秘密取得　ペノル
>>2:58

　闇は好きではない。
　夜はいい。ひとが愛を育む時間だ。
　けれど、闇は違う。
　じわりと心を蝕んで、自分の信念を揺らがせていく。
　
　なんて弱い。ひとと変わらない心だ。
　ひとがそうなのだから、当たり前なのかもしれないが。
　それなのに、それなのに？



　「和」の神。
　和とは何だろう。和睦。親和。融和。
　とても端的に言うのなら、仲良くなること。

　背後に立つ姿に、振り返らないまま声をかける。

「ねぇペノル。わたくし、思うのだわ。
　愛があっても、ひとは狂うの。
　愛があっても、ひとを縛り付けてしまうの。
　──愛があっても、平和には、ならないの」

　愛があるだけでは。愛だけでは。
　彼の願う「和」の世界にはなることなどできないはずで。
　そうしてきっと、背後の彼は。
　それを知っているはずではないのだろうか。

「……ペノル。
　あなたが望むのは、本当に「和」の世界であるのかしら」*

――澄んでいた。

ふわっと柔らかく弾む後頭部を見ながら、僕は後悔していた。
彼女が"ワタシ"に騙されてくれるなんて、なんて奢りだったのだろう。
心の内を、えぐられていく。
ざくざくと、硝子のスコップで。



そうだね。

もう、逃げ出したい。
耐えられない、偽っていることに。

早々に切り上げて、その場を辞するつもりだったんだよ。

でも

彼女が





こう言ったから。
僕は、白状しなければなくなってしまった。

「違うよ、サティ」



　表面上の和が保たれるなら、その内に騙を含んでいてもいい。
　それでいい。
　それがすべてだ。
　騙によって、世界は和を保つ。
　それでいいじゃないか……」

最後は、何故か彼女を詰める口調になった。

[**]

■サービスシーン
・ハプニング表
�A触手