19:37:12

人狼物語 三日月国


112 【R18】アルステラのもとに婚姻を

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


到着:怪力 シャオロン

【人】 怪力 シャオロン

――ちいさなおおかみのはなし――

[赤子の頃、両親が死んだ。
魔物に襲われたらしい。
まだ生まれたてだった赤子が生き残ったのは、その魔物を殺した 、、、、、、、、のが他でもない当の赤子だったからだ。

食われまいという意思すらなかっただろう。
赤子はその月齢の子どもによくあるようにぐずって手足をばたばたさせたに過ぎない。
ただその力が途方もなく強く、食おうと近づいた魔物の身体を吹っ飛ばし、石造りの家壁に叩きつけた結果、魔物は絶命したというだけだ。]
(4) 2021/12/02(Thu) 0:07:44

【人】 怪力 シャオロン

[以来、赤子は村一番の怪力として村人の多くに世話をされながら生きて来た。
あの日両親を殺した魔物は他にも村人を殺していて、それを偶然だろうが退治した赤子がそのまま野垂れ死ぬのが忍びないと思った人々が代わる代わる育ててくれたのだと言う。

おかげで二足歩行が出来るようになった頃にはもう建築現場で重宝されるようになったし、物心がつく頃にはもう一人で魔物を狩って駆除費用を稼げるようになった。

怪力は筋力増強の魔法の一種らしく、行使する時には髪が赤く染まり腕に紋様が現れる。
だから、日常生活で物を壊したり村人に怪我をさせたりといった苦労を感じたことはない。
だが、「怒らせたら殺されるかもしれない」という恐怖は村人の心の底にあるのか、食事の世話をしてくれる大人たちは周りにいたが、同年代の子とは殆ど遊ばせてもらえなかった。]
(5) 2021/12/02(Thu) 0:09:37

【人】 怪力 シャオロン

[小狼 シャオランと名づけられた赤子は――
村人の聞き間違いにより、小龍シャオロンと呼ばれるようになり、今では本人すら本当の名を知らない。

齢22歳、もう世話をされなくても一人で生活できる年齢ではあるが、ここまで育てて貰った恩義がある。
自分の力は一生この村の為に使うと決めている。**]
(6) 2021/12/02(Thu) 0:14:24
怪力 シャオロンは、メモを貼った。
(a1) 2021/12/02(Thu) 0:27:47

【人】 怪力 シャオロン


[村が望むなら、一人で魔物退治に行くことも厭わなかったし、一日中働き続けることだって出来た。
だがこのたび望まれたことだけは抵抗があった。]


 ――何で、今更……、


[族長の使いでやってきた男は、小龍に「外に住む一族の女と番え」と命じて来た。
これまで大人たちは「外」と交流することに良い顔をしなかった癖に。
それに、向こうだって此方を良く思っていないのは身をもって知っている。

幼い頃、リル族の大人たち数人に囲まれて罵倒され私刑を受けた。
ちいさなりゅうは村で「人に対して力を使ってはいけない」と言いつけられていたので、寄ってたかって暴力を振るわれてもやり返さなかったが、今となってはやられたらやり返しても良かったのではないかと思う。

何故リル族と遭遇し、何故酷い目に遭わされたのか――
怪我によって発熱し、記憶を一部失った小龍は覚えていない。

嫌悪感だけが胸にずっとある。

その一族と「番え」だと?
ふざけるな、と怒りに任せてテーブルに拳をぶつけた。
テーブルは派手な音を立てて割れた。]
(16) 2021/12/02(Thu) 8:24:22

【人】 怪力 シャオロン

――失われた記憶――

 だいじょうぶか?
 けがしてないか?


[魔物に襲われていた姿を見て、つい身体が動いていた。
渾身の力を込めて突き出した拳は魔物の腹に大きな孔を開けた。
絶命を確認してから、襲われていた方を振り返る。]


 ……おまえもまもの?


[思わず聞いたのは、その身体から獣の耳とふさふさのしっぽが生えていたからだ。**]
(17) 2021/12/02(Thu) 8:25:27

【人】 怪力 シャオロン

――婚儀の日――

[割れたテーブルはそのまま捨てた。
新しいテーブルは「新居」に用意してあると言う。
別の一族の女と卓を囲むなど気乗りがしないが。

身に着けたこともないような白い正装は村が用意してくれた。
他にもこの婚姻に選ばれた人々がいることを思えば、随分な出費になる。
それだけこの婚儀が村にとって重要なのだということがわかる。

選ばれた段階では孤児の厄介払いかと拗ねた気持ちもあったが、冷静に考えてみれば両族の和平の為にいくら年齢が適当だからとはいえ問題のある人間は選ばないだろう。
逃げ出す先もなければ引き留めてくれる恋人がいるでもなし、小龍はテーブル以外を壊すこともなく婚儀の日を迎えた。

持ち物はごく僅かの衣服と武器のみ。
それ以外は置いていく。
何時でも帰れるように。]


 ……要は、子どもが出来なきゃいいんだろ。


[大事なのは混血だ。
胤なしと言われようが構わない。
子を成せないと分かれば帰ることができるだろうと思っている。]
(31) 2021/12/02(Thu) 13:39:13

【人】 怪力 シャオロン


――失われた記憶――

 ……しゃべった。
 まものはしゃべらないらしいからな、しんじるよ。


[獣の耳と尾はあるが、人間の女の子だと判断する。
瞬いた瞳は恐怖で涙ぐんだからかきらきらと光って、「きれい」なのはそっちじゃないか、と思った。]


 おれは……ロン。


[彼女は自分よりもちいさく見えた。
その子に「シャオ」をつけられるのは何だかむず痒くて、「ロン」とだけ名乗った。

見ない顔だが、そもそも自分は村の子どもを不用意に傷つけないように遠ざけられている身だ。
その時は、彼女も同じ村の子どもだと信じて疑わなかった。]
(32) 2021/12/02(Thu) 13:39:58

【人】 怪力 シャオロン



 ひとりできたのか?
 ここはさっきみたいにまものがでるから、
 こどもだけでくるのはあぶない。


[泉で魔物の血を洗い流しながら言う。
自分だって十分子どもの風貌なのだが、子どもらしからぬ強さがあることは一撃で魔物の腹を破ったことからも明らかだろうから、棚上げに罪悪感はない。]


 なにかのようじか?
 なら、すむまでおれがみててやるよ。


[周囲に大人の目はない。
小龍が他の子といても、咎める人はいない。
尤もらしい理由で留まって、彼女と一緒に居たいのはちいさなりゅうの方だった。**]
(33) 2021/12/02(Thu) 13:40:34

【人】 怪力 シャオロン

――婚儀の日――

[小龍を見送る人はいない。
村人の多くに親切にされ、仕事も与えてもらったが、誰にも「家族」として迎えられることはなかった。
世話をしてくれた中年の女の中には旦那に内緒で、と、幾度か寝台を共にした者もいたが、それこそ見送りで旦那にばれては困ると思ったのか、顔を見せにくることもなかった。

選ばれた者たちはどちらかの一族の元に行くのではなく、まったく新しい中間地点に暮らすのだという。
和平を謳っておいて、「敵」と通じた人間を余所に追いやるのかと思わなくもないが、それこそ「敵」に放り込まれた人間が幼い自分のように虐められてはいけないという配慮なのかもしれない。]


 …………。


[嘆いている女の姿を遠目に見て>>35、まだ見ぬ自分の番も泣いているのだろうかと思う。
女は大変だ。
婚姻を結ぶだけではなく、「孕む」ことまでを強要されるのだから。]
(41) 2021/12/02(Thu) 16:46:36

【人】 怪力 シャオロン

――失われた記憶――

[獣の耳が折れている。
魔物よりも、その魔物を斃した自分の方が恐ろしいのかもしれない。
仔狐どころか人間の子どもとも碌に接したことがないから、その心を察することはできないが。

小龍は清めた腕や拳を手巾で拭った。
泉の水は冷たいが、それに臆することはない。]


 ……はな。


[そういえば、と見回した。
生活に特に必要がないものだったから意識したことはなかったが、確かにこれは「きれい」なのだろう。]


 「おかあさま」ははながすきなのか。
 おれにはいないからわからないんだ。

 でも、すきなものをおくってくれようとするやさしいこが、
 ひとりであぶないめにあってたら、しんぱいするんじゃないか。


 ……たぶん。

(42) 2021/12/02(Thu) 16:47:23

【人】 怪力 シャオロン


[自分の世話をしてくれる女たちは皆ほんとうの子どもがいて、その子どもが自分といるのは「危ない」から、遊ばせたがらない。
彼女の母親が自分のところにきてくれる内の誰かであるかは知らないが、自分と会っていたら良い顔はしないだろう。
彼女自身は「怪力シャオロン」について聞いたことがないのか、聞いていても目の前の子どもとは結び付かないのか。]


 おれはつよいからへいきだ。


[ひとりで来るしかない、なんてことは言いたくなくて強く主張したら、彼女は予想外の言動に出た。]



 ……どうやっておれがいるってわかるんだよ。
 まいにちこなきゃいけなくなるだろ……。


[この泉は森から「ちょっと覗いた」くらいの位置にはない。
彼女が次も自分がいるからと伴もなくやってくるなら、いつでもいるようにしないといけない。
口ぶりに面倒臭さを滲ませながらも、「また会える」と期待する自分がいるのは確かだった。

手に花を握らせられる。
驚きで茎を潰してしまった。]
(43) 2021/12/02(Thu) 16:48:35

【人】 怪力 シャオロン


 おれは、こんなふうにはなもぐちゃぐちゃにしちゃうぞ。


[折角くれたのに、やはり自分は「危ない」のだと離れようとしたら、手を引かれる。
やわらかくてやさしい温もり。
それに、とても良い匂いがした。]
(44) 2021/12/02(Thu) 16:49:37

【人】 怪力 シャオロン



 おれは、おまえのおかあさまのことをしらない。
 しらないひとのためにはつまない。
 おまえに――レイにあげるのなら、つむよ。


[茎が千切れてもまだ花は開いたまま残っていた。
掴まれていない方の手でひとつを摘まんで、彼女の獣耳の付け根付近の髪にそっとさした。]


 きれいだ。


[何故だかとても恥ずかしくて逃げたい気持ちになりながら、花の髪飾りをつけた女の子に不器用な微笑みを向けた。

彼女のやさしさに触れた。
あれは確かに初恋だった。**]
(45) 2021/12/02(Thu) 16:52:04

【人】 怪力 シャオロン

――失われた記憶――


[父もいないと言うと、何故か彼女の方が悲しそうな顔をした。
彼女には両親がいるのに、おかしな話だ。

悲しそうな顔が通常かと思いきや、母が彼女を心配するのではないかと言った時には自分が助けたから平気だと居直ったように断言する。]


 そりゃたまたまだろ、 ……はあ、

 あぶなっかしーなぁ、おまえ。
 ほんとにまいにちこなきゃいけなくなったじゃないか。
 そんなにまいにちはなつんでたら、いえがはなやになるぞ。


[彼女がいつ来るかわからないから備えて毎日来る、というつもりが、いつの間にか毎日会う約束をしたみたいになっている。
はしゃぐ彼女に呆れたように溜息を吐いて苦笑した。
誰かを「放っておけない」なんて思ったのは初めてのことだった。]
(57) 2021/12/02(Thu) 20:42:52

【人】 怪力 シャオロン


 はななんか、はじめてさわったし……、


[もごもごと咥内でぶつくさ言い訳を言っていると、それこそ小龍を花に見立てたかのようにやさしく触れてくる。
導かれるまま、潰れた茎を差し入れた。]


 ふーん。
 ものしりだな。


[このまますぐに枯れてしまうから、捨てるしかないと思っていた。
だから、潰したことを彼女は怒るだろうと。
こんな風にやさしく教えてもらうなんて、思ってもみなかった。]
(58) 2021/12/02(Thu) 20:43:19

【人】 怪力 シャオロン

[すぐに萎れてしまうわけではないと知った花を彼女の髪にさす。
きれいだと言った小龍以上にレイの方が頬を染めて、暫く二人とももじもじと足元を見つめていた。]


 きゅうにかぞくがふえたら、レイのおかあさまもおとうさまもこまるだろ。
 なにいってんだ。


[まだ「結婚」というシステムもわからなかった頃。
「家族になる」ということは、彼女の家族にもらわれていくことしか想像できなかった。

「なにいってんだ」と言いながらも、家に帰れば彼女が「おかえり」と迎えてくれるのを想像した。
それはとてもしあわせなことのように思えて――同時に悲しかった。
そんなことを、彼女の両親が許す筈がないと、幼心にわかっていたから。

約束、とは言わなかった。
願っても叶わなかった時、彼女はきっとまた泣いてしまうだろう。]
(59) 2021/12/02(Thu) 20:44:13

【人】 怪力 シャオロン

[「毎日来る」という約束の方は続けられた。
小龍は元々村で遊ぶことを良しとされていなかったから、泉でレイと遊ぶことにすぐに夢中になった。

最初はぐちゃぐちゃにしていた花冠も徐々に上手くなり、花の名前や知識も増えた。
小龍の方から彼女に教えられることは何もなかったが、指先ひとつで木や石を削ってみせては彼女が驚いて笑ってくれたので、引け目に感じることもなかった。]


 きれいだろ、すいしょう。
 これにこうやってまんなかにあなあけて……っと。
 レイのすきなこのしろいはなをおいて、うえからくりぬいたまるでぎゅってふたをして……


[固い石も小龍の力にかかれば粘土のようなものだ。
透明の環に白い花を閉じ込めて、力だけで溶接すると、彼女の指に嵌めた。
世話をしてくれる女たちがいつも指輪をしているのと同じ指に。


――それがどんな意味を持つのか、知るよりも前に「終わり」が訪れた。]
(60) 2021/12/02(Thu) 20:44:49

【人】 怪力 シャオロン

[怒号。痛み。彼女の泣き声。
贈ったばかりの指輪は泉に投げられ、沈んで行った。

「汚らしいヴィスのガキが」

自分を殴る誰かの声で漸く、彼女が「憎みあう一族の子」だったと知る。]


 レイ!


[声の限りに叫んだ。
その名を――その姿を――
次に目覚めた時には忘れていた。**]
(61) 2021/12/02(Thu) 20:45:15

【人】 怪力 シャオロン

[「結婚」という言葉と、その意味を知ったのは何時だっただろう。
恐らく「女」の身体を教えたどこかの家の嫁だった。
「旦那」と「結婚」しているから、こうしていることは誰にも言ってはいけないと言われた。

出て来た単語に何処か聞き覚えがあるような気がしたが、気の所為だろう。
それを知る機会など他になかったのだから。]


 レイの「だんなさま」になることが、「かぞくになる」ってことか?
 ふーん……。



[花よりもきれいに微笑んだ彼女>>65のことは、思い出せなかった。
「おうじさま」という単語は、22になった今でも他に聞く機会などないまま。>>66]
(84) 2021/12/02(Thu) 22:40:19

【人】 怪力 シャオロン

[同じ種族であることを疑わなかったけれど。
実際彼女がどの出自かなんて、関係なかった。

ただ――
きだったんだ。]
(85) 2021/12/02(Thu) 22:41:16

【人】 怪力 シャオロン

[彼女のことをすっかり忘れている小龍は、自分の番となる「澪」の文字を見ても全く心が動くことはなかった。
名前と歳だけ知っていて何になるというのだろう。
それを聞いても聞かなくても相手を変えられる訳でもなければ婚姻自体が取り止めになることもないのに。

候補者は一緒に合流地点に向かう。
似た年齢の男女とあれば、狭い村の中では幼馴染という関係であるのがふつうかもしれないが、小龍は同年代と離されていたので、近くにいる彼等のことをまるで知らない。
そして、今から知っていこうとする積極性も持ち合わせていない。

ぶすっとした顔のまま、流れに沿って移動していた。*]
(86) 2021/12/02(Thu) 22:41:35

【人】 怪力 シャオロン

[大人に混じって仕事をするようになってからは、特に同年代と遊ぶことを禁じられることはなかったが、その時には既に彼等は知り合いで、そこに入っていく社交性は残念ながら育っていなかった。
今更混血を作るための集落で他の同胞と近くに住むことになったからといって、近所づきあいを如才なくする自信はないし、したいとも思わない。
自分以外が男だろうが女だろうがそれこそどうでも良かった。

が、自分の「嫁」となる者にとっては、同性がいるというのは心強いだろう。
そこを踏まえての2:2なのか。
聞き耳を立てるつもりもなかったが、密集して移動していたらどうしても聞こえてしまう。>>90

自分も同じように同性を励ますべきなのだろうか。
荷台に登るのにも苦労していた少年のような小柄な男をチラと見遣る。>>76]


 ………………。


[嘆いている様子でもなければ怒っている様子でもない彼にどういうスタンスで声を掛けて良いかわからずに、結局口を噤んでしまった。*]
(96) 2021/12/02(Thu) 23:05:50

【人】 怪力 シャオロン

[泉に行かなくなったのは、嫌な思い出だけが頭に残ってしまったからだった。
何が理由だったのかも忘れてしまった今では、意味もなく迫害されたように感じていて、余計に大きなトラウマとなっている。

結婚するのは女の子なのだから、自分に怪我をさせた男とは違うとわかっている。
だが世話人として来ていたら――


……顔も覚えていないから無理か。**]
(111) 2021/12/02(Thu) 23:50:34

【人】 怪力 シャオロン

――新集落――

[荷物の運びだしなど、それこそ「怪力」の出番ではないかと婚礼衣装を腕まくりすると、村人たちに止められた。]


 ……じゃあ俺は、することがない。


[動いている方が気が紛れて良かったのだが、どうしても駄目だと言われると引き下がるより他はない。
所在なく、その辺をぶらぶらと歩いた。

そういえばここは、昔酷い目に遭った泉が近い。]
(141) 2021/12/03(Fri) 17:50:48

【人】 怪力 シャオロン

[大昔、アルステラの民たちが祈りを捧げていたという泉。
祈るようなことは何もないが、することもないまま広場にぽつんといるよりは幾らか落ち着く。
魔物は出るかもしれないが、自分には脅威とならない。]


 …………花、


[茎の柔らかな白い花を摘んで、何の気なしに編む。
作り方を習った記憶などないのに、それは綺麗な小さな輪になった。
まるで子供の頭に乗せるのにちょうど良いサイズを指が覚えているかのようだ。

このサイズでは――そもそも野草で作った花冠では、花嫁への土産にもならないだろう。
婚姻に前向きだと思われても困るから、これは木の根元に置いていく。

顔合わせまでには広場に戻れと言われた。
だから、顔合わせまでは広場にいなくとも良いだろうと都合よく解釈をして、適当に拾った石を指で研磨する。
水平に投げると、石は水面を(19)1d20回跳ねた。**]
(142) 2021/12/03(Fri) 17:57:48

【人】 怪力 シャオロン

――泉のほとり――

[気配>>147に気づいて顔を上げる。
婚礼衣装を着た女性。
ヴィスの一行の中にいなかったということは、リル族か。]


 ……ここ、魔物出るけど。
 一人で来たら危ない。


[見た感じ、付き添いはいない。
迷ったのだとしたら、皆が居るところに帰してやらねばならないだろうと立ち上がる。]


 それとも、ヴィスの人間が言うことは信用出来ないか?


[近寄って来ないのは、「出るかもしれない魔物」よりも、「今いる敵対一族」を警戒しているのだろうか。*]
(158) 2021/12/03(Fri) 20:49:24

【人】 怪力 シャオロン

 昔?
 前にも警告されたことがあるのにひとりで来たのか?


[彼女が思い浮かべているのがかつての自分だったことには思い至らない。]


 魔物と比べて、なら強いよ。
 もしかして、おまえも強いのか?


[とてもそうは見えないが、自分だって力を使う時以外は少年と見紛う程の風貌だ。
彼女も急に筋肉質になるのかもしれない。]
(163) 2021/12/03(Fri) 21:28:51

【人】 怪力 シャオロン

[近寄って来た彼女は、ヴィス族を警戒したり軽蔑したりする様子は見られない。
つられるように泉を見た。

何か大切なものをそこで失った気がするが、思い出せない。
彼女も泉に何か思い入れがあるのだろうか。
それとも、自分と同じように、新天地の居心地の悪さから逃れて来たのか。]


 ここに何か用事があるなら、魔物が出ないように見張るくらいはしてやるよ。


[勿論、戻るなら止めない、と付け加えた。*]
(164) 2021/12/03(Fri) 21:33:46

【人】 怪力 シャオロン

[記憶を失った小龍にとっては、この場所には苦い思い出しかない。
だが、この場所を大事だと言う人の前で水を差すようなことを言わない程度には良識が育っていたので、「そうか」と相槌を打った。>>166

危険を冒しても来たかった場所。
彼女はやはり強いという訳ではないらしい。]


 俺が助ける前提かよ。
 俺がいなくて魔物が出てたらどうするつもりだったんだ。


[その笑顔にあまりにも邪気がないから笑ってしまう。
初めて会ったのに、何故か言う事を聞いてしまいたくなる雰囲気が彼女にはあった。]
(176) 2021/12/03(Fri) 22:12:56

【人】 怪力 シャオロン

[だが言う事を聞くのにも限度がある。]


 
ハァ?!

 飛び込むって……!


[思わずその身体を引き寄せた。
折れてしまいそうに華奢な身体。
あまい香りに頭がクラリと揺れる。]


 おまっ、 ばか、
バカか?!

 死ぬほど結婚が嫌なら、逃げろよ!!
 今からでも遅くねーし、旦那の方にも相談して……


[怒鳴った後、ハタと気づく。
此方から男女二人ずつ。
つまり、彼女は二分の一の確率で自分の妻の筈だ。]
(177) 2021/12/03(Fri) 22:13:31

【人】 怪力 シャオロン



 ……って、旦那の名前は?
 「小龍」なら俺だから、そんなに嫌なら逃がすの協力してやる。


[だから死ぬな、生きてんだから。
後ろから抱き寄せて腕に閉じ込めたまま囁いた。
慌てたせいで息が乱れている。*]
(178) 2021/12/03(Fri) 22:14:32

【人】 怪力 シャオロン



 なんだそりゃ。
 「おじさま」なら何人も見たことあるけど、「おうじさま」?


[この泉は伝統ある場所だから、先祖の幽霊でも見たのだろうか。>>179
「おうじさま」がどんなものなのか知らないから、怪訝な反応しかできない。

だが彼女が会ったと言うなら、助けた人物がいるのは確かなのだろう。
それが幼い頃の自分だなんて見当もつかないが。]
(186) 2021/12/03(Fri) 23:13:55

【人】 怪力 シャオロン

[「おうじさま」とやらが本当に存在するなら、飛び込もうとする彼女を助けに現れるのではないか。
実際にはそれをまたずに小龍の手が伸びたのだが。
鼻先を何かが掠めて目を瞑る。
再び開けると、そこには獣の耳が生えていた。

腰のあたりにもぞりとした気配がある。
どうやら尻尾もあるらしい。]


 ……狐?


[色形はそう見えるが。

そうなら、猶更。
変体して逃げれば人間と番うことなどないだろうに。

思わず怒鳴りつけてから起こった事象に、どう反応を返せば良いものか。
背中からでも彼女の鼓動の速さが伝わる。]
(187) 2021/12/03(Fri) 23:14:08

【人】 怪力 シャオロン


 あ、 あー……
 成程……?
 いやでもそれは、婚礼衣装着たまますることじゃねーだろ……。


[早とちりだったようで居心地が悪い。>>181
振り返った彼女の顔が近くて、慌てて腕を離した。
彼女の鼓動が移ったみたいに自分の心臓も煩い。


――というか。
緊張するから、見つめないでほしい。>>182]
(188) 2021/12/03(Fri) 23:14:23

【人】 怪力 シャオロン



 そう。俺「が」。
 どうやらおまえの旦那らしい。

 20歳なら年下だろ。
 「シャオ」じゃなくて「ラオ」だろって思わなくもないけど。
 「シャオロン」で通ってるからもうそれで良い。


 ――
レイ



[呼んだ。
初めて口にする筈なのに、とても大切な響きのような気がするのは何故だろう。]
(189) 2021/12/03(Fri) 23:15:03

【人】 怪力 シャオロン


 落ちたのがこの泉なら、海に流れることもないだろうし、
 探すなら汚れても良い服の時にしろよ。
 つかどんだけの深さがあるかわかんないんだし、まずは木の枝とかで様子見すべきじゃね?


[その段階は既に終わっていて、もしかすると浅いのかもしれないが。
少し話しただけで、彼女がそんなに慎重な印象は受けなかったから、未調査で飛び込もうとしていた気もする。]


 なーんか、危なっかしいなおまえ。


[溜息を吐いて、苦笑した。*]
(190) 2021/12/03(Fri) 23:15:19

【人】 怪力 シャオロン

[残念ながら教養はない。
村の手習い所には通えなかったから、最低限の読み書きと計算ぐらいしか出来ない。
彼女は異国の読み物を読める家庭で育ったらしいから、話が噛み合わなくても仕方がないだろう。

人を起こすのにキスをするらしい。
本当にそんなので人が起きるのか?
揺さぶった方が効率的ではないか。
どうにも「おうじさま」に魅力を感じないが、それは小龍が男だからなのだろうか。

詳しく聞くことよりも、彼女に現れた獣耳の方に興味がある。
感情と連動するようにぴるぴると動くさまを観察し。]


 ああ、狐が化けて人型になったって訳でもないのか。
 そうだよな、ヒトが本来じゃなきゃ、ヒトと子作りなんかできないか。


[では獣型になって逃げるという案は却下だろう。
彼女が逃げたいならば、別の方法を考えないといけない。]
(208) 2021/12/04(Sat) 0:26:33

【人】 怪力 シャオロン

[身体を離したのに鼓動は落ち着いてくれなくて。
それは彼女も同じなのか、驚くと出るという耳も尻尾もまだ消えていない。

「探し物」は何かはわからないが、婚礼衣装にも関わらず飛び込もうとした理由はわかった。

両手で顔を覆う様子に、笑ってしまったのを反省する。>>202]


 ……悪かったよ。

 事情はわかった。
 ケジメをつけたい、みたいなもんだろ。

 お詫びに、俺が探してやるから、何を探してるのか言ってくれ。

 
(209) 2021/12/04(Sat) 0:26:59

【人】 怪力 シャオロン

[近くの木の枝を折った。
力を使う一瞬だけ、髪が赤く光る。
瞬発的なものだから、すぐに消えたが。]
(210) 2021/12/04(Sat) 0:27:12

【人】 怪力 シャオロン



 顔あげてろよ。化粧が崩れるぞ。
 落ち着かないなら花の数でも数えてろ。


[枝の先を指で研磨し、釣り針のように先端を曲げる。
彼女が顔を上げたなら、先程作った子供用の花冠を輪投げのように放って彼女の尻尾に引っ掛けた。**]
(211) 2021/12/04(Sat) 0:28:42
怪力 シャオロンは、メモを貼った。
(a25) 2021/12/04(Sat) 0:30:12

【人】 怪力 シャオロン


[「子作り」という単語に赤面するところを見るに、彼女は処女だろう。>>215
婚姻を継続させるつもりのない小龍には特に関係がないことだ。
揶揄するでもなく、謝るでもなく、ただ何でもないことのように会話を続ける。

血液が通っているのだから当たり前といえば当たり前なのかもしれないが、頬の赤みに同じく獣耳の内側の毛が生えていない部分もピンクに染まっている。
面白いからつい観察したくなるが、両手で隠されてしまった。

残念だ。]


 ……へえ、指輪。


[子ども用、ということは、今の彼女宛のものではないのだろう。
聞いたところでその送り主が自分であることには気づかない。
後ろを向いて木の枝を折る時に赤髪に変わる姿を彼女がずっと探してくれていたことにも。]
(242) 2021/12/04(Sat) 16:56:33

【人】 怪力 シャオロン



 …………。


[
こいつこんなに無防備でよく20歳まで処女でいられたな?!


花冠を何の気なしに投げたら声が上がって、ぐっと唇を真一文字に引き結んだ。
本人は無自覚なのだろう。
その言動がどれだけ男を煽っているのか。]


 …、


[忠告してやろうと開きかけた口は、彼女の勢いに押されそのまま固まる。>>219]
(243) 2021/12/04(Sat) 16:57:15

【人】 怪力 シャオロン



 俺が作ったの、そんな意外か?
 髪は……ああ、重いものを持ち上げたり、力を込めたりした時に変わるんだよ。
 レイの先祖返りとは違って、多分魔力行使の副作用みたいなもんだと思うけど。


[彼女が何故狼狽しているのかわからない。
何度か目を瞬かせ、白くなる程強く掴む指と彼女の顔を交互に見つめた。]


 ?そう名乗っただろ。
 年上に「シャオ」をつけるのに抵抗あるなら別に「ロン」でも構わないけど。


[今までそう呼ぶ人がいなかっただけで。
いや、本当にいなかったか――?
呼ばれたことがあるような気がするが、どうにも思い出せない。]
(244) 2021/12/04(Sat) 16:57:35

【人】 怪力 シャオロン


 ……どうかしたか?


[冷えた指を包み込むように、己の掌を当てた。
魔力の残滓は熱を帯びているが、彼女を傷つけることはない。

「おはなはね、やさしくふれるのよ」
と、>>50

遠い昔に誰かに教わったから、そっと、壊れてしまわぬように、触れる。**]
(245) 2021/12/04(Sat) 16:59:29

【人】 怪力 シャオロン

[畳みかけられるようにレイの口から語られたその「ロン」に、小龍は心当たりがない。>>251
感極まる様子のレイとは対照的に、小龍は戸惑っていた。]


 ぅわ……っ


[勢いのままに彼女が飛び込んでくる。>>252
戸惑うばかりだった小龍は完全に不意打ちを食らって後ろに倒れた。
せめて彼女が投げ出されてしまわないように、咄嗟に背に手を回す。

ぶわっと鼻孔に届く花と土の匂い。]
(257) 2021/12/04(Sat) 21:20:19

【人】 怪力 シャオロン



 ――――――

 ・・・、
         ……――――――、
 
 
(258) 2021/12/04(Sat) 21:21:11

【人】 怪力 シャオロン




 
――――――人違いだ。




[小龍は静かに告げた。]
(259) 2021/12/04(Sat) 21:21:27

【人】 怪力 シャオロン



 この泉でレイに会ったのは俺じゃないよ。


[そんな記憶はない。
きっと自分がいた村に「ロン」がいるのだろう。
大人としか交流して来なかった小龍には知り得ぬことで、当該の人物について彼女に教えてやれないのが申し訳ない。]


 俺は村であまり交流が深い訳じゃなかったから、
 心当たりとすぐに会わせてやれなくてすまない。

 ……儀式の後暫く一緒に住んでいれば、「嫁を連れた里帰り」だって許されるだろ。
 その時に探そうか、レイの想い人。


[慰めるように、回した腕で背中をぽんぽんと叩いた。
処女だろうに、男を勢いで押し倒すだなんて、随分と警戒心のない娘だな、なんて。
まあ自分がついている限りは悪い男に騙されて花を散らすこともないだろうから、指摘はしないでおく。*]
(260) 2021/12/04(Sat) 21:21:58

【人】 怪力 シャオロン

[悲しませるとわかっていても、レイの尋ね人の振りをすることはできなかった。
彼女が大切にしていた記憶はどれも、小龍の中にはないものだからだ。

花冠は何故か作れたが、それを教わった記憶もない。]


 ……ごめんな。


[彼女の涙が婚礼衣装に浸みこんでいく。
化粧が剥がれる、と口を挟むことはできなかった。

泣きじゃくる背をただ撫でて、落ち着くのを待っていた。]
(269) 2021/12/04(Sat) 22:11:31

【人】 怪力 シャオロン

[何か酷いことをしている気分で吐き気がした。]
(270) 2021/12/04(Sat) 22:11:44

【人】 怪力 シャオロン


 まだ、会えないと決まった訳じゃない。
 さっきも言ったけど、その内里帰りだって認められるだろうから。
 そこで村を回って、一緒に「ロン」を探そう。

 見つかれば、その時点で俺と入れ替われば良い。
 必要なのは「ヴィスとリルの混血をつくること」なんだから、俺である必要はない。


[涙声が落ち着く頃に、静かに言葉を紡いだ。
下敷きになっている分、尻が冷たい。
婚礼衣装は汚れてしまっているかもしれない。]


 ……それまでは、一緒に住んでても俺はレイに何もしない。誓って。


[今密着しているが、これは「何もしない」範疇に含めて欲しい。
慰めるだけなら、つなぎの花婿でも出来るだろう。*]
(271) 2021/12/04(Sat) 22:12:10

【人】 怪力 シャオロン

[泉は住居地からは少し離れていて、喧騒も届かない。
化粧は直す必要があるだろうが、決められた結婚が嫌で泣く花嫁はいてもおかしくないだろうし、それを見てショックを受ける花婿もいない。
花婿は外ならぬこの小龍だからだ。

泣き続ける彼女の背を撫でることしかできないが、下敷きになっていても苦痛を感じることはない丈夫な身体が、流れる彼女の涙をすべて受け止められたのなら、それもまたひとつの役立ちかもしれない。]


 どうなるかはわかんないけど、まあ、元の暮らしに戻るかな。
 元々一人暮らしだし、力を使って生計は立てられる訳だし。


[想い人を探してやると言っているのに、此方の処遇が気になるのか。>>275
記憶の中にある、「ヴィスを虐げるリル」のイメージとはかけ離れた彼女の姿に、此処に来るまで抱いていたかの一族への嫌悪感が薄らぐのを感じた。]
(282) 2021/12/04(Sat) 23:13:00

【人】 怪力 シャオロン




 うん、まずは落ち着こうか。
 このままだと、顔合わせの時までに耳と尻尾が消えなくなるぞ。



[彼女が身を起こしてから、小龍の方も起き上がる。
背や尻についた草と土を手で払った。]


 紛らわしい名前と特徴なら、仕方ないんじゃねーの。


[頬を覆う彼女に手巾を差し出した。
魔物の血を洗った後に拭いたのとは違うものだ。
目元、と。
化粧が色水のようになってしまった箇所を指摘した。]
(283) 2021/12/04(Sat) 23:13:16

【人】 怪力 シャオロン



 ……違うよ。



[問いかけには再度人違いだと強調して。
押し倒された時に放ってしまった木の枝を拾い上げる。

水面に沈めて見れば、底は割と深い。
飛び込もうとしたレイを引き留められて良かったと思った。]
(284) 2021/12/04(Sat) 23:14:24

【人】 怪力 シャオロン



 指輪はそいつに貰った?

 落ちたのも子どもの頃なら、結構下まで行ってるかもな……。
 端からちょっとずつ底を掘り返した方が良いかもしれない。


[恐らく結婚までには間に合わないが、指輪がケジメではなく本当の結婚相手と巡り合う為のお守りになるのなら、焦った話にはならないだろう。
戻らないといけない時間ギリギリまでは探すつもりではいるが、もし彼女が戻るのなら、探索は打ち切るつもりで。*]
(285) 2021/12/04(Sat) 23:14:41

【人】 怪力 シャオロン


 居ない。
 だから「嫁を寝取られた男」みたいな恰好になろうが心を痛める人はいない。
 孫も見せる必要もない。
 気にしなくて良い。


[家柄はこの結婚に重要ではないのだろう。
小龍でも知っている「良いトコのお嬢さん」も選ばれているし、自分のような孤児もいる。
レイの方は両親が揃っているふつうの家庭だろうか。
リルの経済観念はわからないが。]


 結婚自体は望んでなかったけど、
 レイが悪いなんて一言も言ってない。

 ……一途なのは良いことだと思う。


[自分の周りにいた女性は、旦那を疎んでいる人が多かった。
こんな風に想われる「ロン」はきっと幸せだろう。
力を失った獣耳を思わず撫でた。>>291
「ロン」ならこうしたいだろうと思ったから。]
(308) 2021/12/05(Sun) 8:33:00

【人】 怪力 シャオロン

[何もしない宣言はしたが、22の健康な男子には、スリットから覗く生足は目の毒だ。>>293
すぐに指輪探索に思考を切り替えたのは、別のことに集中しないと、動く尻尾を捕まえて、スリットから手を入れたくなってしまいそうだったから。

背後で目元を拭う気配がする。
こんなに泣かせておいて、指輪を贈った「ロン」は一体今どこで何をしているやら。]
(309) 2021/12/05(Sun) 8:33:17

【人】 怪力 シャオロン



 埋もれてるなら掘り返せば良い。
 石で出来た指輪なら、10年以上経ってても腐食してるってことはないだろ。


[何度か引っかかったものを持ち上げてみたが、指輪ではなかった。
私物の装飾品は持ち帰って目録にまとめ、後で双方の村で心当たりを募るのも良いかもしれない。
拾ったのが探し物じゃなかったからと言って、泉に沈め返したりその場に放置するという選択肢は取れなかった。]


 ……ないな。


[やはりそうすぐには見つからないか。
水溜まりくらいの大きさならまだしも、それなりの広さがある。
手前はまだしも、奥の方の水底を見るには泳いでみないといけないかもしれない。]
(310) 2021/12/05(Sun) 8:33:39

【人】 怪力 シャオロン

[そして暫く水面を探って、首を横に振った。]


 悪い。時間切れだ。
 一度広場に戻ってから、また探すよ。

 今日のところは俺が用意した指輪で我慢してくれ。
 金がある訳じゃないから、水晶を加工しただけのシンプルなものだけど。

 見つかったところで子供用なら嵌められないだろうし、「本物」は「本物のロイ」にねだるまでお預けだな。


[木の枝は小さく折って根元にばら撒いた。
その内土に還るだろう。
手を洗って拭いた後、座り込んだ彼女に手を差し伸べる。

化粧直しをするならば、もう戻らないと彼女自身の印象が悪くなってしまう。**]
(311) 2021/12/05(Sun) 8:34:49

【人】 怪力 シャオロン

[婚礼衣装や新居の調度品は、村が用意してくれていた。
金がないことを理由に婚姻を辞退させないためかもしれないが。
金がある家は世話人を含め、色々用意出来ているのかもしれないが、小龍が自分で用意したのは、花嫁に贈る指輪ぐらいだった。

婚姻自体乗り気ではなく、何なら嫁と話し合って清い関係のまま暫く我慢して離縁しようとさえ考えてはいたが、自分の態度が悪いことによって、無理矢理結婚させられるという立場は同じの「仲間」が惨めな思いをしてしまうのは忍びなかった。

せめて形だけでも婚姻を継続する意思があることを見せようとした結果の、手作りの指輪は、大きさこそ違えど見た目はかつて彼女に一瞬嵌めて貰ったものとほぼ同じであることがわかるのは、儀式が始まってからのこと。**]
(312) 2021/12/05(Sun) 8:50:28
 




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