人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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[犠牲者リスト]
エニシダ

二日目

事件:楽観

本日の生存者:ラッコ、シャーリエ、リフル、小林 友、早乙女 菜月、アクスル、在原 治人、志隈、アジダル以上9名

アジダルは、メモを貼った。
(a0) 2020/10/02(Fri) 7:45:36

【人】 Marguerite シャーリエ

―― 空ラッコの白昼夢 ――
[いつからだったのかなんて、自分でもわからない。
庭に迎えたのだからお茶の相手は当然、
と何度も呼び出したせいか。
はたまた、断らずに現れる彼女に、
認められてると思い込んだのか。]


 おねーさまっ ピアノ聞いて!
 やっと弾けるようになったの


[王国の友達が作ったというピアノ曲を練習して、
難しいと文句を言いながらも時間を作って、
お茶の時間が減ってしまったある日。
彼女を庭の見える部屋に呼び出した。

防音がされている部屋にグランドピアノが一台。
観客席も一席。


たった1人の観客に招いたのは
お姉さまじゃなく彼女になっていた]
(0) 2020/10/02(Fri) 8:06:44

【人】 Marguerite シャーリエ

[ペダルを踏んでは離し離しては踏んで、
儚いメロディーを光に変えていく。
窓から差し込む夕日は私にぶつかって影を作り、
手元に夜を生み出していた。
そこに月の光を作った。
レモン色の響きは甘くて切なく、弾き手の心を揺さぶる。
弾き手の気持ちはピアノに変換されて音符になり、
空気を震わせて観客に届く]

[9/8拍子、フラット5つの変ニ長調。
その中に転調と臨時記号を散りばめて編まれた甘い曲。
楽譜を読んでびっくりした。
こんな曲を書くなんて、あの人天才だ。

自分の心のままにテンポが揺らぎ、
恥ずかしいほどに私が暴き出される。

聞かせているのはただ1人。
最後の音をペダルで伸ばして、
告白した恥ずかしい高揚感に身をゆだねた。]


 ……どう、だったかな


[借り物の言葉だけど、私の気持ちは届いたのかな**]
(1) 2020/10/02(Fri) 8:07:23
Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a1) 2020/10/02(Fri) 8:20:09

【人】 志隈

[無遠慮に女性を眺めたが、
彼女の意識が此方に向く事はなかった。>>1:62
青年があれほど叫んでいるのだから、
通常であれば気付かないと言う話ではないだろう。
怪訝そうに守ってくれる相手を見る姿は、
気に留めないと言う雰囲気でもない。

観察が終われば青年へと視線を戻す。
動揺しないのは本来の性格と、場慣れと、
目的の為なら刃を突き付けてくる相手だと思っているから。
]

…あんたの名前は?
気付いたらここにいた。俺はここを知らない。

[“志隈”ではなく“シグマ”
コードネームの様かもなとは説明を省き、
不審にも構わず名前を聞く。
質問は恐らく返らないだろうが。]
(2) 2020/10/02(Fri) 8:24:00

【人】 志隈

[“帰り方もわからないから別にいい。”>>1:63

口にする事はなかったが、
逃走する気も無く流れに身を任せようとした。
様子を窺うのが基本ではあるし、
此方を見れるのが眼の前の相手一人と仮定すれば、
幾らでも対処の仕様がある。
一度撃たれて怪我をするかどうか試してみるのもありかとまで、
考えてしまえるのは一般的ではなかったか。

夢と考えているから多少呑気で、
世界の質感が現実感を刺激してもあまり変わりはせず。


女性が何かを後ろで仕出して、
青年が飛び上がるのも無愛想に眺めた。>>1:64
どうやら実力行使に出たらしく、
言葉で忠告するより行動で先に制するタイプかと彼女を認識し。
青年に…あんた以外には見えてなさそうだと先に忠告すべきだったかと、今更至り。
何度も視線を往復する姿には、
若干生温い目を向けた。
大変だな、と他人事。

彼にはここでの感触があるらしい。
此方に気付ける理由はわからないが、夢だからで済む話か。
ぞんざいに扱われても変わらぬ従順さは
助けられた恩義があるからかと、
言葉を拾っては想像をしていく。
仔犬の様に吠える青年は見た事無い側面の筈だが、
面影もある様な気がして面白くも思え。]
(3) 2020/10/02(Fri) 8:24:08

【人】 志隈

[ブレない銃口は慣れを感じる。>>1:66
此方も同じ頃には既に銃に慣れていたから、
気にはならなかったが、
彼は何時の年頃から握ったのだろう。]

…一般人だ。
彼女とは初対面だし、やられてもない。

[過去を鑑みて、
更に警戒を持たれる気がして軍人と紹介するのは止めておく、
平和な国なら一般人だろう。多分。
細かく説明する気もなければ、
誤解も解けないだろうなと考えながら、
当てられた銃口に従って外へと足を向けようとして、
一度止まり。]

彼女とあんたの関係は?
何時からこういう事してるんだ?

[聞くだけ聞いておこうという精神。
正直不審者に話しかけられてペラペラ話すものではないし、
夢で、自分が作り出した物でしか無いのなら、
意味はないことだが。

当てられた感触は随分とリアルで、
齎される情報ももしも本当ならと興味深かった。]
(4) 2020/10/02(Fri) 8:24:15

【人】 志隈

[あまり時間を取ってもいられないだろうと、
質問を投げかけた後には大人しく扉の方へ向かう。>>1:67

そうして外に広がる場所はどんな所だったろうか。
一つ瞬き、後ろへと振り返ると、
何時もの姿に戻った男の項垂れかける所。]

…何してるんだ、あんた?

[不審なものを見るような目を向けた。
姿は現在のものに思えるが、
作られた存在かどうかまでは判断が出来ない。]*
(5) 2020/10/02(Fri) 8:24:30
志隈は、メモを貼った。
(a2) 2020/10/02(Fri) 8:26:31

【人】 Cucciolo アジダル



 [ 歪な生い立ちや事情を抱えていた仲間とは違い、
  眠れない夜を知らずに過ごしたと言えば嘘になる。
  暗闇を拒んだ先人や静寂を呪った輩と同じように、
  青年は理解しがたいものに臆する傾向があった。

  漠然とした概念が怖いよりずっとましだろと虚勢を張れば
  そのたび生意気だとじゃれついた袋叩きを見舞われる。
  怖いってこた生きたいってことだと言い張る彼らの所為で
  暫くこれは克服できそうになかった。

  だから、半歩引き摺った踵を誤魔化すように爪先を立てる。
  だから、銃口のキスの感触に安堵して一歩足を踏み出せた。
  湧きあがった勇気はそれだけで、
  もう一度それが口を利こうもんならまた眉根を寄せる。 ]

  
(6) 2020/10/02(Fri) 23:06:17

【人】 Cucciolo アジダル



   は? どうしてそんなこと教えなくちゃいけねェんだよ。
   僕らの顔もわかんねえくらい無関係で、一般人を装うなら
   最後まで花売りみたいに処女の顔し続けるんだね。

   お喋りクソ野郎は口の穴が頭の裏に貫通して死ぬんだぜ。


 [ 振り返る男に合わせて擽るように銃口を這わせ、
  後頭部へぐり、と押し付け直しても
  相変わらずの感情の希薄さが薄気味悪い。

  思惑なら大根役者、好奇心なら大層な大物だ。>>4
  威嚇する野良犬のような警戒心は振りまいたまま
  背中を押すように進む。

  けれどふと思い直せば、彼の後ろで
  ほんの少し得意げな声色で語った。 ]


   だが誰かは知っておいた方が良い。
   あの女は一体を取り仕切るファミリーのトップで──

  
(7) 2020/10/02(Fri) 23:06:32

【人】 アジダル



  ……そんで、僕や家族の恩人だね。


[ 境界を跨いだ途端に先ず靴の爪先を眺めた。
 異物を吐き出した扉は役割を終えたかのように光の粒に溶けて散り、霧立ち込める街のように白くけぶる空間を薄く照らしあげたようだ。

 けれど早回しするように急激に萎びた体の感触と、ひっかき回す様に入れ替わった記憶の感覚にしゃがみこむ程の眩暈を覚えて、それに気付くことは無かった。 ]


  懐かしいな。さっき……あれか。
  寝る前に色々考えてたから思い出しでもしたのか?


[ 途切れた記憶のさいごは布団に潜ったことにある。たったそれだけの事実で「これは夢だ」と判断し──あるいは思考を停止し──呟いた。

 自問自答を終えてフード越しに頭を掻き、ばつが悪い顔を持ち上げる。
 先ほど迄の記憶は問題なく残っている。その上で牙を剥いたことの詫びの一つでも言ってやろうかと思ったが。

 なんつう目で見てやがるこいつ。苦笑。 ]

  
(8) 2020/10/02(Fri) 23:06:43

【人】 アジダル


[ いくらか見通しのよくなった空間の中、恩人、と口に出した瞬間新たな扉が横に現れた。薄く開いた扉の向こうでは先ほどひずんだ空間に浮いた昔の光景>>1:65が再上映されるかのように動いていた。

 懐かしい母と妹の姿を眺め、情景に浸るよう目を細めたのも束の間。そのドアノブを掴んで静かに閉じる。 ]


  親父がな、消えてるから。
  僕が助けてやんなきゃって、正義のヒーロー気取ってたんだよ。


[ ぱっ、と消えた光の粒がまた空間を照らし、幾ら見渡しがよくなった遠くにまた別の扉がある事に気づいただろうか。

 正義のヒーロー、という単語に関連して思い出した記憶がそこにあるのだろう。目が覚めるまで生い立ちをなぞり直すべきなのだろうか。
 思い出したくない過去が山ほどある男にとってとんでもない悪夢だ。

 ……よりにもよって彼もいっしょなのだから。

 わざとらしく溜息を吐き、最悪だ、と呟いた。
 早く朝よ来いと願うばかり。 ]*
  
(9) 2020/10/02(Fri) 23:06:56

【人】 志隈

[青い青年を脅かしてやろうなんて考え付きもしなかったが、
もう少し話を交わせば、人となりを少しは理解出来たか。
話す気があれば、だが。]

あんたに似た男を知ってるから、気になった。

[理由は告げたものの、予想通り返らない答えには納得し、
否、想像より大分口は悪かったが。
最初に話を聞こうとした時も、
同じようなフレーズを言われたなと僅かな懐かしさ。

そういえば、何故か、国境を越えて言葉がわかるんだなと思ったが、
これも夢の力というものか。

その間に銃口を押し付け直されて、
大人しく従った振りして進む。
銃口を気にしてないのは滲んではいて、
キレやすい人間なら既に発砲しててもおかしくないが、
口に反して大人しい方なのだろうか。

一歩、二歩と緩く踏み歩けば、
少し得意げな声が聞こえる。
トップで、青年と青年の家族の恩人。
生い立ちなど知らないが、馳せて、反芻し。

視線を向けることなく、扉に手をかけて。]

…なら、何故、あの女性の側から離れた?
(10) 2020/10/03(Sat) 0:28:27

【人】 志隈

[その問いかけが届く前に扉を潜っていたか。
後ろの扉がどうなったかを見る事はなく、
聞こえた呟く声は、寝る前に見たアジダルと同じ声色。

不審な目で見下ろして、視線を合わせる。
謝罪も何も無くとも気にしない、以前に
今のアジダルが先程の小屋の何処にいたかがわからず。
扉の中では姿が変わっていたとまでは思っていないのは、
銃を突きつけてお前誰だとデカデカ警戒が、
青年の顔に書いてあったのだし仕方ないだろう。]

あんたの記憶に近い場所ではあるんだな。
“夢”であるなら、
互いが本物の様に見えるのが意味がわからないが。

[夢は一人で見るものだ。
それなら、この空間は何かと眉を顰めたが、
アジダルはそこまで気にしていないように見える。
構造を考えても無意味ではありそうだ。
一先ずは、何かを果たせば朝が来るのだろうと仮定し。]
(11) 2020/10/03(Sat) 0:28:34

【人】 志隈

[薄く開いた扉の先に広がっていたものは見えなかった。
静かに閉じる扉は開くべきでは無さそうだと、問わず。

幾つか現れる扉の先には、
アジダルの過去が広がっているのか、と辺りを見回す。]

正義のヒーロー?
家族や大切なものを守れる人間になる事は良いと思うが。

[不意に出た単語には瞬いて。
正義でなくても守れればいいと考えている方だから、
守る事に正義が必要なのかの答えは出ずに、
悪くはないだろうとは示しておく。

特撮に憧れる無邪気な子供でも、
見せて貰えるならそれはそれで興味深いし、
アジダルにとっての正義がどんなものか気にならないではない。]

で、このままここにいても時間経過しなそうだが、
そっちの扉は入っていいのか?

[遠くに見えるものを示して、問いかける。
アジダルには何が待ってるのか予想は付いてるのだろうか。
入るなと言われれば、無理には近付かないし、
乗り気でなくても入っていいと言われれば、
扉に手をかける事にしよう。]*
(12) 2020/10/03(Sat) 0:28:41
志隈は、メモを貼った。
(a3) 2020/10/03(Sat) 1:05:37

Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a4) 2020/10/03(Sat) 2:51:50

Marguerite シャーリエは、メモを貼った。
(a5) 2020/10/03(Sat) 2:52:15

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[誰でもいじめられる可能性はあるけど、いじめられやすい人はいる。
 大人しくて、やり返さない優しい人。
 運がいいことに、私はいじめられたことはない。
 だけど、いじめそのものから逃れられなかった。
 ── ありふれた事だから。]
(13) 2020/10/03(Sat) 8:45:02

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[中学生のころ、少しトロい子がいた。
 その子は、体育の時間、あらゆる場面で面白い動作をした。

「なにその動き! へんなのー!」
 私はおかしくて、笑って真似した。他の子たちも寄ってきて、けらけらと盛り上がる。
 傷つけてやろうなんて全く思っていなかった。じゃれることで距離を縮めたかった。
 私自身、そうされることが楽しくて、「ひどーい」と笑って友達を作っていたから。
 その子は真っ赤になって俯いて、その様子がまたおかしくて、体育の時間のちょっとした名物になった。

「でた! ──ちゃんの珍プレー!」「ナツキ、いつものやってよー!」「おっけー任せて!」

 その日もそうやって遊んでいたら、その子はぽろぽろと泣き出してしまった。
「ナツキ、ひっどー」「──ちゃん、泣かせてやんのー」「──ちゃん、だいじょうぶー?」
 私はひどく慌てて、何度も何度も謝って、二度と同じことはやらなかった。
 けど、心の底は不満だった。]
(14) 2020/10/03(Sat) 8:47:24

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 なあに、あれぐらいで泣いたりして。
 ちょっとじゃれただけじゃん。
 美味しい役回りあげたのに、なんか嫌な感じ。
 まるで私が悪者みたい。
 私なんかもっとエグいいじり方されても、盛り上げられるのに。
 空気を壊して泣くなんてこと、しなかったのに。
 いいよね、──ちゃんは。可愛い女の子枠にいられてさ。


 
(15) 2020/10/03(Sat) 8:47:59

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ふとした時、あの時のことが蘇って、胸がぎゅっと苦しくなる。
 仲良くなろうとしたはずなのに、なんでああなっちゃったんだろう。
 言い訳をたくさんしてしまう自分が嫌で、誰かに聞いてほしいけど、そんなこと聞かされたら盛り下がることなんてわかってて、だから私の中には汚いどろどろがいつまでも渦巻いていて、

 こんな私のこと、ユウ君には絶対に知られたくない。

 いじめは一対多数。
 つい、自分がいじめられないかばっかり心配するけれど、
 加害者になるほうが、ずっとありえるんだ。]*
(16) 2020/10/03(Sat) 8:48:51
(a6) 2020/10/03(Sat) 9:03:55

[「めいっぱいおしゃれ」したアキナを
 瞼の裏に思い描いて、
 その日は珍しくシャツにアイロンかけて
 学校に行ったんだ。

 口を開けて、閉めて。
 ちゃんと目の前でも喋れるように。

 少し明るい色の髪をセットした青柳を見て
 「あー、ワックス、買ったことないや」なんて
 色んなことを考えてたり。

 でもアキナに会ったら、まず謝らないと。
 俺はバスケ部じゃないし
 生まれた年齢=彼女いない歴。
 もしかして彼女の頭の中に
 俺が明るく陽気な人間として描かれているなら
 それはすごく、大きな間違いで。]

[─────だけど、俺の予想を大きく超えて
 放課後の図書館にいたのは
 あの日、俺に襲いかかってきた影
 また立ち塞がるでもなし、
 ぺこり、と頭を下げてみせる姿に敵意はない。]


  ………………アキナ?


[そっと呼び掛けても多分言葉は通じない。
 影みたいな俺だけど、
 本当に影と話すのなんか初めてで。

 言葉がすんなり喉から出ない。

 はっきりした姿かたちは分からないけど
 ぼんやりと、スカートと前髪が揺れてるのが
 何となく分かるくらい。

 でもこれがアキナだって、分かってる。]

[影と俺と、二人きりの図書館を
 静かに風が吹き抜ける。]


  アキナ。


[俺は彷徨わせた視線を上げて
 明確に、影へと呼びかける。]


  ……俺、ユウだけど。


[ああ、そうか、通じないかもしれないのか。
 書架の片隅、いつもの席に腰掛けると
 隣の席に座るように、椅子を引いて促そう。

 カバンから取り出したのは
 いつも持ち歩いてる『赤いろうそくと人魚』。
 やり取りの長さの文だけ皺のよった便箋に
 いつもの青いインクを走らせて
 アキナに宛てたメッセージを書き始めた。]

[はらり、頁をめくって、ダサい便箋を
 『とうげの茶屋』と『金の輪』の間に挟む。

 続きの話は、『金の輪』の後にしよう、と。]*

[カナカナと、ひとりぼっちのひぐらしが鳴いていた。
 いつの間にか薄くなったセミしぐれの代わりに、
 キョ、キョ、とモズが鳴く。
 高くなった秋の空から、オレンジ色の夕日が差し込む。
 眩しい図書室の中に、一人の影が立っていた。
 あの時と同じように、だけど逃げ出さずに、
 その人は私を見つめている。
 少し違うか。彼には私は見えていない。私に彼が見えないように。

 ぺこっとお辞儀をすると、私の影が不自然に伸びた。]


 ── ユウ君、だよね。


[呼びかけても、返事はない。
 仕方ないか。声は影にならないし。]

[吹き込んだ風がカーテンをあおって、
 スカートの中を通り過ぎた。
 裸の腿をなぞるキンモクセイの香りは、ちょっと冷たい。
 スカート下のハーパンを脱いでも、
 前髪が割れないように気を付けても、
 カーディガンのボタンを可愛いハート型に付け替えたって、
 ユウ君には伝わらない。

 何となく予想してはいたけれど、
 いざ何の反応も無いユウ君を見ていると、
 息が苦しくなってしまった。
 
 淋しいけど、泣きそうな顔が見られずに済むのは、助かるかな。

 声も表情も分からない人と、どうやって接すればいいんだろう。
 何も知らないうちなら、思いっきり距離を詰められたけど。
 ユウ君を怖がらせるのが嫌で、お辞儀の後が続かない。]

[やがてユウ君が動きだした。]


 あ……ねえ、待って!


[帰っちゃうのかと思ったけど、ユウ君は椅子に腰かけた。
 腕が隣の椅子に伸びて、影だけを引っ張り出す。
 のっぺりした椅子の実体と、ユウ君の影を見比べて、
 私はゆっくり近づいた。

 椅子を正しく影に合わせて、ユウ君の隣に座る。
 誰かの隣に座るなんて、どれぐらいぶりだろう。
 本棚に映る影は、二人並んでいるのに、隣を見ても誰もいない。

 その間にユウ君は鞄らしきものから何かを取り出した。
 見えなくたって分かる。
 私たちを繋いでくれた、紙一枚分だけ重い本。
 それを机に広げて、何かを書いている。
 だけど机の上を見ても、黄色い木目しか見えない。

 私も鞄から本を取り出す。
 机の上に本を置いて、傷んでしまった便箋を広げると、
 見つめている間にもコバルトブルーが引かれていく。
 その線は複雑に組み合って、言葉になって私に届く。
 リアルタイムで紡がれる言葉。
 ふと思い立って、その便箋をユウ君の手元に置いた。
 ちょうどユウ君が書いてるだろう場所に合わせて。]

[ぽんぽんと喋っても、
 おーい、と呼び掛けてみても、
 耳のあたりにふって息を吹き込んでも、
 筆の速度は変わらない。
 ああ、本当に聞こえないんだね。

 本棚に映る私と、友君。
 友君は何かを書いていて、
 私はその手元をのぞき込んで、
 影だけ見たら仲良しの恋人たちみたいだ。
 実際はこんなに遠いのに。

 まだ濡れたコバルトブルーを、そっと人差指でなぞる。
 私の肌に引きずられて、インクだまりが線を引いた。
 指についた青い色。
 今、確かに友君は私に向けてメッセージを送っているのに、
 それはどこの世界なんだろう。

 目を閉じて、ここにいるはずのユウ君を思い浮かべる。
 同い年の男の子が、紙面に思いを綴る様を想像する。
 私はそれを覗きこんで、時々つついてからかったり、
 甘えるみたいに顔を窺ったりして──

 再び開いた時には、机の上に紙は無かった。]

 




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