかだなんて知らぬままだ。手の届かないものと思っているから。
だから天上に向かって手を伸ばしている、何度も。幾度となくそれを繰り返してきた。
これだってその延長線で、響いているとは思わなかったから空振りし続けているつもりなのだけど。

「わかった、わかった。ちゃんとやる。別にやる気が無いわけじゃないってば。
 ……待つ!」

やりとりだけならそれこそどうしようもなく大人と子供だ。
片付けの出来ない子供が急かされるみたいなやりとりの末に、差し出されたキャンディに視線が寄る。
唇に触れる透き通った甘味を、口づけるみたいに受け入れてから。
ばく!
と指ごとかじった。
実際にかじり取れたのは当然飴玉だけだ。してやったり、悪戯の成功した子供みたいに笑って見送る。
多少こうやって上回らせてみせてやれば、案外落ち着いて待ってみたりもできないわけじゃないのだ。
手持ち無沙汰に、伸ばした足を揺らしながら相手が帰ってくるのを待つ。

「まだ全然寒いけどもうちょっとで春が来るんだなあってわかるから、花祭り好きなんだよね。
 母さん達からもちょうどこの時期に花が届くから……
 あ、そうだ。もう一個報告あんだよね」

まだ、ガラスランプのシェードに細かな罅が入る前。内側の灯りがむき出しになって壊れる前。
いつだかの青年は、今の男よりもずっと素直で、明るくて。寂しそうな翳りなんてのもなかった。
他の誰かに傷つけられる前に貴方を殺さなければならない、なんて追い詰められたりも、しない。

キッチンの方に向かう背に、張った声を投げかけつつ思い出したように声をあげる。
言ってみてから、なんだかにやにやと。けれども仔細な話は相手が戻るまで待とう。
(-51) redhaguki 2022/08/27(Sat) 0:05:31

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー

――貴方が言う通り、
俺は、ソニーの過去を何でも知ってるわけではない。
あの方と過ごした日々を、ボスとの諍いを、親友とのあれこれを知っているわけではない。

それでも、ずっと見てきた。
気のおけない好敵手として、上司の大切な人として、見てきたんだ。
彼がどう言う存在人間なのかを。

笑顔を使い分けて、本当の自分を見せないようにする。
人懐こそうなくせして、独りになろうとしているようにすら見える。
たった一人以外は要らなくて、我儘を振りまく子供のような男。

「―――は、それでは、あの方は手に入らないというのになぁ……」


ぽつりと漏らした言葉が、貴方に届いたかはわからない。
直ぐにそれは溶けてしまって、言葉にならない喘ぎに変わってしまっただろうから。

どう思われようともう、構わないと思った。
これ以上の凶行を止める一手になるのなら、それくらいの事は何のブレーキにもならない。
たとえ自分が堕ちた淫魔と呼ばれようとも、それであの方の心が晴れるというのなら、これ以上幼馴染が、家族が狙われなければそれで良い。

「あ、あ、―――――――っ」

熱い、アツイ。衝撃に目の前に火花が散った。
舌や指とは比べ物もならない質量の異物が、自分を貫いていく。
痛いのに、痛いだけじゃなくて、それを待ち望んでいたかとでもいうように、体が悦んでいる。
きゅうきゅうに締め付けているのは、慣れきっていない狭さからなのか、それとも快楽によるものなのか最早自分にはわからない。
手が自由に使えていたならきっと、クッションにしがみついて耐えただろうけれど、それすらも敵わないから、肩をソファに押し付けて弓なりに背を反らせた。
けれども、それと反比例するかのように、自分自身のそれは萎えたまま。
それは、体内に回りきった薬の影響としか言えないのだろう。
(-56) eve_1224 2022/08/27(Sat) 0:47:11

【秘】 風は吹く マウロ → 天使の子供 ソニー

自分を求められたことも、自分から誰かを求めたこともない。
青年は、ただ自分の主導権を手放さないために意固地になっている。
理性を失い、相手に全てを預ける事を良しとしない。
実際のところ、君の手の内なのかもしれないけれど。
経験に長けているのは君の方だから、乱暴に相手を壊さないようなそれをしないようにするのが精いっぱいだ。
不意に口内で遊ぶ舌にぞくりと背筋を震わせる。
君が口を離すと、混ざり合った唾液が糸を引いた。

「ハッ……く…」

年下であろう君に、慣れたように行われる緩やかな前戯は、青年の余裕を奪い取っていく。
脚に、体幹に力を込めて、身体を支えながら。君の下着の上から満足するまで。爪先で弾き、引っ掻き、刺激を与え続けていく。
下着の中かがそれが取り出されたのなら、その手を止めてしまうのだけれど。
喉の奥から呻くような声が、君の手で擦られる度に漏れ出しそうになるものだから、歯を食いしばって耐える。
時には、もう一度その唇を奪って、気を紛らわす。

「は、お前 何して」

入り込んで来た手。他人に許したことのないそこに触れる、湿った指先。
少しばかり仰天したような顔で、顔を離す。
こんなところで、という思いと、俺がそっちなのかという気持ち。
男を抱いたことも、抱かれたこともないから。
結局のところは、今は快楽が与えられるのならどちらでも事は進んでいくのだろう。
君のそれを強く止める事はないはずだ。
(-58) otomizu 2022/08/27(Sat) 1:22:42
 




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