誰よりも早く桃太郎に鬼ヶ島へ来て欲しい他力本願RTA、はーじまーるよー
　やぁ視聴者ニキネキ！！　え？　こんな深夜に配信を始めるなって？　はっはっは、まだ朝の26時じゃないですかー、やだなぁもう。
　はい、という茶番はね、さて置きですよ。
　前回は狼ニキとトラくんがエンカウントして、狼ニキが立ち去ったところまで進んだんでしたね。
　では千里眼を再始動させまして、モモコちゃんはどうしていますかねっと、>>76ほうほう、順調に仲間を増やしている様子。今のところ仲間になったのは狐ネキに狼ニキですね、イヌ科とイヌ科で被ってしまいましたが、大きな問題ではなりません。周回プレイしてると当たり前みたいな顔してシーラカンスを引き連れた桃太郎ニキがやって来たりするので。
　

　>>118おや、おやおや、これはいけませんね。モモコちゃんにバッドステータス『不安』が。ちょうど海を挟んで対岸にいるようですし、なんなら近くにいるであろうお婆さんニキを仲間にしてこちらに向かって貰えたら、多分それが一番早いと思うんですよね。
　頑張ってくださいモモコちゃん、レコードタイムの更新は貴女の双肩にかかっているんですらかね！！
　はい、トラくん！！　ここで応援の雄叫びですよ！！
　

　

「……来るか、この鬼ヶ島に。やって来るか、桃太郎よ」

　虎熊童子は静かに笑う。
　自身に課された役割、その終わりを感じながら。
　ケタケタと、釘のような歯を覗かせて。
　右手に握った大鉈が、獲物の気配を感知する。

「どれ、先ずは小手試しといこう」

　声に反応し、虎熊童子の影が分裂した。
　その数は4つ、この島に上陸した鼓動と同じ数だ。
　影は虎熊童子の周りをグルグルと回転し、そして散開した。目的は侵入者の排除である。
　影が敵の元へと着けば、敵の姿形を模倣した影鬼となる。

「これは試練だ、桃太郎一行よ。己が姿と向き合え」
　

　はい、クソゲー。
　やってられませんよこんなの。
　おっと、すみません、思わず本音がまろび出てしまいましたね。
　えー、既プレイの視聴者ニキネキには恐らく共感して貰えるであろう先ほどの発言につきまして、初見の皆さんにお知らせしますと。
　桃太郎一行が鬼ヶ島へ上陸した場合、その足で鬼と戦うことはできません。鬼にたどり着く為には試練を乗り越える必要があります、早い話が中ボスもといミニゲームですね。
　しかしこのミニゲームが曲者で、どんな中ボスになるかは完全ランダムです。(お祈りゲー2回目
　ここまで言えば賢い視聴者ニキネキには分かってもらえたことでしょう！！　そうです引きましたよ最も難易度の高いミニゲーム『影鬼』をねぇ！！　影鬼、というのは『演劇の村』におけるキャラメイクの自由度を逆手にとった要素でして、先程トラくんから離れた影がモモコちゃん達のところへ到着すると、その姿を相手プレイヤーの作ったアバターそっくりに変えます。創作でよくある、もう一人の自分自身と戦うアレです。
　場合によってはとんでもない泥試合にハッテンすることもあるので、鬼ルートRTAでは鬼門中の鬼門、鬼だけにね(激ウマギャグ
　ま、まぁ大丈夫です！！　きっとモモコちゃん達なら、過去の自分を乗り越える的なノリで倒してくれてるでしょう！！　頼みますよ〜(お祈りゲー3回目
　

>>158

「それでいい。強者たればこそ、俺の前に立つに相応しい。俺は好きにする。お前もそうしろ」
　

　ペロ……これは『クロスオーバー現象』っ。
　今回、モモコちゃんが仲間にしたのは【お婆さん】【赤ずきん】【フリー枠】の三名ですが、この内お婆さんと赤ずきんは別作品の登場人物でもあります。
　このように、複数の物語が一箇所で交差することを『クロスオーバー現象』と呼ぶんですね。
　そうなってくると、制限時間内にミッションをクリアすべく、赤ずきんのキャラクター達がこの鬼ヶ島にやって来るわけですよ、先程の狼ニキみたいに。
　

　いいですねいいですないいですよぉ〜！！
　このクロスオーバー現象は確実に私の味方をしてくれています。鬼ヶ島にどんどんとプレイヤーが集まり、まるでウイルスが感染するように、大量のきびだんごがモモコちゃんの仲間を増やしていく。　
　さぁ今こそ世界の壁へ挑む時！！
　やられてしまいなさい、トラくん！！
　

>>171

　

>>175
「俺の名は虎熊童子、鬼ヶ島四天王が一人、『大鉈の虎熊』！！」

　虎熊童子は名乗りをあげると、右手の鉈を強く強く握りしめ、眼下の少女へ牙を剥く。

「さぁどうするモモコとやら、来るか、来ないのか。まぁ、どちらにせよよ──」