人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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「ヒャッハァアア〜〜〜〜ッッ!!!

 
さァて、ショータイムだァッッ!!

ギャハハハハハハハ!!!!!


 やってやった!! やってやったぜ!!!!
 やっぱりこの瞬間が、人生で一番サイコーだ!」

「いいか探偵気取り。
 このオレがどうやってアイツを殺してやったか教えてやる。

 とりあえず死体は無い。
 殺したら焼却炉にでも突っ込んでやるつもりだったが……。
 マジで煙みたいに消えちまった!」

悍ましい経緯が、ごく愉快そうに語られる。

「まずオレの人格に代わり、
 中庭でノンキに枝の剪定してたアイツを物陰に連れ込んで
 抱き着くみてえに一刺ししてやったんだ。
 アイツの何が起こったか分からない顔ったらない!」

「凶器はゲイザーに戻る前にオレの部屋に隠した。
 返り血は噴水で落とした。あァー……多少濁ったかもしれんが、
 この飾りがされてるんならそんな分かんねえだろ。知らんけど」

「それになにより。

 この屋敷の召使ひとり消えたって。
 だ〜れも気づかねえだろうさ!!
 ヒャハハハハハ!! かわいそうなクロノ!!」

【人】 掃き溜めの ゾズマ

「たまに人がいなくなるって噂あるし。
 もう戻ってこないかもしんねえな〜?」

通りがかりに、人探しするゲイザー>>0に聞こえるように発した。

少年はよく中庭にいるが、雑草が抜きっぱなしでそのままだったのを見た程度で、庭師の姿は庭では見ていなかった。
もっとも、雑草を抜いたのはクロノではないのだろうが。
(1) 2021/10/17(Sun) 21:44:25
これは男が自棄酒をする前のこと。

『……おい、ゲイザー。お前ポルターガイスト現象については何か話を聞いているか?一人でいる時、何かに見られていると感じたら気をつけろ。いいな?』

唐突に、貴方にそんな連絡を入れるだろう。

【人】 掃き溜めの ゾズマ

な、なあ……これ血、じゃねえ……?
 いや、ハロウィンパーティとやらの演出……だとしても趣味が悪い!」

いつものように人気を避けた、中庭の物陰でなにやら騒ぎ立てている。その血というのはほんとうに演出なのか、あるいは──。しかし、それが本物の血かどうかなど、少年には判別ができなかった。

「……死神ぃ?」

少年は、噂を耳にする。

「こ、こんなとこにいられるか!オレは部屋に戻らせてもらう!」


そんなことを宣いながらも、パーティには出る予定だから、ほどなくして戻ってくるのだろう。
(6) 2021/10/17(Sun) 22:54:57
「ほほう、噂は本当だったのか。其処を確かめられたのはかなり大きいねェ。
 リーパー君が楽しそうで僕ァ嬉しいよ。消える前に顔を見れたのなら何よりだ」

キエはリーパーが求める苦悶の表情を見る前に死体が消える事を案じていた。しかし杞憂だったようだ。

「仔細を有難う、お陰で楽ができそうだよ。凶器に関しては君に管理を任せようかな。

 …嗚呼そうだとも、
 
がひとつ消えた所で何も世界は変わらない
。屋敷の仕事を手伝う見えない誰かもいるようだし誰も困らないだろうよ」

「へっ? ポルターガイスト……、最近館を賑わわせている、
 あのへんてこなやつですよね。

 わっ、わかりました……、けど、どうして急に?」

「ウワッ、なんだよその”オレが顔を見れたこと”を
 心底喜ぶようなキショい声色……。

 つーかあのポルターガイストって何なんだァ?
 ミズガネからも忠告されたしよォ……。
 この屋敷、マジで何人バケモン居んだよ。

 まっ、オレもバケモンの自覚はあるがなァ〜〜〜〜
 ヒャハハハ!!!」

「そう。あのへんてこなやつ。
 人が失踪する出来事とは恐らく別物だとは思う。人がいなくなるのは前からあったが、あんなのは無かった」

 どうしてと問われると…。

………………………………襲われた。……俺が

「は、はわわ……」

はわわになった。

「襲われたって、無事……ではありますよね。
 な、何を見たんですかっ……?」

「無事……かどうかは、分からない。
 襲われてから『ずっと寒い』。一番寒かった時は凍死するんじゃないかって程に」

はわわな貴方の声を聞きながらばつが悪そうに帽子を被り直す。

「『何も見えなかった』。『何も聞こえなかった』。
 確かに何かいるのに、確かに視線を感じるのに、確かに何か喋っている気がするのに、『気がするだけ』なんだ。
 それから、抱きしめられたかのように苦しくなって動けなくなるし、何か寒いものが体の中に注がれて、それで……。…………」

何か思い出したのか、一度言葉が途切れた。

「……もし、何かあったなら。癪だがあの探偵に声をかけるといい。事件の解決を依頼した。被害に遭わないのが一番だろうが、一応な」

「な、なんですかっ、それ。まるでおばけ……。
 でもそれって大変、ですよね。下手すると、死んじゃう……。

 あ、あたし……その……。
 今日はホットワインを、持ってきます……!」

『晩酌』について意識したのか、声が上ずった。

「って、ミズガネさんとキエさんって仲良かったんですか?
 なんだかいつも喧嘩していたような……」

これは言葉足らずの台詞だ。
正しくは『彼の手腕を信頼しているのか』、である。

「全くさ、僕も化け物には立ち向かいたくないなァ。だって其れは勇者の責務であって探偵の責務じゃないもの。
 ポルターガイストの件については僕で調べを進めておくから、君も何かあったら知らせておくれ」

気色悪いと言われた事を気にもしない。
キエを“化け物”側に数える人間は既にいるのだが、キエにその自覚はこれっぽっちも無かった。

「…さて、次の狙いはどうするんだい?

 僕ァ長生きだからねェ、定命の君の意向を優先したいんだ。嗚呼、真逆全員殺す気ではないだろうね? 流石に1人位は僕に寄越しておくれよ」

「死ぬかどうかも分からないしな。
…………ありがとう

貴方の声が上ずったことに気付いていないのか、少し弱々しい返事が投げられた。改めて未知数の襲撃の恐ろしさを噛み締めているらしい。

「仲良いわけあるか馬鹿!


 あんな食えない奴と仲良く出来るわけないだろうが。一応探偵であることに期待して事件の依頼を頼んだ、それだけだ。それに情報は一箇所に集まっている方が整理しやすいだろう、だから何かあったらお前もあいつに声をかける事を検討しろ。
仲がいいわけじゃないからな!」


言葉足らずによる事故、起きてしまった。
念押しをしまくりつつ、貴方に忠告するだろう。

/*
依頼を頼んだって頭痛が痛いみたいな感じになったわね…。依頼をしたって脳内で置き換えてくれると嬉しいわ。

「定命……それはバケモンの台詞だろうが!!
 ひょっとして、そのポルターガイストとやらも
 オマエの所業じゃねェだろうな……」

この殺人鬼、とにかく口が悪い。
鳴き声のようなものである。

「ハッ、白々しい。そんで? 
 次の襲撃……もオレがヤッていいのか?

 良いなら──ミズガネ! アイツだ。

 あのグズノロマ女め、
 アイツとろくでもねェ契約結びやがった!

 抱かれるだと? 男となんて絶対ゴメンだぜ!!
 オレは女のハラワタかっぴらくのが好きなんだ!」

その程度の理由だったが、
この殺人鬼にとってはそれで十分だった。

「あっ、いえ。あ、あたしなんかでもお役に立てたら……。
 ひ、ひぃい〜〜〜〜〜!! ごめんなさーーい!!」

あなたのワンブレスキエトークを
一身に受けながら、漫才ひとつ。

ともあれあなたの忠告を胸に、
ゲイザーは業務に励むのだった。

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

そこには 誰もいません。
 

 

けど ナニカ はいます。
 

 

血の惨劇、その痕跡がまだそこに在る頃。
 

 

 

 

 

「 
──は 死ねるのかなぁ
 」
 

 

「 
考えたことも、そんなになかったね
 」
 

 

「 
……どうでもいいけど さ?
 」
 

 

ナニカ はどこかへ 行きました。
 

「僕ァこの館に来てからまだ一度も嘘を吐いていないよ? まあ信じるも信じないも君の自由だがね。

 しかし貞操を守る為なら仕方がないねェ、この件に関しちゃミズガネ君を庇えないな。
 相手が悪かった、只それだけさ。まあ良い教訓にはなるだろう」

「………」

良い事を思い付いた


其れは嘘だった。何故なら以前から考えていた事であり、今思い付いた事などではない。

「リーパー君、お願いがあるんだが良いかい。凶器を部屋に隠したと言ったね? 其れを
ミズガネ君の部屋に隠しなさい

 嗚呼、殺した後で構わないよ。どうせ血なんて誰が見たって同じさ」

「何処に隠したか教えてくれれば、後は僕が何とかする。君がミズガネ君に誘われていた事は“次の神隠し候補だった”とでも言っておくよ」

 

「 
わかってるわけが、ないもんな
 」
 

「あ? “次の神隠し候補だった”?
 それってオマエ……。
 死んだアイツを”館の協力者だった”と仕立て上げる気か?

 ギャハハ! サイテー野郎だな、オマエ!!
 良いぜ、悪かねェ。分かったよ。

 だが良いか? ゼッテェ”面白く”しろよ。
 これはオレにとってもリスクだ。
 こんだけの材料使っておいて、つまんねェことしたら……」


「……その首。かっ切ってやるよ」

 


「いいな!」
 
リーパーはこの通り、享楽しか考えていないが。

ゲイザーは──、多少性に奔放だが、
妙なところで気を使ってくるミズガネを。
どこか憎み切れないろくでなしのミズガネを。

決して悪く思っちゃいない。

ゾズマは、今宵は狼少年。
(a23) 2021/10/18(Mon) 10:24:09

ゾズマは、偽物の月夜の下で、犬のように騒ぎ立てている。
(a24) 2021/10/18(Mon) 10:26:55

ゾズマは、ミズガネと目が合ったので威嚇し始めた。ガルルルル
(a26) 2021/10/18(Mon) 10:45:20

ゾズマは、大きな狼の手でゲイザーの顔に強引に何か布を押し付けて 逃げてった。それはハンカチだった。
(a30) 2021/10/18(Mon) 13:11:14

キエは息をするように嘘を吐く上に自分の食欲を最も優先させる。

「嗚呼、勿論面白くさせるとも。その為には君の協力が…いや、ゲイザー君の協力が必要だ。

 推理小説にはヒロインがいた方が良いと思わないかね?きっと彼女は素敵な悲劇の主人公になれる! いいや、そう成るとも!」

悲劇と喜劇の導入は同じ
である事をキエはよく知っている。喜劇は高い所へ登る必要があるが悲劇だって
飛び降りる為に
高い所へ登る必要があるからだ。

「リーパー君、これはその為の確認なのだがね。君はゲイザー君の事をどう思っているんだい?

 好ましいと思っているのか共存したいと思っているのか、はたまた
邪魔で消してしまいたい
と思っているのか。

 返答次第で僕は彼女の心を丁重に扱わねばならないのさ。敵は増やしたくないからねェ」

“敵”と口にしながらリーパーに視線を向けた。

「あ〜? ゲイザぁ〜? あのノロマ女に何ができるってんだ。
 まァいい。それで、だが……。
 まずはオレ達の躰について説明する必要が有るな」

「ゲイザーとリーパー。オレ達は所謂二重人格だ。
 オレが出ているときの記憶はアイツにはない。
 が、主人格はゲイザーだ。

 ……だから、あのブスは邪魔なんだよ!
 だが、アイツが自殺でもしたら困る。オレまで死ぬんだ!
 オレは躰をアイツに人質に取られているようなモンなんだよ。

 アイツの人格ごと抹消できるような術があれば、
 ちょうど良いんだが……」

「で、オマエは何をするつもりなんだ、え?」

 

そこには 誰もいません。
 

 

けど ナニカ はいます。
 

 

「 
とりっく・おあ・とり〜〜とッ!
 」
 

 

 
 

 

「 
……仮装なんてしてないから、無効ですよね〜
 」
 

 

ナニカ はどこかへ 行きました。
 

ゾズマは、カボチャのランタンをぼんやり眺めた。
(a37) 2021/10/18(Mon) 17:31:51

何もできない事ができる
とキエは確信していたが敢えて口には出さなかった。どうせリーパーも同意するからだ。

なァ君、ゲイザー君だけ消す方法があるとしたら乗るかい?
 此れは君達の協力とこの館の応用が合わさって初めて成り立つ手段でねェ、本来今の僕にはできない事なんだ」

其れは悪魔の囁き。
其れは頷くだけで望みを叶える地獄の片道切符。

リーパーは愚かな殺人鬼だった。
犯行は気紛れで、周到さの欠片もない。
今まで捕まらなかったのはその性質と時代柄、
そして生存本能故だ。

「あ!? ンだよそれ、今のオレにピッタリだ。
 さっさと教えろ、アイツを消す方法をさ!」

だから、断る理由なんてなかった。
まるで傀儡? すこし違う。
これはあくまで、双方の同意によるものだ。
だって利害は一致しているのだから。

リーパーは元より地獄を歩んでいる。
何も変わらない。

キエは美食家を自称するが実際は只の偏食家だ。しかし一挙両得となれば考える。オマケがあるなら受け取る物だってあるだろう。

「人格を形作るのがその人の記憶だという事は知っているかい?

 寝て見る夢が記憶から生まれる物だという事は知っているかい?

 だからねェ、
 
夢を食べられる事は記憶人格を失う事に等しいんだ


「僕ァ夢を丸ごと食べる事は普段しないんだが…其れによって何か別の利益があるなら話は別だ。なあリーパー君、」

 
「僕と契約しようじゃないか」
 


「…………」

「ギャハハハ、おっと、これはこれは……。
 腹の底に一物抱えているとは思ったが、こいつはトんだ大物だ。
 腹が膨れてきってて、その奥ひとつ見えやしない!」

いいぜバケモノ

 ゲイザーの人格をくれてやる」

「あぁ、かわいそうなゲイザー。
 結局、アンタにとってもあの女は飯の種にすぎないらしい!」

「……ひとつ条件がある。出来るか?
 オレたちは二又に分かれた枝のようなもの。

 根っこ──分化前の記憶を消してしまえば
 オレの人格も消え、ただの肉人形になる」

「出た芽を摘むように──
 
表層だけを喰らえ。
ゲイザーをゲイザーたらしめるものだけを奪え。


 オレが肉体の主導権を得るのには。
 ゲイザーという精神性をゴミ箱の奥底に
 押し込むには、それで十分!

 お味も結構だろうさ。知らんけど」

「記憶を食うという芸当が出来るんだ。
 これまでそいつでたらふくお食事を重ねてきたんだろ?
 これくらいの小細工、出来る筈だ」

「ゲイザー、一つ言うのを忘れていた。
 お前まだあのインチキ詐欺師探偵と何か依頼めいた話をしていないだろうな?」

またも唐突な連絡。貴方は聞くだけでも構わない。それくらいの雑な連絡だった。

「あいつに相談事するにしても、何か取引持ちかけられたら警戒しろ。というか話は聞いても取引はするな。無闇矢鱈にホイホイ契約してはいけない。これはまあ外の世界でもそうだが。
 ……いいな?俺からは以上だ」

「君にとっちゃ蜘蛛の糸だろうに化け物だなんて酷いなァ。誰だって自分の腹の中は見えないんだから知らないさ」

リーパーの疑問と条件には軽く頷いた。

「できるとも、僕も大喰らいじゃないからその方が助かるねェ。では僕が考えている手段について説明しよう。

 先ず此の館に神隠しという現象があるのは知っている通り。
 此処の主人による意向で消える客が決まる訳だが⏤⏤ある程度は此方の意思を汲んでくれるらしい。長くいる使用人曰く複数人に願われた結果消えた者もいたそうだ。

 僕ァこれが利用できると踏んでいてね。今の僕じゃ人格まで手を出すのは難しい。しかし同じタイミングで食べれば、ゲイザー君という人格さえ奪える筈さ。
 
“ゲイザー”の行き先だけ僕の腹に変えれば良い
からねェ」

「つまり、ゲイザーの人格を”神隠し”するわけだ。
 館の魔力に便乗してな」

「あのグズ女は嫌われモンだ。
 その理屈じゃあ、遅かれ早かれ神隠しされているだろうさ。
 それとも、ここのゲストに頼んでみてもいい。

 わざわざ招待状を受け取った人間たちなんだ。
 多少は館の主サマもサービスしてくれるか・も」

「同じタイミング──決行は、二つ目の晩が訪れるころ。
 それで合ってるか?」

「ふぇっ、あたしですか?
 インチキ詐欺師探偵……キエさんですよね。
 あたし、彼とはまだハロウィンのお話くらいしかしてないかも。

 あ、あたしそんなほいほい契約を取り結ぶような
 女じゃありませんっ!

 でもっ、ミズガネさんが言うなら……。
 わ、わかりましたっ!」

ゲイザーはそのように答えた。
あなたの忠告を聞き入れるだろう。”彼女”は。

「んん、其処なんだが幾つか懸念がある。

 まず一つ目、この手段だと君の体も神隠しに遭う筈だ。
 次に二つ目、2日目の晩…つまり今日だと君がミズガネ君を殺しきる前に神隠しが発生する可能性がある」

キエの言葉は淡々としていた。

「一つ目の懸念について述べよう。

 調べによると
神隠しから帰って来た者もいるらしい
。勿論全員ではないが…ヌンキという使用人を知ってるかい? 彼は神隠しから帰って来たそうだよ。尤も彼等は館の主人の邪魔をしない様に、この件についてあまり口外しないんだが」

「つまり神隠しをされたら存在が消失するって訳でも無さそうでね。
 しかし懸念である事には変わりない。

 ………だから、其の真相を確認してから実行の可否を考えたいんだ。

 今クロノ君は怯えて出て来ないのだろうが、ミズガネ君なら僕らに存在を示すと思わないか?」

キエはまるで安全策であるかの様に話すが
神隠しから戻って来る為の手段についても
、実際に神隠しされた者を見る事ができるかどうかについても触れなかった。
何の保証も無い事をキエは知っている。もしも期待外れであればまた違う手段を探せば良いと考えていた。

 
「…嗚呼、勿論直ぐにでも試したいなら僕ァ構わないよ。邪魔が入るかもしれないしね?」

「ああ!? 話がムズかしくなってきやがった。
 あんまりややこしいこと言うんじゃねェ!」

この発言で、リーパーの地頭については
察することができるだろう。

「つまり、オマエが言いたいのはこうだ。違うか?

『とにかくミズガネをブッ殺せ! 話はそれからだ!』

「それならいい。あいつ、報酬のせびり方が悪質だし変なもの取り立ててくるからな」

口ぶりからこちらの吟遊詩人はほいほい契約してしまったことが分かるかもしれない。

「本当か〜?お前押しに弱そうだから心配だな。気弱なところに付け込まれて詐欺に引っかかりそうだ。
 ……それに、よくない噂の為に『なんでも言うこと聞く』なんて口にする奴だしな」

「あんまり自分を安く売るのもどうかと思うぞ。もっと大切にしろ」

なんでも言うこと聞くような流れを作るよう脅迫したのはこの男なのだが、棚に上げてしれっとそんな事を言うのだった。

「な、なんで知ってるんですか……?
 ってまさか、あ〜〜!
 ミズガネさんも契約しちゃったんですかぁ!?」

「と、とにかく。キエさんには気を付けます。
 ……えへへ……し、心配してくれるんですね……。
 あっ、ありがとうございます」

全くそれを気にした様子はない。
あなたもあなたであれば、こちらもこちらであるのだ。

「あ、あたし、その……っ。
 そろそろあなたの部屋に向かいますね!
 ホットワイン持って!」

リーパーは思索する。
この声はあなたには届かない。

「(あン……? ミズガネが何か言ってるな。
 キエには気を付けろ? フン!)」

「(アイツの言う通り、キエの野郎は
 インチキ詐欺師バケモノ探偵だが。

 ゲイザーのバカをブッ飛ばせるチャンスだ。
 それならばオレは、喩え怪しかろうが
 その話に乗っかってやる)」

「(いざとなりゃ殺してやればいいだけの話だ!)」

「煩い馬鹿!
 あーそうだよ契約しちゃったんだよ俺が!


 クソッ……今思い出しても腹が立つなあいつ……。
 別に礼を言われることなんてしていない。お前何かとんでもないことやらかすんじゃないかってハラハラするだけだ。
 何かしでかしてお喋り好きの下女達が有る事無い事言うのを止めるの、大変なんだからな」

「ああ、待ってる。来る時転ぶなよ」

ぶっきらぼうに、けれど気を悪くしていないのが分かる程度には穏やかに返して貴方との連絡を終えるだろう。

「そう、つまりそういう事だ。すまない、説明が長くなってしまったね」

キエは苦笑する。短絡的なリーパーなら自分の殺害も視野に入れているのだろう。其れはキエにとって何ら懸念にならない。

「一応別の手段…“館の力を利用せずにゲイザー君を食べる”方法も今考えているよ。此方に関してはリソースさえ在れば事足りるから、提供してくれそうな者にお願いしてみるつもりだ。その為に必要な情報が欲しい。

 
君達が枝分かれしたのは何年前だ?


  …つまり僕が食べるかもしれない記憶は何年分になるだろうか?」

「へッ、全くだぜ」

その説明は、確かに契約を結ぶには必要な情報だろう。
あなたはそれを為してくれた。
リーパーという短絡的な殺人鬼を、その掌の上に載せるために。

「4年前! じゃ、サクッと殺ってくるわ。
 そろそろ例の時間だ」

リーパーは彼独特の理論の上で行動する。
彼にとっては人の子ひとりの命ですら、
その為に消費される理由になり得る。

 




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