人狼物語 三日月国


81 【身内】三途病院連続殺人事件【R18G】

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トントン、控えめに扉を叩く音がする。
一階のとある部屋の前に、男は立っていた。

「……メイジくん、起きてますか。準備が整いました」

普段よりも強い消毒液の匂いを隠しもせず、
ただ笑みを張り付けている。

「……はぁい」

若干の間のあと、気の抜けた返事が返ってきた。
扉を開けると、強い消毒液のにおいに思わず鼻をおさえた。

「わ。……どこでやるの?」

メイジはそっと扉を閉めて、あなたに着いていく。

「手術室ですよ。後は細かくするだけなんですが」

重い足取りを隠しながら進んでいく。
消毒液の中に、血や脂の臭いが混じっている。

「臭いが少しきついかもしれません。
 三角巾がありますから、そちらを使ってください」

……既に、食肉に見える段階までは処置を終えていた。

【人】 商人 ミロク

>>2 >>3 おはじきだ。

乾いた上着は羽織らずシャツの姿で現れた男は、
この病院内では特段若いだろう二人に視線を移す。

おはじきなどいつの間見ていないだろう。

……。

いくつか近づき、それを眺めるなどをした。
そして一度どこかに離れたと思えば戻ってくる。

背の高い男が近づくことで机に影を作る。
その影は無言かと思いきや言葉をかけた。

「これでも、どうぞ」

古ぼけた紙で作られた、
少ししけっているからか歪んでい、、
おはじきをいれられるだろう小さな紙で折られた箱。

二つ置いて、そのままどこかへ離れていっただろう。
(5) 2021/07/01(Thu) 10:45:58
「…………」

どことなく疲れていそうな背中を眺めながら、思案する。
そして、ふいに異臭が鼻を刺激した。

これは血の匂いだ。

顔を顰める。メイジは知っている。
ほとんどからっぽの胃から、何かがこみ上げてきそうになる。

「ねえ」
「……これって、猿の肉、なんだよね」

布で口元を覆う。でも意外と平気だ。

「でもさ」

「オレ、この村の山に猿なんてみたことないんだ」

「そんなに遠くから流れてきたのかな?」

「……きっと」

職業柄慣れているのだろう、布で口元を覆うことはしなかった。

「隣村に、住んでたんでしょうね」

隣村まで足を運んでも猿はいない。
この村を知る人間に通用する嘘ではないと知っていながら、
猪や鹿ではなく、猿だと言ったのだ。

「もしもこの肉が猿ではなかったら、」

「きみはどうしますか?」

男は、自分から言い出す勇気が無かったから。
気付いてほしいと願った、情けない大人だ。

「……猿じゃ、なかったら……?」

──猿じゃなかったら?
脳内で、反芻する。台に置かれた肉の塊をぼんやりと見る。

猿じゃなかったら、何だ?

鹿だったとして、嘘をつく意味なんてない。
他の動物でなく、猿と言った理由。
わざわざ後から呼ばれた理由。
思い返す、今までのあなたの言葉。

「(猿じゃなかったら──誰だ?)」


消毒液の匂い、むせ返る、血と脂の臭い。
本当は気づいているんだ。

メイジは、胸が痛くなった。
それなのに、笑いがこみ上げてきた。→

「オレは、どうもしないよ、今は」

薄く笑みを貼り付けながら
思ったよりも淡々とした言葉が出た。

「それってさ、もしもじゃ……ないんでしょ。
 でも、生きる為にやってることなんでしょ。
 はっきり言わないの、ずるいな」

ここにあるのが、ただの食肉にしか見えないからだろうか。

それとも、これが生きる為にやっていることだからだろうか。
別に、恐怖も、怒りも、そこにはない。

「……オレには、どうしようも、ないよ。
 手伝うって言ったんだからやめもしない」

だって、ここまでするくらいだ。食料は確実に足りない。
こんなところで死にたくない。
あんなことをしてまで生き延びようとしたのだ

メイジは、近くにあるであろう刃物を手に取った。
肉を、ひたすら切り分けて、切り分ける。
血で汚れる手。あまり上手ではなかった。

【人】 商人 ミロク


「いいえ、その手の類いは私得意じゃありませんから。
 負けてしまうのが悔しいのでやりません」

一瞬だけ、頬を緩ませ、瞳に慈愛を含ませ。
そして子供のような本心を言って立ち去った。

>>10 >>11
(14) 2021/07/02(Fri) 4:06:18

【人】 商人 ミロク

その日、技師の女性を探し院内を回ったが見つからない。
以前に交わした、"薬品"や"備品"の取引の話をしようと、顧客の名簿を改めて見直した。

中々姿が見えず、時間潰しにどこかにでもいくかと足を止める。
持った鞄を握りなおし、また一歩廊下を歩き出した。
(15) 2021/07/02(Fri) 4:10:59
ミロクは、    と、取引をした
(a4) 2021/07/02(Fri) 4:33:09

「御免なさい」


小さく、ただ一言呟いた。肉を薄く切り続ける。
慣れた手つきだが、こんな事の為に身に付けた技術ではなかった。

「……過食部が少ないんです、牛や豚と違って」

これは食肉の為に改良された動物ではない。
当然の事だった。

「まだ、足りません」

「……でも。
 アユミさんは、こんな事許さないですから」

山口歩美は正義感が強く誠実だが、箱入り娘でもある。
飢えた事など無く、それ故飢えに対する考え方が甘かった。
だから。
邪魔になると考えて、真っ先に殺したのだ。

「もし疑われたら、僕に脅されたと言ってください」

手を洗い、用意していた塩や胡椒を取り出す。
調味料を塗して、糸を通して、繋げていく。
干し肉にするらしい。

「……きみ達が生きる為なら、僕は協力を惜しみません」

「オレももう知ってて手伝ってるから、共犯ってやつだ」

メイジは、やはり淡々と言葉を紡ぐ。
感情の出し方がわからない。
感情の矛先がわからなかった。
目の前の大人を責めることはできない。

「セナさんのせいにするのは気が進まないけど
 イイコじゃ生き残れない、そういうことだよね」

もう頭を撫でられて、可愛がられるような子供でもない。
尤も、そんなことされた記憶もあまりないが。
利用できるものなら、してやろうと思った。
それはどこか自棄染みた感情だったかもしれない。

「やっぱり足りないんだ。
 ……じゃあ、やるしかないよね」

いびつな形の肉を、糸につなげるのを手伝う。
これが誰の肉なのかは、聞くことをしなかった。

メイジにはひとつ、決意したことがある。

「オレさ、ここで友達ができたんだ。
 ……素直で純粋で"イイコ" 病気が治ったらさ
 一緒にトーキョーに行きたいなんて言ってくれて──」

そう語る瞳はとても嬉しそうで

「なんにも知らないで。バカだよね」

覆い隠すように、ぴしゃりと言い放つ。

「オレ、ああいうヤツ大ッ嫌いなんだ。
 親に大事にされて、甘ちゃんで」

嘘だ。

「オレのこときっと信用してるし。
 それに病人なんて、足手まといでしょ。
 だから、やるならあいつかなって」

ひたすら、心にもないことを言った。
友達を助けたいではない、殺そうと言うのだ。
けれどその決意はゆるぎない。

その様子を、真っ暗な瞳でじっと見つめている。
嘘をついているのか、強がっているのかはわからなかった。
それを判断できる程、付き合いが長い訳ではない。
だから、

「彼が救助まで生き延びるには、
 きっと全員分の食糧を掻き集める必要があるでしょう」

事実だけを述べた。

「医師を目指す立場で、こんなことを言うべきではないと分かってはいるんですが。
 ……いえ、もう辞めるべきですね」

その瞳はどこか遠く、諦念を映している。

糸で繋がった肉を干していく。
人を救う為の知識を使って殺し、作った糧だ。

「……もしもきみが、生きたいと強く願うなら」

「殺し方と食べ方。両方を教えます」

その為の教材として、男は自分を信頼する少年を選んだ。
  

「そっか」

うまく言葉が紡げず、茫然とその事実を受け止める。
メイジは"友達"を殺してまで生きたいと強く願っている。

生きたい? いや──
ぼんやりしていた意識を覚ますように頭を振る。

「死にたくないんだ、オレ……こんなところで……
 やっと、やっと、解放されたのに……」

息苦しくなり、口元につけっぱなしだった布を取った。
俯き、ひそかに拳を握って、呟く。息を吐く。
自分が小さかったら、泣いていたかもしれない。
涙は出ない。顔を上げる。

「教えてよ。もうなんでもいい
 なんだってやってやる……決めたからね」

その瞳は、決意というには濁っていて
自棄というにはまだ意思があった。

人を救うための知識を、人を殺すために教わる。
確実に誰かを生かすために。

【人】 商人 ミロク

>>フジノ

おはじきの一件から数刻、湿気が籠もっている部屋よりも広間の方に男はいた。
鞄の中身を一つ取り出しては、中身を確認して戻す。
一つ取り出して、また戻す。その繰り返しだ。

しばらく。

商品の中に片手に収まるぐらいの大きさのお茶の缶があった。
それが手元から滑ったのか、ころころと転がれば。
今し方やってきたフジノの足にぶつかって停止する。

「……。」

「すみません、取っていただけますか?」

男は女学生の姿を確認すれば席こそ立たないが、比較的穏やかに、丁寧に話しかけた。
(32) 2021/07/03(Sat) 9:13:10
その瞳に見覚えがある。
戦場に生きる者は、大凡がこんな瞳をしていた。
室内に吊るされた干し肉を一瞥すれば、手を洗う様に促した。

「……死にたくないと思う事は、何らおかしな事ではありません。
 限りある幸いを、みんなで奪い合って生きていくんです」

自身も血と脂で汚れた手を洗っていく。
口振りから、貴方の父親が既にこの世を発ったことを察していた。
しかし、それを指摘する事はない。

 
「もしきみを否定する人がいたら、
 僕の言葉を思い出してください。

 僕は、たとえ死んでもきみに賛同し続けます」
 

【人】 商人 ミロク

>>35 フジノ
「どちらかといえば、確認をしています。」
 商品の在庫と、状態について。
 みておかないといけませんから」

ありがとうございます、と缶を受け取り。
しばらくの間、筒を眺める。

「欲しいものがあれば。
 目的、理由さえ有れば、金銭は言い値でお受けしております。
 入り用は、ありますか……?」

つまり、何か欲しいものがありますか。
かなりかみ砕いて、あなたに問いかけた。
特に唐突なつもりも無く、商人として、伺うのは癖です。
(36) 2021/07/03(Sat) 11:33:36
齢17の少年は本物の戦場を知らない。

今わかるのは、誰かを犠牲にしなければ生きられないこと。
そしてそれをこれから自らの手で行うことだけ。

けれどあなたの行動、今までのその言葉から
経験を物語っていることはなんとなく、わかっていた。

「うん、オレ……もう奪ったことあるから。
 だから……もう怖くないや」

血で汚れた手を洗う。洗って、きれいにする。
──自ら犯した罪は綺麗にはならない。

もう意識して隠す気もないのだろう。
メイジは己の手で父親を殺している。

「……ありがとう」

口元をわずかに吊り上げる。
たとえ世間から許されることではなくとも
あなたの言葉が背中を押している。

「……セナさんは、すごいね。
 でも、セナさんだって死にたくは、ないでしょ」

自分は死にたくはない、だけど
本当は誰かに死んでほしくないのも事実で
自らを助けてくれている人ならなおさらだ。

明言はしてこなかったが、
かつての自分の行いはもう察しがついているのだろう。
聡い子供だ。
それ故に危ういとも、思った。

「すごいかどうかは……、わからないですけれど。
 あの時は死にたくないというより、
 ……ただ単に飢えて、見境が無くなっていました」

裸足で逃げながら考える事は、渇きや飢えばかりだった。
生きたい、死にたくないと意識したことはあまり無かったように思う。
知性のない動物に等しく、本能のまま彷徨っていた。

「死にたくないか、と聞かれると。
 それも、わかりません。
 ……ただ逃げ続けた結果が今、といいますか」

綺麗になった手を見つめてから、時計を見た。

「……少し休憩しましょう。
 証拠の消し方も教えたいですから、また来てください」

指定された時刻は約一時間後。
誰にも見られない様に、手術室へ来るように。
共犯者は、小さく囁いた。

「オレにはまだそんな状況、全然想像つかないな。
 ……悪い夢みたいだ」

メイジの家は、貧乏ではあったが
見境がなくなるほどまで飢えてはいなかったからだ。
まだ死にたくないと言える今は、余裕があるのだろうか。

「でもオレは、セナさんに生きて欲しいけど。
 オレが生き延びることができたら、もっとすごいって言うよ」

それだけを告げ、囁きに静かに頷くと。

「また後でね」

メイジは、手術室を後にする。
その足取りは来るときより重たい。
できるだけ誰かに感づかれないように、しっかりと歩いた。

【人】 商人 ミロク

>>41 フジノ

「言い値というのは、あなたが私に対して払える価値です。
 それがゼロ円であったからといって咎めることは無いでしょう。
 ―――ただ、あなたの取引のことをそう記憶してしまうのは、
 あなたにとって好ましくないかも知れなせんが」

0円の価値で取引をした。
それを商売では無く施しと受け取り尊厳を損ねる存在はいるかもしれない。

「目的は、大切な価値になります。
 例えば、あなたが『雨に濡れた黒猫の命を助けるため』に
 『タオルが欲しい』といえば、私が納得する『倫理』に沿った価値だと判断して取引をするでしょう。

 わかりますか?
 私は、その目的が聞きたくて取引をしています。

 他にも、私が『理解をしない内容でも』とりひきはします。
 つまり、あなたの話がきければそれで構わないのです」
(67) 2021/07/04(Sun) 2:51:29

【人】 商人 ミロク

>>メイジ

「すみません、お聞きしたいことが。
 あなたは、"痛み止めの薬"は入り用ですか?」

突然、男はすれ違いざまにあなたへ話しかけた。
他の人の目もあるかも知れない場所での、
商人としてはおかしくない態度。
どこか初めて会ったときよりも柔らかく、
おはじきのときに見せた表情のようだった。

あなたの様々なところに見える"怪我"を心配して告げているのだろうか? と思うだろう。
(68) 2021/07/04(Sun) 3:00:16
ミロクは、名前が似ている青年と技師が会話しているところを見かけた。
(a18) 2021/07/04(Sun) 4:20:43

ミロクは、とある場所で、天気の悪い空を見上げて、次の"予定"を考えていた。
(a19) 2021/07/04(Sun) 4:22:55

商人 ミロクは、メモを貼った。
(a20) 2021/07/04(Sun) 4:35:40

【人】 商人 ミロク

>>69 メイジ

数歩過ぎて、おや。と首をかしげていた。
どう呼ばれても咎める気にもならないので様子を見やる。
あなたの内情も気にせず、問われた質問に、
とても答えやすい質問をされたと、こう返した

「              」

あなたに告げた効果は、満足してもらえただろうか。

「あまり病院内でおおっぴらに話すことではありませんから、
 詳しくはお部屋で話させて貰いたいのですが」
(70) 2021/07/04(Sun) 5:00:01
ミロクは、タマオに手を振った。
(a21) 2021/07/04(Sun) 5:13:10

【人】 商人 ミロク

男は、ここに来たときにはあまり行われないかと思った取引を、いくつかすることができた。
一度前もって告げたあの言葉が効いているのだろう。
得られた対価は、男にとっては大きいものばかりだ。

一つは。
少しだけ。名残惜しさを感じさせるものだったが。

技師の女性は先程、名前が似た青年と話していたように思えたが何処にいるのだろう。
また受付に戻っているだろうか、男は病院内を歩き回った。
(77) 2021/07/04(Sun) 14:17:09
 




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