父さんは料理は全然出来ないから、
　　誰かが作った母さんのレシピ、食べたことない。

　　でも、僕が作った母さんのレシピ、
　　父さんはよく食べていたから、



［「母さんのレシピには感謝だね！」と僕は笑ったけど、
　ウーヴェはよく光のような言葉をくれるのに、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　母のレシピは大事にしろと尊重されつつも、>>253
　僕たちの料理教室はその後、
　何度も開催されただろう。>>254
　それにより、
　この店の料理の味はどんどん良くなったのだと思う。
　
　

　
― ―


［流星に願掛けする際に、
　お届け先まで指定しなければいけないこと、>>259
　僕は全然知らなかったから、目を丸くして。
　自分でも気を付けて見ていたけれど、
　ウーヴェに教えて貰えることもあって、
　何度も願いをかけた。］



　　　　　　　　　　　

［因みにここで言う"皆"に、僕は含まれていない。
　僕の中には、
　どんな奇跡をもってしても決して叶えられない願いと、

　

　
［やり残したことが片付けば、
　成仏してお別れになってしまう。

　


　僕は知らないことだけれど、
　二人分の願掛けがあるならば、
　きっとすぐに願いを叶えてくれるよね？
　ちゃんと願い三回+所在地を
　星が落ち切る前に言えたかどうかは、
　どうだったかな？

　

──────


［もう少しゆっくりしたら、
　僕も下拵えを始めようかなと思いつつ、
　出掛けて行ったヴィムのことを考えていた。
　ヴィムは日課のように故郷へ戻っては、
　英雄の石像を綺麗にしているのだとか。>>231



　母の墓は何処かにある筈。
　でも僕はそれが何処にあるのか知らない。
　父の屍も、僕の屍も、何処かの海の底に沈んでいる。
　今でも骨くらいは残っているのだろうか。
　故郷と呼べる地はない。
　僕たちのあるべき場所、
　あの船も5年も経った今となっては、
　きっと跡形もないのだろうな。］
　

　


　
　　　　　　　　　　　　　　　
　

　


　あれは数年前、何となくの散歩から帰って来た時のこと、
　店のドアの前で頽れる様にしている、
　が印象的な男性。>>342
　お腹でも痛いのかな？と思った僕は駆け寄り、
　しゃがんで顔を覗き込む。

　　　　　　　　　　　ここは店外で、
　　　　　　　　　　　僕は魔法は全く使えないから、
　　　　　　　　　　　見守る事しか出来なかったな……。］
　

　
［少し前にも天馬騎士のお兄さんが、
　天馬と共にやってきた。>>137
　わ！憧れのペガサスだ！と僕はそーっと近づいて。

　つぶらな瞳にじーっと見入って、
　畳まれた白い翼を色んな角度で堪能させてもらった。

　その日は興奮気味に、
　「僕、今日間近でペガサスを見たんだ！格好良かった！」
　って、言いふらしていたから、
　皆の記憶にも残っているかもしれない。］
　

　
［「頑張ってください」の言葉が功を奏したのか、>>161
　ユスターシュも掃除や下拵えをしてくれていて。
　　　　　　　　　　　　　　　　>>233>>235>>236

　「お疲れ様。有難う」とその背に声を掛けて。
　僕もそろそろ手伝おうと立ち上がると、
　窓ガラスに何かがぶつかる音がしてハッとする。>>325


　慌てて窓を見に行くが、幸いガラスは無事のよう。
　
　窓の外には水色の髪の女性とウーヴェ、
　更にはヴィムの姿も見えた。>>326>>352>>392

　女性の方には見覚えがある。
　優秀な占い師として噂になっているの、
　聞いたことがあったから。>>329
　僕は何度か暇な時に、彼女に会いに行っていた。］
　

　
― ―


　　


［鈴のような澄んだ音で、
　未来の予測が紡がれるのを僕はただじっと見ていた。
　勿論、ゴーストの僕がそう言われたわけじゃない。
　お客さんが彼女の対面に座っている。
　>>12
　なんて言葉を耳にしたこともあったから、
　僕は彼女がそれなりに大人の女性だという事を知っている。
　　　　　　　　　　　

　未来に起こりそうなことや、悩みや困った事への助言。
　そんなやり取りが為されているのを、歯がゆく見守っていた。
　
　

　
　

　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　
　
　

　

　

　　　ハハッ、俺そう呼ばれてんの？
　　　俺の名はウーヴェだ

　　　その頭の隅っこにでも
　　　入れておいてくれよな、Perl blue
　　　……ってのも通り名だな

　　　お前の名前、教えてくれよ
　　　俺も忘れねぇからさ


［　そんな今更な自己紹介もしたかもな。　］

　

　　　そうか、難しかったか

　　　そのうちわかる時が来る
　　　自分で気付いた方がいいだろ？




　　けれどこの世の中
　　そんな悪い人間ばかりではないと
　　手を差し伸べてくれる人もいるというのを
　　知って欲しかった。
　
　　そしてそれを見極める力が必要だということを
　　気付いて欲しかったんだ。　］

　

　　　人の心を探るのは俺でも難しい
　　　だからよく人を見ることだ
　　　これは俺からの宿題ってことでいいか？
　　　約束、な


［　それは一方的な約束になったかもしれない。
　　小指を出して

　　「約束のやり方を知ってるか？　指切るんだぜ」

　　なんて物騒な物言いから始まって。



　　小指同士を繋げる約束は叶わなくとも
　　口約束だけでも、それは有効だからな。　］




　

　　　実力以外
　　　利害関係以外で結ばれるものもある

　　　絆ってやつ
　　　俺はそれを信じてるんだ
　
　

　　　俺の仲間は凄いだろ？
　　　自慢の仲間達だ

　　　お前も俺の仲間になったんだから
　　　もっと頼っていい
　　　肩車してやろうか？

　

　　それより俺の仲間達の良さを聞いてくれ
　　と、そんな自慢話から始まり
　　最後にはPerl blueのことも自慢させてもらった。　］

　

　　　今も十分実力があると言えるけれど
　　　おそらくもっとこれから伸ばせるな
　　　今後さらに成長を期待できる逸材だ

　　　魔法士というけれど
　　　剣技はどうだ？　全く出来ないより
　　　少しくらい嗜みがあると違うもんだぞ。
　　　でもやるからには中途半端はダメだ。
　　　
　　
［　そんな褒め言葉がいつの間にか修行談義に
　　変わっているかも知れないので




　

［　とっておきのお店。
　　この「プロテア」は沢山存在する。
　　だから1回切りじゃないんだよな。




　　　お酒を一緒にまだ飲めないのが
　　　残念なんだよなァ……

　　　よし！　お酒の飲める年になったら
　　　俺が上手い酒の飲み方を教えてやるよ
　　　楽しみにしてな





　

　　＊＊＊

　　失せ者探しの占いはよく承る。
　　失くし物のレパートリーの多さは
　　　　
　　

　　ともかく、結構相談としては多い部類。
　　大抵、探している人は焦っているから
　　占いにまで頼ろうとするわけで
　　その捜索の目は曇っていることが多い。
　　だから、休んで、と言えば
　　たとえ占い結果が外れていても
　　見つけられるだろう、と。
　　実際にそれで感謝されたこともある。


　　　「外れてた時に洒落にならないお代を取ると
　　　　逆上されても面倒だから。
　　　　足りないと思うのなら
　　　　今後もごひいきにしてくれたらいい。」


　　と、あっさりと言った。
　　それに軽い気持ちで試せるお代の方が
　　案外みんな来てくれるものだったりするから。

　　ちなみにジェラートは貰えるなら貰った。　　　　

　＊＊＊

　　　「占いが役に立ったのならよかった。

　　　　一致してたのは偶々。
　　　　迷惑というか…

　　　　……お礼？楽しみにしておく。」


　　お代はもう貰ったから…とか断ることも出来たけど
　　生憎一介の冒険者の懐事情は
　　騎士団の人よりも余裕はないし。
　　気持ちは有難く貰っておこう。
　　そうしてその場は別れたのだった。
　

　　話を聞いてほしい、そんな人も時々来る。
　　基本相づちを打って話したいことを
　　全て話させてあげれば
　　そういう人は満足してくれる。

　　羽毛に悩むその人は…
　　とりあえず症状を抑えるとかすれば
　　多少は楽になるかな、とか思ったから
　　治癒師を探せば？と言ったわけだけど。


　　

――　MiraggiOの前　――




　　つまるところ割れない可能性が高いと思いつつ
　　興味に負けたというか。
　

　　霊感があるわけでもない私は
　　近くにいた魂だけの存在も見えず。
　　まさか石がゴーストの頬を掠めたなんて
　　知る由もなくて。>>352
　　

　　割れなかったな、と窓の方を見ていれば
　　突然、落ちていた石ころが
　　私の目の前で文字を成していく。
　　吃驚して尻餅ををついてしまった。
　　きょろきょろと周りを見て
　　魔力の元を辿ろうとしても
　　誰もいない…
　

　　　「み、みてた……

　　メッセージを見て、まず口にしたのはそれ。
　　思わず敬語に直したのは、罪悪感というか……。
　　こんなことするなら夜に来い、と。
　　そう言われているように聞こえて。

　

　　　


　　立ち上がると、
　　何処にいるかもわからない存在へ頭を下げた。
　　
　　


　　謝ると、石が当たった窓の方へと向かって。


　　ヒビがはいっていないことを
　　指先でなぞって確認してから。

　

　　　「今度は夜、来ます……」


　　小さく言うと駆けてその場を離れた。
　　急いでたから、髪に飾られたバラに気づくのは
　　離れてから暫く後の事。


　　　　そして、慌てていたから。
　　　　尻餅をついた拍子に水晶のブレスレットを
　　　　落としてしまったのに気づかなかった。
　　　　それは今はもういない人から貰った物。**
　　　　　　　　　　　

　

　─　『　MiraggiO　』　─

［カイルの声を背に受けて、肩をすくめる。>>405



　おうよ。
　さっきまで頑張ってたんだから
　料理長は休んでろ


［ゴーストに肉体的疲労があるかは置いてお置いて、精神的なものというやつで。
　もくもくジャガイモを向いていたら、鳴り響いた音。>>325

　とっさに立ち上がり、窓に向かったカイルの側に、すぐに魔法を発動出来るよう準備して
　さり気なく庇う位置に立った。］
　

　

　……なんだぁ？
　ガキの悪戯か？



　念のため少し様子を見たが、ウーヴェやヴィムの姿を見て息を吐いて窓から遠ざかった。］


　ったく、驚かすなっての。


［出していた水の魔法はそのまま
　ジャガイモを洗い流すのに使った。］