人狼物語 三日月国


90 【身内】ifかもわからん!【R18G】

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【徒】 勢喜光樹

「いい人ばっかだから、もう傷つけたくないんだよね。
多分俺、自然に喋ると、凄い……いやな奴だから。そこまで言わなくても、きつい言葉になっちゃうらしくて。だから……」

少し、何かを言い淀む。
髪の毛をかき上げて、小さく息を吐くと、あなたの準備を眺めている。
じいっと。

「……今度、俺が手伝おーか」
(.27) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 12:18:27

【徒】 勢喜光樹

「………。……ふは」

笑った。
口の端を曲げて、眉をちょっと曲げて。

「なるね………。」

なる、なあ。
しみじみと、後輩の言葉に同意した。

こんな悪いことばかり、同意してしまって。肯定してしまって。
黒沢がつとめて、やめようとしている考え方かもしれないのに――


腹の底に素直に落ちる。

――嬉しく感じてしまった。俺はダメな先輩だなぁ、と思って。排水溝に落ちていく水と泡を無意味に眺めるしかできない。


(.30) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 13:53:07

【徒】 勢喜光樹

「たぶんね。皆、すごくいい人だよ。……あんまり、よくないな。俺、多分信用できてないんだろうな。皆のこと………いや……そんな恰好いい感じじゃない。怖いんだと思う……。」

目を伏せて、続く言葉は言えなかった。

「……ああ、うん、」

あらためて、
ここ この時が、なぜかすごく緊張する 


「さっきの御返し……。背中は届きづらいじゃん……?でも」

じっと、あなたを見る。

(.31) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 13:54:31

【徒】 勢喜光樹

  

「嫌なら、やめとく」




 
ここ この時が、なぜかすごく、 しい
(.32) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 13:55:12

【徒】 勢喜光樹

「だって、腹立つじゃん。俺と相手の問題だし。本当のこと言ってるだけじゃん、って。傷ついたっていうけど、傷つきやすさって個人の主観じゃ…………、ん」

声が、今度はこちらが消え行った。
……相当油断してしまう。こんなこと、黒沢に言っても困らせるだけだ。

怖いのは、また誰かが傷ついて、結果として離れられるのが嫌だっただけだ。様子を見れば、黒沢はそんなこと、気にしないのかもしれない。それは、やっぱり、強いというか。黒沢らしさなのだろうと思う。


「……そう。嫌じゃないんだ。……俺は別に、全然いいからさ……」

ゆっくりと椅子から腰をあげ、あなたの背側に移動する。


「やるよ、黒沢。……いい?」
(.34) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 14:40:38

【徒】 勢喜光樹

「それじゃ、終わらないよね。相手に取っては、我慢できないことなんだから。俺達の、それと同じぐらい。」

タオルを手に取り、ボディソープを黒沢の背から、腰の横を通って取る。
何ということはない、無精してのことだろう。
その時、手が僅かにあなたの横腹を掠っていく。するり、と。

そして、


「はじめまーす…………」


”いつもとおり”、緩慢な口調で告げた。

(.36) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 16:39:57

【徒】 勢喜光樹

かしゅ、かしゅ、かしゅ。
くしゃくしゃくしゃくしゃくしゃ………。

タオルにボディソープの滑らかな泡が乗り始める音がする。

「黒沢は」

ふわりと、そのまま背に柔らかい感触。
泡立てたタオルが載せられようとしている。

「嫌なことは、嫌って言えるタイプだよね。いいことだよ、もちろん」
(.37) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 16:43:12

【徒】 勢喜光樹

「…………」

くしゃくしゃくしゃ。
ふわふわふわ。

柔らかく、きめ細かい泡が背を満たしていく。
暖かいお湯を含めて作られた泡は、一度湯で流した背にしっとりと馴染んでいくだろう。

「だよね。………でもそれだと、」

(.39) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 16:59:57

【徒】 勢喜光樹

「嫌っていわないときは、」

タオルの細かい生地が、あなたの背をざりざりと撫でていく。
他者に予告なく洗われていく背は、傷がつくようなことや、痛いことはないだろう。

あるいは、

「嫌じゃない?」

なめらかで気持ちが良いぐらいに。
(.40) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 17:01:53

【徒】 勢喜光樹

「そうか。そうだよね」

くしゅ、くしゅ、くしゅ、くしゅ。

「うん。じゃあ、そのつもりでいるから」

くしゅ。
タオルが丁度首の後ろを滑る。
そこからぐるりとあがって耳の裏を擦り、
喉元へ降りる。

「嫌な時は、そうしていいから。俺、多分、甘えると結構言い過ぎたり、やりすぎたりしちゃうだろうから」

首回りを洗った後、肩を滑って、
それは何の意図もないように、
自然に脇の下を滑って、
腰の横を撫ぜる。

ボディソープのきめこまかい泡で、それは思い切り肌の上を静かに滑っていく。
(.42) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 19:12:02

【徒】 勢喜光樹

本当に、攻撃的な意図はないだろう。
その手付きは柔らかく、恭しくて。
効率も良くて、店の人のようで。

滑らかに擦る泡は、埋め尽くしていく。
あたたかくやわらかいそれが、じわじわと、あなたの身体を、


タオルは、腰を滑ってから、そこから、

(.44) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 20:03:57

【徒】 勢喜光樹



「黒沢」


背後にいる勢喜が、口元をあなたの耳元に寄せて、囁く。



(.45) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 20:05:36

【徒】 勢喜光樹

「大丈夫?お湯かけるよ」

気遣うような声がした。
……あなたの前の蛇口を捻るため、身体を近づけていたようだ。

しゃああ……。と、流れる水音がする。
暖かい湯の温度を確認しているようで。
(.46) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 20:06:19

【徒】 勢喜光樹

「じゃあ、かけるね」

と声をかけて、シャワーをかけて泡を流していく。

ひたり。

その時は、今度はタオルではなく手で肌に触れる。
泡まみれのタオルで触れては意味がない。
特に、違和感のある行動ではないはずだ。

タオルと異なり、温度のある指先が、あなたの肌上を擦って泡を落とした。
洗い立ての肌を指が通る感覚は、多分、こそばゆい。
勢喜の触れ方は気を使っているのか、

もどかしさすらあたえるかもしれないほどに。


優しく触れている。

背中、首、腰。
泡で塗りつぶしたあなたの肌を、丁寧に湯が洗い落としていく。

(.49) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 22:07:12

【徒】 勢喜光樹

「終わったー…………おつかれさま。よく考えたら……いつもの調子で、泡つけすぎたなー………」

のんびりと告げながら、

「じゃあ、温泉、いく?」

そういって立ち上がり、最後にシャワーを鏡にあてて曇りを落とし。

あなたの表情を確認する
(.50) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 22:08:55

【徒】 勢喜光樹

    と思う。ダメだ


(.52) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 22:27:32

【徒】 勢喜光樹

「色々あるっぽいけど、あれかな。売り」

よいしょ…、と先に立ち上がった勢喜が指差したのは、
あまり洒落ていない、源泉に近いと記された露天風呂だった。

風も適度に吹いていそうだ。草木が風に靡いている。
丁度良いかもしれない。

「行ってみる?」
(.53) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 22:35:23

【徒】 勢喜光樹

「本当にね。でも、これは逆にいいかも?綺麗な奴なら、わざわざこんなところ来なくても幾らでもあるから」

辛辣である。
そう、素の喋り方はこちらが近いのかもしれない。

「後でワイン風呂とか、そういうのはまあ…テンションで入るということで。よし、いこー……」

あなたの返事を確認してから、ぺたぺたと足音を立てて先を歩く。気持ち、なんなら先導するような立ち位置にいたので、問題ないだろう。

(.55) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 22:54:47

【徒】 勢喜光樹

――ふわりと湯気が立ち上る。

露天風呂は広々としている乳白色の湯が湛えられていた。
風呂の近くは乾いた岩の地面が続いていて、
誰かが入った形跡すらない。

少し肌寒いぐらい、涼し気な風が吹いた。
夏だというのに。標高の高い山だからだろうか?

「……さむ。」

そういいながら、じゃぼんと足をつけて入った。

一瞬の逡巡があったが――、いい。これは、確認すればいい。
(.56) aoyagisan 2021/08/14(Sat) 22:56:55

【徒】 勢喜光樹

「酒、弱い?効きすぎるタイプだと大変かもね。でも流石にアルコール飛んでるでしょ、風呂だし…。………飛んでるよな……。」

でも、わざわざワインに火を通すだろうか。
ワイン風なのか? 頭を捻りながら、露天風呂へ。

「なんか、地元のおじいちゃんたちがいるんじゃないか、みたいな心配したけど、大丈夫っぽいね」

そうして湯に身を浸す。ふー………、と長い息を吐いた。
身体を洗うのもだいぶ疲れが出るものだ。

あたたかい。

これは、温泉だからだろうか。

それを確かめたくて、  
          みる。


(.58) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:10:22

【徒】 勢喜光樹

大丈夫

(.59) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:11:21

【徒】 勢喜光樹

のびのびと湯に入っている。

「それー」

温泉で指鉄砲を作り、ピシャ。と射撃したりした。
大した勢いでもない、他愛ない遊びである。
(.60) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:12:25

【徒】 勢喜光樹

「謎いよねー…。え、チョコレートボンボンとか、お菓子ん入ってる奴食べたことない?」

少しずれた解答に、この後輩の雰囲気が、
ただ作ったものではないように感じた。
今どきの若者、なんて言われる年齢なのに、
妙にまじめで、たぶん、酒をこっそり飲んだことなんてまずなくて。
甘酒を貰うのが似合っていて。貰うチョコレートも、酒入りの洒落たものを貰うようには思えなくて。
勝手にそこまで考えて、はっとお湯で顔を洗う。

「まー、此処に来るバス、数ないしね。おおっと俺はそうそう攻撃を受けないぜ」

なんていいながら、顔にベシャリとかかった。

ちょっと口に入った。まずい。
考えている通りなら、

(.62) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:38:37

【神】 勢喜光樹

長風呂らしい。まだ、出てこない。
(G86) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:39:01

【徒】 勢喜光樹

「そっか。……妹さんいるんだ。かわいい?まあ、かわいいだろうな。黒沢の妹だから」

今日は素直に喋れている。
後輩に甘えている、ということだろう。
現金なものだ。
これは言って良い内容だったっけ。


「え、全然熱くはなかったけど…ああ、のぼせたのかな。体質とかあるし…。行こうか」

そう。ただ温度が高すぎただけだろう。
水風呂に入れば、すべて、癒えるはず。

風呂からあがって、きもち、足早に水風呂へ向かう。
サウナに併設された水風呂は少し狭い。
後輩と並んではいることになるだろうから、身を狭めておこう。

そして、かけ湯をしてから、足を付けた。

(.64) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:52:31

【徒】 勢喜光樹

腰までつかって、身が冷えるのを感じる。
そこまで冷たくもないぬるい水で、
でも、湯の熱ならば冷やすには十分なはずだ。


――――、



「――………………」

さめ、る、はず、なのに。

後から来る、後輩は、どうだろうか。ただ、湯あたりした、だけだろうか。
(.65) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 0:54:24

【徒】 勢喜光樹

「まあ、身内からしたらわかりづらいところ、あるかも。でも黒沢が目鼻立ちしっかりしてるから、妹さんも多分、美人系だと思うね。顔、似てる?」

相手を見て、あらためて、顔の造詣を見直す。
すっきりとした鼻と、少し憂鬱気にも見える瞳。
アンニュイな顔に、動揺や、焦り、笑顔の表情が浮かんだら、
きっと、きっとさぞ見栄えするんだろうな。
あれ、何の話をしていたんだっけ。

「そうでないと、毒かなんかでも入ってた、ってことになるしね。わざわざ、僻地の温泉で?って」

少し笑って見せた。
違う、勝手に笑った。

そうだよな。馬鹿げてる。普通そう思う。


(.68) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 2:52:47

【徒】 勢喜光樹

「代謝がいいなら、やっぱり、水に浸ってるのがいいかもね。
あとは……。ああ、やっぱりあるな」

水風呂の周囲を確認して、黄色いプラスチックカップにチェーンのついたものを見つけて来た。それを、備え付けの蛇口をひねり、一応、洗い流している。

「これ、多分飲めると思うよ。水分補給用だって」

”ご自由にお飲みください”と書かれた蛇口があった。


どこにも書いてないのでわからないのは仕方ないが、冷やした温泉水だ。
(.69) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 2:55:51

【徒】 勢喜光樹

「へえ、そうなんだ。
お兄さんと妹さんの。同じ兄弟でも、それぐらい違うってあるんだね」

指差された部分、ではないところを見ている気がする。
顔そのものというべきか。

「姉貴?いるよ。暴力人間の。似てるっていわれる……。ろくでもないね。でも客観的に見たら美人の部類だと思う。癪だけど」

(.73) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 4:01:07

【徒】 勢喜光樹

「…………………。カップ、借りていい?」

相手の様子に、カップを貸してもらおうとする。
そして少し洗ってから、それを飲む。

「………これ、飲料用の温泉だな…。冷やしてあるからわかりづらいのか。なるほど」


「……………変なこと言うけど、なんか可愛い、あれ?そう。あのー、違って。」

手をばしゃり、と水を弾きながら顔に宛がう。顔を拭う。

「黒沢、あのー。温泉。

ここの温泉入ってから、変、じゃ、ない?」

ぽつりと、でも流暢に口にした。

「多分、今、俺変。頭の中が、ふわっとしてて。言っちゃいけないこととか、言っていいこととか、曖昧な気がする。気分が悪いわけじゃないから、わからなくて」
(.74) aoyagisan 2021/08/15(Sun) 4:09:46
 




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