>>106

―　保健室　―


［保健室について、
　澪をそっと椅子に降ろし優しく頭を撫でる。］



［澪にと言って、新は颯爽と出て行った。
　］

>>110

ー　移動中　ー






［オレは真っすぐに走り続け、
　2人がいる公園付近へと辿り着いた。］

なァ、水澄ィ
おみゃーはいいヤツだ
欲深くもなく、スレてもなく、素直でまっすぐで

だがよォ、拙僧はちっとばかし心配なんだわ

おみゃーが本当に我欲に目覚めたとき
おみゃーがその欲をもて余すんじゃにゃーきゃ

欲に振り回されて、自分を見失うんじゃにゃーきゃ

水澄ィ、おみゃーはもっと、欲深くてええ
欲しくて欲しくてたまらんもんがあってもええがや

そんなとき、ホントの強さってのが分かるって拙僧は思う

だでよぅ、もっとワガママ言ってみろや
なァ、水澄…




**

［少し冷静になってきて、今さら気付く
残してきてしまった冬城は、きっと深く傷ついている
ひとりぼっちが嫌いだって知ってたのに
一番の仲良しのつもりだったのに］



［仲間を大切にしないヤツはクソだ、そう言い放った和尚の横顔を思い出す
ああ、尊敬する和尚が嫌悪するクソ野郎に今の自分はなってしまった］



［許してもらえるかは二の次だ、むしろ望む権利なんてない
それよりもまず、謝らなければ

こんなことを起こしておいて望むべきではないと分かっている
それでも］




**

―　保健室　―

>>108
［優しい手付きで頭を撫でられて、最後のがぽろりと頬を流れ落ちる。
笑って出迎えて欲しいという言葉に、ぐしぐしと涙を拭って、今できる精一杯の笑顔を浮かべた。
ちょっとくしゃりとして、あまり上手な笑みではなかったかもしれない。
けれど、嘘の笑顔じゃない。これが、］

うん……待ってる
ありがとう、新

［颯爽と出て行く彼の後ろ姿を見送って、ぎゅっと両手を祈るように握りしめる。
どうか、水澄が無事でありますように。
どうか、風磨が曇りのない笑顔でいられますように。
どうか、新が無事に二人を連れて帰って来られますように。
……そして、どうか、5人で、今日のを観られますように、と］

―　公園付近　―






水澄...っ、その怪我、大丈夫か。

［という言葉は呑み込み、
今はあまり深く聞かないことにした。
新は自分の大切な仲間を傷付けられ、
本当ならのを感じていた。

だが、今はそれよりも

という気持ちの方が勝り、
息を付く暇もなくしゃがみ込んだ。］

［耳に届いた声に深い安堵と、同時に罪悪感、そして言い様のない胸の痛みを感じた>>115］

新くん…

［情けないところ見せちゃったな、と力なく笑う
いまは世良が目隠ししてくれていることに感謝だ］

心配しないで
罰が当たっただけなんだ
俺以外、誰も悪くないよ

［新がどんな顔をしているかは見えないけれど、その声音で怒りに震えているのはわかった
でも、こんなのは自業自得だ
仲間の幸せを祝福できない愚かな自分への］

［自分を新に預けると先に学園へと世良は戻っていく>>100
その背中は何処か悲しげにも諦めてしまったようにも見えるそれの意味が、今の自分には分からなかった］



新くん…俺、大丈夫だよ
みんなで花火みたいから、平気
自分で学園にも戻れるかは、ね？

だから、風磨くんと一緒にいて

…風磨くんと結ばれたんだよね、おめでとう


あのね、俺、それが悲しくて…初恋で失恋して、訳が分からなくなって逃げたんだ
それでこんな目にあったんだから、自業自得だよ

［仲間の幸せを祝福できないなんて、人間のクズだ］

［大丈夫だから、と繰り返し、くしゃくしゃの笑みを浮かべた
枯れていたはずの涙がぼろぼろとこぼれ落ちる］

今さらこんなこと言っても仕方ないけど、供養だと思って訊いて



新くんには風磨くんがいるのに、こんな感情迷惑だよね、ごめんね

でももう、諦められるから大丈夫！忘れてくれていいから。

［矢継ぎ早に新に口を挟ませない勢いで一気に告げた

これで、初恋はおしまい
もう、大丈夫、もう、笑顔になれる

憑き物が落ちたかのように、いつものような朗らかな笑みを浮かべた］


**

>>116


ンな怪我で戻れるかよ。全っ然、大丈夫そうじゃねェ。
水澄置いて帰ってきたもンなら、
それこそ澪に怒られンじゃねェか、口も聞いてくれねェよ。


結ばれたとかお似合いってどういうことだよ。
オメーが何言ってンのか分かんねェが、早く行くぞ、乗れ。>>117

［と水澄に
　背を向けしゃがみ込むと、ぽつりと‥
　という言葉が聞こえた気がして
　ほんの一瞬、。

　聞き間違いだろうかと驚いた顔をして
　ゆっくりと水澄の方を振り向いた。
　
　何か言葉にしようとするも
　水澄は俺の言葉を入れる隙も与えない勢いで話し続けた。
　少し落ち着いた所で、口を開く。］

>>118

水澄、オメーは本当に変わった‥なァ。

ずっとオレの後ろ歩いてたのに、知らずに横にいて、
いつの間にかオレを追い越して前を歩いてって、
気がつくと凄くなってやがって。

オレは、水澄みてェに強くねェし大人じゃねェよ。
そう言うの（恋とか）、
オレにはまだ分かンねェ‥
[フッと笑う]


オレは、風磨が抱えてるもンを取っ払いてェ。
無理に問い詰めたって何の解決にもなんねェからな。
きっとその時がきたら、
打ち明けてくれンの‥オレは。

風磨だけじゃねェ、
オレはお前らが何か抱えてたら取っ払いてェよ。

オレにとってだからな。

>>118

［大丈夫と言葉を繰り返す相手に首を振り］



オメーまで、無理に笑ってンじゃねェよ。
泣く時くらい思いっきり泣きやがれ、但しだ。



水澄の素直な気持ち、聞けてよかったぜ。
話してくれてありがとうよ。



>>118

　ー　少し離れた公園の近く（新が来る前）　ー


　　俺も
　　
　　水澄も澪も柚杏も……新もさ


［　欠けちゃいけないんだ、って
　　水澄の自然な笑顔を見て>>105

　　

>>119
>>120
>>121
［もしかしたら、自分はとんだ勘違いをしていたのだろうか
勘違いをして迷惑な想いを打ち明けてしまったのだろうか

顔が真っ赤になっていくのが分かる

そして、優しく振られたことに気付く］

　ー　少し離れた公園の近く（新が来た後）　ー


［　水澄を新に預けて保健室へ行った>>117

　　



　　

　　水澄の想いは俺の思ってた通りだった
　　>>117
　　そして勘違いしていることに気が付いて
　　

　　それを勘違いして水澄がその想いを
　　諦めるなんて違うって思ったし>>118
　　と思ったけれど。

　　
　
　

　　………。

　　
　　（俺だって）


　　

　

　　これ以上は聞けなかった。
　　風を切るように学園へと走り出す。


　　みんな強いな。