人狼物語 三日月国


88 灰色うさぎと紫うさぎの新生活

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【人】 オルテイシア

[実家の話題が出れば目を細める。
自身の家族のことをよく思ってくれていることは既に周知の事実で。
彼の言うように第二の家族といっても過言ではないだろう。
実際、将来的にはそれが実質本当のものになる。

家族の話をする基依さんは、少し寂しそうで。
箸を置いて、手を伸ばして彼の手に手を添えた。]

 
 基依さんが早くに巣立ったんだと思いますよ?
 親は私達がいくつになっても親ですから。
 見てないようで、きっと見てくれています。
 
 基依さんのこともきっと、大事に思ってらっしゃいますよ。

 大事な一人息子さんと一緒になるんですから、
 きちんとご挨拶します。


[ね?と手の温度を伝えるように。笑って。]
(16) milkxxxx 2021/08/19(Thu) 23:23:34

【人】 オルテイシア

 んー……、服装は一応決まってるんですけど、
 お出かけする前にチェックしてくださいねっ?

 ……ううん、やっぱり少し早く起きたほうがいいかな。
 不安になってきちゃった……!


[念を押すように基依さんを見上げた。
準備はしていても、初対面の、しかも彼の両親とあっては気を使うもので、普段よりも慎重になってしまう。
無駄に洋服があるものだから、迷うのも一入で、こういうときばかりはミニマリストに憧れてしまう。

ないものねだりは良くない。現実を見ようとため息を付いた。]
(17) milkxxxx 2021/08/19(Thu) 23:23:53

【人】 オルテイシア

[彼からの提案には賛同した。]


 はい。
 甘いもの、お好きなんですか?


[……と思ったけど、理由はそれだけでは無さそうで。
そういうところをしっかりと考えている辺りが、やっぱり彼らしい。
それだけ両親のことを把握しているということなのだ、と微笑ましくなったけど口にはしなかった。
言ってもきっと、彼は認めそうにないから。
母と親友のように仲良く話す自身とは、また違う距離感。
きっとそれは、男女の差も少しはあって、両親にだけはぶっきらぼうになる兄を思い出して笑った。

「ごちそうさま」は、二人で合わせて済ませた。
滅多に家族の話をしない彼から聞き出せることは珍しい。]

 
 聞かせてください。
 基依さんと、ご家族の話。 


[片付けをしながら、合間に彼の子供の頃のエピソードのおねだりもしただろう。*] 
(18) milkxxxx 2021/08/19(Thu) 23:24:53

【人】 イウダ

[卯田にとって織戸家の方が家族という感覚がある。
それはこれまでに何度も言ってきた。
その位、両親とは没交渉なのだ。
反抗期になるタイミングすらないまま大人になった。

そんな自分にとって「薄い」つながりの人々のことも、紫亜は大切に考えてくれる。
卯田を放っておいたと怒ることもなく、ただ「放っておかれた」という感覚が奥底に眠ったままの卯田の心を包むように、温かい手が重ねられる。]


 ……紫亜のそういうところ、好きだよ。


[実家への挨拶を強く希望したのは紫亜の方だ。
その希望の元には、そういう考えがあったのだと知る。]
(19) Ellie 2021/08/19(Thu) 23:59:12

【人】 イウダ

[そしてその包容力にホッとしたのも束の間、服装に迷いだす彼女を見て、今度は「ふはっ」と声に出して笑った。]


 そーいうところも好きだよ。


[洋服が好きで、たくさん持っているからこその不安というか悩みというか。
卯田は紫亜が何を着ても可愛いと思っているので、意見を求められてもまったく戦力にはならない。]


 いや、特に好んでる記憶はないけど、
 シュークリーム食えないなんて特殊な好み持ってたら逆に記憶に残ってる気がして。
 そんな記憶はないから多分食える、程度だよ。

 お中元やお歳暮は、礼状書く為に一度開封はされるけど、あの人たちが調理したり食ったりしてんの見たことないなあ。
 

[「ごちそうさま」も二人合わせて。
食洗機は買ったが、今日は話をするがてら、二人で並んで洗い物をしようか。]
(20) Ellie 2021/08/19(Thu) 23:59:31

【人】 イウダ


 いや本当そんな話せるような思い出も特にないんだけど。
 特に父親の方は顔も声もうろ覚えで……
 母親は飯が不味かったって記憶しかない……


[それでも話すうち、幾つかの記憶が呼び起こされた。

誕生日とクリスマスは必ず「予め予約した」ケーキが用意されていたこと、
外食で色んなレストランに行ったから、幼年期に舌が肥えたかもしれないこと、
卒業式はいなかったが入学式は両親がそろっていたこと、

などなど。
つらつら。

片づけが終わって風呂に行くまでの間、紫亜に出会う前の「自分」を説明した。
彼女は聞き上手だから、きっと他の人では引き出せなかった話もあったことだろう。**]
(21) Ellie 2021/08/19(Thu) 23:59:50

【人】 オルテイシア

[好きだと告げる声が優しくて、はにかんで照れながら。
彼が噴き出したら、つられて笑いながらも、もう。と拗ねてみせる。]

 
 好かれようと必死なんですよ?
 第一印象良くないと、後々響いちゃう。


[例え印象が悪くなったとしてご機嫌を損ねたとしても、彼のことについて折れるつもりはないのだけど。
彼を育てたご両親とは、出来ることなら仲良くしたい。]


 ……確かに。
 シュークリーム嫌いな人って見たこと無いかも?
 私も食べたくなってきちゃいました。


[恒例の別腹が甘味を訴えるけれど、今日はもう夜も遅い。
明日は明日で、緊張する事案が残っている。
全てが終わってからなら、許されるかもしれないが。]
(22) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 1:43:24

【人】 オルテイシア

[並んで洗い物を片しながら、彼の声に耳を傾ける。
最初は話せるようなことがないと言っていた彼にせっついて、話の続きを待てば、ぽろぽろと記憶の端に眠っていた思い出話を聞くことが出来た。

自身と出会う前の、小さな頃の彼の話。
織戸家とはまた違った家族のカタチ。

不器用ながらも愛されていたことを知って、微笑みが浮かぶ。
もし、ご両親と仲良くなれたなら、彼の子供の頃の写真を見せてもらうことにしよう。

そして、これからは私が彼にたくさんの愛情を注いで、記録を残せればいい。]
(23) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 1:43:47

【人】 オルテイシア

―― 翌日 ――

[結局、アラームをかけていた時間よりも早く目が覚めた。
前々から用意していたこの日の洋服は、紺地の七分丈のブラウスに、薄いグレーの膝が隠れる丈のギャザースカートを選ぶ。スカートは光の差し具合で白にも見えるものを選んだ。

メイクはいつもより自然に見えるように薄付きで、オーソドックスにピンクでまとめて、柔らかな印象を与えるようにアイブロウはブラウンを入れる。
髪はお辞儀しても邪魔にならないようハーフアップにまとめた。

鏡の前で何度も自己チェックをしたけれど。
彼が起きてきたら前に立って、くるりと回って姿を確かめてもらう。]


 変なところないですか?
 ちゃんと清潔感あるように見えます?


[なんて、何度も確かめて。大丈夫と言われても拭えない不安に、胸を抑えて深呼吸をした。]
(24) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 1:44:12

【人】 オルテイシア

[シュークリームを手土産に買って、彼とともにご実家へ向かう。
門戸を潜る前にもう一度深く深呼吸をして、ご挨拶に伺った。
玄関には彼のオーダーメイドの靴と、下ろしたての私のパンプスが並ぶ。

初めて見る彼が過ごしてきたご自宅を、思わず見渡したくなったけれどそこはぐっと堪えて、彼の隣で深々とお辞儀をして。

ご両親を正面に据えながら、唇を開く。]


 織戸 紫亜と申します。
 
 基依さんには、小さい頃からお世話になっていて。
 細かいところによく気がつく方で、
 ずっと良くしていただいていて……。

 お付き合いするようになってからも、
 彼の優しさに、いつも支えられています。

 
(25) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 1:47:28

【人】 オルテイシア

[隣を見れば、彼と視線が交わる。
見守る温度の暖かさに安心しながら、また前を向いて。]


 ご挨拶が遅れたのは申し訳ありません。

 ……彼と一緒に暮らすようになって、
 彼の存在を、とても大きく感じています。   

 これからもずっと、
 彼の傍で、彼を、支えていければと思っています。 


[挨拶は少し、緊張に声が震えていただろう。
スカートの上に乗せた手が微かに震えを見せれば、彼の手が重なって。
その掌の大きさにほっ、と息をついて隣を見上げた。**]
(26) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 1:50:45

【人】 イウダ

[挨拶に行く前から顔も人となりも知られていた卯田ですら、改めて紫亜の両親に挨拶に行くのは緊張した。
会ったことのない紫亜の緊張はそれ以上だろう。
事前に好みなどリサーチ出来れば幾分和らいだかもしれないが、残念ながら息子の卯田ですら自分の両親の好みはわからない。]


 自然体の紫亜で大丈夫だよ。
 食事作法も普段の立ち居振る舞いも立派なお嬢さんだ。

 もし何かしら合わないって思ったら、そのまま俺みたいに疎遠になれば良いよ。
 会いに行かないからって嫌味を言うような人たちじゃないってことだけは言えるから。


[果たしてその言葉は彼女の気持ちを少しでも軽くすることが出来ただろうか。]
(27) Ellie 2021/08/20(Fri) 19:37:16

【人】 イウダ

[朝のアラームで目が覚めて、傍らの肢体を抱き締めようと思って伸ばした手は空を切り、彼女が早くに起きたことを知る。
支度でギリギリまで悩みたいだろう彼女の邪魔にならないように朝食を用意する。

にんじんの千切りに酢とオリーブ油、塩コショウをしてキャロットラペを作る。
食パン2枚にマーマレードを塗り、片方に薄く切ったクリームチーズとキャロットラペを乗せたらもう一枚で挟んでホットサンドメーカーで焼き上げる。
半分に切ってそれぞれの皿に置いた。
小さなプレーンオムレツは、プロの料理人の技。
千切ったレタスも合わせて一皿に展開したら、紅茶を淹れて紫亜を呼んだ。]

 ん、今日も綺麗だよ。
 落ち着いた色合いだし、膝丈ギャザースカートは男のロマン。
 あと、その髪型、俺はすごい好き。

[結局主観丸出しの感想となる。
選ぶスカートの色がグレーなんだなと、自分のトレードカラーを見つけて嬉しくなった。]
(28) Ellie 2021/08/20(Fri) 19:37:37

【人】 イウダ

[卯田家は織戸家よりはこじんまりしている。
両親ともにあまり家にいないので、広いと管理がしにくいというのが理由らしい。
両親の仕事や給料を詳しく聞いたことはないが、二人ともスーツはいつもオーダーしているらしいから、それなりに稼いでいるのだろう。
服に関しては紫亜の方が詳しいので、母親との話題に出来るかもしれない。]


 ただいま。久しぶり。
 えーと此方、電話で話してた……


[リビングには数える程しか座った覚えのないソファが向かい合う形で置いてある。
まるで応接室のようだと思ったが、どうやら母の仕事の関係で来客がよくあるので、応接室という印象もあながち間違ってはいないらしい。

上座に並んで座り、紹介しようとしたら、その先は紫亜自身が言葉を継いだ。]
(29) Ellie 2021/08/20(Fri) 19:37:55

【人】 イウダ

[両親は黙って彼女が話すのを聞いている。
いつものことだが、明るい家庭で育った彼女には少し冷たい印象を与えてしまうかもしれない。
安心させるように、膝上で震える手に手を重ねた。

『織戸さんには昔からよくお世話になっています。
その上お嬢さんも頂くなんて、基依は幸せ者ですね。』

父親が織戸家のことを知っていたのは意外だった。
母親以上に自分に興味がないと思っていたから。
どうやら入り浸っていた当時、織戸家に卯田がいるというのは母親に連絡が毎度あったらしく、母親から父親にも話が行っていたらしい。
(当時はクラス連絡網というのが存在していた。)

あまりに頻繁なのでお金を包んだこともあったそうだが、受け取っては貰えなかったという。
それでは申し訳ないと裏で何度か菓子折りを持っていたことを卯田自身も初めて聞いた。

「放っておかれた」訳ではなかったのだと、大人になってから知る。

『基依のことをよろしくお願いします』

二人揃って両親は頭を下げた。
夫婦仲は良くも悪くもないと思っていたが、長年連れ添っただけあって、その角度や時間まで揃っていた。]
(30) Ellie 2021/08/20(Fri) 19:38:58

【人】 イウダ

[元々口数の少ない両親だ。

『上手く話せなくて申し訳ない』と言った後も、静かに土産のシュークリームを食べていた。
ソファの間にあるテーブルに置かれた飲み物が缶コーヒーなあたり、相変わらずだなと思いながら、双方が気まずい時間を長引かせないように早目に切り上げた。]


 ……紫亜、ありがとな、今日。


[帰り路、繋ぐ手が自然に振れる。]


 嬉しかった。
 ――支えあっていこう、これからも。


[駅へと戻る足取りは軽い。**]
(31) Ellie 2021/08/20(Fri) 19:39:25

【人】 オルテイシア

[彼の家は、控えめに言って生活感が少なく感じた。
手入れは行き届いているが、うちの実家と違って人の気配がしないような、そんな感覚。
あまり家に居ないというのは、事実だったのだろう。

家でくつろぐ、というより来賓用と言ってもいいソファ。
そのままお仕事に向かっても可笑しくないような、パリっとした服装を身に纏ったご両親。
実の両親とは、全く違う雰囲気。
二人が並ぶ姿を見ると、緊張の糸が張り詰めた。

彼からの紹介を最後まで聞くこと無く、口火を切ったのは、緊張からくる切迫感だったからかもしれない。]
(32) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 20:54:15

【人】 オルテイシア

[出来るだけ口早にならないように話したつもりだった。
口火を切ればつらつらと言葉が並ぶ、緊張している時、より口がなめらかになってしまうようなアレだ。

彼も、ご両親も、静かに耳を傾けていて。
話を一区切りしたところで、息をつけばお義父さんが応えてくれた。
口数は少ないけれど、交わす視線に温かなものが混じっていることを知って、やはり、彼と血が繋がっていることを実感する。
目元が和らげば、笑った彼とよく似ていると思った。

隣でお義父さんの話を聞くお義母さんも、きっと。

母と彼のご両親との間にあった密やかな親交は、子どもたちの知らないのところで実を結ぶ。
今は心内でひそやかに母に感謝しながら。

支えるように手を重ねてくれる彼を見れば、親を背を見る子供の顔が垣間見えただろう。]


 はい。
 改めて、こちらこそ、よろしくお願いいたします。


[もう一度、深くお辞儀をした。]
(33) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 20:55:15

【人】 オルテイシア

[あまりうまく話せないというご両親に代わって、普段の彼のことを伝えた。
仕事をとても大切にしていることや、今朝も作ってくれた朝ごはんの美味しかったこと。
あまり食材が詳しくない私に、丁寧に教えてくれること。
仕事場での彼の人となりのこと。などなど。

あまり話しすぎては、照れ屋な彼が恥ずかしがるので、窘められたならそこは程々に。

昨日は合わないなら疎遠になればいいと彼は言っていたけれど、話している内に、不安は徐々に消え失せていった。]
(34) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 20:55:31

【人】 オルテイシア

[帰り道に、手先に彼の手が触れて。
応えるように、指を絡める。

見下ろす瞳は柔らかい。]


 ――はい。
 二人で、幸せになりましょうね。


[今も十分に満たされているけれど。
これからはもっと、それ以上に、楽しい日々が待っている。*]
(35) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 20:56:13

【人】 オルテイシア

[その日はまた食材を買い足して、家路を辿る。

帰りに寄ったコンビニで何気なしに地域雑誌を手に取れば、時期柄か地域の花火情報が網羅されていた。
彼の仕事柄、花火シーズンは忙しいことは知っているが、思いを馳せるくらいならば許されたい。]


 ……あ、そういえば。
 今度、近くでもお祭りがあるみたいですよ?
 最終日にはちょっとだけど花火も上がるとか。


[載ってるかなぁ、とぱらぱらと情報誌を捲れば、申し訳程度に後ろの方に小さく掲載されていた。
とんと、指先で日程を指し示す。]


 基依さんのお盆休み、同じ頃じゃなかったです?
 上手く、お休みが合えばいいんですけど。

 やっぱり、無理かなぁ……。


[呟きには少し諦めの色が混じって、嘆息に変わる。*]
(36) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 21:19:09

【人】 イウダ

[普段は紫亜をお喋りだと思うことはない。
比較対象がずっと一緒に働いてきた宇張や御園、常連客の野葡萄なので、彼女らと比べてお喋りだとどれだけだよ、という話だが。
卯田といる時は比較的口数も多いが、それでも会話が途切れることがあり、その途切れている間の沈黙も心地よいのが紫亜の魅力のひとつだと思っている。

今日の紫亜は饒舌だった。
内容はすべて普段の自分の様子――それも「恋人フィルター」を通してのものだったから、どうにも照れくさい。
視線を泳がせると、父親の耳が赤いのが見えた。
息子についての惚気は父親も照れくさいのか。
共通の話題で照れていることが何だかおかしくて、下を向いて笑いを堪えていた。

人見知りの彼女が初対面でこれほど喋ること、精神負荷が掛からない筈もない。
帰って早くのんびりさせてやりたい。]
(37) Ellie 2021/08/20(Fri) 22:30:37

【人】 イウダ


 本当に喋んない人たちだったろ。
 菓子折り持ってった話なんて、俺だって初めて聞いたからな。

 気ぃ遣わせてずっと喋らせて悪かった。
 疲れたな?


[絡んだ指の間を擽るようにわきわきと曲げた指で水かきを擦る。
「おふざけ」が戻ってきたことで、嗚呼自分も緊張していたのかと自覚する。]
(38) Ellie 2021/08/20(Fri) 22:30:50

【人】 イウダ

[スーパーで食材を買い足しても、アイスはコンビニが上手いという理由で寄り道した。
勿論アイスだけではなく、「同棲」の内は必需品のアレも買うのだが。
最近のコンビニにはセルフレジも導入されているのでますます買いやすくなった。]


 なに?タウン誌?


[買い物を終え、雑誌の陳列棚の前にいる紫亜を迎えに行くと、彼女の手にある雑誌には花火の写真が載っていた。
毎年店にも浴衣姿の客が多く訪れる時期だなと苦笑する。
シーズン中はとにかく忙しいし、汁が飛び散らないメニューなど気を遣うことも多い。]


 花火大会、は無理だけど……
 あー、この最終日は昼シフトで上がってそのまま盆じゃない盆休みだから、花火だけは間に合うかも。


[屋台は店じまいのところもあるかもしれないし、ゆっくり見回れないかもしれないが。]
(39) Ellie 2021/08/20(Fri) 22:31:05

【人】 イウダ

[嘆息する彼女を見て眉を下げる。
こういう時はどうしても寂しがらせてしまうなと、イベント事でプライベートを優先できない職種特有の悩みが胸を刺す。]


 この位置なら、マンションからも見れるかも。
 もし仕事が長引いたらベランダから花火を見ようか。
 酒とつまみ用意して……

 ……浴衣見たい。なー?


[温泉旅行の時の彼女の浴衣は本当に似合っていて美しかった。
はだけた時の艶めかしさも――これ以上思い出したら下半身が危ないので止めておこう。*]
(40) Ellie 2021/08/20(Fri) 22:31:52

【人】 オルテイシア


 いえ、そんなことないです。
 私、あんまりお喋り上手じゃないから、説明が下手で。
 楽しんでもらえたかどうか。

 でも、やっぱり基依さんのご両親だなって。
 ……基依さんの笑った顔、お義父さんにそっくりです。


[指先の悪戯にはくすくすと笑って、くすぐったい。と、指先を丸めて抵抗する。
普段のペースに、ふっと肩の力が抜けていくのが分かる。

お喋りの間、緊張する私の隣で笑いを堪える彼の理由が分からなくて、小首を傾げたものだけど。
お義父さんまで彼と同じ癖を持っていたことまでは、さすがに今日は気づく余裕もなかった。]
(41) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 23:04:10

【人】 オルテイシア

[小袋を手に隣に並ぶ彼に、はい。と頷いてページを見せる。
無理だと言われて、仕方のないことだと分かってはいても肩が落ちかけたけれど。
続いた言葉に、ぱぁっと顔を輝かせた。]


 ……本当ですか?
 一緒に見れる?

 あ、でもおつかれじゃないですか?
 大丈夫です?


[喜びに声を上げたのも束の間のこと。
仕事上がりと聞いて気遣ってしまう。
花火は楽しみにしているけれど、疲れた彼を無理に誘いたくはなくて、嬉しい気持ちと心配する気持ちが綯い交ぜになって、矢継ぎ早に質問攻めしてしまう。]
(42) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 23:04:36

【人】 オルテイシア

[それでも、マンションからだったら、そう歩くこともないし二人でゆっくり見られるだろうかと期待してしまう。
こくこくと頷いて、嬉しさを堪えきれずに表情が綻んだ。]

 
 マンションからで十分ですっ。
 ……雰囲気だけでも味わえたら。
 この前のかき氷機も出しましょう?


 ……浴衣は……、
 基依さんも、着てくれる、なら……?


[雑誌を閉じて、上目遣いにおねだりを一つ。

彼から買い物袋を一つ受け取って、また手を繋ぐ。
夏の思い出が新たに一つ出来て、気分が上向いた。*]
(43) milkxxxx 2021/08/20(Fri) 23:06:08

【人】 イウダ


 俺の事を説明するのに、紫亜以上に上手く言ってくれる子はいないよ。
 だろ?

 親父と顔が似てるってのにも今日気づくくらいには向き合ってこなかったからな。
 あの人たちが「楽しい」って思ってたかどうかまで、自信持って言えないんだけど。
 自分たちが知らない俺のことを知るのを嫌がってる感じは無かったから、まあ、
 「顔合わせ」は成功って言えんじゃないかな。

[指先を丸めた抵抗に、此方もくすくす笑う。
こんな何気ない戯れが幸せで堪らない。

誓わずとも毎日幸せだと確信している。]
(44) Ellie 2021/08/20(Fri) 23:26:19

【人】 イウダ

[彼女の表情が一瞬で輝いて、胸がきゅうと鳴る。
この表情を見られるのなら、疲れなんてどうだって良い。]


 遠くまで歩いてとか人混みに行くのは仕事終わりはキツいかもだけど、家で二人きりならな。


[交代で盆休みを取る関係で、その前は10連勤だ。
流石に疲労は溜まっているだろうが、近所の祭りでまだ開いている屋台のちょっとしたものを買って、花火はマンションから見るスケジュールなら、無理なく行ける気がする。

自宅でかき氷も花火を見ながらだとより風情が出るだろうし、野外フェス用に買ったけど不要になったと友人から譲り受けた折りたたみの椅子をベランダに出して隣り合って見る花火はきっと忘れられない思い出になる。

楽しみだ、と頷いて。]
(45) Ellie 2021/08/20(Fri) 23:27:03
 




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