>>【ハロウィン】
>>a26 ゾズマ

威嚇した狼少年を見て酔っ払いはけらけら笑う。

「ハハ！これは随分威勢のいい溢れる狼じゃあないか！そんなに月が恋しかったのか？」

不満げな少年を頭から爪先まで見て笑みを深めている様子から、酷く楽しそうにしていることが窺える。

「元気な狼はいったいどんな悪戯してくれるんだ？
　面白そうだ、僕に見せてみろ。悪戯してもお菓子やるからさあ。うん？」

出来るか？そう言いたげに。
くつくつと揶揄うようにもう一つ笑って、貴方を煽る。

>>【ハロウィン】
>>G28 ミズガネ

「あ？」

みょうにきげんがいいあなたとは相反して、眉間にシワを寄せに寄せた少年がのしのしと重い足取りで進撃してきた。
ただでさえ気に入らない恰好だ。バカにされているとでも思ったのだろう。

「オレは今機嫌が悪いんだ！そらもう甘いもの食ってもイライラが収まらないくらいな！月夜ばかりだと思うんじゃねえぞこの酔っ払いめ……」

ぐぎぎぎと悔しそうに歯ぎしりしてあなたを睨みつけると、ちょうど通りかかった使用人から運んでいる料理を奪い取った。



少年はカボチャのパイを振りかぶると、酔っ払いのゆるんだ顔面に投げつけた──！！！

>>【ハロウィン】
>>G14 ミズガネ

「われ、またもや違えてしまったか……！？
　うぅむ、とつくにのことばはむつかしいの〜〜〜……」

ガーン。かなしげに眉を下げた。
されど青年の続く言に、頓に笑みを取りもどし。
これで悪戯はよしとくれよ、と金平糖の詰まった小瓶をてのひらに載せる。

「では、われもねだるとしよう。
　おしゅうさまよ、“とりぃくおあとりとー”！」

少女の提げる籠の中身の半分は、小瓶から色形のさまざまな菓子に取り変わっている。
両手を皿の形にして差し出し、小首を傾げた。

>>【ハロウィン】
>>G29 ゾズマ

全力投球する狼少年。月夜に舞うカボチャパイ。しかしその思いは届く事なく酔っ払いはひょいと体を横に倒して避けてしまった！

体を起こした酔っ払いは、更に声を高らかに響かせて涙が出るほど笑っている。しまいには持っていたグリューワインを飲み切って余裕の表情。火に油だ。少年の怒りにこれでもかと燃料をぶち込んでいる。



　ハハハッ、ハハ、あぁー……残念だったなあ？酔っ払いだからって当てられると思ったか？
　フォークできちんと一口大に切り分けて運んでくれれば食べてやったかもしれないのになあ！あーお酒おいしー！」

ひとしきり笑ってから涙を拭い、コートのポケットからマシュマロの入った袋を取り出すと仕返しとばかりに貴方に放り投げるだろう。

「これは残念賞兼参加賞だ。これでも食べて機嫌直せって、なあ？」

>>【ハロウィン】
>>G30 キンウ

「いいじゃないか間違えたって。こうして覚え直せばいいんだから。間違いを訂正された事をきっかけにそこから人と話すきっかけにもなるだろう？」

甘くて小さな星の欠片が詰まった小瓶を受け取れば、緩く目を細めて楽しげに笑む。

「はいはい。ねだられたからにはあげないとな。
　どうぞお嬢さん。僕からはこちらを」

海色のリボンが掛けられた袋を少女の両手へ。中身はふかふかのマシュマロだ。

>>【ハロウィン】
>>a29 >>9 ゲイザー

「うん？ハハ、ゲイザーなんだその顔！ああ、僕の代わりに食らったのか！
　いやあお見事！ナイスキャッチだ、受け止めるのが上手いじゃないか！狼少年もさぞかし喜ぶだろうよ！ハハハハハッ！」

酔っ払いは愉快そうに笑っている。しばらく楽しんでから流れ弾を食らった少女にも青年はマシュマロ入りの袋をぽいと投げるだろう。楽しませてもらったお礼だ、なんて余計な一言メッセージ付きだ。

>>【ハロウィン】
>>G31 ミズガネ



さっきの憤りがうそのように気の抜けた一声。
酔っ払いだから当たると慢心していたのはその通りだった。
マシュマロの袋が突っ立ったままの少年の顔にぽすりと当たり
じわじわと真っ赤になった顔が、涙目が、露わになる。



もはや幼稚な暴言しか出てこなかった。
拾ったマシュマロの袋を投げ返そうと振りかぶったが
ゲイザーが流れ弾をくらったのを見て、怒りが覚めたようだった。

「……うう……く、くっそぉ……お前になんか構ってられるかぁ……！　お、覚えてろよ……」

背を丸め、ずれた狼の耳をなおすその姿はまさしく負け犬だった。

>>a29 >>9 ゲイザー

少年は、ミズガネに背を向けあなたのほうへと近寄る。

「あ、あの……オレの邪魔すんじゃねえよバァカ！！」