………最近退屈だわ。


　　　　　　
　　　　　　

［　退屈凌ぎで催し物をしているけれど、
　　最近はそういうことでは満足ができないの。
　　だから、連絡先を知っている特定の人に
　　声をかけて遊びにきてもらったり
　　相手が指定するところへ遊びに行ったり。

　　とても刺激的で、抜け出せないそんな時間。　　］

［　何もない時は、朝からエステに行ったり
　　ショッピングに行ったり、
　　自分磨きに忙しいけれど
　　それはもう自分の中でのルーティーン。

　　小さなことでも褒められたなら、
　　まだ遊び相手として連絡先は残すけど
　　それを当たり前と思う方とは
　　すっぱり縁を切るようにすることで
　　自分磨きの大切さを改めて実感するの。

　　飽きられてしまったら、それはそれ。

　　とは言っても、頻度が高い人ほど
　　私も気に入っているということなのだけれど。　］

── ある日のこと ──


［　新しい人に声をかけても一晩を明かせない。
　　そんなことで悩んでいると、呼び出された日。

　　指定されたのはとある駅だったような。
　　
　　どうしてそんなところに、と思いながら
　　きちんとした服装に着替えて約束の時間に
　　駅の外でその人を待っていたの。
　　どこか冴えないけれど汚くはない人。
　　お互いの利害が一致している関係、とも言えるわ。　］

　　　凄く待っている気がするけど、
　　　まだ3分くらいしか経っていないのね。


［　頂き物のアメジストが散りばめられた
　　オリジナルの腕時計で時間を確認して
　　どれだけ待ったかと思うと、まだそれだけ。

　　好きなブランドの黒いシースルーワンピースと
　　ダークパープルの特注で作ってもらったハイヒール。
　　あまり高いものを履くと身長が同じくらいに
　　なってしまうから、少しだけ低いものにするのよ。

　　露出が多すぎるといけないから、
　　薄手のコートも羽織って今か今かと待ってしまう。
　　だって一緒に食事もしてくれないし、
　　どこかつれない人なのに、会いたくなるんだもの。
　　沢山いる遊び相手の中でも普通に近い人、だと
　　思っているのに不思議なものよね。　　　　　　　］

［　だから、待ち合わせ場所で目的の人に出会えば
　　お仕事の荷物を持ってあげようとするの。
　　やっぱりお疲れでしょう？
　　朝から夜まで働くなんて私には無理だもの。

　　どこにいくかまでは見当さえつかないから
　　連れていかれるままに、目的地を目指す。
　　それがどんなところでも。
　　勿論、あまりにもな場所だったら
　　嫌よ、なんて抵抗もするけれどね。　　　　　］*