人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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【人】 落星 クロウリー



 
……!!


[早鐘を打つ心臓が落ち着くよりも前に、事は起きた。
タイヤが上げる悲鳴音、周囲からの驚愕の声。
唯一使用を許された聴覚が、主の音を拾い上げる前から
懐かしく悍ましい気配を肌身に感じてしまう。

退屈に身を浸すつまらなさは容易にかき消え、体温が下がる。
ブローチの消失の理由に、愚かにも今気づいた自分がいた。]

 
……様、


[腕まで拘束され視界を奪われたままの身体は、
されるがままに制御を失った車の中揺さぶられるばかり。

覆いの下からの細く小さな声など、狂乱の中ではかき消える
直ぐ近くから呼び掛けが響いた。
──人間達が冷静ならばきっとこう思っていただろう
魔術師を捕らえに行き、悪魔が出てくるなどとは聞いていない。

しかし彼等が上司にそう訴える機会は命と共に無くなることが決まった。
私も君達も、お気の毒様。]
(31) ガラテア 2022/05/20(Fri) 0:03:52

【人】 落星 クロウリー


[表面上の強制連行の理由は、
この国でも通告された国外退去の令に従わなかった為。

数多の殺人や数種の違法薬物に関する罪は疑惑に留まっている上に
他国での行いでしかないが、教会の名目は其方にある。
それらが行われた悪魔召喚の儀式の主犯を捕らえることに。

唯、その全ては翠の星のアレイズ・クロウリーとしての罪なわけで。

此方もこのように表立ち行動するのは初めてのことだった。
どこまで相手が真相を知っているか定かではないが、
侮ってしまった結果が悪魔の体現で何も出来ない下端達。

視界どころか視覚を奪われた運転手は仕方ないとしても、
誰一人まともな言葉も返せないとは今時の若者は情けない。

弱者は強者を愉しませることでしか生き長らえられないというのに。]
(32) ガラテア 2022/05/20(Fri) 0:04:12

【人】 落星 クロウリー



[身の毛がよだつようなその懐かしい音に身を任せる。
神経まで侵されるような群れは、己の下僕に害など与えないのだから。
否、例え無数の歯で齧りつかれても拒む権利は私に無い。

……特に、人間を相手に敗北者となった今は。

一瞬の浮遊感の後、底の無い闇に落ちていく感覚。
初めて主に出会ったあの時間の終わりにも
人間としての生の最期にも、確かに感じていた。

懐かしさが畏れを一時隠すと共に、意識は喰らわれ闇に消えた。]
(33) ガラテア 2022/05/20(Fri) 0:04:32

【人】 落星 クロウリー



[忘れもしないあの時代。

人々の集団ヒステリーは教会の手には負えない程に広がり、
幾多の女が焼かれ、沈み、断たれ、死んだ。

その陰で着実に潰されていった真の魔女と魔術師の数など、
冤罪の犠牲者達の命とはつり合わない僅かなものだったという。*]
(34) ガラテア 2022/05/20(Fri) 0:04:54
落星 クロウリーは、メモを貼った。
(a2) ガラテア 2022/05/20(Fri) 0:12:38

【人】 落星 クロウリー


[肉食虫の羽音の中でも、その声は確かに届いていた。
────いや、戒めの為に聞かされたのだ。

ええ、そうでしょう。

悪魔は人間に安寧など与えはしない。
そして、その浅知恵に誤魔化されることも無いのでしょう。]*
(89) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:30:55

【鳴】 落星 クロウリー



[その言葉が懐かしさが、視せた記憶にすらも羽音が鳴る。]
(=0) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:31:21

【鳴】 落星 クロウリー



[私はこの国で、農奴の家の一人息子の██として生を受けた。

辺鄙な農村で、父と母と三人暮らし
信心深く勤勉な二人はとても真面目で、年の近い子供もあまりいない。
彼らの手伝いとミサへの参加があの頃の記憶の殆どを占めている。
今の価値観なら、退屈に少年時代を過ごしたことになるのだろう。

それでも、村の外を知らない子供には何の不満もありはしない。
幼子の世界とは、親そのものだ。
その世界を奪い取るような出来事は、
外国で潜伏する異端の教派の取り締まりから始まった。

異端審問所は魔女を裁く場所へ、異端の集会は魔女の集会へ。
連結し切り替えられていくイメージは、
機械のような規則性など無く人の感情と差別心の元に。

乾いた木に付けられた炎のように、迅速に広がってゆく。
挙って執筆された魔女に関する書物が民衆の心を煽り立てる。
既に教会が制御できるものでは無かった。]
(=1) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:31:38

【鳴】 落星 クロウリー



[しかし、無学な辺境の農民達がどうして真実を悟れるだろうか?
身に起こるものを悟れるだろうか?
そもそも、行き場所が何処にあったというのだろうか。

気がついた時には村には「委員会」なる組織が発足しており、
相互監視の冷えた視線が行き交う閉じた社会が始まっていた。

それでも、子供には関係が無いことだったのだ。
ある日顔見知りの老女が消えようと、友達の母親が帰らなくなろうと
お前は気にしなくていいと言われ、寝かしつけられればそこまで。

ある時、異常気象により村のあちこちの畑が駄目になった中で
家の畑は殆どが無事なまま。
土壌や日当たりが偶然良かったのだろうか、自然の気紛れだろうか
理由は今も分からないが、それが村人の疑心に火をつけた。]
(=2) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:31:55

【鳴】 落星 クロウリー


[遠い寒冷の国の移民であった母親は、元より村で浮いていたらしい。
集団から真っ先に弾かれるのは、人と違う点が多い者だ。

躊躇いを捨てるのも、でっち上げた証拠を用意するのも
他の誰を相手取るより容易かったことだろう。

彼女を裁いたのは共に生活してきた村人達と在地の役人であった。

母親は、戦乱により故郷を捨てなければならなかった。
豊かさも華やかさも無い暮らしの中、
懸命に働き子供を育て、神に祈りを捧げていたのをよく覚えている。

とても我慢強い女性であったと思う。
だが、拷問に耐えられるだけの精神は持ち合わせない普通の人間だった。]
(=3) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:32:15

【鳴】 落星 クロウリー



     「
ねえ、██……


[彼女の故郷の言語である名前を呼ぶ声を、
万緑の世界に腰を下ろし眩しい日差しを受けながら
その短い言葉に籠められた意味を語った声を、

もう、覚えていない。]
(=4) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:36:07

【鳴】 落星 クロウリー



[彼女が連行され数ヶ月後、魔女であることを自白し焼かれて以降
父親はまるで別人のように変わり果ててしまった。

──裁判に関わる全ての費用を賄う為の財産没収

貧しさは人々の首を絞め上げる。
それが彼の妻の自白が原因であることは、確かではあった。

無実を訴え解放を求める程愛していた筈の女を憎々しげに罵り、
遺された彼女の血を引いた子供を殴る。
全てを失った哀れな男に出来ることなどそれくらいしかなかった。

やがて家に帰りもしなくなった父親がどうなったのかは知らない。
夜逃げし何処かで肉体労働でもして生活したのか、
余所で女を見つけて頼って生きたのか。

はたまた、谷に落ちて死にでもしたのだろうか。]
(=5) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:36:23

【鳴】 落星 クロウリー



[親を奪われ、親に捨てられた子供は。今や腫れ物でしかない。
殺されはしなかったが誰も関わることもなく、横たわり死を待っていた。
誰も世話などしたくなかったし、
事実余所の子供を助ける余裕も無かったのだろう。

その目前に現れた異物は、どんな形をしていたのだったか?
少しの驚く様子も見せず虚ろな目で見つめたことは確かだ。]

 ……君は何?僕を殺しに来たの?

[恐れの無き呼び掛けは幼さゆえというよりも、
全てに諦めを抱き達観を始めている為に。
虫でも悪魔でも死神でも、もうどうだって良かったんだ。

指は黒く変色を始め、咳が止まらない。
服の下にも同じような色が、痣や傷とともに点在している。

父親の失踪後から村に流り始めた病。
人々は村に飢餓を運んだ魔女の呪いのせいであると認定し、
近日その子供を処刑することにした。

子供を殺すとどうした原理で魔女が遺した呪いが解けるのか
その当人が侵されているのはどういうことなのか。
冷めた感情を宿した子供はもう、無垢では無かった。

人間の弱さと愚かさに気づいていた。
]*
(=6) ガラテア 2022/05/21(Sat) 1:37:19

【秘】     インタリオ → 落星 クロウリー



[ しかしその声は果たして一つだけだったのたろうか? ]
(-60) ガラシア 2022/05/21(Sat) 16:19:43

【鳴】 落星 クロウリー


[家屋もまた、財産没収の対象とされた
農奴の身分で費用を賄う為には当然のこと──という名目によって。

寝起きしていたのはほんの小さな古びた小屋
世話をする大人がいなくなったのならば、一層に荒れ果てる。
灯りも無い廃れた空間で、黒黄の瞳だけが爛々と輝いて見えた。

死体漁りの肉食鳥、などという知識は子供には無かったけれど
確かにその姿は、上位種を思わせるに相応しいもので。
それでも、語られるままを受け入れるばかりで心は動かなかった。

この身体でどうして逃げられようか、
一体逃げ場とはどこにあるのだろうか、
それは人間が相手でも悪魔でも変わりはない。

唯、予想外だったのは
触れる手の温かみの無さが心地良く、清めるように動くから
恐怖の代わりに申し訳なさを抱いてしまったこと。]
(=13) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:44:30

【鳴】 落星 クロウリー



 他に何が出来るの?
 病気で死んだって殺されたって、どちらも同じことでしょう?

[やはりその言葉にも諦めが宿る。
けれどこの時点で、未来の主に心を動かされてしまっていた。

母親が連行されてから今まで、
本心を思うまま口にすることすら出来なかった
受け止めてくれる大人もいなかったのだから。

最期に置かれた環境のどうしようもなさを口にするだけでも、
少しは気持ちが楽になる……なんて、
なんとも視野の狭い人間らしい思考だったのだろう。]

 ……えっ

[閉じた思考をこじ開けるような、大きな揺さぶりだった。

まるでただの光る石みたいに動きのない瞳に射抜かれ、
何処か緊張で強張っていた身体、乾いた喉が息を呑む。
母親の素性まで知っている驚き、
子供では知り得ない事情の薄暗さと理不尽さへの動揺。

それすら関係が無いことだというように、悪魔の演説が続く。]
(=14) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:44:49

【鳴】 落星 クロウリー




 
やだ、……
嫌だ!もういいよ、もう聞きたくない!
 出て行って、
出て行ってよ!


[呆然と聞かされるばかりだった子供は、
やがて余りに残酷なその内容に寝台の上で首を横に振った。

母親との思い出が、かつては優しかった村人との生活が
一つ一つ腐り、穢されていくようだった。
枯れた声を振り絞り叫び、そのせいで咳が激しくぶり返す。
棒きれのように細い両腕で必死に耳を塞ぎながら咽び泣いた。

だが、何をしても悪魔の声は少しも遮られることもなく
残酷な物語の傍聴を強いられ続け
一時の幕切れを迎える頃には涙も叫びも使い果たし、
ぼんやりと昏い目で悪魔を見上げるばかりとなっていた。]
(=15) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:45:06

【鳴】 落星 クロウリー



 村の、大人

    村の…………人間達

[促されるままに口を開き、既に用意された解答をなぞる。
その自覚も無いまま、奥底に沈んでいた感情が引き摺り出されていく。

死んだ瞳が、光を忘れたままに新たな命を手に入れる。]

 …………

[品のある動きを目で追い、そちらへと身体の向きを変える。

落ち着きを取り戻し、再び力を無くしていた腕が
緩やかに持ち上がり、少しづつ伸びていって。]
(=16) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:45:22

【鳴】 落星 クロウリー




 ……
皆を殺して、この村を滅茶苦茶にして


[白く大きな手と自身のそれを重ね、願いを告げた。]
(=17) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:45:47

【鳴】 落星 クロウリー



[急な変化に驚き、悲鳴を上げて羽虫の渦から逃げようとしてしまったが
悪魔が願いに応えようとしているからだとすぐ気づいた為に、
震えながらその悍ましさに身を預けた。

そうして私はこの世界から消え、
同時にこの世界のあちこちへと存在するようになった。
現象であり群生であり、害なる者へと。

幼い子供の世界の何もかもを奪い去った者達は破滅を待つばかり
他者の残り少ない命すらも不足する食糧の為に切り捨てる醜さ。

病床の少年の消失を、共犯者がいると提唱する者が出たことから始まり
疑心のままに母親にしたことと同じ過ちを繰り返し、
村から逃げ出そうとする者もまた、魔女と定められ捕らえられ。

人間の弱さ、どうしようもない愚かさ
狂気と妄言が蟲と共に日常を食い尽くしていく様を、
全てが終わるまで私は見ていた。

まるで悪夢のようであった。だって……]
(=18) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:46:03

【秘】 落星 クロウリー →     インタリオ



[嗚呼そのとおりだとも。

地獄のように変わった世界に響いた嗤い声は、
────貴方のものであり、幼い私のものでもあったのだから!]
(-83) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:46:26

【鳴】 落星 クロウリー




[悪夢じみた日々の終わりは村の破滅と共に。

色彩無き廃れ場に、歩き方を忘れたように座り込みながら。
共犯者となった男をぼんやりと見上げ、頷く。

もう此処には何も無い。喜びも悲しみも、全て食い尽くされ焼かれた。
自分自身がそう望んだことによってだ。]

……ゾラ
お母さんが、付けてくれたの

[それは、異国の言葉で黄金の夜明けを意味する。
私が産まれたのは丁度その刻で、
空の移り変わりが美しい色に輝いていたらしい。

統一を目指す国の争いに振り回され移民となり、
辺鄙な農村にも届く世界情勢の翳りに憂う母親は
その光景を、我が子を希望と捉え名付けたのだそうだ。

当人は心を折られ焼かれ、子供は悪魔の手を取ってしまったけれど。]
(=19) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:46:50

【鳴】 落星 クロウリー



 
ねえ……、あのね……


[自分自身を抱き締めるように片腕を胸の前に横断させ、俯く。
何かを問うように声を紡ぐが、口ばかり動いている。

背丈が高すぎる者は、頭より下の声を聞き取りづらい。
幼い子供を相手に話す時、屈む大人は多い。
実際その時、そこまで計算していたわけではないけれど。

悪魔が何らかの手段で、こちらとの距離を縮めた時。
落ちていた焦げてはいるが鋭く尖った木片を握り、
人間ならば心臓があるだろう部分に向けて突き刺そうとした。]

 ……駄目だった。やっぱり、強いんだ
 虫なら食べられるかなって、思ったのにな

[けろりと笑い。小首を傾げる。
紛れもなく不遜であり、そして生命力を宿した行動。
相手の強大さを真に理解する智慧があれば出来なかったこと。

確かに全ては私が齎した破滅だ。今や思い出すら残っていない。
だが、何故それについて憂わなければならないのだろう?

先に手を出したのはあちらではないか、
あのような自分のことしか考えていない醜い連中に覚えていられても、
救われることなどあるわけが無いじゃないか。]
(=20) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:47:20

【鳴】 落星 クロウリー



 僕を殺すの?

[好事家の悪魔だとは知らなくとも
語られない部分に含まれた意味に、此処で解放された理由に
気づくことは子供でも出来た。]

 殺さなかったらきっと、とても役に立つよ
 だって僕は、もっと見たいんだ

 ……人間がいっぱい苦しむところ

[片手を頬に寄せ、ほうと息を吐く。
彼に見せられた数ヶ月の記憶を思い返し、目を細めた。

うっとりと笑む口許は口角が吊り上がり、歪む。

ただの不幸な魂と呼ぶには、もう既に手遅れだ。*]
(=21) ガラテア 2022/05/22(Sun) 1:47:37
 




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