―BL号・遊戯室―

また会えて嬉しいよ。何しろこれだけ広い船だ、待ち合わせでもしない限り、同じ人と出会うなんて難しいかもしれない、と思っていたくらいだからね。

[こちらを向いた氷雨青年の顔がやや強張っていた>>0ことはレオニスにも見て取れたが、芸能人相手だから緊張しているのだろうと解釈し、にこやかな笑みを浮かべたままフレンドリーに片手を上げた。]

素晴らしい！不得手ということは、伸びしろがあると言うことだ。
僕はどちらもそれなり、かな。ビリヤードは元々趣味だったからともかく、ダーツは役作りのために相当練習したね。

[実際に役としてダーツやビリヤードを披露した回数は決して多くはなかったはずなのだが、それを認知してもらっているのは役者としては嬉しい限りである。レオニスは得意げな表情を浮かべ、ダーツを投げるジェスチャーをした。]

ミスターヒサメさえ良ければ、教えようか？
ビリヤードでも、勿論ダーツでも。

―BL号・遊戯室―

ダーツはCGでやる、という話もあったんだがね。僕が自分の力でやりたい、と監督にお願いしたんだよ。リアリティを求めたかったんだ。
そして自分でやると言ったからには、当然努力をしなければ、だろう？

[苦労、との言葉にレオニスは軽く首を横に振り、それからウィンクをして見せた>>2。
この男は、自分の信念や矜持の為であれば努力を惜しまない気質であった。]

大丈夫大丈夫、コツを掴めば見違えるように変わるはずさ。
とりあえずダーツにしようか、こちらの方がビリヤードよりも恐らく身近だろうしね。
ダーツのコツはスタンス、セットアップ、テイクバック、リリースの４点なんだが……
まずは軽く見てみようか、投げる姿勢をしてもらえるかい？

[こつ、こつ、と足音を響かせながらダーツコーナーへと足を向ける。
そして氷雨青年の方へと向き直り、手でこちらへ来るようにと指し示した。]