事細かに誰かを、何かを探す姿。
嫌な予感に突き動かされてると、焦るよね。
手に汗握る、というけれど。
本当にそうなってたりしたのかな。


お腹が空いて仕方ないな。

いつも通り。

お腹が空いて仕方ない。

今朝、朝食の後、違う班の子が泣いていた。
怪我をしている、初等部の子だった。
よほど痛かったのだろう、わんわん泣く子を、
金髪の彼が連れていくのを見た。
こちらは物陰からちらりと見ただけだったから、
多分、気付かれてはいないだろうな。
可哀想に、あんなに泣いて。
涙をぽろぽろ零して、床にまで零れてた。


美味しそうだったな。


お腹が空いて仕方ないな。

いつもと違って。

夜に、小さく呻き声が漏れた。

【勉強会の提案】
明日、夕方ごろから宿題を手伝う時間を作ります。
困ってる子は、いつでも持ってきてください。

そう書かれた紙が、共有スペースのデスクに置かれている。

花なんて愛でられるか手折られるかしかないでしょ。
それを抵抗する力がある訳でもない。
そうされるしかない。

おれがいきてるいみってそれしかないよ。
じゃなんでおれいきてんの？

つかえばいいのに。なんで？

お母さんになりたいな。
いつもにこにこ、みんなに優しいお母さん。
たくさん勉強して、いいこにしてたらなれるかな。

空き教室に花が数輪落ちていた。
きっと明日にでも掃除されるただのゴミだ。