人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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視点:


ナオアキ無明長夜 ヌイバリに投票した。
カナイ無明長夜 ヌイバリに投票した。
マユミ無明長夜 ヌイバリに投票した。
ロク篝屋に来た カジヤマに投票した。(ランダム投票)
ヌイバリ無明長夜 ヌイバリに投票した。
カジヤマ無明長夜 ヌイバリに投票した。
フカワ無明長夜 ヌイバリに投票した。
ユウキ無明長夜 ヌイバリに投票した。
ライカ無明長夜 ヌイバリに投票した。
コゴマ無明長夜 ヌイバリに投票した。

ヌイバリは村人の手により処刑された。

ユウキ! 今日がお前の命日だ!

月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
ユウキが無残な姿で発見された。

幽界の歪み
突如として空間が歪み、この世とあの世の境界が曖昧になってしまった! 今日に限り、生者も死者の声や姿をハッキリと捉える事が出来るだろう。

現在の生存者は、ナオアキ、カナイ、マユミ、ロク、カジヤマ、フカワ、ライカ、コゴマの8名

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ


 カッター、ペンチ、タオル、ポリ袋、ゴミ袋、
 生ゴミネット、お茶パック、ラップ、ゴム手袋、
 オキシドール、殺菌剤、パイプ洗浄剤etc...

 仲良くバケツに放り込んで、
 会議室からは遠い女子トイレの掃除用具入れへ。
 簡単には見つからないだろうが、残滓はそこに残っている。
  
『 早く手に入らないかしら 』
  
(L0) 2022/06/03(Fri) 21:01:22
公開: 2022/06/03(Fri) 21:00:00
天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2022/06/03(Fri) 21:51:26

青年は、否、青年だったものは標本室にいた。
色とりどりの虫、動物の剥製、あらゆる生命を人間のエゴで綺麗な見目のまま保存している部屋の中に、青年もまた保管されて……

……いる筈もなく。

何の価値もないと言わんばかりに、その肉の塊は床に転がされていた。

誰彼構わず笑みを向けていたその顔は青白く、多くのものに興味を示していた瞳は瞼の裏。
細長い四肢は細かな切創が夥しく纏わり付いていて、よくよく注視すればあちこちにガラス片が噛み付いている。一部はその肉の下に潜り込まんばかりに深く突き刺さっていた。

傷だらけの肉体の中でもとりわけ酷いのは首や肩、そして腹部だろうか。
首から肩にかけての傷は他の切り傷よりも深く、腹部に至っては何度も同じ箇所を狙って突き刺したようにも見える。

しなやかな肉が引き裂かれ、止め処なく流れ落ちた命のあかいろは、白衣を容易く濡らし、その床をも汚していた。


彼の瞳が、好きだと語る『人』を見ることは、もう無い。

……本当に?

メモを貼った。

メモを貼った。

ナオアキは、集合時間の頃、会議室に戻らなかった。
(a0) 2022/06/03(Fri) 22:59:00

カジヤマは、またこの日も死んだように眠っている。
(a1) 2022/06/03(Fri) 23:12:54

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+0
標本室の写真から、人の気配がしたものだから。
他の足音や生物の気配に気を張りながら向かう。

もしかしたら、興味深いものを見つけて夢中になっているのかも。
そうであればいいと思って足を踏み入れた先で。


────赤に濡れた、青年の姿が瞳に映った。
(0) 2022/06/03(Fri) 23:34:19
ライカは、息を呑んで、       、   。
(a2) 2022/06/03(Fri) 23:36:43


童の子が亡び
、世に闇が落とされれば、
 人は輝きを求め、須臾の星を願い、
 輪廻の龍はその力を取り戻すのです』

そんな詩のような。祝詞のような。
唄うようなかたちで齎された声は、
頭の中を暫し駆け巡って、消えた。

【置】 篝屋に来た カジヤマ


あなたの脳裏に声がする。
"聞こえる"。その"声"が届く。
迷える声が聞こえてくる。賑やかで、五月蠅い、
暗闇を歩いている青年の声が頭の中に、魂の中にですら聞こえてくる。

『はっ、俺ちゃん寝落ちた? そして、はー−。
 まー−−−−た暗いところきちまった!!
 ここどこだよ〜〜〜?

 
ゆうきくー−ん!? あきちゃー−ん!!

 
どこかいませんか〜〜〜〜〜〜〜〜!
俺ちゃんどこにいるんですか〜』


それは命を落とした"あなた"にも聞こえるかもしれない。
聞きたいと思えば、何か伝えたいと思えば、
その声は届いて、好きな声を届かせることができる。
(L1) 2022/06/03(Fri) 23:40:28
公開: 2022/06/03(Fri) 23:40:00
篝屋に来た カジヤマは、メモを貼った。
(a3) 2022/06/03(Fri) 23:41:23

トラジディ フカワ(匿名)は、メモを貼った。
2022/06/03(Fri) 23:44:02

ライカは、スマートフォンでタブレットに連絡を入れた。『結木さん 標本室』
(a4) 2022/06/03(Fri) 23:51:17

【人】 声無きを聞け マユミ

端末に届いた連絡を、そのままその場の人達に見せました。

『報告がシンプルすぎるのです』

そんな言葉を添えて。
不安や心配などは文面からは読み取れないでしょう。
(1) 2022/06/04(Sat) 0:03:18

【人】 未だピンボケ ライカ

「…ここに来てから、撮った写真に何かの気配を感じることが増えたんです。
 まさか、こんな姿になってるとは」

思わなかったですけど、という言葉は続かない。
口元を抑えて、傷ついた身体から目を背けた。

代わりに意識を逸らそうと、周囲の荷物を漁っている。
使えそうなものがあれば、生きるために使わせてもらうつもりだ。
(2) 2022/06/04(Sat) 0:08:58

【人】 声無きを聞け マユミ

見せるや否や、現場を見ないと理解できないと判断したのか
さっさと出て行ってしまいました。
現場につくと三十三の言葉にその先を見て。

無言で首を振って、タブレットを触りました。
(3) 2022/06/04(Sat) 0:16:11
マユミは、会議室にあるタブレットへ『結木様が死んで……殺されて?います』と送信しました。
(a5) 2022/06/04(Sat) 0:19:25

フカワは、……『篝屋さん?』と、会議室で声を溢していたことだろう。
(a6) 2022/06/04(Sat) 0:33:08

【人】 声無きを聞け マユミ

『ひとまず、状況報告に僕は戻るのです。
 周辺にまだ結木様を襲った生物が
 いるかもしれませんのでお気をつけて』

そのように表示して、去っていくでしょう。
何を得るでもなく、足早に。
(4) 2022/06/04(Sat) 0:37:13

【人】 未だピンボケ ライカ

「…はい。
 もし会議室に伊縫さんが帰っていたら、連絡いただいてもいいですか」

目線はそちらに向けずに、鞄を漁りながら少女にそれだけを告げていたことでしょう。
(5) 2022/06/04(Sat) 0:42:09
ライカ

鞄の中には170センチ以上もあればちょうど良いような、長身の男性に合うサイズの職員の制服が畳んで入れられている。
もし広げるなら、首まわりを中心に黒ずんだ血が服を汚していることに気付けるだろう。

その他には拳銃と、一枚の紙切れが鞄の底に眠っていた。

メモを貼った。

マユミは、こくりと頷いて、……あっ見てないからこれ伝わらないのです、と思いながら去っていきました。
(a7) 2022/06/04(Sat) 0:54:51

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>>ヌイバリ
『ちょっと出てこられない 

 伊縫の端末にそんなメッセージが来たのは、
 集合時間のいくらか前だった。

 指定の場所は会議室から遠いわけではないが近くもなく、
 集合時間に間に合うようにするには、
 往復時間を除けば10分も滞在できないくらいの位置にあった。

 どうしたの?等とメッセージを送っても返事はない。
 伊縫に思考する時間はほとんどなかった。

“行ってすぐに戻ってくれば大丈夫”

 騒ぎ立てて不必要に他者の不安をあおることもない。
 ひとりでそう判断して動いたあなたを、責められる者はいないだろう。
 彼の方がそうした思考に向かうようにしていたのだから。
(L2) 2022/06/04(Sat) 1:04:04
公開: 2022/06/04(Sat) 1:05:00

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>>L2 ヌイバリ

 指定場所は独房のひとつだった。

 ここにはもう何もないと分かり切っている。
 一部は崩れた瓦礫なんかが危ないから、
 改めて近寄る理由の方がない所。

 怪物が出た後の場所のようで、ひしゃげたドアは開きっ放し。
 それでも明かりのついていない独房内はすぐには見通せない。

 あなたはスイッチのあるだろう場所に手を伸ばす。
 かちかち、明かりが点くことはなく、むなしく音が響くだけだった。

「──伊縫サン?」

 声は背後──つまり独房内でなく通路側からした。
 振り返ったあなたは奈尾の姿を認める。
 先と変わらないその顔を見るに、何か問題があったわけではなさそうだ。

 ──が、彼の着衣はどうしてか入院着で。 

 疑問を持つまでに至ったか至らなかったか、それくらい一瞬の後、
 あなたはカッと焼けるような熱を腹に感じる。
 それはすぐに痛みに変わった。

 片腕で背中を支えられ、抱き寄せられると同時に、痛みを感じる箇所は広がる。

──あなたの腹には、刃物が刺し入れられていた 
  
(L3) 2022/06/04(Sat) 1:04:39
公開: 2022/06/04(Sat) 1:05:00

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+1
「…制服?なんでこんなものが…」

そういえば、何枚かの写真から気配がしていた気がする。
後で、確認しにいくべきだろうか。

拾い物だとしても、血に濡れたものをわざわざ?

それから、拳銃。
持ち物の一つ一つが違和感をもってそこにある。

この紙切れだってそうだ。

「まるで、こうなる覚悟が決まっていたような…」
(6) 2022/06/04(Sat) 1:28:25
ライカは、荷物を写真におさめる。
(a8) 2022/06/04(Sat) 1:29:23

ライカは、それから、拳銃だけを自分のズボンのポケットに移して。他の荷物はカバンごと会議室に運ぶことだろう。
(a9) 2022/06/04(Sat) 1:31:50


何度も気配を探り直す。

何度も何度も探り直す。

それでも恐ろしくもどこか懐かしいあの気配は見付からない。
少なくとも、きっと、以前と全く同じ気配は見付からない。
今は何処にも見付からない。

変わらず感じ取れるものは傍にある一つの気配だけ。
傍に無いもう一つが何処へ行ってしまったのか、
何をして、どうなってしまったのかわからないのが恐ろしい。
自分にわかる事は──それだけ?



もしかしたら、何か一人で動けない状態にあるのかも。
もしかしたら、皆に心配をかけたくなくて俺にだけ連絡を?

嫌な想像は頭を駆け巡って、青年は駆け足でその場所を訪れる。

少しだけ息の切れた青年は、あなたの姿を見かけてやっぱり笑顔になった。

「はーっ、奈央さん、どしたの?
もーすぐ集合時間だし、集まんないと皆心配しっ……」

腹に氷でも差し入れられたような気がした。
それは全くの気のせいで、すぐに頭の中をすべて塗りつぶされるような痛みが訪れた。

ぎゅう、と背中を抑えられている。
なんで?
腹が痛い。熱い。
このままじゃ死んでしまうかもしれない。
なんで?


どうしてこの俺が、こんな目に遭わなくちゃいけない?

>> +2

むちゃくちゃに腕を振り回して数歩後退り、自分の腹を抑える。
視界がぐらぐらと揺れているような気さえする。

「い"ッ、あっ、あぁあ、痛っ、……ア"」

口から漏れるのは意味を成さない音ばかりだ。
こんな痛みはいらない。
俺の人生に必要ない。
痛みはしあわせになるために必要なものだ。
だから、切除する。


ぼたぼたと涙が流れる。
痛みで泣いているのか、汗が流れて目に入ったのかもうわからない。

「は、ははっ……
こんな、状況でっ……あ"っ"……バカ、じゃねえの?
異常者、気狂い、嘘吐き……」

絞り出すような声はそれでもあなたに対する敵意を漲らせている。
距離をとって、会話をしようとする。少しでも隙が見えればーー
殺してやる。

メモを貼った。

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

「結木が?」

報告を聞いた時、青年はそれほど真に受け止めてはいなかった。
どれほど最悪を想定したところで、触れ合った死の数が少なければ、
それが起こり得ることだというのは確りとはわからない。
タブレットからの通達を受けて、同じように死体を見て。
それでようやく、会議の場に戻ってきたのだ。
(L4) 2022/06/04(Sat) 10:59:39
公開: 2022/06/04(Sat) 8:50:00
神陰間と違えたタイミングだったか、少しすれ違うくらいだったか。
貴方の死体を見下ろした青年は、息を詰まらせ、血の臭気に咽び。
一度は背けた目は、深く呼吸をして目を伏せて、気を取り直して再度向けられる。

「……銃ではない、な。
 接近しすぎたのかもしれないが、相手も即座に近接武器に持ち変えられはしないだろう。
 どれくらい訓練されているのかはわからないが、この事態だけを想定して資金投入は出来ないはずだ」

だとすると下手人はなにか。
本来警備隊が相手どらなければいけないのは自分たちではないだろう。
そうした、今までの被検体なのか、あるいはやはり……そこまで思考できたかは、不明だ。
死体の傍に座り込み、もしも瞼があいていたなら閉じさせたことだろう。
目元、或いは頬に触れた指は、氷のような冷たさに怯むように離れた。

いや、そうではない。死んだ人間だってこれほど蝋のように冷たくはない。
指先が火で炙ったように熱い、と気づいたことが思考を鈍らせた。
困惑のあるまま、立ち上がって顔を上げて、標本室を眺め見る。
……自分が立ち向かわねばならないのは、なんであるのか。

考えるままに、時間が過ぎていくのを恐れ。そのまま標本室を離れた。
会議に合流する前のことだった。

ライカは、荷物を置くと、中から制服だけを取り出し また出て行った。
(a10) 2022/06/04(Sat) 12:07:55

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>+2>+3 ヌイバリ

「こんな状況だからじゃない」

 ナイフは伊縫の腹に刺さったまま、熱と一緒に離れてしまった。
 ひやり、ぬめった手が空気にさらされる。去った熱に名残惜しさはない。

「こんな状況だから、こんなコトするの」
  今しかないと思った。 
「異常者と気狂いはいいケド、嘘吐きって何が?  
 アタシそんなに言ってないと思うわァ?」

 悪びれもせずに宣う。想像で勝手に補完されるような
 言葉選びをしているきらいはあるが、嘘を吐いているつもりは奈尾にはなかった。

「でも嘘のつもりはないケド、
 今の状況を見れば怒られるコトは言ったかも。
 閻魔サマには舌引っこ抜かれちゃうでしょうねェ」

 軽い軽い、綿菓子みたいな言葉。
 今口から出ているものでさえそんなもの。
(L5) 2022/06/04(Sat) 14:51:45
公開: 2022/06/04(Sat) 14:30:00

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>>L5

「暴れないでね、傷つけたくないのよ」
  骨を。 
「だから銃も使えなくって」  
  だから殴り倒すことも避けて。 
「眠ってもらえればよかったんだケド 
 そんな便利なモノも見つけらんなくて」
  どこかにはあったかもしれないけれど。 
「ん〜、次は胸を刺したかったんだケド、  
 流石に全部上手くはいかないわねェ」

 蹴倒さない位置に置いていたバケツを持つ。
 中身はただの水だが、少しの後にはほとんどなんでも溶かす溶解液になる。

「肉を溶かすのって、効率よくないのよォ?」

 伊縫に向けて中身を撒く。
 宙に散らされた水に意識を向ける。
 あなたから目を離したのはほんの一瞬。

  
──当然、その一瞬は見逃されない。

  
(L6) 2022/06/04(Sat) 14:51:49
公開: 2022/06/04(Sat) 14:30:00

一度会議室を後にして、戻って来るまでのどこかの間の事。

会議室で別れた一人に対し、
自分のスマホから短くメッセージを送った。
どうなっているかわからないから、もう一人には送らないでおいた。


『結木さんのことは今は気にしないで』
『僕がやりました』

『こわかったんです』
『ごめんなさい』
『誰にもいわないでください』

慌てて弁明をするように幾つか通知が続いて、少しの間。


『あとで説明します』
『必要なら』
『お気を付けて』

やはりごく短い補足をして、
そこで一旦連絡は終わりのようだった。


『わかりました』

数分ほどの時間が空いて、返信が来る。

『怪物とかに気を付ける必要はないというわけですね』
『その点については安心しました』

更にもう数分後に、宥めるような文面が並ぶ。

『咎めるつもりはありません』
『状況が状況ですから仕方ありませんよ』


『そう思いますか』
『なら』

『少し安心しました』

暫し送られてきた文面に視線を落として、また短い返信。
文面とは裏腹に、ほんの少しの不安を抱きながら。

状況が状況だから仕方ない。
殺さなければ殺されるかもしれないのだから仕方ない。
自分だってそう思っている。そう思ってそうしている。
けれど、もし仮に。

その行いに抵抗が無いのなら、あなたもまた恐ろしいものだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「………後で、確かめないと……」


臆病な加害者の独り言を聞く者は居ない。
本当に?


わからないものが何よりも恐ろしい。
理解の及ばないものが何よりも恐ろしい。
ある種同罪のあなたが、そのようなものでなければいいと思う。



「あ"……こんな状況だから、?
どうせ普段から我慢なんかしてないだろッ、この気狂いが、ァ"ッ……」

腹に開いた穴から漏れるように悪態が出てくる。
彼の本性は、本質はこちらなのだ。

「ハハ、そっか、嘘は吐いてない……
信じた方が悪い、裏切られた方がッ、悪い……」

それは心地よい言葉を振りまいて、無責任な庇護をばらまいた自分が言っていいことかは分からないが。
少なくとも思いつく限りの罵倒を連ねなければいけないと青年は判断した。



今だ。
今だ。
殺せ!


青年はほんとうにほんとうの殺意を持って、あなたに襲い掛かる。
姿勢を低くして水を被らないように、できる限りの全力でもって。
それでも背中には少しかかってしまっただろうか。今は無視した。

ぞるり、と腹に生えたナイフを抜く。
ぐじゅぐじゅ、と致命的な肉を切り裂いた感触がした。
血液とよく分からない何かが混ざった液体が滴る。今は無視した。

そうして、あなたの足元へ。
膝、大腿部と、二度。
ナイフを突き立てる。

半ばぶつかるように突き立てたナイフはそのままに、少しでも体勢を崩したのであれば。

あなたの喉元へと、手が伸びる。

ライカは、スマートフォンを見ながら、器具庫へ向かって歩いている。
(a11) 2022/06/04(Sat) 21:53:24

【置】 未だピンボケ ライカ

訪れた器具庫。
出入口の周辺に飛び散った血を視認して、ごくりと喉を鳴らす。
やけにその音が大きく聞こえたような気がした。

高鳴る胸を押さえながら、まずはスマートフォンで出入口付近の写真を撮る。
血の痕を追うように中に入って。
かしゃり、かしゃり。シャッター音は鳴らないものの、スマートフォンの中に画像ファイルが積み重なっていく。

散らばった道具を杖で除けながら、奥へと進んで。

ブルーシートに包まったそれを前にして、更に動悸が激しくなる。
ドク、ドクと 緊張がそのまま音になったようだ。


シートを外して、中身を確認してから。
持ってきた制服を着せようと手を掛ける。
硬直している身体は、石のようで青年の力では殆ど動かないものだから。
結局は肩にかけるだけになってしまうのだけれど。

(L7) 2022/06/04(Sat) 23:56:49
公開: 2022/06/05(Sun) 0:30:00
ロクは、厭だ厭だ、と当然の如く一人で会議室を出た。
(a12) 2022/06/04(Sat) 23:57:45

【置】 猶大 ロク

「……やっぱあんな奴は信用できねぇよ」

廊下を歩きながら顔合わせに不在だった彼の事を浮かべる。
何をしているのやら。

「別にどうでも良いけど」

護身くらいはしておくかと呟いて鉄パイプを手にしながら宛てもなく探索に向かった。
(L8) 2022/06/05(Sun) 0:03:05
公開: 2022/06/05(Sun) 0:05:00

【置】 未だピンボケ ライカ

「……ああ、この人であってた」

それなら、ちゃんと撮っておかないと。
"現場写真"死の記録は、大事だもの。
そこにあったものはちゃんと戻して、記録しておかないと。

それが自分の出来ること自分のしたいことだから。
それが求められていること求めていることだから。

「ちゃんと、残しておかないと」
「僕は、そのためにここにいるんだ」

そのはずだ。


青年は自分の心が分かっているのかいないのか、満足いくまで写真を撮って。
何食わぬ顔で制服を回収し、ブルーシートにその人だったものを巻き直して その場を後にしたのだろう。
(L9) 2022/06/05(Sun) 0:27:35
公開: 2022/06/05(Sun) 0:30:00
ライカは、ホワイトボードに「無事に帰れますように」と小さく書き留めた。
(a13) 2022/06/05(Sun) 0:55:12

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>+4>+5

「やァねェ、騙したり裏切ったりする方が
 10:0で悪いに決まってるじゃない、の」

 気を抜いていたわけではなかった。
 女の子になりたい男の子ならいざ知らず、
 目の前の彼はきちんと男の子に思えていたから、尚のこと。

 それでもこれくらい思い切って攻撃すれば、
 普通はすぐには動けないはずだった。

それくらいの、“普通”に当てはめていたのがいけなかった 

 液体はあなたの背中をすこぅし溶かして焼いて 
 大部分は床に不規則なへこみを作るだけになる。

 力の抜ける足、崩れた重心、後ろへ倒されれていく身体。

“ あァ駄目ね ”

 喉元に届いた手に対して、そう判断してからは早かった。
(L10) 2022/06/05(Sun) 3:00:47
公開: 2022/06/05(Sun) 3:00:00

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>>L10

 
ガツンッ!!


 痛みに呻くよりも先に、水入りのペットボトルが
 伊縫の側頭部に叩きつけられた。腰に提げていたものだ。

 同時に能力を発動。ガンガンと頭蓋の内側を直接
 金槌で殴りつけられているかのような痛みに襲われる。
 視界が明滅してぐちゃぐちゃになっても、
 それでもやめない程度には奈尾も十分おかしかった。
 
“ ひとつの意思に呑まれている ”
 
 液体は容器を溶かして、勢いそのまま
 あなたの頭の右半分にふりかかった。当然彼にも。

 肉が薬品で溶ける音がする。
 においは──よく分からなかったかもしれない。
 血と比べてどちらが強烈かも分からない。

「あ゙、はっ・・・・・・」

」 
「あはははははははははははは 

 
 あなたが伸ばした手は何を為すためのものだっただろう 
 頭を半分溶かしながらも、あなたは事を成し遂げられる。
(L11) 2022/06/05(Sun) 3:00:50
公開: 2022/06/05(Sun) 3:00:00
/*
そろそろ襲撃先決めないとヤバいけど
どうしようニャワンねこれ(どったんばったん大騒ぎ)

/*
候補が多すぎるカブト虫ねえ

コゴマは、叶の上着のシミを見逃していたわけではない。
(a14) 2022/06/05(Sun) 4:07:16

/*
変な語尾でビスケット



異常者で気狂いで嘘吐き。
青年はあなたをそう評した。
それは、自分自身が己をそう断じていることの裏返し。
だから青年は走ることができた。


手が届く。
今ならやれる。
喉の薄い皮膚に指先が触れる。
あなたが褒めてくれた、手が触れる。



……ねッ

死ねっ、
死ねっ!!」

ペットボトルの中身を判別して避けている暇なんてなかった。
もし分かっていたとしても、避ける余裕なんてなかったかもしれない。

右半分の視界を奪われ、それでもこの機を流すまいとあなたの喉へ手をかけた。そうして半ば無意識に、能力を発動する。

あなたは死ななければならない。
謝ってほしいだけなのに。

あなたは罪深い人間だから。
俺だってそうなのに。

今、幸せ?


憂鬱と悲哀と、すこしのよく分からない感情。
ぐちゃぐちゃに想起させられた脳内は無理矢理に蹂躙され、あなたの精神を蝕む。
無茶苦茶な使用によって、青年もまた。

その場を逃げ出した。

ライカは、わかりました、と頷いている。
(a15) 2022/06/05(Sun) 13:10:15

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>+6>+7

あなたは死ななければならない
己は死せねばならない。
死んでなんていられない!
あなたは死ななければならない
    
己は罪深い人間だから。
罪深さが理由ならとっくの昔に死んでいる!
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
己に生きている価値はない。
あなたは死ななければならない
自身の価値なんて最初から求めていない!
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死な
なければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなた
は死ななければならないあなたはあなたはあなたは
 外付けの罪悪感と生来の思想で頭がぐちゃぐちゃに掻き回される。
  あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければ
 ぷちゅん、かわいらしい音を立てて脳が弾けたような気さえした。
 気がしただけかそうでないかすらも曖昧だ。
あなたは死ななければならない
(L12) 2022/06/05(Sun) 18:10:44
公開: 2022/06/05(Sun) 18:10:00
氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。
(a16) 2022/06/05(Sun) 18:11:01


『古後さんが、貴方に疑いを持っている』
『会議室に戻るときは、様子を見た方がいい』

生き抜く術の一つは二枚舌。
簡潔なメッセージを飛ばしておいた。

/*
てなわけでコゴマ氏襲撃の趣が強いです。
輪廻龍とか歪狐だったらそれはそれで美味しいですね。

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ


あなたは死ななければならない
 伊縫が独房を去った時には、奈尾の身体はまだ体温がなくなり切らない内だった。
 心臓も呼吸も止まっていて、どうして死んでいないことがあるだろう。
あなたは死ななければならない
 それだけ確認できれば十分なはずだった。──普通は。
あなたは死ななければならない
(L13) 2022/06/05(Sun) 18:40:17
公開: 2022/06/05(Sun) 18:40:00
ナオアキは、ぐじゅり、溶けた肉を引き千切った。
(a17) 2022/06/05(Sun) 18:40:35

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ


あなたは死ななければならない
「要らないのよ、こんなゴミ」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
「ほしいのは、ほしいのは、」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
「人間は宝石箱」
あなたは死ななければならない
(L14) 2022/06/05(Sun) 18:45:31
公開: 2022/06/05(Sun) 18:45:00
ナオアキは、独房を後にした。ここに用はない。
(a18) 2022/06/05(Sun) 18:54:38

/*
承知……
もはや輪廻龍に太刀打ちできなくなった赤窓の明日はどっちだ〜!!?

コゴマは、自分で端末にメッセージだけを残し。一人で伊縫を、探しに行ってしまった。
(a19) 2022/06/05(Sun) 19:13:05

2022/06/05(Sun) 19:25:53

/*
もしもし叶さん?
あなたと出くわしたテイで古後さんを呼びつけどうにかしてしまおうって流れになったのですが、都合のいい時間ができたら通常発言に偶然を装って出てこられますか?

/*
承知………
もしかしたらその前後に叶が神陰間さんをカイシャクした・しに行く事になるけど
まあ前後なので特に何らか考慮しなければならない点は無いでしょう(行き当たりばったり)

/*
【速報】コゴマ、輪廻龍の模様【襲撃失敗濃厚】

多分施設の崩落とかで有耶無耶になって、隙をついてカナイさんが逃げ出すとかが自然になるんじゃないですかね。

/*
助けて!ENROお嬢様


なんか……なんか都合いい感じにします。その時に都合いい感じに。

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

> 伊縫
「……伊縫、伊縫?
 どこかに隠れているのなら返事をしろ。危害を加えはしない。
 僕は一人だ。……誰も連れてきては居ない。
 信用出来ないのなら、姿を現さずともこっちは確認できるだろ」

電気は点いているものもあれば、既に破壊されたものもあった。
視界は極めて良好、とはいえない。そんな廊下を、一人で歩いている。
長い長い一日の中でどれだけのことがあったかもわからない。
寝食をおろそかにしたままの表情は、少しばかりいつもよりも疲弊していた。

「誰かに見つかるのがいやなのなら、せめても僕にだけ合図すれば良い。
 ……いや。そこまで信頼関係があるわけでも、なかったな。
 生きているかどうかもわからないから、こうしているだけで……」

当て所もなく、職員や何やの危険に臆すこともなく、歩き続ける。
貴方を探して。生きているのかどうかさえ、返答のない今ではわからないのに。
尤もそれに答えるのかどうかは、貴方次第の話なのだ。
(L15) 2022/06/05(Sun) 20:43:04
公開: 2022/06/05(Sun) 20:35:00
ライカは、コゴマを追いかけるように出ていった。
(a20) 2022/06/05(Sun) 20:54:15

「あ"ーー……、っ"う"……」

右目が開かない。
痛みを殺して、半ば触覚の死んだ頭を抱えて、人気のない廊下に座り込んだ。
腹から血と一緒に熱が逃げていくような気がする。
手足の先が痺れて意味もなく廊下に血の筋を残した。

無茶苦茶に走って逃げた廊下には血と汗と、溶けた肉が点々と跡を残している。

だめだ。こんなのじゃ。
だれかにみつかったらしんでしまう。
でもみんなにちこくするっていわないと。

でも、でも、でも。
こんなすがたででていったら、こわがるかなあ。
みんなも、みんなが、

……だれだっ け ?

マユミは、自らを曝け出しました。
(a21) 2022/06/05(Sun) 21:51:03



朦朧とする意識の中、あなたの端末に連絡を送った。

『ごめんん
ちこくすふ』

たったそれだけの簡素で誤字だらけのメッセージ。
血で滑る指先で画面を操作し、送信ボタンを押したところで青年の意識はぷつりと途切れた。


視界の悪い廊下にも、目を凝らして探せば明らかに新しい血痕が残っている。
壁に残った血の指紋も同様に。

その痕を辿っていけば、人気のない薄暗い廊下にたどり着く。
壁にもたれて気絶している青年もまた、見つかるだろう。

ナオアキは、
バンッ!!
何の変哲もないネズミvilに発砲。「五月蠅い」
(a22) 2022/06/05(Sun) 22:11:41

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+8 >>+9
果たしてそのメッセージが届いたのは、どれだけ施設を歩き回ったあとだったろう。
少なくともセキュリティランクの低い、こじ開けて入れそうなところなど、
そうそうたくさんあるわけではなかったから、探し残しがあるのは仕方のない話だった。

果たしてその血の跡を見つけたのは、どれだけ受け取ってから時間が経ったあとだったろう。
この場所で目覚めてから眠気にしろ食欲にしろ、不思議と意識の外にあったものだから、
認識の上では大した労力などではなかった、そのはずだったと思う。

一歩、また一歩と、踏みしめる毎に状況は悪くなっている気がする。
昨日見た廊下の景色よりもあちこちは荒れ、ここには自分たち以外の"化け物"がいると思い知らされた。
それでも、そう。目の当たりにしていないものがどれほど恐ろしいかなんてのは、
やっぱりわからない話なのだ。たとえそれが、隣人であったとしても。

多くを踏み越えた足はついに貴方を見つけて、その傍へとしゃがみこんだ。
警戒らしい警戒なんていうのがないのは、無防備だからなのか、
それとも誰にも負けないという自信があるからなのだろうか。

まだ、生きているのか。死んでしまったのか。
確かめるように、壁にもたれたままの手首に指を伸ばして、脈を確かめる。

「……伊縫なのか……?」

ひどく汚れ果てた姿をすぐにそれと認むるのは、難しい話だったらしい。
そこまで近づいてようやく、青年は其の人の名を呼ぶことが出来た。
(L16) 2022/06/05(Sun) 22:19:37
公開: 2022/06/05(Sun) 22:05:00

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>>a22
あなたは死ななければならない
「アナタ、ソコじゃなかったらドコに口ついてるのよ」
あなたは死ななければならない
「アタシ死ねないのよォ、ちゃんときれいにしなきゃ」
あなたは死ななければならない
「殺してからじゃなくてそのまま斬り落とせばよかった?」
あなたは死ななければならない
「全部は持ち帰れないモノ。宅急便頼めるわけでもないしさァ」
あなたは死ななければならない
「枕の中に入るくらい。ケド、出来たら頭も欲しいじゃない?」
あなたは死ななければならない
「触ったら伊縫サンも形良くって」
あなたは死ななければならない
「一目で良いって思ったのは神陰間チャンだったケド」
あなたは死ななければならない
「ほら、ポニーテールが似合う子って頭の形がきれいなのよォ」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
 散弾を浴び挽き肉になったネズミに向けて、ぶつぶつと呟く奈尾の姿があった。
 左の頬骨は溶けて露出している。着直した職員の服の下、左肩のあたりも。
あなたは死ななければならない
 お喋りに満足するのと、誰かが来るのとはどちらが先だっただろうか。
(7) 2022/06/05(Sun) 22:26:00
フカワは、吐き気を催して会議室から出て行った。
(a23) 2022/06/05(Sun) 22:27:32

フカワは、そう遠くまで離れないから心配しなくても大丈夫。
(a24) 2022/06/05(Sun) 22:27:47

ライカは、結局のところ。1人で独房に向かった。
(a25) 2022/06/05(Sun) 22:35:38

【置】 トラジディ フカワ


『なぜ知らないふりをしているのです?
 自分は関係ないとでも言うのですか?

 貴方の所為だ。
 貴方が耳を閉ざしていたからだ』

『狂いだした歯車の音を聞け』
『貴方は決して無関係なんかじゃない』

『罪を背負うべきだ』



(───知るか。

 そんなこと言われたって、本当に。

 何も関係ないんだから。関わらないでくれ)
(L17) 2022/06/05(Sun) 22:51:31
公開: 2022/06/05(Sun) 22:45:00
カナイは、同じなのだ。
(a26) 2022/06/05(Sun) 22:55:46

【人】 跼蹐 カナイ


会議室を後にしたのちの、どこかのこと。

神陰間と共に出たはずの叶は何処かで少女と別れたのか、
一人で会議室には戻らず廊下を歩いていた。
袖口の赤黒い染みを隠すように、上着の上から白衣を羽織って
何かを探すように、時折床へ視線を落としながら。

特別誰かを探しているわけでもなく。
銃声も、聞こえたとしても随分遠くからのものだった。
(8) 2022/06/05(Sun) 23:02:21

【人】 トラジディ フカワ


『須臾の光に 手を伸ばすなら
 身を焼く信徒 業火を抱き降り立つ
 神に背くことは 許されない』


(……また、知らない唄だ)

責める言葉よりかは幾分か心地よい声。
それを頼りに何度か息を吸って、吐いて、
こみあげてきたきた吐き気をどうにか喉奥に押し込む。

「……」

日に日に消耗している気がする。
こんな場所にいて、オレはあとどれだけ正気でいられるのか。
暗い気持ちを抱えて、顔を上げればそこには。

「……叶さん?」(>>8

何故か一人で行動をしている彼の姿があった。
(9) 2022/06/05(Sun) 23:10:36

【人】 跼蹐 カナイ

>>9 深和

あの重々しいものではない足音と、自分を呼ぶ声がして。
ふと、顔を上げた。

「………深和さん」

そろりと視線をそちらに向ける。
叶は床に片膝をついて、何かを拾い上げた所のようだった。

「…お一人で、どうしたんですか?」

徐ろに立ち上がり、それを白衣のポケットにしまい込んで
いつも通り、遠慮がちに問いを投げ掛けた。
一人でこんな所に居る自分の事をやや棚上げにして。
(10) 2022/06/05(Sun) 23:34:14
ロクは、叫んだ。
(a27) 2022/06/05(Sun) 23:39:40

【人】 トラジディ フカワ

>>10 叶

「気分が悪くなって……
 会議室を汚すのもどうかと、出てきたところで。

 ……あ、もう大丈夫です。
 歩いていたら、少し楽になりました」

白衣、と首を傾げたものの、
正直新たに装備を増やす人たちは、
もうすでに珍しくもなかったためなんとなく流す。

ちょっと不用意過ぎるかもしれない。

「……その、何度かメッセージを送りましたが、
 見て……頂けましたか?
 ただでさえ急に施設が危なくなって、心配で」

自分のスマホも出して、確認ついでに見る。

「会議室も……随分静かになってしまいましたし」
(11) 2022/06/05(Sun) 23:42:30
フカワは、カナイを案ずるようなメッセージをそちらの端末に送っているはず。
(a28) 2022/06/05(Sun) 23:43:04

フカワは、コゴマにそれとなく『叶さんと出くわしたので、できれば来てもらえたら』と、付近の目印と共に送っておいた。
(a29) 2022/06/05(Sun) 23:43:19


『どうしましょうか』

『殺しはしないとは言ってましたが』
『秘密が露呈するのは避けたい』

追加でメッセージが飛ぶ。
勿論それは、古後への対処の話だ。



あなたの支払った労力なんて知らない顔をして、青年はそこにいた。
もし仮に起きていれば探すの大変だったろう、そっちも大丈夫だったのか、なんて宣ったことだろう。
そうして、皆にどう警告をすべきなのか相談に乗ってもらって、それから――
そうはならなかったのだけれども。

近寄れば濃い血の匂いと、溶けた皮膚や髪の匂いがむっと強く香る。
顔の右半分……特に目の周辺が酷い火傷のように引き攣れ皮膚が癒着してしまっている。
右目は開かない状態かもしれない、と一目見るだけでわかるだろう。
それに加えて腹部も、腹部を抑えたままだった腕も真っ赤に染まっている。

弱弱しく踏み躙られた虫のような姿になっても、青年はまだ生きていた。
出血はもう止まっている。

【人】 跼蹐 カナイ

>>11 深和

「そうですか……」

大丈夫、はともかくとして。
提示された理由には納得したようだった。
思えばあなたは前々から耳鳴りだ何だと悩まされていたのだし。
顔色を窺う視線は、いつも通り気遣わしげなものだ。

「……すみません、少し立て込んでいて。
 用事が終わったら連絡するつもりだったんです…」

やや口ごもるように言って、気まずそうに眉尻を下げた。
その後にあなたに倣うようにスマホを取り出せば、
後で折り返そうと目を通しただけになってしまった連絡と
もう幾つか新しく連絡が入っているのに気付いた。
(12) 2022/06/06(Mon) 0:11:47
カナイは、ちょっと急ぎ気味に返信中。
(a30) 2022/06/06(Mon) 0:12:58


『そっとしておいてくれないなら』

『秘密を隠し続けるには』
『暴こうとする人をどうにかするしか』
『ないですよね?』


『僕達のせいじゃない』

『僕が手伝います』
『大丈夫』

『僕はあなたの味方です』

『あなたが僕の味方である限り 何があっても』

【人】 声無きを聞け マユミ

(――さて)

ひとまず指針は出来ています。
弓の材料を探し、消えた二人も探す。
優先は弓、次が二人。ただ問題は――

(敵対生物、もしくは人間か)

静かに歩く。しかしどれだけ静かに歩いても……

    ぱき。     ぱき。


時折鳴る、何かが割れるような音が。
ずっと、ずっと、廊下に響いていました。

きっとそれはネズミみたいに、うるさいのでしょう。
(13) 2022/06/06(Mon) 0:20:17
マユミは、静かに歩いています。本人はそのつもりです。
(a31) 2022/06/06(Mon) 0:20:38

カジヤマは、古後の端末に、一人で外に出る旨を送信。『発砲音の方に向かってます』
(a32) 2022/06/06(Mon) 0:43:26

【人】 トラジディ フカワ

>>12 叶

「───……」

顔を顰めて深呼吸を挟む。
やはりまだ具合が悪いのか、それとも。

「味方が、いる」


辺りを見渡しては、もう一度向き直る。

「……忙しかったなら仕方がありません。
 ですが、緊急時ですので……どうかお気をつけて。

 私は、これから会議室に戻るところでしたが、
 そちらは……まだ何か用事とかありますか?
 よろしければ、ついていかせてもらえたら」
(14) 2022/06/06(Mon) 0:43:44
未だピンボケ ライカは、メモを貼った。
(a33) 2022/06/06(Mon) 0:48:29

ライカは、遅れて『古後さんを探してたんですが、今は一人で行動しています。すみません』と連絡を入れた。
(a34) 2022/06/06(Mon) 0:53:22

カジヤマは、会議室を出て左の突き当たりの部屋、ボウルとアルミを手に入れた。また、そして走り出す。
(a35) 2022/06/06(Mon) 1:00:45

ナオアキは、見つけられた。
(a36) 2022/06/06(Mon) 1:01:50

【人】 跼蹐 カナイ

>>14 深和

連絡をしたためている途中。
聞こえた呼吸音に、またそろりと視線を上げた。

「次からは気を付けます……
 …僕も、もう戻るところだったので。
 あんまりここに長居するのもですし、戻りましょうか…」

書きかけだった連絡に、
もう少ししたら深和さんと戻ります、と付け加えて送信した。
それが済めば用の済んだ端末を仕舞って、
再び見上げた先に了承を返した。
(15) 2022/06/06(Mon) 1:06:58

【人】 声無きを聞け マユミ

>>ナオアキ

それは発砲音が聞こえる前の事です。
単独行動で資材を探しながら、
タブレットのライトで薄暗い場所を照らしていた時でした。

ふと、廊下の先に。
長銃を杖代わりにして歩く、制服姿が目に入りました。
その装備に見覚えがあります。
何せ一度吶喊しかかったくらいです。

声……は元よりかけられません。
なので、代わりにちか、ちか、と。その姿に向けて
タブレットのライトを2、3回点滅させました。
別人だったら、すぐさま逃げればいいのです。

さて、気付いてもらえるでしょうか?
飴をくれたあの人に。
(16) 2022/06/06(Mon) 1:17:19

【人】 未だピンボケ ライカ

血の痕はあるのに、何もない独房。
肉の欠片は落ちているのに、誰もいない。

不完全な現場だ。

だけど、撮らないと。
これは僕の仕事だ。
(17) 2022/06/06(Mon) 1:24:33

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

>>16 マユミ
あなたは死ななければならない
「あら神陰間チャン」
あなたは死ななければならない
 ぐりん、首が回る。
あなたは死ななければならない
「浮気ってやっぱりよくないわよねェ」
あなたは死ななければならない
 一体何の話だろう。
あなたは死ななければならない
「この声って神陰間チャンじゃないでしょォ? ならいいわ?」
あなたは死ななければならない
 どうやら幻聴を聞いているらしい。
あなたは死ななければならない
「節を作った手は別にいいの、神陰間チャンは頭がきれい」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
 残った顔でうっそりとした微笑みを作った。
あなたは死ななければならない
「ねェ神陰間チャン知ってる?」
あなたは死ななければならない
「ポニーテールが似合う子って、頭の形がきれいなの」
あなたは死ななければならない
「すごく似合ってるんだから」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
   「だから」
あなたは死ななければならない
  「だから」
あなたは死ななければならない
「だからさァ」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
「──それ以外はなくていいと思うの」
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
容器を溶かした水は、宙で広がりながらあなたに降りかかっていく。
(18) 2022/06/06(Mon) 1:45:25

【人】 声無きを聞け マユミ

>>18 ナオアキ

直感しました。アレはもう、人ではない、と。
言ってる内容など、耳にした所で理解も出来ません。
だから先ずは逃走。そう考えた時にはきっと、
その"水"は広がっていたのでしょう。
ただの水だとは、この場ではもう思えません。
そして、次にこう思ったのでしょう。

(アレを浴びるのは不味い)

ですが、傘などはありません。
上着も無ければ、和装で弾くにも脱ぐには時間がかかります。
タブレットだけでは、大部分が身に降りかかるでしょう。
避ける?ただ飛び退るだけでは逃げ切れるはずもありません。

「だからさァ」


命を脅かす声が、随分遠くに聞こえた時。
                            
ぱき。

微かに、服の下で。何かが砕ける音がしました。

その瞬間、強く、強く。
少女は想ったのです。
肯定された願いを。
その願いの為に――
『変わりたい』
、と。
(19) 2022/06/06(Mon) 2:13:23

【人】 声無きを聞け マユミ

>>18 >>19 ナオアキ

そして少女は、初めて能力を意識して使ったのです。全力で。
……ぱき、なんて。可愛い音はしませんでした。
骨に慣れ親しんだ者には嫌な音かもしれません。
それはばきだとか、ごきだとか、ぺきだとか。
人の骨が折れてしまうような音でした。

ですが、その音とは裏腹に。
少女の背からは白い片翼が生えていました。
それは、羽毛などではありません。
真っ白で、硬質で、びっしりと鱗のようにまとまった――
無数の人骨で形作られた翼でした。

奈尾なら、それが成人男性の骨である、と分かるかもしれません。


その翼は、少女と水の間に割って入ります。
丁度、内側へ羽ばたくような動きで水を受け止め、
そして外側へ羽ばたくような動きで残りを弾きました。

当然、そんな物を突然生やして振り回した少女が
無事に立っていられるわけもありません。
翼に振り回されるようによたついて、
折角弾いた水の一部が腕や肩を微かに濡らし、
翼は翼で床や壁にぶつかると、
すぐにバラバラに砕けてしまいました。

それでも、咄嗟に。
持ち歩いていた、矢代わりのパイプを数本。
弓程強くはなくとも、投げつけて。
全力で、逃げの一手を打つでしょう。
(20) 2022/06/06(Mon) 2:28:23
マユミは、自分の能力で出た物に驚いています。が、それどころではありません。
(a37) 2022/06/06(Mon) 2:30:57

声無きを聞け マユミは、メモを貼った。
(a38) 2022/06/06(Mon) 2:46:57

ナオアキは、鉄パイプは奈尾の手に掴まれた
(a39) 2022/06/06(Mon) 2:51:53

カジヤマは、その音を聞いていれば、何か変わったか? わからない。
(a40) 2022/06/06(Mon) 3:02:42

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ


あなたは死ななければならない
「あ」
あなたは死ななければならない
「ダメよ」
あなたは死ななければならない
「そんな余計なの、つけちゃダメ」
あなたは死ななければならない
 投げられたパイプは、
 奈尾の動きをほとんど遮ることなく床に落とされる。
 外側へ弾かれた液体も、彼のもとまでは届かなかった。
あなたは死ななければならない
「お父さん? お兄ちゃん? 恋人サン?」
あなたは死ななければならない
「誰でもいいわァ?」
あなたは死ななければならない
「──邪魔しないでよ」
あなたは死ななければならない
 ひょろ長い脚が散らばった脆い骨達を
 さらにバラバラに蹴り砕いた。
 注意を引くことは出来たようだ。
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない
「もうっ、変な痕が残っちゃったらどうしてくれる訳?
 そういうのって取り返しがつく状態だった試しがないんだからァ〜〜」
あなたは死ななければならない
 物言わぬソレらに対しクドクドと説教が続く間に、
 あなたは逃げおおせることが出来るだろう。
あなたは死ななければならない
(21) 2022/06/06(Mon) 3:12:20
メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。

メモを貼った。

標本室。


一つの遺体が、無くなっている。

とある誰かの声がして、真っ暗闇をもがくように進んで。
この終わりでは足りないと、叫んで気付けば視界が開けた。

「──。おれ、は。確か……」

それまで自分は何していたかと、ぼやけた頭のまま記憶を振り返ったが最後。

悲鳴と、笑い声と、断末魔。
絶え間なく続く痛み。逃れられない苦しみ。
誰かと会話をした時には思い出せなかった死際の時間が、押し潰さんばかりに迫ってくる。

「──。ぅ゛、え゛ッ……」

体を折り曲げ血の海に膝をつく。激しい咳を一つ。その拍子に体のどこかからびしゃりと赤い液体と柔らかな何かの肉片が地に落ちた。

事切れるまでに受けたものが未だ体の中にあるようで。頭と胴の内側がぐるぐるする。視界がちかちかと明滅して、自分と同じ色の笑い声が耳の奥で鳴り続ける。

「……、ふ、ぅ……あぁ……こぼれちゃう……」

腹部に手を当てながら、緩慢な動作で歩を進める。

「見な……きゃ、聞かなきゃ。
 見たいことが、聞きたいことが、あっ……たんだ。
 ……でも、なんだっけ、なにを、見て、聞くんだっけ」

探さなきゃ。探さなきゃ。

──目を瞑る。声を聞く。息遣いを探す。
おかしいな、でも何を探すんだったかな。
おかしいな、誰を探すんだったかな。

メモを貼った。

「……誰の、声だっけ、これは」

元々、視覚には作用しない力だった。
今となってはあまりに不安定で、或いは壊れた頭で判断できなくなっていて、拾った声が誰のものかも判別がついていない。

力を使うのを止めて瞼を持ち上げた瞬間、ぐんにゃりと視界が歪んで体が傾いた。
この肉体は、ずっと刻まれた死の痛みに震え続けている。

「みなきゃ、きかなきゃ、いかなくちゃ」

死んだはずの頭の中にあるのは一つの意思。純化したそれしか残っていない。

「……ふ、ふふ。えへへ、ぁは、夢なのかな、でも、夢みたいじゃない?でも、夢であってほしくないなあ」

それは延長線上の狂気。既に迎えた終わりを踏み躙る執念。
凄惨な傷跡が残る脳と肉体を、意思ひとつで引き摺り回してそれは進んでいく。

廊下の奥へと、消えて行く。
子供のような笑い声が響いていた。


────ぞわり、

なにか恐ろしいものが、こちらを見ているような、感覚。
それはほんの一瞬の怖気だった。

───悪夢は覚めてもなくならない。
────事実は決して消えはしない。
──今に死の暗がりから這い出して。
─────犯した罪が、戻って来る。

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>a29 >>14 >>15 叶・深和
端末に入ったメッセージへは、『すぐに行く』とだけ返して。
そのほかにも舞い込むものをちらりと見て、己の軽率を多少恥じたりはした。

連絡を受けて二人のほうへとやってきたのは、
伊縫を見つけるよりかは前のことだったろう。焦燥はあれど、落ち着いていて。
まだその手も穢れのないまま。この男は平然と清廉のままであれるのだ。

誰某れに見つからないようにと抑えた足音も、指定された地点に近づく頃には平時のもの。
だから貴方がたを警戒させはしても、驚かせはしなかった、そう思う。

「……おまたせしました。こちらに居たんですね。
 探しましたよ、貴方が戻らないようなので、……なんて。
 会議室を空けていた僕が言えることではないのでしょうがね」

人の姿を見れば若干肩の力は抜け、変わらない姿を見れば安堵を覚え。
尖らせたパイプは握ったままだが、多少の心の許しはある様子で、歩み寄る。
(22) 2022/06/06(Mon) 7:58:06
コゴマは、>>a32 >>a34 ふたつの連絡を見て溜息を付いた。仕方ない。最初に勝手な真似をしたのは己だ。
(a41) 2022/06/06(Mon) 8:02:15

コゴマは、それぞれに『早く戻ってこい』と返す。ホワイトボードに刻まれたのと同じ。只の勝手な、個人的な願いだ。
(a42) 2022/06/06(Mon) 8:02:57

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+10
顔を覗き込んだ時、醜く傷つけられた面に青年は鼻白み、僅かに身を引いた。
それで貴方が傷ついたとして、どれだけ青年が気にしたかはわからない。
所詮は己の抱いた感情しか想像しえない、献身とは誰より掛け離れた人間だ。
幾許もそれを抱いていたなら、結木の体だってあの場に放置はしなかったはずだ。

「……誰にやられた」

何に、とは言わなかった。最早隣人を疑うことにためらいはない。
声を伴って返ってくることのないだろう問いかけをして、癒着した皮膚に触れる。
或いは、そう、見たこともないような痛ましさのために同情したのだろうか?
喩え医学の心得があったとしても、助からないだろうことがわかるだけだ。
普通の人間の体であれば、の話だ。

「よく生きてるな。
 ……だが会議室に戻るのは、無理……だな……」

アクセントが違えば嫌悪とも取られそうな言葉が平然と舌に乗る。
そういう男だった。言葉ほどには他人を嫌うほど、興味を持たないだけだ。
今までそう生きていた生き物は、今ある惨状をどうすべきか、わからなくなっていた。
(L18) 2022/06/06(Mon) 8:31:52
公開: 2022/06/06(Mon) 8:30:00

【人】 トラジディ フカワ

>>15 >>22 叶 古後

「……あ、古後さん……」

一人きりの足音に気づいて視線を向けたら、
メッセージで呼び出した相手が目に入って安堵。
喉から抜けるのは、なんだか疲弊、摩耗しているような声色だ。

「ええ、気分が優れなくて出たところに、
 偶然会って……ちょうど今、会議室に戻るところで。

 この状況では一人より二人、二人よりできれば三人、
 付近にいらっしゃればご一緒できれば、と。
 来ていただけたようで何よりです」

理由も理由だからパイプなんて持ってきてない。
どうにもまだ危機管理意識が足りてないなと、
内心でいつものように卑下しながら、其方へ近づく。

──古後が来た方とは真反対。
   何かが駆けるような足音も、近づいてきているような。
(23) 2022/06/06(Mon) 8:33:33

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>23 深和
「ああ言った手前散開しては、意味がありませんね」

言葉の意味は自戒であって、他者に言ったわけではない、きっと。
或いは少しは、自身以外も含んだかもしれないが。
さりとて投げ捨てるような言葉は、そうは受け取られないかもしれない、そういうものだ。

「篝屋や三十三も、状況を見てそれぞれ出掛けてしまったようで。
 桜小路もおそらくは。状況的に今は会議室には誰も居ないのではないでしょうかね。
 ……まあ。引き籠もっていたからとて脱出できるわけじゃないから、仕方ない話ですが」

いつか助けが来るだろう、なんて楽観的で保守的な動きのままではどうにもならない。
急く心を落ち着かせる術を持たないのだから統率できないのは道理だ。
帰りましょう、と深和と叶に声を掛け、廊下を引き返しかけて足の向きを変える。

そうして話していた矢先だ。耳をくすぐる微かな音に、表情を引き締める。
暗闇の中を睨みつけるようにしながら、貴方を後ろに下げんと腕を引っ張ろうとした。

「……なにか来る」
(24) 2022/06/06(Mon) 9:09:15

【人】 声無きを聞け マユミ

>>21 ナオアキ

パイプの行く末も、砕けた骨の先も見ませんでした。
今少女の頭を支配しているのは3つの感情だけです。
1つは「痛い」1つは「逃げなきゃ」1つは「変わりたい」。

能力の代償が酷く全身を痛めつけています。
水がかかった肩や腕がしゅうしゅうと音を立てて、
そこを覆っていた和装を溶かしてしまうと、
その下には
檸檬色
葡萄色
の結晶……
あなたがあげた
飴が鱗状にその肩や腕を覆っていました。

そして溶かされた様子を見て、思ったのです。
普通では逃げ切れないかも、と。だから痛みに逆らいました。
痛みに逆らって、速く逃げようとしました。    
ぱき

そして細胞は、それに応えたのです。

ばきぼきと音がします。
袴の裾を破って、また骨の集合体が飛び出しました。
骨はZを描くような形をしていて、少女の足よりも大きく長く。
同じような形の骨が肩の結晶を破って生えてきます。
自重に耐えられず蹲り、四つん這いになったその姿。

それは、少女の知る限り最も速く、
再現がしやすい生き物の形をしていました。
昔、神社の手伝いをしていた時によく見ていた形を。

少女は犬となって、駆けていきました。
その骨から鳴る騒がしい足音も、
やがて遠ざかって消える事でしょう。
(25) 2022/06/06(Mon) 11:21:51
マユミは、必死で逃げた後。各位の端末に『奈尾発見 危険 接近×』と送信しました。
(a43) 2022/06/06(Mon) 11:24:00

【人】 跼蹐 カナイ

>>22 >>23 >>24 深和 古後

近付く"それ"が何であるかは足音で凡そ判別が付いた。
だから特別向かってくる足音に警戒もせず、
武器など初めから持っていない手は所在なさげなまま。
いつも通り──そう、至っていつも通りにそろりと視線を向けた。

「弓日向さんと……えっと、あの、神陰間さんと。
 すぐ戻るはずだったんですけど、随分話し込んでしまって…」

そうしてどうにも言い訳じみてしまうような言葉は述べれど、
声色に嘘の色は無く、本気で心底申し訳ないと思っているようで。
おずおずと二人の表情を見遣り、すみません、と眉尻を下げた。

「…理由があったなら仕方ない……です、よね…?
 きっと…僕がすぐに戻らなかった事も、皆さんが
 ばらばらに行動してしまった原因、の一つのはずで…
 ……古後さんにもご心配をお掛けしてすみません…」

まさか自分が心配されていると驕るわけではないけれど、
自分がすぐに戻れば現状はもう少しましだったのではないか。
そのように思って、不安を煽った事にもう一度謝罪を述べた。
それから、掛けられた声に一つ頷いて、その背を追おうとして。

「────う、」

近付く足音にその動きを止めた。
聞き慣れない足音。これは見知った人間ではないか、それとも。
何か切迫した事態でなければ立てるはずのない足音だ。
殆ど反射的に片手を白衣のポケットに差し入れ、指先が硬い何かを引っ掛けた。
(26) 2022/06/06(Mon) 11:51:05

【置】 声無きを聞け マユミ

逃げて、逃げて、逃げて、逃げて、逃げた先で。
少女は思うのです。まだ死ねない、と。
死ぬわけにはいかない、と。
約束を守らなくては、と。
やるべきことを、と。

そして、それらをするには――
変わらなきゃ
、と。



ぱき      ぱきき            ぽき
    ばき         べき
 ぼき     みしっ         ばぎ



音を立てて、変わっていきます。
生き残る防御の意志と、願いの攻撃の意志が合わさって、
身体を覆うように育っていきました。
(L19) 2022/06/06(Mon) 11:55:11
公開: 2022/06/06(Mon) 11:55:00

『カナイさん』
『オレが嗾けようとしているものです』

メッセージではなく、直接頭に呼びかける形で。

『敵味方の区別がつかないので』
『距離をとった方がいいかもしれません』

自分はもう既に引っ張られているものだから、仕方ない。

マユミは、タブレットを叩いています。『おねがいします』とだけ、約束した人に文字が送られました。
(a44) 2022/06/06(Mon) 11:56:29


ちらとそちらを見遣って、動きを止めた足は後退の態勢を取る。

巻き添えを食らっても恐らく対処はできる──けれど。
恐ろしくもどうしようもなく安心するような、あの感覚は。
そう何度も呼び起こしたいものではなかった。



果たして、青年は傷付いただろうか。
ひどいものを見せてごめんな、隠さなきゃな。
俺が集めたシーツならちょっとくらい破いて貰ってもいいよな、なんて。
自分が好き勝手やった結果についた傷なのだから、怖がるのも勝手だろう。見せないようにするのもまた。

そんな言葉を返したであろう口は薄く開き、浅い呼吸を繰り返すのみだ。
夢もない無防備な眠りを昏昏と晒し続けている。

青年に触れた指先が、すこしあたたかく感じたかもしれない。
それは無意識に漏れ出した残滓。
敵対者に向けるものとは違うやわらかなもの。
少しだけあなたに触れて、明確な意思ともならずにすぐに霧散した。


意識を取り戻すまで着いているにしても、
このまま青年を置いていくにしても。
誰かが、何かが通りすがらないとは限らない。
どちらを選ぼうともあなたを責める人間はいないだろう。

カナイは、きっとその文字列を見た時、悲しかったのだと思う。
(a45) 2022/06/06(Mon) 12:12:58

カナイは、それでも約束を違えません。
(a46) 2022/06/06(Mon) 12:13:08

【人】 トラジディ フカワ


>>24 >>26 古後 叶

「知り合って間もない人たちが、
 最初から最後まで問題なく、スムーズになんて、
 それは土台無理な話じゃありませんか」

自分に対する言い訳でもあり、
二人に対する気遣いでもあり。
どことなく皮肉げに言ってのけて。

「……全て上手くいくんだったら、
 もとより、こんな事態にはなっていないはず──」

遠くの方を見つめて、ひりついた空気に気付かず。
腕を引かれてやっと「え?」だの呆けた声をあげる始末。

ようやく足音を認識したのか、
焦った様子でその長身の背後へと転がり込み──

『───────────!!!!』


息吐く間もなく
どろどろと崩れた人か獣か
が、
深和とそれを庇う形になった古後に向かって両手を振り上げ、
明確な殺意の下襲いかかってくる!
(27) 2022/06/06(Mon) 12:14:10
マユミは、声無く吼えました。
(a47) 2022/06/06(Mon) 12:28:57

ナオアキは、神陰間を逃がしてしまった後、ネズミを撃った。そして再び銃声を響かせた。
(a48) 2022/06/06(Mon) 13:09:04

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>26 >>27 叶・深和
「謝って事態が解決するわけではないのですから、構いませんよ。
 別段僕が何かしらの不利を被ったわけではないのですからね。
 ただまあ、そうだな。会議室は今、がら空きのようです。態勢は整えませんと。
 結木をどうするかも考えていない。まだ伊縫も奈尾も、見つかっていないわけですから――」

悠長に話してられる時間は短いものだった。
弾かれるように二人よりも前に出て、大足を踏みしめ姿勢を低くした。
此処に来てどれだけ異形を目の当たりにしたか、初めての遭遇だったかもしれない。
知っている。貴方の袖が濡れていたこと。理由は知らずとも。
そんなことさえ意識の外に置いてしまって、青年は立ち竦んだように見えた貴方を睨みつけた。
視線が通ったのは一瞬。人が自分の言うことを聞くと思っている傲慢なものの目だ。
驕り高ぶったそれは、貴方がたを庇って暗がりの方へとより一歩踏み込んでいく。

「叶も下がれ、足を止めるな!!」

恐れも知らずに踏み込んだ足は、支えも不確かな獣の足を踏み躙った。
ばきりと薄い骨の砕ける音と、勢いを殺しきれなかった腕が袖を引き裂いて、
その下の肉までも傷つけた音とが、鈍く高く交差する。
勇壮か無謀か、さておき振り抜いた腕とパイプは重心を縫い止めた獣の体を確かに横薙ぎにした。
尤もそれがどれだけの痛手を負わせられたかは、不明だ。
得体のしれない立ち姿を確かめ、ぞっとしたように唇を引き結びながら、膝で打ち上げ距離を取る。

「――早く行け!」

貴方がたを背中に庇い、貴方がたに背を向けて。
目の前にあるものから守ろうとすることに少しの躊躇いもない。
会議室は目前。そこまで至らせる訳にはいかないと、頼りない武器を握り締める。
(28) 2022/06/06(Mon) 15:37:10

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+14
「……辛い目にあったのなら、苦しい思いをしたのなら。
 そんなものは全て、忘れ去ってしまうのがいい。
 そんなものは全て、天国に持っていく必要のないものだ」

答えの返らない言葉を投げかける。次第にそれは、自己だけの言葉に傾倒していく。
独り言めいて語りかけるそれは、貴方を見つめて言っているものなのかさえ、わからない。
誰かに重ねているのか、そうあってほしいと願っているのか、それ以外のなにかか。
他者の意見を尊重しない独り善がりの人間の言葉など、対話がなければそんなもの。

焙ったように熱い指は、どうすることも出来ないまま、濡れた前髪を整えた。
浴びせられた液体や血潮の混じるそれは、衛生的とはいえない状態だったろう。
死にゆく人間に掛ける言葉など、頭に浮かべたこともない、それが普通だ。
ステレオサウンドの頭ごなしが、前髪の隙から見える表情に問いかけている。

「もし、お前が望むのなら。そんなものは全部、捨てておけ。
 誰でもなく僕が赦す。全ての労苦、全ての辛苦。それは忘れ去っていいものだ。

 受け入れろ。伊縫、お前の喰らった苦しみは、お前が抱くべきものじゃない」

もし、貴方の操る感覚的なそれが、ほんのわずかでも意思を伝えるというのなら。
生きたいという残響が、その指に触れたなら。
貴方はその全てを、
忘れることが出来る。
(L20) 2022/06/06(Mon) 15:57:34
公開: 2022/06/06(Mon) 16:00:00
絶対専制君主制 コゴマは、メモを貼った。
(a49) 2022/06/06(Mon) 16:14:41

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

Manasseh マナセ

1.「忘却」または「忘れさせる」という意味の名前:
 For God……hath made me for-get all my toil, and all my father's house.
 神は、私の全ての労苦と、父の家のすべてのことを忘れさせてくださった。(『創世記』41,51).
 イスラエルがヨセフの長男(マナセ)の頭に左手を置き、次男(エフライム)の頭に右手を置いたので、弟のほうが大いなる神の祝福を得ることになった(『創世記』48)。

2.マナセを象徴する宝石はアメジストまたは瑪瑙である。アメジストはギリシアでは、ワイン・ストーンにあたり、この石には酔い(酔いによる「忘却」)を防ぐ力があるとされた。

3. マナセ族:十二宮では天秤宮を支配し、植物ではぶどうの木またはシュロ、色では赤、白、黒、動物では一角獣に対応する。
(29) 2022/06/06(Mon) 16:15:43

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+14 伊縫
/*
あの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜大変不器用な言い方しか出来なくて申し訳ないんですけど〜〜〜〜〜
能力行使していいですか? 質問があったら多種多様な方法でどうぞ……お願いします……
(L21) 2022/06/06(Mon) 16:19:13
公開: 2022/06/06(Mon) 16:20:00
カジヤマは、その銃弾を掠らせた
(a50) 2022/06/06(Mon) 16:20:39

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>L21
/*
運営がゲロの許可出してくれた 助かる 輪廻龍です。
(L22) 2022/06/06(Mon) 16:30:03
公開: 2022/06/06(Mon) 16:30:00

【人】 跼蹐 カナイ

>>27 >>28 深和 古後

斯くして姿を現したものの姿に ひゅ、と小さく喉が鳴った。
忽ちに感情の全てをどっと耐え難い恐怖が支配して、
その中であっても鋭く向けられた視線と怒号にもほど近い一喝は
確かな強制力を持って脳が知覚し、それを認識するに至った。

「ふ、深和さん──」

それに従って、混乱のさなかに手を伸ばす。
一歩、二歩、じりじりと後退りながら。
その数歩先から、骨の砕ける音と、肉を打ち付ける湿った音が。
どこか非現実的な事のように遠く聞こえていた。

恐らくはきっと、叶はあなた達よりは会議室に近い側に居て
その両足は竦みかけこそすれ、確かに床を踏みしめている。

だから手を取ればすぐにでも逃げ出せる。
あなたの手を引いて、彼を置き去りにして。
(30) 2022/06/06(Mon) 16:35:59

「どうしますか」

小さく、短く、潜めた声が問う。
自分達を守るべくそこにある大きな背は無防備だ。

右手はガラス片に触れたまま。
不意打ちを仕掛けるなら、今がまたとない好機だろう。
けれどこの力で追撃を掛ければ無視できない証拠が残る事になる。
やるべきか、やらないべきか、視線があなたに問い掛ける。
或いは、やろうと思えば、彼を助ける事だって。


おれは、あなたの事は、信じているんですよ。

だからあなたの信じる人の事ならきっと、──きっと?

ナオアキは、言った。「人間は生きている間、身体の中で宝石を育てているの」
(a51) 2022/06/06(Mon) 17:36:33



届いているのかいないのか。
あなたの放った言葉は暗い廊下にぽつりと落ちた。
紡がれた言葉たちは決して無為にはならず、そこに確かに降り積もる。

ぴく、と青年の指先が震えた。
普通の『にんげん』なら助からない傷だ。
人体に元来備わっている自己再生能力を遥かに超えた出血、臓器の損傷。
それらを愛すべき隣人に与えられたという事実。

その痛みすら全て忘れて、もう一度生きる・・・ことができるなら— —それは、それはなんて。

指先が再び熱を帯びる。
あなたの言葉へ応えるための、意思を紡ぐ。



それは、なんて寂しい・・・ことだろう。

「そんなに寂しいこと言ってくれるなよ、泣いちゃうだろ」

「忘れろ、なんて言うなよ。
せっかく愛施が助けてくれようとしてるのに、その原因をなかったことにしちゃうなんて」

「それに、俺が抱いてやらなきゃあ、この痛みも苦しみもどこにいっちゃうのさ。
代わりに背負うなんて言ったら怒るからな」

「痛いのも、辛いのも、全部連れていって生きたいんだ」

それは、なんとも自分勝手な宣言だった。
今にも止まりそうな呼吸をしているくせに、全身を汗で濡らしているくせに、塞がった片目からはくっきりと涙の筋が浮かんでいるくせに。
青年は、生きることを諦めてはいない。
踏み躙られた事実はそのままに。
今は閉じられたふたつの瞳は爛々と
を宿し、全てのものを焼き尽くさんとするばかりに燃えている。

本当に、自分勝手だ。


/*
というわけでお返事となります。
能力の使用は問題ありません!が、傷をまったくまるっとなかったことにする、ということは伊縫がヤダがります。
具体的には傷跡がぱっと見でわかるくらいには残る感じになるでしょうか?いい感じのがあればなんでも……(貪欲)

【置】 声無きを聞け マユミ

シュウシュウ、蛇が鳴くように。
溶解液が肩の結晶を溶かします。
鱗のように生えたそれらにも、しかし隙間はあるのです。
ほんの僅かな液体がその隙間から流れ込んで、
そして皮膚を灼く度に、少女はぎりと歯を軋ませます。

灼けていく傍から、新たな結晶が生えてきます。
皮膚を突き破るその痛みは、想像を絶するものでしょう。
失ったはずの骨の翼がまたメキメキと生え、
逃げる道中で砕けていった、犬の手足のような骨も
やはりまた新たに生えています。
骨の重みは自分の体重をゆうに超えるでしょう。
(L23) 2022/06/06(Mon) 19:19:39
公開: 2022/06/06(Mon) 19:10:00

【置】 声無きを聞け マユミ

それでも、少女は二足で立ちました。
自分のものより長い、逆関節染みた足で。
みしみしと、外付けの骨と繋がった肩や腰が軋みます。
身じろぎする度、凄まじい痛みが襲ってきました。
ですが、それでも。

(みうしなうものか)

その瞳の意志は、飲まれていませんでした。
約束の為に――少女は、運命に辛うじて抗います。
それが既に神によって確定された運命なのだとしても。

なぜならこれが、少女がかつて夢想した、
自分の名前の使い方だからです。

かみいま ゆみひこ

神陰間弓日向は、この神の居ない地で、反逆をします。
今こそ、この名で以て、自らを奮います。つまり、

 
かみいま      ゆみひこ

神の居ぬ間に、弓を引こう、と。

そうして静かに、少女はその時を、待つのでした。
約束が果たされる、その時を。
(L24) 2022/06/06(Mon) 19:23:37
公開: 2022/06/06(Mon) 19:25:00

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+17
/*
了解です! 先んじて処理的な話だけ改めてさせていただきます。
まず蘇生については行わせていただきますのでその方向にてご了承下さい。

蘇生の仕方についてなのですが、チラと運営様に確認した時点での話では、
脳から死んだ/死ぬほどの損害が与えられた という情報を消すことによって、
死ぬほどだった(システム上の死)を除去するような形になります。
その上で痛みや傷をそのままにする場合、蘇生(システム上)された瞬間、
痛覚等も生前(システム上)の健常さを取り戻すため、爆痛になるかもしれません。

"普通であれば死に至るほどだった"という事実だけを体と頭が忘れる形になると、
齟齬なく蘇生することができるのかな……と。
うまく説明できている気がしないのでいい感じに解釈していただきつつ、
細々質問がありましたら引き続きお受けいたしますので、お気軽にどうぞ……!
(L25) 2022/06/06(Mon) 19:28:26
公開: 2022/06/06(Mon) 19:30:00

【人】 トラジディ フカワ

>>28 >>30 古後 叶

「古後さ───ッ!」

尻もちをついた体制から、
まるで夢か映画みたいな光景を低い視線から見ている。
目の前で血が弾け、骨が砕ける音までもがすぐそばで、
それを現実のものだと認識した時には、叶の方を向きかけて。

『─── またそうやって頼ってばかりなんですか?』
『まだ耳を塞いでいるつもりなんですか』

『貴方は無関係なんかじゃない』
『けれど責任と罪は、決して痛みばかりではない』


その奥に、微かな黄色い光を垣間見る。
言おうとしたことはその声のなかに搔き消えて、
次に視線を動かせば獣は深手を負いつつももう一度こちらへ襲い掛かろうとしている所だ。
何かを迷っている場合ではない。ないんだ。

「あ、あ、───……!」

自分が招いた結果を、
人に拭わせてばかりでは、
それこそ───やがて自分の首を絞めることになる。
(31) 2022/06/06(Mon) 19:42:17

【置】 絶対専制君主制 コゴマ

>>+15 >>+16 伊縫
「……そうか」

釈然としないような、腑に落ちないような。
相容れない溝を挟んで立つような隔絶を感じながら。
これほど近くにあっても、本質的に交わることは、ないのだろう。
薄雲色の一角獣が、目を閉じた乙女を運ぶが如く、過ぎ去ったものへの悲哀だけがある。

「お前は強い。強い人間らしい。
 お前のことは何も知らないけれど、きっとそうなんだろうさ」

他者とどんなやり取りがあり、何をうちに秘めているのかさえ知れず。
自分勝手なことばかりを言うのは、果たしてどちらのほうだったろう。
薄靄に隠れた遠くの景色を見るように目を細めて、爛れた顔に指を触れた。

「忘れることは寂しいことじゃない。神から与えられた恩恵だ、慈愛だ。
 人は何もかもを頭のうちに収めておくことに耐えられないから、忘れるんだ。
 だが、それでも。お前が抱えたままに在るというのなら、僕はそれを奪うことは出来ない。
 お前から剥ぎ取るのは、ただ一つだけだ。
 お前がそれで、いいっていったんだから」

ひどく、ひどく残念そうな面持ちをしながら。落胆を確かにしながら。
穢れのない生き物の頭は下がり、腹部の傷を押さえる腕をどけて。
人の精神の零れ落ちる隙間に介入するように、赤く開いた傷へと口づけた。
それを貴方が望むのならば。
化学の理解を超えて活性化した力は、人間という生き物を形作る情報へと介入を始める。
辛苦をそのままに、痛事を神経の上に置き去りにして。
ただ、"死"というひとつきりを、脳の中から吸い上げる。
それが、成ったならば。貴方は耐え難い痛みを感じながらも、指先まで血の漲るのを感じるだろう。
細胞は息を吹き返し、危険信号を体中に走らせ。生きている、と、貴方自身に訴えるのだ。
(L26) 2022/06/06(Mon) 19:56:14
公開: 2022/06/06(Mon) 19:30:00

【人】 トラジディ フカワ

>>28 >>30 古後 叶

「う、う゛ぅ、う〜〜〜〜ッ!!」

頭を抑えながら低く呻いて、
隈の濃い眼は力強く獣を睨み付ける。

どうして?何故?なんで?
相手にも、自分にも問いかけるような一片の迷い。
きっとその答えは全てが終わってからじゃないと分からない。

『さ
   わ 
るなああああああああああ゛ああああ゛!!!』


目を見開き、蹲り、唾液が零れる。
割れそうな頭を無理やり手で押さえつけるみたいに。

そうじゃないと、自分の能力の使い方に耐えられない。
脳に直接刻むような命令を聞いた獣は吠え苦しんで。

けれど勢いを止めず、がむしゃらな低い姿勢で正面、
会議室のある方向へと突っ込もうとしている───!!
(32) 2022/06/06(Mon) 19:58:01
カジヤマは、言っていた。「"生ゴミ"が言うことはよくわかりませんかねェ?」
(a52) 2022/06/06(Mon) 19:58:15


絶交のチャンスであったことは間違いない。
貴方のやったことに疑いを持ち、
肉体的にも、精神的にも強い彼を排除してしまえばきっと、
この先を行くに際し、大きなメリットを齎すのだから。

(だけど───)

我が身を案じて、率先して身体を張る者を害し、
殺めてしまうことの方が、より一層恐ろしいと思ってしまった。

能力を行使した獣の軌道は大きく逸れて、更に向こうへ。

『そっちに行ったら、マズい───』

一瞬のうちに零れた、焦りを孕んだ呟き。
仲間に対する指示も、外敵を排除しようという意思もない。
ましてや守ろうとしていた心も僅かばかり忘れて、

『オレの安らぎを壊さないでくれ』


今はただ、自分が呼び寄せてしまったが為に、
獣が成そうとしていることを、一番恐れている。

【人】 絶対専制君主制 コゴマ

>>30 >>31 >>32 深和 叶
貴方がたが逃げ去ろうと決めるまでの短い時間のうち、どれほど足止めが出来たか。
おそらくは叶がそうと決めて深和の腕をとりかけた時、
青年もまた考慮すべき材料が減ることに少しの安堵と、油断があったのだろう。

「っ、糞、」

振り抜いたパイプを引き戻したその隙だ。
獣は横をすり抜け、己よりも深和に腕を振り上げることを優先したのだろう。
追い越されることを止められなかった、それに焦燥を覚えながら。
反転、捻った体は獣を追いかけ、半ば突撃するような形でその背中を追う。
深和の雄叫びに呼応したか、どうか。追うものもそれこそ、獣のように。
青年はその体すべてをぶつけるように、溶け崩れた命の残骸へと、全体重と勢いを乗せた。

青年は尖ったパイプを人獣の心臓に突き刺し、歪んだ切っ先でぐるりと抉った。
果たして血の流れによって動き生きるものであるか、というのは定かではないが、
深々と体を縫い止めたそれは、生死はどうあれ動きを止めるには貢献したと思いたい。

「貴様の相手はっ、僕だ!」

血を浴びて、溶けた肉に体を食い込ませながら。
すんでのところで動きを止められたか、一撃が誰かに当たったかはわからない。
それでも、それ以上は進ませないという意思は確かにあった。
(33) 2022/06/06(Mon) 20:08:33
ナオアキは、おしゃべりがすき。
(a53) 2022/06/06(Mon) 20:41:07

【人】 跼蹐 カナイ

>>31 >>32 >>33 深和 古後

伸ばした手は空を切る。

その先に居る人はその場に跼り、
それを好機と捉えたのか生物として破綻した異形が迫り、
振り上げられた腕を阻止すべく、
大柄な青年が猛然と"それ"に突進し、
杭を打ち、声を張り上げる。

あっという間の出来事を、呆然と見ていた。

そうして一瞬の間隙が生まれ、止まった思考は恐怖を思い出す。

真に恐ろしいものから逃れるには、殺すしかない。


この場で最も恐ろしいものは────
(34) 2022/06/06(Mon) 20:46:26
カナイは、確かにその声を聞いた。
(a54) 2022/06/06(Mon) 20:46:42

【人】 跼蹐 カナイ

>>31 >>32 >>33 深和 古後

はたして、意を決し視線は再び間近の現実を直視する。
前方にある大きな背の間近、真に恐ろしいものを見る。
今はただ恐ろしいものへの恐怖ばかりが研ぎ澄まされて、──

あれを殺すには、"破片これ"では足りない。

「────こ、古後さんっ」

──ぴしり、微かな音がした。


「伏せて、っ早く!!!」


必死だったから、それはきっとばかみたいな力だったに違いない。
殆ど引き摺り倒すように動けそうにない深和を咄嗟に引き寄せて、
同時に切羽詰まった声が異様な空気を裂いた、その直後。
(35) 2022/06/06(Mon) 20:47:23

【人】 跼蹐 カナイ

>>31 >>32 >>33 深和 古後

──ぱん、とも、がしゃん、ともつかないような。

とうに生物としての正常な形を失ったものの真横。
そこから耳を劈くような、甲高く、凄まじい破壊音がして。
それと同時に、鋭利な破片が無数の凶器となって降り注いだ。

部屋の中から廊下を、廊下から部屋の中を窺える程度の窓。
特別大きくはない、けれど破片よりもずっと大きな板ガラス。
それが唐突に、独りでに、爆発でもしたのかと紛うほど、
瞬間的に内側からとんでもない圧力を掛けられたように。
そのように、あっという間に膨張し、破裂した。

警告したという事実の示す通り、狙いは深和でも古後でもない。
刃の雨の大部分を浴びる事になったのは、異形のはずだ。
(36) 2022/06/06(Mon) 20:48:42


「……ごめんな」

あなたはやっぱり優しいのだ。
青年はそう思った。
訴えを全て捨て去って好き勝手することだってできたのだ。
『意思』を尊重し、問い掛け、全てを理解することができなくとも。
あなたはそうしてくれた。

青年は弱い人間だ。
一つさえ取りこぼすことを自分に許せなくて、全てを失って、何かを抱きしめたくともからっぽの腕の中を独り抱えているだけの人間だった。
これはきっと強がりで、青年が自分自身に恰好をつけているに過ぎないのかもしれない。それでも。

「……ははっ、じゃあ神様の慈愛、断っちゃった……?
怒んないでよ、愛施。
俺から奪ったこと、忘れないで……」

やっぱり嘘。
耐えられないのなら、忘れてもいいよ。
俺がその分覚えてるから、いいよ。


腕はだらりと抵抗せずに落ち、傷はそこにある。
望み通りの口付けを受け入れて、そうして、
頭の中が全部痛みで塗りつぶされた。

跼蹐 カナイは、メモを貼った。
(a55) 2022/06/06(Mon) 20:50:45

「あ"、あ"っ"、お"ぇ"ッ……ぐ、う"〜〜……
か"っ、ぎ……ぉ"……」


涙がぼたぼた垂れる。
両の目が開く。

痛い。

 




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