［　誰も知らない俺の最期
　　それはある意味でだ。　］

　──　ギルドに残る名　──


［　よくある話をしようか。
　　とある勇者に憧れた若者がいた。
　　パーティを組んで
　　強くなろうとした。

　　次第に仲間が集まり
　　強くなったと思い上がった若者は無茶をした。

　　あるダンジョンの下層部で
　　想定以上の強さのある魔物の群れに囲まれた。
　　死を覚悟したその若者の前に
　　一人の仲間の男が一歩踏み出て告げた一言。

　　「　此処は俺に任せろ　」

　　死に怯えた仲間たちは逃げ出した。
　　そして勇者に憧れた若者も。　　］

［　なあ、マスターレイ。
　　ここに置いてくれたのは
　　とてもありがたく思っているさ。

　　歩く道が照らすのは



　　この言葉を俺が聞く機会があれば>>2
　　俺はこんな言葉を続けたはずだ。　］

　　　マスターの歩いてきた道も
　　　これから歩く道も
　　　暗い日もあれば明るい時もあったはず

　　　歩いてきた道は俺にはわからないけどよ
　　　これからは、……これからも
　　　俺や店のみんながマスターの道と
　　　この店を照らしていけたらと思う

なんか小っ恥ずかしいこと言ってんな俺
でも、言える時に伝えておきたかったんだ

［　彼の口癖にもなってきたかも知れない話題>>19
　　その返事はいつもあったのだろうか
　　聞き耳を立てる時、傍で聞いていた時も
　　あったかもしれないが
　　俺は口を出すことはなかったはずだ。

　　思い入れがあるのなら大切にしたらいいと思う。
　　彼だって店のことを考えての提案だと思うから。



　　やはり何も言わずに
　　これからも聞いているだろうな。　］**

　　　……俺は独学だからさ
　　　教えてくれる誰かがいるってのはいいよなって
　　　思うわけよ　　

　　

　　
［　勇者に憧れ、冒険者となった若者がいた。
　　その男の隣は色んなヤツが入れ替わり立ち替わった。



　　若者は強い者に憧れていた。
　　だから隣に立つ者は強いと噂のある者ばかりだ。

─　『　10年前　』　─



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　　　　　　　　　　　　ーーー……。