人狼物語 三日月国


68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】

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視点:


【人】 尸解仙 キファ

>>2 がんばり団

「おまえ今失礼なこと考えてるだろ。
 ……別に、なにも変わりない。
 幽界に居た時と同じ、おまえの知るキファだ」
 
 キファは、サダルの横に立っている。
 ……全てを理解した。それはきっと、サダルも同じだろう。

「ヌンキの元に行くのか?
 すまんが、彼奴とは二人きりで話したい。
 ……有るのだ! ご想像の通り、海よりも深い事情がな。
 サダルよ。ヌンキと語らうなら、別途話しかけに行くが良い。

 ……吾は、おまえとも話したいことが有るんだが?」
(4) 2021/04/29(Thu) 23:18:25

【人】 尸解仙 キファ

>>0 ヌンキ

「おるが!?」


 あっ本人だ!
 バチーン!! ヌンキをビンタする。

「おまえ……ッおまえおまえおまえーーーーーーッッッ!!
 ……こほん。言いたいことは、色々有るが」
 
「久しぶりだな、ヌンキ」

「吾を探してくれて、ありがとう。
 おまえが吾を探す姿を、吾はずっと見ていた」

 星見杯亭を探し回る姿も。
 レムノス中を探し回る姿も。
 街を出て、森を探す姿も。

 その言葉は。あの手紙に書かれた言葉が紛うことなく、
 キファ本人のものであったことの証左だ。

「すまなかった」

「今、吾はちゃんと此処に居るぞ」
(7) 2021/04/29(Thu) 23:50:59

【人】 尸解仙 キファ

>>6 サダル

「何、そう堅苦しい話ではない。
 唯のお喋りだ」

 長い夜は明けた。
 街並みの輪郭を陽光が彩る。
 さわやかな朝の、透明な空気。

「死んでしまったら、全部終いだと思ってた」

 サダルを見る。

「おまえと夜明けが見れた。……嬉しい」

 予想だにしないことが幾つも起きた。
 『吾は色んな者に、”ごめんなさい”しなければならん』。
 そう、目を伏せる。
(32) 2021/04/30(Fri) 8:19:42

【人】 尸解仙 キファ

>>9 ヌンキ

「はあ!? 何故そうなるのだ!」

 キファは、これまでの経緯を説明する。
 自分は一度死んだこと。
 唯一死者の見えるラサルハグに伝言を託したこと。
 幽霊となって、自分を探すヌンキをずっと見ていたこと。

「”思い出さなかった”のか?」

 まあ良い、と続ける。

「おまえが苦しんでいた時、吾は何もしてやれなかった。
 声は届かない。差し伸べた手はすり抜ける。
 だから、今するぞ」

 小躯な自分より大きな背中に腕を回して。
 キファはヌンキを抱き寄せる。

「ありがとう」

                       
親愛の抱擁、だった。

                       
キファはヌンキを好いている。

                       
……でも、それは恋情ではない。


 
(33) 2021/04/30(Fri) 8:47:13

【人】 尸解仙 キファ

>>30 ハマル

 あなたが談話室に降りてきた時、
 きっと少女の姿が目に映るだろう。

 ……キファだ。行方不明になった筈の、キファ。
 そわそわした様子で、あたりを見回している。
 その他にも、きっと久しぶりに会う顔触れが揃っている。

「……ハマル!」

 キファはあなたの姿を認めると、駆け寄ってくる。
(35) 2021/04/30(Fri) 9:03:29

【人】 尸解仙 キファ

>>38 ハマル

「ヌグゥエ!!!」

 ドス!!!!!!!!
 大丈夫、倒れてない。

 キファは慈しむように、あなたの背に背を回し。
 ぎゅっと、抱きしめて見せた。

「ハマル。吾は幽霊となって、
 おまえのことをずっと見ていた」

 キファはそこに居る。
 ちゃんと触れて、抱きしめることが出来る。

→ 
(44) 2021/04/30(Fri) 10:54:26

【人】 尸解仙 キファ

>>38 ハマル


「頑張ったな」


 ようやく、言えた。
(45) 2021/04/30(Fri) 10:54:50

【人】 尸解仙 キファ

>>40 ヌンキ

 ──ヌンキの呟きは、キファの耳にしかと届いたのだ。

「……言え」


 キファは、ヌンキの想い人が誰であるかを知っている。
 あなたが自分を探す姿を、ずっと見ていたのだから。

「言って見せろ」

「吾のことが好きなのだろう?」


「吾とサダルを自らの手でくっつけておいて
 おまえは独りで寂しく横恋慕、だと?」

「吾はそんなの、許容せぬ」


(47) 2021/04/30(Fri) 11:20:36

【人】 尸解仙 キファ

>>40 ヌンキ

「泣いて吾に縋って見せろ。
 おまえの心に秘める懊悩を全て口にしろ」

「その上で、清々しくおまえをフッてみせよう」

 それは、彼にとってきっと残酷な言葉。
 だって、恋なんてもの、そも彼に定義されていない。
 彼女だって、サダルとキファを結んだのに、
 彼なりの事情があると分かっている。感謝すら、感じていた。

 でも、キファはストイックで、さっぱりした質だ。
 だからこそ、『恋情を胸に秘めたままの、哀しいお別れ』が
 許せなかった。

 → 
(49) 2021/04/30(Fri) 11:23:39

【人】 尸解仙 キファ

>>40 ヌンキ

 これは膿んだ傷口に塩を塗り付けるようなもの。 
 そして同時に、傷口から膿みを取り除く荒療治。

「おっと、遠慮はしてくれるなよ?
 傷つけるだろう。困らせるだろう──

 
笑止。
吾の十分の一も生きておらぬものが、
 吾の心を憂う必要はない」

 つまるところ。
  ──叱咤と、激励。

「吾を恨んでも良い。怒っても良い。
 だが、後悔だけはしてくれるな」
(50) 2021/04/30(Fri) 11:24:29

【人】 尸解仙 キファ

>>52 >>53 ヌンキ

「──善かろう」

「その言葉、吾は覚えたぞ。
 おまえが吾を好いていたことを、忘れはしない」

 キファは表情を緩める。
 『ビンタはさっきしたから、勘弁してやる』なんて、笑う。

 キファは
忘れない

 これは、唯のロールプレイかもしれない。
 でも、"偽物"だとしても、"嘘"じゃない。

 キファはそれを、誰よりも知っている。
 だってあなたの手によって、《恋》が与えられたのだから。

 →
(54) 2021/04/30(Fri) 13:00:10

【人】 尸解仙 キファ

>>52 >>53 ヌンキ

 あなたの想いに応えが返ることは無いのだろう。
 キファはサダルが好きだ。

 けれど、想いは伝わった。
 falseはtrueに、0は1に書き換えられた。
 それを為したのは、皆の助力と。
 何より、あなた自身の意志の力。

 それから──?

 
あなたが意志によって蝕まれるというのなら、

 
なんと残酷で冷たいウィルスなのだろう。


 
あなたの一言は、あなたにとって。

 
何より甘美な──毒。


 →
(55) 2021/04/30(Fri) 13:02:29

【人】 尸解仙 キファ

>>52 >>53 ヌンキ

「……行かぬ」
「おまえに訊ねなければならぬことが出来た」

 あなたの発言に、先程から違和感を抱いていた。
 まるで、自分のことをNPCだと認識しているかのような。

 『この"orion"にNPCが存在する』と推測するのは容易だ。
 現実のキファは、サイバー分野に聡い。
 蘇生したキファに対する住民の反応だって、それの証左だ。

 そしてNPCがテスト参加者に紛れていない
 保証は、出来ない。
 シュミレーションシステムをテストに
 参加させるのは、理にかなっているだろう。

 無論、これは『ヌンキが自分をそう把握している』と
 考えたから口にする。
 常なら、……これは残酷な言葉だ。

 
「おまえ、NPCだろう」

 
 
 隠した手を引っ掴んで、引き出す。
 ヌンキは、きっと更に何かを隠している。
(56) 2021/04/30(Fri) 13:17:36

【人】 尸解仙 キファ

>>60 サダル

「…………」
「許す」

 へにゃり、と笑った。
 サダルの真意が測れないのはいつものことだ。
 そんなミステリアスな面も含めて。
 サダルという人間を、キファは愛している。

 きっと、どこまでもまっすぐな愛だった。
 もう、不安定な頃のキファとは違う。
 色々なことを乗り越えた。

 どのような障害が有ろうとも、
 キファはこの愛を貫き通すのだろう。

「おまえに愛されなくったっていい。
 共にいられなくったって良い。
 吾はそれで良い。誰にも強いぬ。

 だが。覚えておけ。
 吾はおまえが存在しているだけで、幸せになれるのだ」

 キファとサダルの幸せの形は、平行線だ。
 きっと、交わることは無いのだろう。
 それで良い、と思っている。

 『”だから……”、何だ?』
 キファはあなたの言葉の続きを促す。
(63) 2021/04/30(Fri) 15:02:19

【人】 尸解仙 キファ

>>48 ハマル

 無邪気に目を輝かせるあなたに、
 キファは胸に熱いものが込み上げるのを感じた。

「無論、パーフェクトだ!
 今日は沢山甘やかしてやろう〜」

 
ヨチヨチヨチヨチ……。
 ナデナデナデ……モフモフモフ……。


『置いていって、すまなかった』

 ……ふと。
 舌に載せ掛けた言葉を胸にしまう。
 今は、己の懺悔を聞かせる時では無い。

「吾がシトゥラに託したことも、
 そのシトゥラが死んだことも。
 キュー”達”が立ち塞がったことも。

 おまえが苦しみ藻掻きながら、
 最後まで折れなかったことも」
 
「おまえの──ううん、
 おまえ達が。吾らが為したことは。
 全部、全部今に繋がってる」

 →
(64) 2021/04/30(Fri) 15:20:57

【人】 尸解仙 キファ

>>64 ハマル

「ハマルよ。『これから』を作りに行こう。
 ……海に行くぞ!」

 今なら、『世界の端』に阻まれることも無い。
 "orion"の世界は、最早233年の旅では回り切れぬほどに
 広がっている。

 約束を果たす時だ。
(65) 2021/04/30(Fri) 15:23:07
キファは、サダルをビンタしようかと思ったが、やめた。
(a25) 2021/04/30(Fri) 16:01:27

【人】 尸解仙 キファ

>>68 サダル

「……ヌンキが」

 ヌンキの様子がおかしい。NPC。
 この時点でうすらと感じていたヌンキの”違和”。
 この一幕はきっと、後にヌンキへ投げ掛ける
 問いかけの一助となるのだろう。

「さて。……成程、な。
 サダルの頑固っぷりは筋金入りだ。
 むう。困ったな。実に困ったぞ」

「……吾が、ヌンキを幸せにしたら。
 おまえは満足するか?
 例えば、”吾と恋人になる”以外の形で。
 彼奴に幸せを差し出せるのなら」

 無論、ヌンキの経歴は理解していた。
 その身に巣食うウィルスまでは、
 この時点で把握してはいなかったが。

 だが、キファはヌンキが苦しむ姿を見ていた。
 彼女にとっても、掛け値なしに
 ヌンキを幸福にしたいと思っている。

 →
(71) 2021/04/30(Fri) 16:19:11

【人】 尸解仙 キファ

>>68 サダル

「今そんな重大な話をするな!!!!!!!!!」


 バチーン!(エアビンタ)
 キファのモデルは故人だ。
 故に、ものすご〜〜〜〜く大事なところなのだが
 それと同じくらい今ものすご〜〜〜〜く大事な話をしている。

 幸いにも今のキファは物事に対して動じなかった。
 だって、今までにもそういう話は沢山あった。

「吾が関与できぬ場所での話だ。
 急を要するのなら今すぐログアウトしろ。

 そうでないのであれば。
 先程の話を続けろ。覚悟だけはしておく。
 ……『キファ』も。きっともうすぐ、
 この世界とはお別れだからな」
(72) 2021/04/30(Fri) 16:26:37

【人】 尸解仙 キファ

>>69 >>70 ヌンキ

 キファはちゃんと覚えている。
 バーに訪れた帰り道、
 エスコートに差し伸べてくれたその手を。

 何もなかった。
 透明になってしまった。

 衝撃を噛み殺す。
 今から何が出来る?

 →
(73) 2021/04/30(Fri) 16:44:28

【人】 尸解仙 キファ

>>69 >>70 ヌンキ

「おまえの認識で相違ない。
 ……吾は、おまえを助けたい。
 幸せになってほしいと、思っている。
 
 吾はおまえのことが。
 それが、恋情でなくとも──好きなのだ」

 友愛。親愛。この世界にだって、"恋"以外の
 愛の形は有るだろう。
 最も。恋愛は殊更情熱的なものであるということを、
 キファは良く知っている。

 さて。
 NPCはどれだけ自律的に行動しても、
 あくまで"orion"の管理下である。
 その口から聞き出せることは限られるだろう。

「ヌンキよ。
 どうしたら、おまえを治せる?」
(74) 2021/04/30(Fri) 16:45:26

【人】 尸解仙 キファ

>>75 >>77 サダル

 
もの凄い複雑な表情をしているのは読み取れた。


「分かった」
「……吾は、ヌンキを助けたいと思う。
 好ましい人が苦しんでいるのなら。助けに行くのは、道理だ」

 そう宣言すると。『少し待っていろ』と、何事かを呟き始める。
 あなたに事故現場の住所を訊ねたりもしただろう。

『外部との連絡は可能なのか……? 否、通常なら不可能な筈。
 コマンドは? キファの使っていた『占』はその一種の筈。
 チャットコマンド程度なら、”天啓者”の権限で使用できてもおかしくはない。
 賭けだ。幾つかそれらしいのを打ち込んでみるか……。

 …………。

 ……。

 ……!』


「……出来る限りを尽くしたぞ。
 うまく行けば、XX社側から救急要請をしてくれるだろう。
 更にうまく行けば、おまえは助かる。

 現実の吾はこの言葉が嫌いだが──後は現実のおまえの意志、
 そして『運否天賦』というやつだ」

 →
(93) 2021/04/30(Fri) 22:34:40

【人】 尸解仙 キファ

>>75 >>77 サダル

「さて、話を戻そう」

 出来る限りは尽くした。
 キファは割り切りが速い。
 
 ……さあ、最後の夢を見よう。
 楽しい時間は、いつだって別れ際が一番惜しい。

「吾は、帰らねばならない。
 現実の吾──『秋葉義一』にも、
 やるべきことは沢山ある」

「でも、忘れるな。キファは、"orion"の住民。
 『秋葉義一』? そんなの、吾にとっては別人だ」

 秋葉義一は、警視庁サイバー犯罪対策課のオフィサーである。
 この騒動によって、
 きっと暫く残業で家に帰れない日々が続くのだろう。

 →
(95) 2021/04/30(Fri) 22:51:08

【人】 尸解仙 キファ

>>75 >>77 サダル

「吾が”秋葉義一の死んだ妹”をモデルにした存在だって?」
「糞食らえだ」

 キファは、キファだ。

「キファは、此処にしかいない。
 この別れは、吾が吾である為のものだ」

「……だから、”サダル”と”キファ”として会えるのは、
 きっとこれが最後」

 くす、と笑う。

「寂しいか?」
(96) 2021/04/30(Fri) 22:51:59

【人】 尸解仙 キファ

>>78 >>79 ヌンキ

 キファは推理する。
 ヌンキは、システムの枠組みに縛られる中で
 精いっぱい自らに伝えようとしている。

 キファは、ヌンキを助けたい。

 彼は恐らく、”想定されていない挙動”を起こしている。
 平たく言えば、バグだ。
 想定されていない挙動とは、何か。愛か。
 それは確信できないけれど──
 キファは考える。

 ヌンキに残された時間は少ない。
 今から脱出してXX社にプログラムの修正を要請したとして、
 "proxy"による自浄作用の前に間に合うだろうか。
  
 だからといって、"orion"内部から何かを起こせるか?
 キファでは無理。何か──


 その時、点と点が結ばれた。
 ブラキウム。

(106) 2021/04/30(Fri) 23:29:21

【人】 尸解仙 キファ

>>78 >>79 ヌンキ

 Ma'at社のセキュリティAIAmmut<Vリーズ
 最新弾【Brachium】。

 管理AIの暴走というこの状況下である。
 Ammut。Brachium。この一致は、偶然では済ませられまい。

 秋葉義一は、
 警視庁サイバー犯罪対策課対策係のオフィサーである。
 サイバーテロ対策に関連する情報の集約が業務内容に存在する。
       ・・・・・・・・・・・・・
 だからこそ、知っていてもおかしくはない。


 だが、これは賭けだ。
 【Brachium】の処理によって、
 ヌンキがどのような結果を演算するかは、
 キファは推測することができない。

「ヌンキ」

「ブラキウムの元へ行け」

「消えたくないと願うのなら」

「完全無欠のハッピーエンドに辿り着きたいと、
 僅かでも思うのなら」
(107) 2021/04/30(Fri) 23:31:11

【独】 尸解仙 キファ

天啓者よ。神祓衆、やっと会えたわね。
お互いを求めあった一日目。
エピローグにして、アタイたちはようやく
結ばれたの。
(-103) 2021/04/30(Fri) 23:36:06

【人】 尸解仙 キファ

>>100 ハマル

「無論!」

 にっかりと笑う。
 それから、キファは小難しい話をした。

 レムノスから海に出るには、
 早い馬を使っても数日を要すること。
 ハマルの故郷へ承諾を取らなければならないこと。
 それらによって延びる、"orion"での滞在時間。
 馬車選び。旅の途中の食料、日用品の調達。あと暇つぶしの道具選び。


 ──でも、そんな頭の痛くなる話。
 この美しい景色の前ではきっと、
 吹き飛んでしまうだろう!
(115) 2021/04/30(Fri) 23:58:10

【人】 尸解仙 キファ

>>100 ハマル

 午前十時。
 レムノスとは異なる、海辺の地域特有の湿った潮風の匂い。
 抜けるように青い空。注ぐ光芒。
 じゃり、と足元の砂が音を立てた。
 クリーム色の砂浜は、絵具を撒いたかのように淀みない。

 何より、この無尽に広がる海!
 水平線の向こうに薄く島の稜線が見える。
 この世界がどこまでも広がっていることの、何よりの証左だ。

 ハマルとキファは今、海に居た。

 →
(118) 2021/05/01(Sat) 0:07:13

【人】 尸解仙 キファ

>>100 ハマル

 全てが終わった後の話だ。
 ふたりに何が起ころうとも、きっとここに辿り着く。

「いやぁ、無事着いたな!
 途中でタロットカードを失くし掛けた時は
 どうしようと思ったが。
 この景色を見れば、それも忘れてしまうと言うものだ」

 近辺の街で美味そうな店を探し、
 朝食の魚料理を二人で食べた。腹の具合も丁度いい。

 キファは、ハマルに問いかける。

「どうだ。……怖いか?」
(120) 2021/05/01(Sat) 0:08:16

【人】 尸解仙 キファ

>>ルヘナ向け白レス

 さて、これはハマルと旅に出るまでの暇のこと。
 物語はエピローグとカーテンコールに差し掛かった。
 人々は、各々と別れの挨拶をしていることだろう。
 
 キファは談話室の机に着いて、息を吐いた。
 目まぐるしく移り変わる状況。時には限りがある。
 休息出来る間は、少ない。
(128) 2021/05/01(Sat) 0:33:13

【人】 尸解仙 キファ

>>116 >>117 ヌンキ

「善く言った!」

 ヌンキの背中をバン!!!!!!!!!!!!!!!

「……行ってこい」

「どのような結果になろうとも。
 吾はそれを許す。吾は心が広いので。
 それくらいで、おまえを嫌いになったりはしない」 

 間。躊躇いがちに口を開く。

「なあ、ヌンキよ」

 例えNPCでも、あなたは。
 1=2というシュミレーションの絶対的演算を、覆した。
 恋という、意志の力によって。

「おまえは人形じゃない。

 こんなに葛藤する人形を吾は知らない。
 こんなに泣きそうな顔で笑う人形を知らない。
 エスコートしてくれたあの日。
 あんなに暖かい手を持つ人形を、知らない」

 →
(130) 2021/05/01(Sat) 0:37:24

【独】 尸解仙 キファ

1=1だよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(-118) 2021/05/01(Sat) 0:38:55

【人】 尸解仙 キファ

>>116 >>117 ヌンキ

 キファとサダルとはお別れになるかもしれない。
 でも、”無かったこと”にはならない。
 キファとサダルはちゃんと此処に居た。

 あなたの祈りによって結ばれた愛は、
 成就と言えるのだろう。
 その愛はきっと、悪いことじゃない。
 
「吾にとって、おまえは。血の通った人間だ」

 きっと、これが二人の別れになるのだろう。
 ”恋を知ったヌンキ”も。『キファ』も。
 いずれはいなくなる。
 キファには帰らねばならぬ場所がある。

 →
(131) 2021/05/01(Sat) 0:42:58

【人】 尸解仙 キファ

>>116 >>117 ヌンキ

 でも。悪くなかった。
 団結力の無い会議で、3人で必死に進行を担当したことも。
 がんばり団、なんて妙なネーミングで活動したことも。
 ヌンキと密やかに耳打ちをし合ったことも。
 花を送ったことだって。 

 全部全部、忘れたりなんかしない。
 記憶処理。
だから何だというのだ。

 
意地でも思い出してやる。


 そんなもの覆せるって、あなたが教えてくれた。

 ──さあ、さよならだ。

「ありがとう。
 おまえと会えて良かった」
(132) 2021/05/01(Sat) 0:44:10

【人】 尸解仙 キファ

>>113 >>114 サダル

「阿呆。吾は吾だ。中の人に何と言われようが──
 吾はおまえとえっちが出来る」

 ……閑話休題。

 号泣するサダルをよしよししながら、
 近場から紙を手に取り、何かをメモする。

「しょうがないな。吾は秋葉ではない。
 だが、サダルがあんまりにも甘えん坊だから、教えてやる」

 差し出されたメモには、何かのIDが書かれている。
 現実世界の記憶を取り戻したあなたなら、
 それが某メッセージアプリのアカウントであることを
 理解できるだろう。

「……仕事用ではなく、私用の連絡先です。
 僕にしては珍しいんですよ。感謝してくださいね」

 記憶については、
 ブラキウムが”お手伝い”してくれるそうだ。
 けれども、あなたは生死を彷徨う現状。
 はたして連絡が出来るかどうかは、定かではない。
 でも、"無いよりはマシ"だろう?

 
「存外、吾の面影が有るかもしれんな?」
(194) 2021/05/01(Sat) 15:05:45

【人】 尸解仙 キファ

>>138 ルヘナ

 ──びくり、と肩が跳ねる。
 こんなことをしでかす人物など、
 キファには一人しか思い浮かばない。

「ルヘナ。
 おまえ、もう少し普通に登場することは
 出来ないのか?」

 口にしてから、苦笑した。
 知っている。
 ルヘナという男は、刺激を好む質である。

 気の利く茶の差し入れに
 にぃ、と口の端を吊り上げると、
 問いに答えた。

「今が最も忙しないかもしれんな。
 墓の下は、存外退屈だったのだ。
 何も出来なかったから」

 早速カップの片割れを手にすれば、
 熱い液体で舌を濡らす。

「さて。ここ数日で様々な騒乱が有ったのは
 おまえも知っての通りだ。

 ……どうだった?
 おまえの退屈は、満たされたか?」
(235) 2021/05/01(Sat) 20:32:09

【人】 尸解仙 キファ

>>149 ハマル

「うむ、僥倖!
 川のせせらぎも好ましいが、
 海の雄大な大らかさもまた良いというものだ」

 キファは、大きく頷く。手は握られていた。
 不安な仕草を感じれば、包み込みようにぎゅっと握るのだ。

 でも、ハマルは今わくわくしている。
 期待で膨らむ胸から、持ち上がった口角から。
 熱い掌から、それが分かる。

「ああ、行っておいで」

 引っ張れば、そのままキファは着いてくるだろう。
(252) 2021/05/01(Sat) 22:06:15

【人】 尸解仙 キファ

>>210 サダル

「夢見路 沙羅。綺麗な名前ですね。
 改めて。秋葉 義一(アキバ-ヨシカズ)です。
 以後お見知りおきを──」

 何を言ってるんだこいつ……みたいな目で見てきた。
 秋葉はオタク心が分からない。

「はい、これで満足か?
 ……今は吾だけを見てくれ。な?」

 キファは、サダルの腕に絡みついた。
 甘えるように、名残惜しむように、
 頬をあなたの腕に擦りつける。

「サダル。キスして」

 唇に、もう一回。

「それでお別れだ」
(258) 2021/05/01(Sat) 23:06:01

【人】 尸解仙 キファ

>>263 ルヘナ

 鋭い皮肉を一笑で蹴り飛ばす。

「……ふ。意外だな。
 以前こうしてお喋りをした時は、
 意味も、価値も、意義もそこに見出せないと、
 嘆いていたのに」

 引き摺り出されたか。
 キファは胸中で独り言ちる。

 この事件は、人の本性を、本当の願いを露にした。
 色とりどりの演者達は、
 あなたのまっさらなキャンバスすらもきっと、
 彩ったのだろう。

 だけれど、その殆どは、まだ空白で埋まっている。
 だからこそ、彼は自ずから手を伸ばす。
 この数日間で初めて齎された、彩りを。

 →
(289) 2021/05/02(Sun) 15:22:05

【人】 尸解仙 キファ

>>263 ルヘナ

「今。死した者はみな蘇り、一先ずの大団円と言えよう。
 だからこそ、こう言える訳だが。

 ……あぁ、満たされた」

 カップに揺れる水面を見下ろす。
 実のところ、キファの性質はルヘナと似ていたのだろう。
 ただ、生に執着していただけ。

 人の範疇から昇華しかけた心は、
 情熱を無くしていた。
 表情豊かに見えていたのなら、
 きっとそれは、殆どが演技だ。

 思い出させてくれた。人らしさを。
 有象無象の、取るに足らない、ちっぽけな人間。
 迷い、葛藤し、慟哭し、藻掻く。そんな人間らしさを。
 俗物性に、汚されたのだ。

 →
(290) 2021/05/02(Sun) 15:22:50

【人】 尸解仙 キファ

>>263 ルヘナ

「キファの物語はもうすぐ終いだ。
 ……十分だ。十分過ぎた。
 これ以上、彩る必要も、汚す必要もないだろう」

 美しい日々は。鍵を掛けて、胸の奥に仕舞っておこう。
 ”彼”には、帰る場所がある。

 思い出なんて言葉、少し寂しいけれど。
 いつかまた迷ったときに、自らの道を指し示す標となる。
 ”天啓”になんて頼らずとも。己の過去が、教えてくれる。

「互いに。求めるものを、
 どこかで手に入れて来てしまったようだな?

 ……それで良い。
 吾の色だけのキャンバスじゃ、きっと退屈だ」

 カップの縁を撫でる。

「結局、腰を落ち着けて話せたのは、
 全てが終わった後になってしまったが。
 ──それも、好ましいだろう?

 素敵な舞台の後に、感想を述べあうような。
 茶飲み友達としての関係って。
 何だかとっても、吾等らしいじゃないか」
(291) 2021/05/02(Sun) 15:30:54

【恋】 尸解仙 キファ

>>?0

 キファは臙脂色の星を、ずっと付けている。 
 
 
(?3) 2021/05/02(Sun) 18:50:46

【恋】 尸解仙 キファ

>>?1
 
 
 聞こえてる。
 
 
(?4) 2021/05/02(Sun) 18:51:10

【恋】 尸解仙 キファ

>>?2

 聞こえてるって。
 分かった、分かったから。
 
 
(?5) 2021/05/02(Sun) 18:51:51

【恋】 尸解仙 キファ

 
 
 キファは、幸福だった。
 良い人生だった。
 
(?6) 2021/05/02(Sun) 18:53:53

【人】 尸解仙 キファ

>>272 サダル

 この瞬間、声なんて要らなかった。
 そんなことしなくっても、言葉は届くから。
 お喋りの為の唇は、塞がれてしまった。

 本当は全部奪ってしまいたい。
 あなたの躰も。心も。
 あなたがいつか、別の何かに向けていた恋心も。
 あなたにとっての幸せも。
 全部。

 でも許してあげる。
 キスしてくれたから。

 熱い体温。柔らかく濡れた唇。
 たった一つのキスだけで、許せてしまうのだ。

 →
(302) 2021/05/02(Sun) 19:03:27

【人】 尸解仙 キファ

>>272 サダル

 もうこの温もりは、永遠に手に入らないのだろう。
 後ろ髪を引く想いを噛み殺して、
 唇を離す。

 またねは無い。
 キファは一度強く瞑目して、
 涙を堪えた。

 明るい別れがモットーだ。

「ここまで吾を狂わせたんだ。
 ”吾”のこと、忘れてくれるな」

 一歩下がって、振り返る。
 キファは笑っていた。

「ではな」
(303) 2021/05/02(Sun) 19:04:36

【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

「悪くなかろう?」

 今日は、茶菓子を持ってきてはいない。
 だけれど。この会話が、何よりの興となろう。

「確かに口惜しいな。
 ……だが。吾はきっと、一期一会に留めることを、
 選べてしまうのだろう」

 だからこそ。この時間が愛おしい。
 ポットを差し出されれば、
 こちらもカップを差し向けて答える。迷いはしない。

 砂時計代わりの紅茶が注がれれば、さあ、茶会の続きだ。
 
 →
(321) 2021/05/02(Sun) 23:11:48

【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

「ああ、でも。
 おまえ、ホワイトボードに『向こう側』での名を
 書いていたな、吾も見かけた」

「もしかしたら。いつかどこかで、
 ”向こう”の二人が出会うことも有るかもしれない」

 例えば、"orion"の記録復元の手段を持つ
 Brachiumに、情報の提示を求めたなら、どうだ。
 そこに、”あの”如月ルヘナの名が書かれていたら。
 可能性はゼロじゃない。 
 
「でも、それは『キファ』と『ルヘナ』に。
 近いようで、きっと遠いのだ。

 どんな事実が暴かれようとも。
 吾にとっての現実は、此処なのだから」

 →
(323) 2021/05/02(Sun) 23:14:33

【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

 きっとこの二人の歓談は、
 『舞台』の上にあるものじゃない。

 劇を終えた役者が、楽屋で今までを振り返るような。
 或いは、観客がエンドロールの後に
 シアターで語り合うような。

 そういうものに、似ている。
 時間の流れを噛み締めるのに、きっと必要なことだ。

 二人にはまだ、会うべき人や、
 行くべきところがあるのだろう。

 けれど。今はただ、茶を楽しもう。
 緩慢な時間の使い方も、きっと今の二人には丁度いい。

 →
(324) 2021/05/02(Sun) 23:15:22

【人】 尸解仙 キファ

>>297 >>298 ルヘナ

「うむ」

「吾が淹れるよりも、ずっと美味い」

 これは。──そんな、いとまの話。
(325) 2021/05/02(Sun) 23:16:12

【人】 尸解仙 キファ

>>メレフ

 さて、此処はどこだろう。
 談話室? 或いは、皆で何度も集まった会議室かもしれない。
 どこだって構わない。
 
「わっ」


 キファは、メレフの背に声を掛けた。
 ルヘナリスペクトである。

「やあ、メレフ。数日振りだな」

 エピローグの訪れによって、死した人々は蘇った。
 キファも、その一人である。
(327) 2021/05/02(Sun) 23:28:17

【独】 尸解仙 キファ

9連ビンタ最高や
(-236) 2021/05/03(Mon) 10:20:31
キファは、怒涛の愛の言葉に、両頬を手で押さえた。
(a122) 2021/05/03(Mon) 10:24:23

【人】 尸解仙 キファ

>>329 ハマル

 ざぷり、ざぷり。
 波を掻き分ける音。

 浅瀬から少し遠くで潜ったあなたに、
 白い手が差し伸ばされる。

 それは這い上る亡霊の手でも、なんでもない。
 キファの手だ。
 潜るあなたを、掴み上げる手だ。

「ハマル」

 水面から声が掛かる。

「覚えているとも。おまえの言葉。
 ……ちゃんと、掴んだぞ?」
(356) 2021/05/03(Mon) 10:41:10
キファは、どこかのメレフを鼻で笑った。
(a123) 2021/05/03(Mon) 14:43:06

【人】 尸解仙 キファ

>>363 メレフ

 キファはむくれた。
 ノリの悪いやつめ。

「人の弱みを弄ぶでない。

 ……存外、平気なものだな。
 いや、寧ろ。この世界の真実を知ったからこそ、
 なんだかすっきりした心地だ」

 意地の悪い問いに、意趣返しをしてやる。

「おまえこそ、お嬢はどうなったのだ。
 全て、”設定”だったそうだぞ?」
(366) 2021/05/03(Mon) 15:31:23

【人】 尸解仙 キファ

>>367 ハマル

「何、おまえに海を見せたかっただけだ」

 恰好を付けた。
 半分ほんとうで、半分嘘。

 最初は、ただの気紛れだった。
 でも、この激動の数日間を過ごすうちに、
 いつしか絶対に違えたくない約束になった。

 年甲斐もなくびしょ濡れになった民族服を
 つまみあげながら、笑う。

「暫く遊んで行くか」

 →
(397) 2021/05/03(Mon) 20:42:03

【人】 尸解仙 キファ

>>367 ハマル

 ──それから二日ほど、海沿いの街に滞在した。
 海岸の朝日は格別で、頑張って早起きして見に行った。
 貝殻を集め、ハマルにネックレスを作って貰ったりもした。

 それから来た時と同じように、
 時間をかけてレムノスの街に戻る。
 何もかもから解放された、きままな旅だった。

 帰ってきたレムノスの街は変わらず賑やかだった。
 けれど以前より、少しだけ寂しかった。

 件のアナウンスから数日が経過していたから。
 もう既に、帰ってしまった旅人も居たのかもしれない。

 →
(399) 2021/05/03(Mon) 20:57:52

【人】 尸解仙 キファ

>>367 ハマル

「頃合いだな」

 星見杯亭の談話室で、
 ハマルと旅の思い出話を語り合っているとき。
 キファはふと、そう切り出した。

「吾はそろそろ、”行く”」

「吾はキファである。
 キファにとっての現実は、此処だった。
 吾は確かに、233年を生きていた。

 ……だが。
 『秋葉義一』には、帰らねばならぬ場所がある。
 『キファ』という人生は、終わるのだろう」

 キファは、覚悟をしている。
 ……それはきっと、”死”程に冷たいものでは、ないのだろう。
 例えるなら、生まれ変わりに近いのかもしれない。

「……最後におまえと、海を見れた。
 約束を全部果たせたのだ。……良かった」

 キファは、にっこりと笑った。
 永い旅だった。
 今度の旅の目的地は、ずっと遠い。
(412) 2021/05/03(Mon) 21:46:34

【人】 尸解仙 キファ

>>386 メレフ

「……無論。
 くく。吾のカマかけも、空振りはしなかったようだな」

 後に続く言葉で、メレフがテスター側であることを
 確信する。

「吾もだ。前世の記憶を取り戻した、という感覚に近いか。
 うむ。おまえがそう思ってくれていて、よかった。
 233年生きた吾の立つ瀬にもなると云うものだ」

 やっぱり似た者同士だったのだろう。
 割り切り方も。”今”の在り方も。

 →
(429) 2021/05/03(Mon) 23:22:55

【人】 尸解仙 キファ

>>386 メレフ

「どうだ。
 こんな神の御業を見せられたんだ。
 ならば逆に、”それに至る手段”も存在するということだ。
 人間が、神に等しき仙人になれるように。

 死者蘇生だって。今では不可能ではあるまい?」

 それは、今あなたの眼前に立つ少女が証明している。
 キファは揶揄うように軽く首を傾げて、
 少女みたいに愛らしく笑って見せた。

「何、これはただの意地悪だ。
 本気だったのだぞ? 吾は。
 敢え無くフラれてしまったが──あぁ、”共同研究”の話だ」

 『別に独り占めになんてしないのに』、そう続ける。
 どうやら少女は、あなたのことを同類として
 結構気に入っていたらしい。

 さて、本題は此処からだ。

「おまえはこれから、どうしたい?」
(430) 2021/05/03(Mon) 23:25:15

【人】 尸解仙 キファ

>>431 ハマル

「うん……、うん」

 ハマルの抱擁を受け入れる。
 背中に手を回す。

 数日振りの抱擁は。
 小さくて、思ったよりも大きくて。
 ……温かかった。

 キファはハマルに、
 ”連絡先”を渡さなかった。
 
 ハマルの前では、ずっと、『キファ』で居たかった。

(441) 2021/05/04(Tue) 0:17:06

【人】 尸解仙 キファ

>>431 ハマル

 ああでも、どうだろう。
 ホワイトボードに記されたハマルの連絡先を、
 このプレイヤーは覚えている。

 だから。"proxy"を脱出した後。
 その記録を確認した『秋葉義一』が、
『日辻春』に連絡を取ることも、あるかもしれない。

 未来の話だ。誰にも予測できない。
 良い意味でも。
 
「吾もだ。
 ──実に好い人生だった!」

 これで悔いなく行ける。
 ”天啓”を得る必要は、もう無い。
 標はちゃんと、ここに在る。

「ありがとう、ハマルよ!
 おまえの旅路に、祝福が有らんことを!」

 →
(442) 2021/05/04(Tue) 0:18:43

【人】 尸解仙 キファ

>>431 ハマル

 それが、お別れの代わりだった。
 「さよなら」は言わない。
 また会う約束をひとつ、交わしたから。

 ハマルの言う通り。
 『キファ』が『ハマル』に会うのは、
 これが最後になるのだろう。

 ……綺麗な海だった。

 233年の人生の中で、一番綺麗な海だった。
 キファは、忘れないのだろう。

 たとえ、生まれ変わっても。
(444) 2021/05/04(Tue) 0:19:32

【人】 尸解仙 キファ

>>386 メレフ

「……半分外れ、半分正解。
 この街に残るか、脱出するかの話だ。
 だが、今の答えで理解した」

 指先で薄翠の髪を弄ぶ。
  
「いや、何。
 同じくらい永きを生きたおまえに、聞きたかったのだ。
 "orion"を出ることは、自らが消えるのと同義よ」

 特に、キファは秋葉義一と完全に意識を切り離していた。
 それでいいと思っている。覚悟だってしているつもりだった。

 明るい別れがモットーだ。
 だから。大好きなサダルにも、
 ヌンキにも、ルヘナにも、話していない。
 これは、境遇の近いあなたにだけ、話すこと。

「寂しいだろ?
 この世界が好きだっただろう?
 おまえにとって、この世界は簡単に諦めきれないほど
 大切なものだっただろう?」

 でも、どうやら。
 存外、自分は未練たらしかったらしい。
 だってまだ、ハマルと海にだって行ってない。
(448) 2021/05/04(Tue) 0:55:28

【人】 尸解仙 キファ

>>450 メレフ

「ノリの悪いやつめ」

 キファはむくれた。

「死ぬことは、……もう、怖くない。
 唯、そうだな。
 慣れ親しんだこの世界との別れが、寂しいのだ」

 キファは仰々しくため息を吐く。

「わからぬなあ。
 それじゃあ、おまえの自我がどこにあるのか
 分かりゃしない。

 だが、そうか。
 おまえにとっては、”この世界”も、”寂しい”も、
 きっと範疇に無いのだろうな」

 同じところを見ているようで、
 きっと遠いどこかを見つめている。
 互いに。
 
「全く、本当に。
 近くて、分かりあえないやつ」
(453) 2021/05/04(Tue) 2:00:27

【人】 尸解仙 キファ

>>454 メレフ

 それはキファにとって、思ってもみない提案だった。
 ……メレフという人間の、コア。

「行く」

 そう答えたのは。
 キファが、”そのもの”だったからだろうか。
 『秋葉義一の死んだ妹』をモデルにしたアバター。
 それが、キファだ。

 見てみたかった。
 人生のほとんど全てを妹に捧げた兄の、生きた証が。

 残された時間は少ないわけではないが、
 多いわけでもない。
 ハマルと旅に出る予定があるのだ。

 向かうとなれば、キファはすぐにでも出発できるだろう。
(477) 2021/05/04(Tue) 14:10:51

【人】 尸解仙 キファ

>>479 メレフ

「……いや、何。あの『等価交換』の祭壇を
 拝めるというのだ。神秘主義者としては見逃せなかろ?」

 冗談めかして、橋の下を潜り抜ける。
 互いに深い理由があるのは、知っている。
 だが、道中を神妙な空気にさせる理由もあるまい。

 そんな風に適当に語り合いながら、
 祭壇へと向かう。

「おお」

 相変わらずの彼の隠蔽魔法の精度の高さに、
 キファは感嘆した。

「入っても?」
(481) 2021/05/04(Tue) 14:43:38

【人】 尸解仙 キファ

>>483 メレフ

 『邪魔するぞ』と、誰にともなく
 投げ掛けた。

「蜥蜴が逆さまに吊られていたりは。しないんだな。
 吾のギルドみたいに」

 言われなければ、『等価交換』とは気づかないだろう。
 そんな、洒落ているただの邸宅。
 その筈なのに、奇妙な郷愁を感じさせるのは。
 数十年、百数年の歴史があるからだろうか。

「否。吾は唯、本当に長生きしたいだけよ。
 その為に選んだのが、神秘的領域だっただけのこと。

 おまえと同じ道を選んだのだ、吾は。
 異なるのは。”誰かの為”ではなく
 ”自分の為”という所だろうな」

 『ほら、はよ見せよ』。そう促す。
 どうやら、キファにも見学したい理由があるらしい。
(484) 2021/05/04(Tue) 15:27:58

【人】 尸解仙 キファ

>>487 メレフ

「良いんじゃないか」

 例え、禁忌だろうと。キファは否定しない。
 同じ言葉でも、全てが明らかになった今、
 持つ意味合いは異なる。
 それでも、否定しない。

「ちなみに蜥蜴は食うぞ。滋養に良いんだ」

 表の瀟洒っぷりとは打って変わって、
 中は静かだった。
 キファが唯の少女であれば、
 心細くなっていたかもしれない。

 『そこ』に辿り着くまで、メレフに着いてゆくのだろう。
(489) 2021/05/04(Tue) 16:13:17

【人】 尸解仙 キファ

>>493 メレフ

 ぴり、と肌を焼く魔力。
 キファは片目を眇めた。
 
 見た目よりもうんと広い屋敷だったらしい。
 かつん、かつん、と湿った石造りの階段が鳴る。
 深層に、近づいていく。

「そうか。どうやら、吾もらしい」
「吾は兄であり、妹だった。……故人だ」

 現実世界では男であること。
 キファは彼の死んだ妹をモデルとした存在であること。
 それを、さしてシリアスな調子でもなく、語って見せた。
 
 ここに来たいと言った理由。
 それは、皆まで言うまい。

「吾は、屍など見慣れている。
 今更驚くこともないさ」
(495) 2021/05/04(Tue) 17:08:08

【人】 尸解仙 キファ

>>501 メレフ

「吾自身だ」

 きっぱりと言い切った。
 それで、キファのスタンスはある程度伝わるだろう。

 ”プレイヤー”にどのような意図があろうが、
 キファはキファである。それを言葉裏に語っている。
 それだけは、伝えておきたかったようだ。

 それから、少しだけ感傷に浸るように黙りこくった。
 蛍のような光を視界に認めれば、こう話しかけて来る。

「随分もったいぶるんだな。
 ……それ程厳重、ということか」

 誰の目にも触れさせないように。
 誰も、眠りを妨げることが無いように。
 再び目覚める時まで。

 ……キファは祭壇の正体に、
 ある程度予想をつけていた。
(502) 2021/05/04(Tue) 18:23:28

【人】 尸解仙 キファ

>>505 メレフ

 少女は小さく声を洩らす。
 予想は、裏切られた。
 想像よりも、『それ』は、ずっと美しかった。

「天国みたいだ」

 この世のものと、すぐには信じられなかった。
 ──否、確かに此処に在る。
 眼前のこの男が、生涯を掛けて作り上げた
 魔法仕掛けの楽園。

 薄暗い地下の奥深くに存在する、
 完全なる、小さな世界。

 →
(508) 2021/05/04(Tue) 18:52:50

【人】 尸解仙 キファ

>>505 メレフ

「愛されているな。
 さぞかし良い夢を見ていることだろうよ」

 少女は否定も肯定も、憐れみも口にはしない。
 だけれど。東から西へと、渡り歩いてきた少女は。
 昔々、鳥籠に居た少女は。
 これから、広大な海を見に行く少女は。

「(少し物足りないな)」

 唯、あなたは聡いから。
 少女の考えていることを、見抜いてしまうかもしれない。
 けれど同時に、それを問い詰めるあなたでもないだろう。

「どうするんだ、此処。
 置き去りにするつもりか」
(509) 2021/05/04(Tue) 18:55:07

【人】 尸解仙 キファ

>>510 メレフ

「断る。人の棺の前で死ぬ趣味は無い。
 それに、吾にはまだ行くべきところが有る」

 即答。
 それから、小さな花に触れた。
 メレフの、妹の為に綴った大切な言葉たちが
 流れ込んでくる。

 ”成程”、と溢した。
 彼の想いを知るには、それで十分過ぎる。

「もう十分なんじゃないか」

「これだけのことを為した。
 人間の一生分では、ゆうに読み切れない
 知識と言葉を寄越した。

 おまえの妹だって、おまえを置いていったんだ。
 許されるさ」

 キファは割り切りが早かった。
 これはこれ、それはそれ、と割り切ることができた。
 感情に囚われることを好まない。
 ……本当は、そうなのだ。
 あなたの前で披露する機会は少なかったが。

 →
(511) 2021/05/04(Tue) 19:47:17

【人】 尸解仙 キファ

>>510 メレフ

「あとはおまえの心次第だ。
 ……まあ、すぐに決断できることでは無いだろうな。
 おまえは今も迷ってる」

 そして、急かす権利も、道理も、
 キファは持たない。

 キファはポケットから鍵を取り出した。
 『運否天賦』ギルド本部マスターキーの合鍵、と説明する。
 書庫から、キファの私室まで。
 全てを調査できる権利があなたに預けられた。

「好きに使え。
 吾が東方を駆け回って手に入れた知識が、そこにある。
 天国に行く方法も。動く死体を作る方法も」

 『あぁでも、使ったものは元の場所に戻しておけよ』
 そう言って、くつりと笑った。

 →
(514) 2021/05/04(Tue) 19:50:34

【人】 尸解仙 キファ

>>510 メレフ

「……見せてくれてありがとう。
 『秋葉義一』が何故このような行為に及んだか。
 少しは理解することが出来た」

 誰ぞの願いを押し付けられた、と思っていた。
 でも。……こんな風に愛されていたのなら。
 まあ、悪くない。
(515) 2021/05/04(Tue) 19:51:07

【人】 尸解仙 キファ

>>532 メレフ

「──うむ、僥倖」

 受け取った鍵を、自分のポケットにしまい込む。
 どうやら、やっぱり”共同研究”は叶わないらしいが。
 まあ、それも良いか。

 ……メレフの言葉を聞いたキファは、
 何故だか、どこか。すっきりとした心持だった。

 それは”メレフ”の肯定であり、
 ”名月 廉”の肯定である。

 →
(535) 2021/05/04(Tue) 21:55:27

【人】 尸解仙 キファ

>>532 メレフ

「きっと、また会えるさ」

 ──それは、誰に向けたものか。
 キファしか知らぬことなのだろう。

 少女は踵を返す。用事は終わりだ。
 兄妹の邪魔をしたくない。それに──
 自らにも、まだやるべきことが残っているのだから。

 さあ、海を見に行こう。

 〆
(536) 2021/05/04(Tue) 21:55:41

【神】 尸解仙 キファ

 キファはその日、朝早くに家代わりのギルドを出た。
 荷物は少ない。けれど、大切なものは全部詰め込んだ。

 タロットカード。屋台で購入した朝餉代わりのバケット。
 何度も読み返した経典。お気に入りの茶葉。
 臙脂色の星のブレスレット。羊のぬいぐるみ。
 思い出の貝殻のネックレス。そういうものが、沢山。
 
 旅立ちの時だ。
 『キファ』はもうすぐ役割を終える。
 それは即ち、自我との別れだ。
 でもそれはきっと、”死”よりも冷たいものじゃない。

 別れ際、存分に皆と語り合ったので。
 惜しむことも、人生の振り返りも、もう十分だった。

 goodbay world!
 さよなら、世界。
 良い人生だった。

 明るい別れがモットーだ。
 夜明けの空を仰ぎ見て、キファは静かに街を去ろうと──

 →
(G55) 2021/05/04(Tue) 21:56:18

【神】 尸解仙 キファ

>>G55

 嘘だ。

 もう一度だけ、言いたい言葉がある。
 何度だって、言いたい言葉がある。
 宛先は、もう存在しないかもしれないけれど。

 でも、もう一度。
(G57) 2021/05/04(Tue) 21:56:41

【恋】 尸解仙 キファ

 
 
「サダル」
 
 
(?10) 2021/05/04(Tue) 21:56:59

【恋】 尸解仙 キファ

 
 
「吾はずっと、おまえのことが大好きだ!」
 
 
(?11) 2021/05/04(Tue) 21:57:11

【人】 尸解仙 キファ

 ──『運否天賦』はその日、ギルドマスターを交代した。

 然るべき手順の後、キファの一番弟子であるエルが継いだ。
 彼女はだらけ者の先代よりも、しっかり者であった。

 師匠について尋ねると、彼女はこう答える。
「『新たな地に旅立つ』と、書置きが残されてたんです。
 律儀に、彼女本人の印が押された申請書まで置いて有って」
 
『まぁ、部屋は片付けて行って欲しかったですけど』
 そう言って、エルは笑った。
 
 元より、『運否天賦』は中堅のギルドである。
 そのギルドマスターであるキファが持ち込んだ
 『道教』という概念は、レムノスにて密やかに
 認知度を高めつつある。

 キファはこの世界からいなくなった。
 でも、全部が無くなったわけじゃない。

 彼女の痕跡は、この世界に遺り続ける。
 きっとそうやって、未来は紡がれていくのだろう。
(537) 2021/05/04(Tue) 21:57:36
尸解仙 キファは、メモを貼った。
(a174) 2021/05/04(Tue) 21:58:05

キファは、ログアウトした。
(a175) 2021/05/04(Tue) 21:58:51

 




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生存者 (5)

ラサルハグ
3回 残 たくさん

あんまいない

ヌンキ
52回 残 たくさん

全◯/置きレス

ルヘナ
33回 残 たくさん

レス通知求

ハマル
43回 残 たくさん

全○

メレフ
44回 残 たくさん

新秘○/置 謝謝

犠牲者 (6)

サルガス(2d)
0回 残 たくさん

 

ニア(4d)
42回 残 たくさん

新規・秘話○分裂

キファ(5d)
72回 残 たくさん

置かかってこいや

ヘイズ(5d)
14回 残 たくさん

【雲】ここどこ?

ゲイザー(6d)
40回 残 たくさん

全◯なんでもこい

ルヴァ(6d)
13回 残 たくさん

新◎/います

処刑者 (6)

アンタレス(3d)
1回 残 たくさん

新規〇置きレス

シトゥラ(4d)
20回 残 たくさん

またね

サダル(5d)
54回 残 たくさん

新◎秘◎

カウス(6d)
58回 残 たくさん

全〇Love…

キュー(7d)
30回 残 たくさん

置き

ブラキウム(7d)
24回 残 たくさん

全◎置きだぞ!

突然死者 (0)

裏方 (3)

エルナト
0回 残 たくさん

レグルスkiss

レグルス
2回 残 たくさん

ぜんぶ○/生存

メサ
12回 残 たくさん

全部◎昼は置き

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
裏方
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















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