人狼物語 三日月国


149 【R18身内村】LOVE OR ALIVE

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【人】 雨宮 瀬里

 


 「 蓮司さん、……あの、 」


 言葉を投げかけて、詰まらせて。
 何か言うべき言葉があった気がして、
 それでもそれは何処にも見つからなくて。

 
(112) 2022/05/29(Sun) 20:04:31

【恋】 宮々 蓮司


助手席の方へと身を乗り出す。

着けたままのベルトが伸びる。


 「 フライングするぞ。」


顔が、唇が、ゆっくりと近づいていく。*

 
(?3) 2022/05/29(Sun) 22:16:12

【恋】 雨宮 瀬里

 


 この暖かな気持ち忘れていた気持ちはなんだろう。


 
 
(?4) 2022/05/30(Mon) 8:22:42

【恋】 宮々 蓮司


 
 この暖かな気持ち知らない気持ちが、
 
 恋でなければ、恋とは一体どんな気持ちだと言うのだろう。

 
(?5) 2022/05/30(Mon) 12:19:28

【恋】 雨宮 瀬里

 


   これはきっと私にとって
   二度目の、初恋だった。


 
(?6) 2022/05/30(Mon) 13:09:16

【人】 雨宮 瀬里

 


 部屋のあちらこちらに貴方のものがあること
 気づいたのはもう少しだけ後の話。


 
(113) 2022/05/30(Mon) 13:09:32

【人】 雨宮 瀬里

 

 その日の夜か、翌朝か。
 貴方と別れてからというものの
 貴方のことがどうしたって頭を離れず
 どこか熱に浮かされたような心地は続く。
 
 溜まっていた写真や、メールのやり取りから
 どうやら週末だけ私たちは会っていたようだし
 彼のことを、蓮司、と呼び捨てにしていたようだ

 貴方が居ない部屋で「蓮司」と呼んでみて
 なんだか恥ずかしくなって顔を赤らめたのは
 貴方が知らない私だけの秘密。

 
 『 また週末、会ってくれますか 』


 貴方に一文メールを送るだけでも、心が跳ねた。

 
(114) 2022/05/30(Mon) 13:10:04

【人】 雨宮 瀬里

 


    貴方に再び恋をした今、
    記憶なんてなくてもいいと思う自分がいた

    だけど

    貴方に再び恋をしたからこそ、
    貴方との過去を取り戻したいと思う自分がいた
 
    お見合いで出会ったのだろう人々との
    縁を思い出したい、そんな気持ちもあった


    それに ──────

 
(115) 2022/05/30(Mon) 13:10:38

【人】 雨宮 瀬里

 


 貴方は、何を言おうとしてたんだろう。
 手紙の最後に書かれている文章を目で追う。

 それから何か ── 私たちは約束を交わしたような、


    ………そんな気がずっとしていたんだ。 *


 
(116) 2022/05/30(Mon) 13:10:56

【人】 宮々 蓮司

諦めていた。
朝、目を覚ました時に記憶が曖昧なことに気づいた。
ぽっかりと胸の中に穴が開いたような心地。

自分に何が起きたのかはわかっていた。
彼女に関する記憶をなくしていること。
抱いていたらしい恋心を失っていること。

昨日までの自分がどう思っていたのかはわからない。
ただ、きっと上手くいかなかったのだろうということは理解できた。

そして、
それならば仕方ないのだと。
失った記憶も、恋も、仕方のないことと受け入れた。
(117) 2022/05/30(Mon) 14:36:26

【人】 宮々 蓮司

だけど、彼女は違った。

連絡してもいいかと聞いてきた。
そんなこと意味がないと思った。


彼女は、瀬里は自分のことを諦めなかった。
自分のことを取り戻そうとしていた。
彼女だって恋心なんて無くなっていて、蓮司≠フことなんて覚えてもいないのに。


そして涙を流した。
悲しみなのか、悔しさなのか、蓮司≠ネらわかったのだろうか。
(118) 2022/05/30(Mon) 14:36:52

【恋】 宮々 蓮司

 

  そうして俺は、
   もう一度、瀬里に恋をした。

 
(?7) 2022/05/30(Mon) 14:38:28

【人】 宮々 蓮司

それは嫉妬に近かった。

昨日までの俺が、瀬里に愛されていたということ。

今の自分ではないことが、

無性に悔しくて、

このままでは終わらせたくないと思ってしまった。
(119) 2022/05/30(Mon) 14:39:17

【人】 宮々 蓮司


結局、
彼女の元を後にしたのは、
太陽が高く高く上ってからのことだった。

 
(120) 2022/05/30(Mon) 14:41:40

【人】 宮々 蓮司

そのメールには短く、
『 もちろん 』とだけ返信をした。


不思議な感じがした。
記憶もない、
以前の
恋心もない。
だけど、今たしかに彼女に恋をしている。
かつての恋ではなくても、今たしかに。

だけど
変化が訪れたのは、それから丸一日のあと。
(121) 2022/05/30(Mon) 14:42:14

【人】 宮々 蓮司


 記憶にかかっていた靄が、

   少しずつ、段々と晴れていった。*

(122) 2022/05/30(Mon) 14:42:50

【人】 雨宮 瀬里

 

 諦めなかった。
 記憶を喪ってしまったこと。
 恋心を喪ってしまったこと。

 わからなかったことが悔しかったんじゃない。
 忘れてしまったことが悔しかったんじゃない。

 1年経っているはずの私は随分と変わっていた。
 以前のはっきりした記憶の中の雨宮瀬里は、
 もう、私の要素のどこにもなかった。

 これだけ人を変えてしまうほどの恋を。
 これだけ私を変えてしまうほどの貴方を。

 忘れたまま、生きていくということが
 私にとって、望ましくない。

 私の理性はそう思った。


 
(123) 2022/05/30(Mon) 15:08:11

【人】 雨宮 瀬里

 

 それと同時に、理性じゃない部分が
 貴方を喪うことを、恐れていた。
 貴方と離れることを、強く拒んだ。

 涙を流した理由は、
 悲しみも悔しさでもなくて

 きっと貴方と離れることに対する恐怖だった


 
(124) 2022/05/30(Mon) 15:09:00

【人】 雨宮 瀬里

 

 貴方に恋をすることが、
 必然だったような、気がしていた。

 貴方との記憶を喪っても、なお。

 靄が晴れるきっかけは、
 まだ私には、訪れなくとも。
  
 週末のデートまでの日数を私は指折り数えている *

 
(125) 2022/05/30(Mon) 15:10:26

【人】 宮々 蓮司

高速を飛ばして、それから下道も飛ばす。
そうして短いようで長い道のりをやってきた。
山間には余り似合わない車を停めたのは、夕日が地平線にだいぶ近づいてからだった。

今日は
はじめて
の週末デート。

エンジンを切って車を降りる。
もうあと数歩の距離がもどかしい。


ドアの前。
一度シャツのヨレを直して、それから三度ノックした。
(126) 2022/05/30(Mon) 20:38:41

【人】 宮々 蓮司

今はもう頭にかかっていた靄はすっかりと晴れていた。
でも、それを瀬里に伝えてはいない。

今ここにいる自分はいったいどの蓮司≠ネのだろう。
瀬里に会う前?
それとも恋人になってから?
記憶をなくして、もう一度瀬里に恋をした男?
それとも────

どの蓮司¥o会っても構わないし、
それを決めるのは自分自身ではない気がした。

それは、これから目にする愛しい瀬里おまえが決めればいい。*

 
(127) 2022/05/30(Mon) 20:39:16

【人】 雨宮 瀬里

 

 私にとって初めての週末デートの日。
 その日私は家にいて、
 貴方が来ることを今か今かと待っていた

 
靄はまだ晴れていなかった

 貴方がすでに記憶を取り戻したことを私は知らない
 私が、いつ取り戻せるのかも、分からない


 だから、貴方を迎えたときに


 「 蓮司
さん


 
 と。私は呼んだ。

 
(128) 2022/05/30(Mon) 21:17:31

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 待ってた。遠いところまでありがとう。
   ……ご飯……かな?このあとどうする? 」


 週末デート。この後いつもどうしていたんだろう。
 私はこの町のこと、知っているようで何も知らない。
 きっと住み慣れた町、だったはずなのに。

 
(129) 2022/05/30(Mon) 21:17:47

【人】 雨宮 瀬里

 

 私の瞳に映る貴方は、
 もう一度私に恋をしてくれたひとのはずだった
 
 貴方の瞳には、
 上手くいったあとのお願い事も、
 貴方との日々も、忘れてしまった私が映る

 だけどきっと貴方が誰であっても。
 忘れてしまったころの貴方も、
 これから先の貴方のことも、全部知りたいと私は願う。 *

 
(130) 2022/05/30(Mon) 21:17:59

【人】 宮々 蓮司

ドアが開いて俺の両目が瀬里の姿を映す。
それだけで鼓動が強くなっていく。

 『 蓮司さん 』

瀬里の声。
俺は両手を開いて華奢な瀬里の身体を包む。
会いたかった。
この一週間はまるで何ヶ月にも感じられた。
お前を思い出してから、こうして会えるのが何よりも待ち遠しくて。


お前に会うたびに、お前に触れるたびに、恋をしているのかもしれない。

 
(131) 2022/05/30(Mon) 22:42:20

【人】 宮々 蓮司

 
 「 そうだな、まずは飯にしようか。 」


今日はどこがいいだろう。
和食?中華?イタリアン?
肉がいいだろうか、魚介にしようか。

きっとそれが何でも何処でもきっと楽しい時間になる。


 
「 ……今日は、泊まっていってもいいんだろ? 」



耳元に唇当てて、そっと囁いた。*
 
(132) 2022/05/30(Mon) 22:42:44

【人】 雨宮 瀬里

 

 貴方と過ごす時間なら、きっとどこだって楽しい。
 …こんな気持ちで、今までの雨宮瀬里は、
 貴方と一年も過ごしてきたのだろうか。

 それとも恋矢を受けた恋と、
 今の恋は、何かが違うのだろうか。

 恋をしたことがない≠ゥら
 これが恋なのかどうかも確かめられずに
 私は初めての週末デートを迎える。


 そういえば。と、私がきっと提案したのは
 この町にきて貴方と最初に行った店=B

 
 「 この間見かけて、気になっていたの 」


 と、きっと私は一年前と同じことを言う。
 それを私が気づいていないだけで。


 ふいに囁かれた言葉には、
 真っ赤になって、頷いた。
 
これを一年続けてきたというのか、私は。


 
(133) 2022/05/30(Mon) 23:19:05

【人】 雨宮 瀬里

 

 同じメニューを頼み、同じ感想をいう。

 お店の人が「ああ、」という顔をしていたから
 もしかしたら何度も訪れたことがあるのかも、と
 そう気づいてからは、貴方に向かって苦笑した。
 私たち、どうやら来たことがあるみたいね、って。

 貴方が思い出したなんて知らないもの


 それからまた少しだけ車を走らせて
 といっても都会ほど、夜景が美しいわけじゃないから
 きっと、それはそこそこに。

 
(134) 2022/05/30(Mon) 23:19:22

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 蓮司さん、 」


 それはそれからだいぶ時間が経った後。

 身体が幾度貴方を求めようと、
 まだ記憶を取り戻す前の私は、
 薄いタオルケットにくるまりながら
 薄暗い部屋の中、肌を貴方に寄せている
 

 「 あれから暫く、
   記憶を思いだそうと、頑張ったんだ 」


 どうだった?って聞かれたら
 首を横に振るだけだけど。ご存じの通り。
 
(135) 2022/05/30(Mon) 23:19:47

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 家にある服とか、
   随分、昔の私と、違うの。
   昔の私がどうだったか、っていうのは
   ……蓮司さんには、内緒。
   今と全然違って、びっくりしちゃうから 」


 知ってる、ってネタ晴らしされない限りは
 私はその話はしないつもりで。
 見てみたいとか言い出されても
 ほらまた、私は首を横に振るだけ。二回目。

 
(136) 2022/05/30(Mon) 23:20:02
 




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