［　師と愛弟子の思惑は交差し、すれ違い。
　　　ある日、愛弟子はついに怒りを漏らす。



　　　哀しみと怒りを抱えた愛弟子は
　　　目尻に涙を抱えたまま家を飛び出してしまった。


　　　師の後悔は、数えあげればキリがない。
　　　それが後の歴史で、惨劇を引き起こすこととなる。］

　［　当時、メルヴェイユの国政は不安定を窮めていた。
　　　隣国同士は戦争を起こし続け
　　　彼女が宝だと言った魔法は、兵器に成り下がる。

　　　メルヴェイユも例外になく
　　　いつ隣国から攻め込まれるやもしれぬ事態は
　　　到底耐えられるものではなく。

　　　他の国へ赴く冒険者は国と国を渡る売国奴だと
　　　そう罵られてしまうことさえある時代だった。］

　［　そんな紛糾の世界の中で
　　　愛弟子は仲間達を集めて言う。





　　　それは全て、愛する師に認めさせるため。
　　　たかがそれだけの事でも
　　　彼女にとってはそれが全てだったのだから。］

　　　　　　そんな折、彼女が受けた依頼は


　　　　　　それは国を破滅に追いやる、

　　　　　　　　　　すべては、隣国の謀略だった。**

　［　愛弟子の一行が己の土地に踏み込んだと
　　　知った隣国は呆れるぐらいの行動力を見せた。


　　　即席の大義名分の元、
　　　問題は発覚して数時間で部隊は整わせる。


　　　その頃には何も知らない愛弟子の一行が
　　　ただ真っ直ぐ、洞窟の奥を目指していた。

　　　その事態を察したのはたった一人
　　　遠くの気配に気づくことが出来た


　　　　　　　　　　　　　　　 Violet＝Mirrorのみ。］

　［　このままではどうなるか。
　　　想像するに難しくはないだろう。


　　　彼女はもはや、この世界に必要な�W悪役�Wなのだ。］

　［　メルヴェイユの国民は何も知らない。
　　　国に気づかれないまま自体を収めなければ

　　　愛弟子に待つ未来は、ただひとつだけだ。

　　　全てを悟った青年は独り
　　　隣国の軍勢の前へと立ちはだかる。

　　　己の宝を...愛する弟子の未来を守るために。］

　［　しかし国と魔法使いの戦争は三日三晩続き
　　　その事実は次第に明るみとなってゆく。

　　　その果てにはメルヴェイユにも行き届き、


　　　伝えられた事実は国を大きく揺るがすことになる。


　　　　　　　　　　青年の決意を、嘲笑うかのように。］

　　　

　［　国に悟られずに事態を収める。
　　　到底成し遂げられないその目的のため
　　　青年は一人、また一人と兵士の命を奪う。

　　　怯え逃げ惑う兵士を追いかけては
　　　その命が尽きるまで攻撃の手を緩めることはなく。

　　　胸元の紫色の薔薇が赤く染まってもなお
　　　青年は兵士の殺戮をやめることはない。

　　　戦い、戦い、闘い。
　　　ついに青年は最後の一人を仕留めると
　　　辺り一面は紅の花畑へと変わり


　　　　　　　　　ひとつの戦争が、終幕を告げた。］

　［　返り血に塗れた青年は痛みに顔を顰め
　　　足を引きずりながら愛弟子の元へと向かう。





　　　そう遠くない時間に、メルヴェイユの兵士が
　　　戦場となった地へと到着するだろう。


　　　　　　　　　青年に、選択の余地はなかった。］

　［　そして、青年は辿り着く。

　　　パーティの仲間達が全滅し
　　　独り洞窟から帰ってきた愛弟子の元へ。



　　　師の惨状を目の当たりにし
　　　驚いたような愛弟子はすぐに気づく。
　　　自分のせいで、こうなってしまったのだと。

　　　しかしそれでも青年は
　　　決して彼女を責めることなどなく、告げた。］

　……なんて、
　好き好んで湿っぽい話には持ち込まないけれど。］

　　　　　　　しかしその様子もなく、
　　　　　　　レイが魔法で片付けるのを見れば、>>0:438
　　　　　　　視線はまた窓の外へと戻る。］

　それと気づけない程にさり気なく、
　他者をフォローしてくれる。
　僕は戦いは未経験だし、分からないけれど、
　彼がそういう立ち回りを得意としていることは窺えた。

　確かにこの店は現在男所帯だから、華が欠けるのは否めない。
　花が活けられるのを、作業をしながら見守った。］

　気張りすぎるのを心配してるなんて
　素直にいう柄でもない。