人狼物語 三日月国


90 【身内】ifかもわからん!【R18G】

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「……………………………………………………………」

ボソボソ…

「……せんぱい?」

怒られなさそうな程度に身を寄せた

意を決して何か言いかけて、
でも市川も普段自分のこと散々にしてるしな、と思い
言うのをやめた。

「…………寝る」

「……おやすみなさーい…」

飲み込まれた言葉を問い詰めるのはやめた。
布団の中の距離は縮まらないまま、
程なくして疲れきった身体は眠りに落ちるだろう。

暫くして。こっそり寝返りをうって、
暗闇の中で布団にうずまっている市川の顔を見た。

「……………」

寝ているのを確認すると、体を少し浮かせ
覗き込むように
口にキスした。

口を離して、寝ているのを確認すると
また背を向けて、今度こそ眠りについた。


ぐっすり眠っていたのか、寝たフリだったのか。
どちらにせよ反応は返さなかった。

朝起きた千葉に、ご機嫌にぴっとりとくっついても、
それはよく眠れたお陰かもしれない。

くっついてんじゃねぇ!!!!!!!!!!!!
とブチ切れたが、
何故か蹴り飛ばしたりしないまま
暫く受け入れてたのは
朝のお話

「……ん……」


手の動きに合わせて甘ったるく啼く姿を言葉もなく眺め続けていたが、切れ切れに紡がれた言葉ではっとしたように瞬きをして、それから頷く。
鈴口のかたちを覚え込むように擦っていた掌がいっとき離れた。

自分のベルトに手をやると雑に前へぐいと引っ張って、片手でバックルを外す。
フロントボタンも外してしまえば、あとは腰にかかったあなたの手で下腹を顕にされる。

前を寛げて楽にされたそれは、素朴な好意から狂った執着まで一緒くたの熱を宿して、痛いくらい屹立していた。

「俺も、よくしてくれるん」

鼻先で微笑む。
様相だけは正気に近く見えたとしても、薄目を開けた薄茶色の瞳からは情欲と甘えでぐずぐずの心が漏れ出ていた。

掌がもたらす愉悦に溶かされた。
捕食者の目に囚われながら、
自ら火の中へ身を投じる愚かな兎みたいに、
今にも泣きだしそうな顔であなたに強請る。


よくしたい。
さわりたい。
おれのからだつかって。


見せつけるために開いた口から覗く舌は
赤く湿って欲を誘う。
体のいい言葉でほしがりで我慢できない本心を隠すさまは、
あなたのための純粋な奉仕とはもういえない。

指先よりもっと太いもので犯され、
匂いに満たされ味わいたい。
それに喉を塞がれ呼吸できなくなっても
望みなら全部受け止めたい。
きもちいいから。


「このままするのと、」
「どっちがいい?」

この体勢か、それとも。

あなたが何を強請ったのかはすぐに理解できた。
ほんの一瞬だけ、逡巡が過ぎる。

けれどもあなたが吐いた赦しの言葉は毒のように全身に回って、迷いはみっともなく溶かされてしまって。


『それ』をしたらどうなるんだろう――
そんな、あなたへの剥き出しの興味を止められるほどの正気は、この場に残っていなかった。


「……」
「このままはしんどいやろ、キヨくん」
「いっぺんおきよ」

上体を起こしてあなたの腕を引く。
一度助け起こしたら、あとはきっとあなたの楽なようにさせるのだろう。

「……ん………」

腕を引く手のやさしさが嬉しくてじんわりした暖かさが広がる。
こうした気遣いがすき。すきのひとつ。


反面、『このまま』でも良かったとも心が言う。
きっと身動きのほとんど取れない格好で
口の中いっぱいを満たすそれが喉奥まで突き立てられて
抵抗のひとつもできずに好き放題されただろう。
酸欠の中で揺さぶられて道具みたいに扱われても
興奮に変換できた。
……被虐の気なんてないはずだったのに。


四つん這いになって尻を高くあげて、
彼自身へ鼻先をすりつけた。
匂いがする。


少し高い位置から口をあーんと開けて、
唾液を湿り気の代わりとした。
片手でやわく擦りながら、舌先でぺろぺろとなめる。
上目遣いに覗いた表情から快楽には物足りないようだ。

「とよひ」みて。

声とともに思い切りよくふくんだものの愛撫はたどたどしい。
口をいったりきたりするだけの単調な動きに
興奮したのは自分自身で、
ふるふると悶えるように尻を揺らして、
あなたがもういいと静止をかけるまでへたくそな奉仕を続けた。

なまあたたかい口内を、身体の一番敏感な部分で知覚した。

平時からおよそ想像もつかない淫らな貌。
いじらしい奉仕の感触。
知らない部分を見ていることに歪んだ欲求が満ちて、また下腹の熱が上がる。

「っく、」
生殺しの心地よさに小さく呻き声を漏らした。
慣れない愛撫も高まりきった欲動の前では甘い痺れとなって背筋を走る。


でも、
あと少し……
ものたりない。



夢中で奉仕するあなたの頭上に手をのばす。

あと少しだけ深く咥えこんでくれたら。
そうしたら恐らく、もっとよくなることができる。

もしいまこの欲に任せて、逃げられなくして奥まで突いてしまったら、あなたは一体どんな顔を見せて

茹だった思考からあらわれた妄想に小さく首を振る。
殆ど無意識にあなたの後頭部へ這わせかけていた手は、そのままねぎらうように頭を撫でることに使われた。

「ええよ、キヨくん。大変やろ、
ッ……

「気持ちよかった……ありがと、」

空いた片手で口許を押さえる。
やましいことがあるときの癖だったが、気持ちよかったという言葉にも嘘はなかった。

「んぅ」

頭に近づく圧を察して目を細め
いつものように
撫でられると期待したものへ
甘えたにすりつく。
解放された顎は強張っていてじんといた。

「へぇき」

口を覆う仕草は自分でもわかる嘘だ。
きもちよくなんてなかったろうに。


それでも
すきな
やさしさが嬉しい。
うれしいからもっとよくしたくなる。

「もっとさわらせて」
「最後までしよ」

膝立ちになり、正面から彼の肩へもたれかかりながら、
不埒な手が屹立の先端を撫でる。
すべりおりた手は彼にされたことを意識しながら、
口腔とは異なる熱と慈愛をいとしいものへ与えた。

柔らかな茶髪の感触を楽しむ。
薄暗い衝動をぶつけてしまわなかったことに、それを受け入れさせてしまわなかったことに、依然情欲に濁る意識の中でも確かに安堵した。


「ぁ、ん……っ」


切ない声が鼻から抜ける。
健気な口淫に育てられた期待を今度は優しく弄られて、這い上がる好い感覚で腰が引けそうになる。
凭れてきた頭を片腕のなかへ抱え込んだのは、受け止めるというよりはしがみついているような気分だった。

「キヨく、」


同じようにされるのは嬉しい。
さっきあなたがどうやって蕩けていたのか、教えてもらえているようで。

あなたの背中で遮られて下は見えないまま、さまよった指の腹が体の正中をなぞった。
へその窪みに緩く引っかかって、下へ下へとくだって、さいごに張り詰めたそれを探し当てる。

「キヨくん、」
「キヨくんも」


「最後まで、一緒に、しよ」

握り込んだ五指の中で熱く渦巻いているあなたの欲望を、解放へ導くためにゆっくりと上下に扱き始めた。

ほてった肉体はわずかな刺激も敏感に感じて、
耳元に吹き込まれるあなたの声だけで達しそうなほど
すき


「とよひ、たぶん、」
「こうすると、もっときもちいい」

一歩前へ出て、猛る熱を擦りつける。
裏筋を擦り合わせるように動かせば、
それに合わせてあなたの手が二人分を握りこんだ。

「すき」


腰の動きが止まらない。
混ざり合った体液がいやらしい水音を響かせて
まるで下でもキスしてるみたいな快楽に背筋が震え、
──さいごまで、一緒。



「………」

手で受け止めきれなかった奔流は腹を汚し、
とろとろ粘度をもって脚の間へ流れていく。
おもむろに濡れたままの彼の手をとり自身の太腿へ導いた。
好きなように触られれば白が広がり、
濡れたそこがあなたを受け入れたがっている。

「……もっと、する?」


くったりとした身体をベッドに沈み込ませる。

満足するまで熱を吐き出しあって、
汚れたシーツを剥いで、
べとべとの体を室内つきの浴槽で身を清めながら
また触り合って。


惚けたような顔で視線は彼を追いかけていた。

あなたの視界の中で、冷蔵庫から取り出した水入りのペットボトルに口をつけ、ずるずると寝床まで体を引きずっていく。
それから、ぼふ、とあなたの隣へ勢いよく倒れ込んだ。

「……しんど……」

ぼんやりした蜂蜜色の目を覗き込む。
あれだけさわったのに手はまたもあなたのほうへ伸びて、湿った髪を撫でつける。

「キヨくん水飲んだ〜……?頭いたなるで、飲んどかな」

「の〜〜む〜〜〜」

ぼふんと倒れた体をぽふぽふしてペットボトルを受け取る。
ほんの一瞬だけその瞳は唇を映してすぐに逸らされた。


「は〜〜〜〜……いきかえる…………」

頭へ触れた手にぉぁーと鳴く声は、
甘さを隠した理性あるもので意識して色を消そうとしていた。

「もう今日は動けそうにないや。
 ごはん食べてないけどこのまま寝ちゃっていいかなあ」

「俺も無理かも。明日まで我慢でええかなあ」
ごろんと仰向けになる。

「あ」
「ちょお待ち。そういえばさっき……」

思いついたように声を上げて、上半身を起こした。
ベッドサイドのテーブルから何かを拾う。

「なあなあキヨくん、これは?」
あなたに向かって掲げたのは、ルームサービスのメニューだ。

「天才! とよひー、さっすがー!」

ごろりとうつ伏せで這って、
上半身をあなたの膝へ乗せる。ぺたり。

「ふんふん。いろいろあるねー。
 俺はデトックスピザにしようかな。
 とよひーは。それともわけっこする?」

「どうしよ、キヨくんと同じやつがええな〜。わけっこさして」
膝に猫が乗ってきたみたいな感じでメニュー片手になでなで。

「ほな電話……あれ」
内線電話に手を伸ばしかけたとき、近くにあったあなたのスマホに目をやる。
確かズボンと一緒にぽいされてしまっていたが、諸々が落ち着いてから拾って置いたのかもしれない。

「キヨくん、だいぶ前にLIME来てるわ。代わりに返しといたろか?」
パスもかかっているだろうし、さすがに冗談だと思われる。

「……おねがい! パスコードは俺の誕生日」

4桁なら0104。6〜8桁なら生年も入れた数字。
代わりに内線電話をとって注文する。

15〜30分くらいだらだら待っていればピザが来ただろう。
やったね!

「んで誰からだった?」
LIMEのこと。

「マジで? ええよ」
答えながらぱぱっとパスを入れて解除した。
注文をおまかせしてLIMEの新着メッセージを見る。

「勢喜くん。『明日ってスケジュールどうなってましたっけ』やって」

そんな会話をしたのとほぼ同時に、ポケットに入れていた自分のスマホからLIMEの通知音が鳴った。
引っ張り出して通知を見ると、ちょっと申し訳無さそうな顔で笑う。

「なはは……言うとったら俺のにも似たようなメッセージ来たわ。ごめんて勢喜くん」

あなたのLIMEから一緒に返事すればいいやと思って、自分のスマホは脇に置いた。

「あ〜……悪いことしちゃったなあ。
 連絡ありがと」

ぽりぽりと頭をかいて明日の集合時間や必要事項を伝える。
そしてあなたが連絡を済ませれば、
よくできましたと頭を撫でた。

スマホを返してもらおうという素振りは微塵もなかった。

「ん〜ん〜。注文ありがと〜」

頭を撫でられると嬉しそうにニコニコと笑った。
それから人のスマホを持ったまま、あなたを捕まえて諸共ベッドに倒れ込もうとする。
できるだけいつも通りに、他意のないよう、勢いよく接触したことだろう。

「甘えたさん〜」

互いに向き合う横臥の体勢で背中をぽふぽふする。
後輩たちの距離の近い他意なきふれあいを意識して、
もどれないのをわかっていながら昨日までをなぞる。

「とよひーは甘やかされるの好き?」

だからこれも他意なんてない。

 




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