人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


フィオレロ! 今日がお前の命日だ!


「………どうしていつも、こうなるんだか」

「今更な事だ。ああ、わかってたさ……」


「Sentite condoglianze」


──カシャン、軽くも重い金属音がまたひとつ。

「器用そうな顔してるのに」

なんて。雑踏に溶けるようにして、くすくすとちいさく喉が鳴る。
人混みの中にあっても長躯のあなたはよく目立つから、こちらからは見失う心配もないのだけれど。
小柄な少年は人波に流されそうにもなるものだから、つい、手が出たのだった。
屋台のそばへ寄れば、一層、香ばしさが鼻腔をくすぐる。
耳を楽しませるのは、肉の焼けるよい音。

「ん――」

迷うように、うろ、うろ。
看板に視線を這わせて。

「じゃあ……これにする」

ぴ、と指し示すのは、ウインナーの串。

――情報屋が、死んだ。

幾らかの情報を渡したのは、事実。
けれど、いずれも彼の命を縮めるものではなかった筈だ。

何故という疑問。



そして、それ以外の死者も。
それもノッテばかりに。
狙われている……?誰に?

何故という疑問。



ボスが倒れたのを契機にアルバが攻勢を強めている?
アルバにノッテの怒りが向かうよう仕向けている?

疑問、疑問、疑問。
分からないことだらけだ。

手を、引くべきだろうか。
いや、もっと早く引くべきだったのかもしれない。

Rrr...Rrr...

電話が鳴る。電話が鳴る。
電話に、手を――

マキアートは、空になったバーの前でふと立ち止まり。溜息を吐いた。
(a1) 2022/08/15(Mon) 0:17:50

【人】 害のない毒 マキアート

>>5 リカルド

L'abito non fa il monaco人は見かけによらぬものです

グラスを片手に薄く微笑む。

「心を砕いて、何とか場に溶け込もうとする。
 理由は何であれ、その苦心はとても尊いものですし、
 接していてつい好感を覚えるものでもあります」

「何も顔に出るものばかりじゃないんですよ。
 オレのような厄介な客と付き合うにしろ、
 あるいは不慣れな行事に参加するにしろ。

 切り捨てたり割り切ったりできない、悪く言えば甘さ、
 けれどオレからしてみれば───
         人として大事なものが貴方にはある」

マフィアに身をやつす上でも、
決して捨ててはいけない人情のようなもの。

それを説く男の表情は、無邪気なそれではある。
けれど眩しいものを見るような、慈しむような。

「こっちとしては接待じゃなくて、
 個人的な用事でも全く気にしないですよ!」

そちらが席を立つ前に口早に言って、
それからすれ違いざまの囁きを耳にする。
(12) 2022/08/15(Mon) 8:29:14

【人】 害のない毒 マキアート

>>5 リカルド

「───えっ!?リカルドさん、だめですよそんなッ
 オレたち取引先の関係じゃないですか……」


どんな解釈をしたのか、それともわざとなのか、
オーバーリアクションで赤面して頬を覆った。
そのせいで奇異の視線が飛び交う。はた迷惑。

「……ははは、ええ、“また”。
 何にせよ結局は……貴方次第だと思いますから。
 オレは変わりませんよ。これからも、ずっと」
(13) 2022/08/15(Mon) 8:30:23
うろうろと視線をさまよわせる様子をやはり笑みを浮かべて見ている。
たくさんのものから一つを選ぶというのは、簡単なようで難しい。どれがいいのか、何が決め手か、どうしてそう思ったのか。選択は経験の積み重ねだ。与えられるものを受け入れるだけでいては、些細なことも選び取れなくなる。

「ん、いいね。おいしそうだ」
「それだけでいいの? 君、放っておいたらすぐ食事を忘れるだろう」

彼女に聞いたのか、それとも個人的に知っているのか、そんなことを付け加えた。
上から見る項は細く、成長期の少年にしては肉が足りない。

少年は、選ぶことがあまり得意ではない。
これまであまり、選択肢を与えられてこなかったから。
けれど今は、そうではなくて。
だから、少しずつものを選ぶことを覚えている途上だ。

「……だって、ジェラートも食べるんだろ」

頼りなく薄い身体は、食の細さも影響している。
が、食べないとビアンカが怒るし、あなただってこうして気にする。
これもまた、意識を変えている途上のことだった。

「あんたはどうするの。
不器用だって言うなら、食べやすいのがいいよな」

と言って、どれがいいかわかるわけでもないけれど……。

会ったばかりの頃の君のことを覚えている。
今よりもっと人形のようで、痩せて色の悪い肌をしていた君のこと。それこそ捨てられた子猫のようでいたのだ。その頃から考えれば、随分よく育ったものだ、とは思うが。

「食べるけど……足りるかい。成長期だろ?」
「ああ、それともほかのものがいい? 向こうにパン屋が出張してるのを見たし、あっちにはスープが……」

何くれとお節介を言う男はまるで子煩悩な父親のようですらある。

「僕もソーセージにしようかな」
「もうひとつの……こっち。辛いんだって」

【人】 害のない毒 マキアート

【どこかのバー】 >>37 ヴィオレッタ

「奇遇だね、隣いいかな?」

あそこがいけないなら。
と、存在だけは知っていたバーに足を運んだところ。
目に入った見覚えのある姿に、思わず声をかける。

「Buona serata, ヴィー。
 ……良い夜とは言えないね。この頃は」

そちらが振り向けば少し居心地の悪そうな、
けれど安堵じみた笑みがそこにあるだろう。

それは慣れた場所、テリトリーを追いやられて心細さを抱く犬じみた表情のよう。垂れた耳さえ見えるようだ。
(41) 2022/08/16(Tue) 16:38:13

【人】 害のない毒 マキアート

【どこかのバー】

>>42 ヴィオレッタ

Certo.もちろん 元よりそのつもりだよ」

席に着き、微笑ましそうにその仕草を眺める。
あっという間に身を取り巻く環境は随分と変わってしまった。
その最中に些細ではあるけれど、
不変なものを見つられるのは嬉しいことだ。

適当な酒を頼んでは、沈黙が続かないように口を開く。

「本当は……これで最後にしよう、と、
 閉まってるアマラントに行こうかなと思ってたんだけどね。
 
 もう少しは前を向くべきだなって思ってここにしたんだ。
 あそこは今も好きだけど、仕事のしがらみ抜きに人に話しかけられることこそが、何より好きだったから」

またあんな居心地のいい場ができるかな。
難しいことがわかってるからこそ、望まずにはいられない。
(44) 2022/08/16(Tue) 18:33:16
棒切れのような手足をしていた頃に比べれば、今は随分と血色もいい。
こうして陽の下で見れば、夜な夜な街路に立っているとは想像もつかないふつうのこども。
だからそう、少年にとっては、既に身に余るほどなのだけれど。

「……あ〜、わかった。
じゃあ、スープも飲む。それでいいだろ」

根負けしたように言う。
触れられたわけではないのに、撫でられるときに似た、すこしくすぐったいような感覚。
ふるりと金色の髪を揺らして、屋台の主へ向き直る。

「辛いのって、大丈夫か?
まあ、食べらんなかったらおれのと替えればいいか……」

独り言ちるようにこぼして、店主へ注文を。
そうして、財布から自分の分を支払う。

【人】 害のない毒 マキアート

【どこかのバー】

>>50 ヴィオレッタ

謙遜するように首を振る。
確かに既に粗方割り切れてる男は、
そうでない者からすれば“凄い”のだろうが。

「前を向くのも、逃げるのも、
 どっちだって進もうとはしてるだろ?

 背景にあるものを考えるとさ、
 キミの方が健全なんじゃないかとさえ思うよ」

ひとつの死を乗り越えることは尊いばかりのものではない。
全ての人々が死に対し慣れてしまったら
その恐ろしさもいつか風化してしまうから。

「見たくないものに注視するのは、
 強さじゃなくて自傷行為か何かだ。

 無理しなくていいんだよ。
 ……オレだってさ、身近な人たちが平気だからいいけど、
 そうじゃなくなったらわからないよ?」

だから、ヴィーはそのままでいい。
普段なら虚勢のひとつ張っていた所だが、
状況も状況だ。切実な感情を並べよう。
(53) 2022/08/16(Tue) 20:30:00

【人】 害のない毒 マキアート

【どこかのバー】

>>57 ヴィオレッタ

「キミが悲しんでほしいならね」

心からの涙も、作り物の表情も、
そちらが望むなら見せるし、隠してもみせよう。
いつまでも勝負師の先達として手本でありたいから。

「そこまで想ってくれてるなんて嬉しいな……
 いいよ。何にせよオレは、
 ヴィーのやることを近くで見守るだけだから。
 
 気が済むまで泣いたらいい。
 仕事をするのは、気が向いたときでいいよ」

届けられた酒を口に含み、転がす。
こうして酒の肴の、話題にできる程度で終われるなら、
心の底からそうであってほしいと願った。

「……仕事が仕事だからね。
 どうしても、心の準備だけはしておかなければ、
 なんて言うけど。できて当然のものではないよな」
(69) 2022/08/17(Wed) 9:24:45
マキアートは、「この薬はダメだよ。債務者に使うには高価すぎるから」
(a33) 2022/08/17(Wed) 18:36:02

マキアートは、「この薬もダメだよ。すぐに内臓がダメになって、売れなくなっちゃう」
(a34) 2022/08/17(Wed) 18:36:24

マキアートは、「ダメダメ言い過ぎかな?ごめんね」と謝りながら、カメラを持った。
(a35) 2022/08/17(Wed) 18:36:57


僻地の廃倉庫。
今日もがらんとしたその場所に響くのは、
やはり小さく無機質な音だけだ。

手入れを終えた『仕事』の道具を元の場所へと戻す。
明らかに通常業務の範疇を逸脱したその仕事を引き受けたのは、
一言で言えばただ、断る理由が無かったから。

飾り気の無いランタンの明るすぎない灯りの下、
懐中時計の針でその時が来た事を確かめて。

そうして今日もまた、廃倉庫は静けさに包まれる。

マキアートは、作り笑いをせずに済んでほしい。ほしいのだ。
(a41) 2022/08/17(Wed) 20:32:01

【人】 害のない毒 マキアート

【どこかのバー】

>>78 ヴィオレッタ

「へえ?構わないよ」

二つ返事で快諾する。
可愛い後輩の悩みや願いを聞き届けるのは当然の責務。
そこにひとつまみ、見栄を張りたくなるのは男の性だ。

故にここでは一日の長を存分に振り回させてもらおう。

「キミは……昔より随分巧くなったからね。
 成長を喜ぶのも、爪の甘さを先輩として微笑むのも、
 どちらも今から楽しみにしておくよ」

一世一代の大勝負、なんて。
待ち遠しく思うけど、直ぐ執り行いたいものでもない。

──全部、“Se”もしもの話だ。
なった時に笑う準備だけしてたらいいんだろう。

今もその時も、作り笑いだと思われてないといいのだが。
(79) 2022/08/17(Wed) 20:50:27
 




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