人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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【妖】 生贄 セレン

 
[ 失望の気配に睫を震わせても、>>875
  届かない腕も言葉もどうにもできなくて。

  きっと、酷いことを言ったのだろう。
  けれどその原因を知らないままではこれ以上、
  何を言葉にしていいのかすら分からずに。

  落ちた腕は距離の遠さの実感を呼んで、
  はふ、と抜けた吐息を狼に落とし苦笑した ]
 
($0) pisca 2019/04/12(Fri) 23:05:36

【妖】 生贄 セレン

 
   ねえ、同じ瞳の誰かって誰……?
   さっき言ってた
セレス
って子がそう……?

   ぼくにはそれが分からない。
   だから、あなたのことをもっと知りたかった。


[ 知らない間に重ねられ問われたことに感じたのは、
  興味と、理由の分からない痛みでしかなくて。
  落とす言葉が置き去りの響きであることには気付かずに ]
 

   ………貴方しか知らない子は、
   開けてはいけない扉の向こうにいるのかな。

   
($1) pisca 2019/04/12(Fri) 23:08:08

【妖】 生贄 セレン


[ 好奇心で殺されるのならばそれでいい。
  故に、過去への配慮を捨て、真っ直ぐに問う。

  答えを期待して、静かに紅眼を射抜き、
  己にとっては残酷な優しさに首を振りながら。>>0:876 ]

   
   ううん、要らない、です。
   ここがぼくの最後の居場所だったから。

   でもここは貴方とその罪の居場所だった。
   そういうこと……だよね?


[ 幾千の夜を越えたのかすら知れない彼の痛みへ、
  手を伸ばそうとすることこそ傲慢なのだろうけれど。

  唇をまたきつく噛みながら、
  拒絶が背を押すのを待つように身を縮めて ]
($2) pisca 2019/04/12(Fri) 23:23:01

【妖】 生贄 セレン

 
   鍵の場所を教えたのは、なんで……?

   
[ 寄り添う狼の毛並みが脚に触れなければ、>>0:877
  空気に耐えきれずに視線を逸らしていただろう。

  繋いだ言葉を静かに。

  自らを化け物と称した綺麗な主を前に、>>0:879
  跪く姿勢を止めずに同じ目線の紅眼を灰と蒼で絡めて ]
($3) pisca 2019/04/12(Fri) 23:33:47

【妖】 生贄 セレン

 
   ……鋭い牙をもって血を吸って生きる貴方と、
   陽で傷める瞳を二つ持つ、色味のないぼく。

   ぼくが特別なら、あなたも特別なだけだよ。
   

[ 辛抱強く言い聞かせる言葉に首を振る。>>0:879
  特別だからこそ排除された子供の感傷だと、
  切り捨てられればそれまでの理屈で頑なに。

  普通から外れた存在という意味では同じだと、
  我儘でしかない感情を発露しながら ]
 
($4) pisca 2019/04/12(Fri) 23:44:18

【妖】 生贄 セレン


   それに……あなたのほうが、綺麗だ。
   誰かをひとりぼっちにしない為に生きて、
   その痛みを抱えてずうっと繋いできたなら猶更。

   ぼくはただ、ただ……自分勝手なだけで。


[ 彼が評価したひとつの価値に、>>0:611
  自分勝手にも過ぎる感情を自覚して熱い息を吐く ]
  
($5) pisca 2019/04/12(Fri) 23:47:11

【妖】 生贄 セレン


   ……化け物がそんな風に生きられるのに、
   ぼくはただ、独りが嫌で、自分が生きたいってだけ。

   自分勝手で……醜くて、
   あなたを殺してあげることも出来ない臆病者だから。
  

[ 愛情を知らなくても知らない誰かへ執着を抱く彼へ、
  臆病者らしく、乾いて罅割れた笑いを模したまま ]
 
($6) pisca 2019/04/13(Sat) 0:18:07

【妖】 生贄 セレン


   ごめんね、ニクスさま。
   あなたの事がもっと知りたいだなんて、
   とても……とても、酷いことを言ってるんだと思う。

   でも、知りたいんだ。
   ……暴くんじゃなくて、できれば、知りたい。*
 
($7) pisca 2019/04/13(Sat) 0:19:06
生贄 セレンは、メモを貼った。
(a12) pisca 2019/04/13(Sat) 0:20:15

【妖】 生贄 セレン

 
   何も……今、何も知らないぼくのまま、
   あなたを殺してあげるなんて嘘を言えないから。

  
[ 狼を撫でる手指はきっと震えていて、
  堪えたものを溢す音は傍らだけに響く小さな声で。

  吐息を混じらせ寝台から滑り落ちた。
  目の前の化け物と称する綺麗な主に苦く笑い、
  傷の残る掌を差し出すことはもうせずに。

  胸の前で緩やかに振って去ることを知らせつつ ]
 
($8) pisca 2019/04/13(Sat) 3:52:51

【妖】 生贄 セレン

 
   ここにぼくの居場所がないことは分かってる。
 
   だから、教えてくれる時がくるまでか、
   それとも貴方がぼくに価値がないと思う時まで。
   ここに……いさせてください。

   ほんの少しの間だけでもいいから、
   ひとりぼっちじゃない夜を過ごす夢を見てみたい。


[ 要らないと告げられることに怯えはあるけれど。
  この双眸も、髪も、特別なものだと説いた古城の主へ。
 
  泡沫だと知る夢から醒める日までの願いを託し、
  そっと撫で、狼を誘い、裸足は扉へと滑らかに歩んで ]
 
($9) pisca 2019/04/13(Sat) 4:20:23

【妖】 生贄 セレン


   ……おやすみなさい。
   紅茶を飲んでくれて、ありがとう。
 

[ 扉を開けて振り向き、頭を下げる。
  寒さに強張る表情を髪で隠して、悟られないように。

  部屋に戻る帰り道は狼任せで先導を任せ、
  あとに続く足音はぺたぺたと音を立ててゆっくりと。

  上着を借りたままだったと気付いてももう遅く、
  それに包まれるようにして誂えられた部屋へと戻る ]**
 
($10) pisca 2019/04/13(Sat) 4:27:31

【妖】 生贄 セレン

 
[ ひたひたと続く足音に追従する獣の気配は、
  酷く冷たい城内では優しく、故に孤独を知った。

  おやすみ、と続いた言葉に笑えただろうか。>>$18
  少なくとも不出来な表情ではあったと思う。

  強張っても、歪でも、笑うことに意味があった。
  扉を閉める間際の悲哀に彼の為だけの希望を残してから、
  過去に縫われた男の前から姿を消すことに>>$19 ]
 
($20) pisca 2019/04/13(Sat) 18:14:18

【妖】 生贄 セレン


   ねぇ


[ 囁きを灰色の狼へ落とす。
  狼を恐れることなく寄り添いながら双眸は遠くへ、
  居場所のない城の中を歩く足音も、消えそうな程に儚く。

  言葉を理解するとは知らないまま、
  部屋へ辿り着くまでは問いの言葉を宙に浮かせていた。
  勿論、狼を部屋から追い出すことなど在ろうはずもなく、
  招き入れ、クロゼットの前へと歩きながら ]
 
($21) pisca 2019/04/13(Sat) 18:15:35

【妖】 生贄 セレン

 
   化け物だから殺すだろうって……
   ニクスさまはぼくがそう思うって考えたのかな。


[ それとも生き残るためになら、だろうか。

  生き延びるために何でも――
  想像し得る限り、どこまでもする心算だった。
   
  齟齬は恐らくそこなのだろう。
  贖罪のために殺されることを望んだ彼と、
  この手で誰かを殺すことまでは浮かばなかった、
  世間知らずで無価値だった己との、絶望的な差 ]
 
($22) pisca 2019/04/13(Sat) 18:17:00

【妖】 生贄 セレン

 
   もしぼくが彼を殺せて、ひとりになって。
   それからきみはどうなっちゃうの……?


[ 古城の主が消えたと知れれば大人が群がり、
  そこに富があるならそれを得ようと、
  贄の代価とばかりに奪いに来るのは想像に難くない。
  居場所がない子供など大人にとって無力なものだろう。

  けれど村の悪辣さを知り得なかった夜の怪物に、
  それを知らせることなどはしないと決めている。
 
  眼と、声と、たったそれだけ。>>$11
  それだけが誰かに似ているらしい我儘な生贄に、
  あんな忠告をする優しい主には決して。>>$16 

  どうでもいいと投げ捨てられるならともかく、
  これ以上、塵であっても彼の重荷となるのを避けるために。

  少なくとも、今それを伝えても意味がないのだと、
  忘れられないと溢した想いの重さを知れば当然で>>$19 ]
 
($23) pisca 2019/04/13(Sat) 18:20:40

【妖】 生贄 セレン

 
   森に帰るのかな。
   それともあの人が死んじゃったら、
   きみも死んじゃったりする……?


[ 借りた上着を脱いで皴を伸ばし、
  衣装掛けに吊るして選んだ夜着は一番シンプルなもの。
  バスローブも脱ぎ捨て夜着に袖を通して、
  それでも未だ夜の空気は冷たくて小さく震えながら]
 
($24) pisca 2019/04/13(Sat) 18:21:47

【妖】 生贄 セレン

 
   おいで。名前を、あげる。
   終わりまでの間だけだけど、きみの名はね……


[ 柔らかな寝台へ滑り込む。
  燭台の灯はつけたままベッドの隅に寄って、
  狼を空いた場所へと誘って、その首に腕を巻き付けて。

  毛皮に顔を埋めて無防備に瞼を閉じた。
  人ではない気配も、鋭い牙も恐れないどころか、
  その感触に安堵の息を漏らし、稚くくすくす笑う ]
 
($25) pisca 2019/04/13(Sat) 18:23:03

【妖】 生贄 セレン

 
   クー、とかどうかな。
   ぼくが唯一、触っても逃げなかった犬とおんなじ。


[ 牧羊犬と一緒にされては狼も堪らないだろうけれど、
  過去で唯一の癒しだった存在と重ねて瞼を閉じて ]
 
($26) pisca 2019/04/13(Sat) 18:32:17

【妖】 生贄 セレン



   クーが喋れたらよかったのに。
   そうしたら、もっとあの人のこと知れたかな。

   ぼくが、殺す勇気を持てるくらいまで。


[ 湯に溶かした薔薇の香を漂わせ、
  狼の毛皮に顔を埋めて瞼を鎖し溢れる何かを堪えながら。
  眠れそうにもない夜を、取り留めのない会話が続く。

  不安を少しずつ埋めるかのように。
  過去を遡り語る独白は殆どが傷痕でしかないけれど、
  少しだけ救いがあるとしたら同じ生贄の子たちとの交流で。

  狼の呼気が寝息と重なるのは陽が月を熔かす夜明け前。
  変わり者の子供の話に到ろうとして、眠りに落ちた ]*
 
($27) pisca 2019/04/13(Sat) 18:33:03

【妖】 生贄 セレン

 
 
[ まるで、陽に泳ぐような夢を見ていた ]

 
($28) pisca 2019/04/13(Sat) 20:48:22

【妖】 生贄 セレン

 
[ 陽に透ける金の髪。
  生贄の意味も知らない子供の目の前で、
  柔らかな髪を風にそよがせて微睡む誰か。

  眩くて、遠い、鈴音を知っていた。
  誰もが厭った異色の瞳で見ても、
  ただ笑うだけだった変わり者の子供。

  売られた時から捧げられるためだけに生かされて、
  順番をただ待つ子供の中ではただひとりだけ、
  陽のように暖かく、眩かった誰かの夢を ]
 
($29) pisca 2019/04/13(Sat) 20:50:39

【妖】 生贄 セレン

  
   ……ああ、でも。


[ 夢だと知るふわふわした感覚の中、
  眩い誰かは唇を動かして己の記憶を刺激する。

  彼女がおかしそうに綴った言葉を艶やかに。
  何故か忘れるべきだと塗り潰していた思い出を鮮烈に。

  “ わたしたち おんなじね ”

  何が、同じだったのだろう。
  祝福されたかのような暖かい髪の色。
  空を映す瞳を持つ彼女が順番を迎える日に、
  届かないと知りながら手を伸ばし聞いたことがあった。

  笑い方を――心の動かし方を。
  周りの全てから気味悪がられてひとりきりの子供に、
  悪戯げに同じだといった、その真の意味を ]
 
($30) pisca 2019/04/13(Sat) 20:54:18

【妖】 生贄 セレン

 
[ ―――彼女の答えは聞けなかった。

  自ら探せと言い残し、
  順番を迎えた彼女が消えたあとはまたひとりきり。

  名か、境遇か、それとも他の何かだったのか、
  存在感だけが残ってその幻想は夢で語りかけてくる ]
 
($31) pisca 2019/04/13(Sat) 21:01:28

【妖】 生贄 セレン


  “ 大切なものは、なに? ”


[ 幻想が織る、未来と過去と願望と拒絶の狭間で。
  掴めそうな何かに無意識に手を伸ばす ]
 
($32) pisca 2019/04/13(Sat) 21:12:07

【妖】 生贄 セレン

 ― 翌日 ―

[ 陽が窓から差し込んで暫く。
  目許を濡らす舌に身動ぎを幾度か繰り返し、
  漸く眠りから浮かんだ意識で陽を眩しげに見る。

  眼が痛かった。
  寝際にカーテンを引いた記憶がなく、
  差し込む陽光に目の奥まで刺された痛みに蹲る。

  無意識に伸ばした手で目を覆えば少しは楽で、
  見守る狼に手を伸ばし頼りながら起き上がり、
  カーテンを引いて光を弱め、そこで漸く息を付く。

  淡い光源でなければ傷める眼は相変わらずで、
  こんな瞳のどこが特別なのか己では理解できない。

  陽で傷めるだけでなく焼かれてしまう主との差は、
  自分で思うよりかは深刻なのだろうとは思うけれど ]
 
($33) pisca 2019/04/13(Sat) 21:17:13

【妖】 生贄 セレン

 
[ 誂えられた服に着替えて、
  その上に外套を羽織ってフードを目深に。
  髪も瞳も隠すそれは如何にも陰鬱そうだったが、
  今まではこれが己にとって身を護る盾だった。
  いまも、きっとそう。 ]


   きみもお腹がすくよね、
   ありがとう、夜に一緒にいてくれて。


[ 扉を開けて狼の自由を促して、
  用意されていた靴を履いて己も部屋を出る。
  空腹が胃を痛ませるが今更そんなものには慣れていた。

  麺麭のひとつやふたつ城の食料から貰っても怒られまい。
  主にとってこの身体は殺されるまで継ぐモノで、
  その価値が失われる日がくるまでは生かして貰える ]
 
($34) pisca 2019/04/13(Sat) 21:19:25

【妖】 生贄 セレン


[ こんな風に生きていられると、>>$15
  困ったような笑いを浮かべる主を思い出せば胸が痛んだ。

  いったい、どんな風に生きられるのだろう。

  憐憫を重ねて綴られた言葉に締め付けられた感情を、
  顔に映して聞いてしまった己はきっと、
  同じように困った表情をしていただろうに ]
 
($35) pisca 2019/04/13(Sat) 21:25:44

【妖】 生贄 セレン

 
[ 足は自然と、空腹の訴える先ではなく。
  広い城内でまだ点在する空き部屋のひとつ。

  鍵のかかっていないいくつかの部屋は、
  過去に訪れた子供たちの部屋でもあっただろうから。

  確かめたかったら探して見せろと>>$11
  まるで突き放すような彼の言葉通りに。
  ひとつひとつ、扉の中身を確かめて覗いていく。

  男、女、それぞれに価値を見出され、
  捧げられ続けた子供たちの、僅かに残る痕跡を。

  辿り着く先がどこかは既に知っている。
  これは時計の針が鍵となる部屋の向こう側にある答えを、
  覗く勇気が出るまでの梯のようなものだろう ]
 
($36) pisca 2019/04/13(Sat) 21:31:04

【妖】 生贄 セレン


   クー、……ぼく、ね。


[ 狼がいてもいなくても話し相手など彼だけで。
  背後に語り掛ける言葉の抑揚はなく、感情を殺したまま ]
 
 
   誰かが死んでもどうでもいいものだと思ってた。
   ……でも、きっと、違ったんだね。
 
($37) pisca 2019/04/13(Sat) 21:38:48

【妖】 生贄 セレン


[ 人を殺したことがないから違うと諭す彼が、$13
  己に殺してほしいと願う裏腹さに瞼を半ば閉じて。

  薄暗い部屋に馴染んだ視界は灯がなくとも部屋を見る。
  あてがわれた部屋と間取りはそれほど変わらず、
  家具も片付けられているだけの痕跡の消された部屋。

  ここにはなにもない。
  子供たちが残した何かがありはしたけれど、
  衣装棚の隅に宝物のように隠された金貨が1枚だけでは、
  何もしることはできないと苦笑して ]
 
($38) pisca 2019/04/13(Sat) 21:57:19
 




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