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人狼物語 三日月国


175 【ペアソロRP】爽秋の候 【R18G】

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【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス

 
[どうしたら彼女の苦しみ哀しみを
 取り除いてやれるんだろう。
 全部引き受けて、あったけぇ羽毛みたいな
 幸福感だけで包んでやりてぇのにさ。]
 
(24) 2022/09/23(Fri) 10:43:16

【人】 狩人 エドゥアルト・レイフェルス

 
[────あーあ。
    俺がアスベルだったなら、よかったのによ……。*]
 
(25) 2022/09/23(Fri) 10:43:44
――回想:夜が明けてからと赤い眼の彼の話――
 
 
[ あの夜、たった一晩で
 わたしの知る世界は変わってしまった。 ]
 
 

[ 突如発生した局地的な地震と、 それによって発生した大規模な土砂崩れによって 一つの集落が丸ごと飲み込まれた。
 そこに暮らしていた住民たちも全員死亡したと世間ではそう伝えられている。

 父も、母も、兄たちも。
 ……わたしの知る人たちも、皆、いなくなった。
 先生たちに助けられた後、運び込まれた病院でそのことを知らされた。


 そのとき直接先生たちから聞かされたことはそれほど多くない。
 だから、なのかな。
 自分でも不思議なくらい、悲しい気持ちはなかった。
 ……ただ、あまりにも現実味がなくて。

 壁も床も天井も、何もかも真っ白な知らない病室にただ一人。
 退院するその日までただただ抜け殻みたいに過ごしてた。 ]

[ 退院した後、わたしは先生たちに引き取られて。
 そこで、わたしの知らなかった飛鳥井村のことを知らされた。

 飛鳥井村があった山の地下深くには、人の世と人ならざる者たちの世を繋げる『幽冥門』という特別な呪物があり、それを封じるために渡守の一族のなかでも 結界術に長けた者たちによって『門』の封印と守護が行われていたこと。

 『門』を封じる結界を維持するために、渡守の一族は『神』と呼ばれる存在の力を『門』の封印に代々利用していたこと。

 そして、あの夜。
 あのときの地震は『門』を奪うために何者かが人為的に起こしたものだということ。

 あの地震によって封印が弱まったことで邪気が周辺に溢れ出し、地震以外にも大きな災厄として近隣に大きな被害を齎したこと。

 ―――…何もかもが初めての話で、そして小さなわたしには何よりとても難しくて。
ただ、困惑しながら話を聞いていた。 ]

[ それからもうひとつ。 ]


  ……あの子は、神様はどうしたの?


[ 『門』を封印するために彼は利用されていて、その『門』が奪われてしまったというのなら。
 彼が今もあそこに封印されたままでいる理由はないはず。

 そう思って、彼について聞いたところで。]


 『あーそれなんだけどね。
 こっちもちゃんと話しておかないとなぁ』


[ そういうと先生はぽんぽんと軽く手を叩いてみせた。
 まるで何かを呼びよせるように。

 そうして次の瞬間、何もなかったはずのその場所に知らない男の子が一人、空間に滲むようにして現れた。 ]
 

 

 ……。

[ なんやかんやあって数十分後。
 先生の家の縁側に、わたしとその子はふたりきりで座り込んでいた。 ]


 ……ねぇ。

 ほんとうに、きみ、あのときの子なの?


[ 問いかければ、こくんと無言で頷くのが見えた。 ]


 先生から聞いたけど、
 …あんまり姿がちがうから、びっくりしちゃったよ。


[ 彼が目の前に現れた後、先生から聞かされた話。
 あの夜、わたしを助けようとして逆に自分自身の瘴気でわたしを殺しそうになってしまったこと。
 それを助けるために、私と彼のあいだで式としての仮契約を結んだこと。

 いろいろ事後承諾なのは、ちょっと気にかかるけど。 ]


 ……ごめんなさい。


[ まずは、謝らないといけない。
 縁側に座ったまま、深く頭を下げて謝罪の言葉を口にする。

 あの夜、自分は祟り神だとあの子は言っていた。
 渡守の家が封じ、代々利用してきた『神様』がこの子だとして。
 …自分のことを祟り神だと名乗るくらい、わたしの家や故郷の人たちは彼にたくさん辛い想いをさせてきた。
 わたしは、何も知らないまま安穏と故郷で過ごしてきた。
 そういうことなんだと思う。 ]



 あのね。
 先生が、おうちにおいでって言ってくれたんだ。
 先生本人は忙しいみたいだけど、
 おうちには奥さんもいるから平気だって。


[ そ、と。
 彼の前に手を差し伸べて。 ]


 ちゃんと契約して、わたしのそばにいてほしい。
 わたし、退魔の才能はないっていろんな人たちから言われてるけど。


 これからも君と一緒にいられるくらいに、
 わたし、強くなりたいな。


[ そして。 ]


 いろんな世界を一緒にみていこう?
 わたしも、あなたもきっと飛鳥井の狭い世界しか知らないから。


[ わたしは、故郷のことを何も知らなかった。
 わたしたちが暮らす村の仕組みも、
 わたしたちの一族が何を守って来たかも。
 そのために何を犠牲にしてきたかも。

 そしてなにより。
 あの真っ暗な世界でどれだけ長い時間、過ごしてきたかわからない彼に。
 温かくて眩しくて、優しい世界を、たくさん…たくさん見せてあげたい。

 ―――それが、今のわたしの夢。 ] 


 だから、えっと……。


[ ほんの数十分前。
 「彼と本契約を結ぶには、彼に名前をつけてあげること」
 「そうすれば晴れて君と彼は術師と式神としての
 パートナー契約が成立する」
 先生に言われて、一生懸命考えたけれど
 …自分の名前の付け方がいいのか、ちょっと自信がない。 ]


 ―――…シンシャ
 辰沙。それが、君の名前。


[ 深く、一度深呼吸をしたあとに、わたしの式神としての彼の名前を口にする。
 
 以前、兄が持っていた鉱物図鑑にあった石の名前。

 かつて『賢者の石』とも『竜の血』とも呼ばれ、丹や水銀の原料にもなった、赤い石。
 その図鑑に載っていた鉱物の、深い綺麗な赤色が彼の瞳の色に重なってみえたものだから。 ]



 ―――よろしくね、辰沙。**

 

 
[ 秘密にされたことは
 ショックでないと言えば嘘になるけど
 どうしようもなかったのも事実だった。]

 怒ったり妬んだりする気持ちもなかった。
 出し抜かれた、なんて思いもしなかった。

 それに、二人の幸せそうな表情を見て


  “ああ、私じゃ勝てない。無理だ。”


 最初から土俵にすら上がれていなかった、
 と、即悟ってしまったから。]

 

 
[ でも。

 私かセシリー。どちらが先に
 恋心が芽生えていたのかは分からないけど

 もし、私がもっと早くに
 アスベルに想いを伝えていれば。

 もし、私が先に告白したとしても。
 良い返事を貰えていたとしても。

 ──セシリーと出会った段階で
 想いはあの子に向いていくんだろうな、って。

 恋が散った感情は、マイナスの方にばかり向いていく。]

 

【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム

 
[ 泣き顔を見られたくないから、下を向く。
 エドゥの表情は見えないまま
 優しい声だけが聞こえてくる。>>22]


  
……ち、……が……。



[ 違う、大丈夫。すぐに元気になるから。
 
──ううん、きっと暫くは無理。


 既に言葉にはならず、ただ泣きじゃくるだけ。
 周囲を見ようともしなかったけど
 エドゥは、まだ近くに居てくれているのだろう。
 
 
 一人になりたい思いと、
 傍に居てくれて嬉しい想い。

 二つの相反する感情が、胸の中を駆け回る。]

 
(26) 2022/09/23(Fri) 21:08:51

【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム

 
[ 静かな庭に、傷心を掠る冷たい風が吹きつける。
 橙の空が、色と気温を落とし始めてきた。

 ──と同時に、露出した肩に布の温もりが降りかかる。
 エドゥの上着だとは察せた。]



 ( あたたかい……。

  でも、そんなことしたら
  エドゥの方が寒いでしょう。

  いいの、私はもうすぐ戻るから。
  貴方は、アスベル達を祝福に行って……。)




[ と思っている間に、腕が背に回ったと思えば
 人の温もりが、全身を覆っていた。 ]
 
(27) 2022/09/23(Fri) 21:09:18

【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム

 
  
…………エ、ドゥ……?



[ 私を抱き締めている人の名を、呼ぶ。

 背に掛かる上着の、抱き締める腕の
 頭が埋まった胸元の温もりが
 
 ────あまりにも優しくて。]
 
(28) 2022/09/23(Fri) 21:09:21
 
 [ やめて、そんな優しい言葉
  ますます泣いてしまう。


  
──── やめないで。ひとりにしないで。



  やめて、仲間の幸せも喜べない
  醜い私に構わないで。


  
──── やめないで。
       その言葉が……
嬉しいの
 ]

 

【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム

 
[ 腕を彼の背に回す。

 憐れまれてもいい。
 鬱陶しがられてもいい。

 でも、このぬくもりが離れていくことが、怖かった。
 今はただ、一人になりたくなかった。]

 
(29) 2022/09/23(Fri) 21:11:50

【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム

 
[ 嗚咽を漏らし、泣き続けること数分。
 ずっとこのままで居られることは出来ない。

 ぐしゃぐしゃになった顔を上げ、エドゥの方を見る。
 酷い見せるのは、勿論恥ずかしいけど
 ずっと私に付き合ってくれたのだから
 向き合わないと失礼になる。]


  ────……ごめん、ね……。


[ 碌に言葉も出て来ない。
 もっと他に言うべきことはあるのに。

 見上げた空は、丁度マジックアワーの時間帯。
 息を呑む程に美しい光景に、言葉を忘れ
 しばらく見入っていた。

 
 夕陽と同様、もっと気分の良い時に見たかったけど
 同時に、私のちっぽけさを、改めて感じてしまう。
 気分を損じたのは自分自身のせいなのだから、と
]
 
(30) 2022/09/23(Fri) 21:17:15

【人】 騎士 ヘンリエッタ・ストゥディウム

 
  もうすぐ、ディナーよ……行っておいで。

  私は、体調が悪くて、寝てる、って

  ……ごめんなさい、って
  伝えておいて……。
  

[ 私はこの顔で、この状態で
 とても参加できる気はしなかったけど
 いつまでも付き合わせる訳にはいかない。

 一人になりたい訳では無い。
 でも、優しいエドゥの時間を
 ずっと拘束する訳にもいかない。
 それにアスとセシリーも、心配しているだろう。]


  ありがとう……。
  暖かかった、居てくれて、嬉しかった……。 


[ 掛かったままの上着を返し、彼の背に掛ける。
 
 闇を帯び、消え入る寸前のマジックアワーの光が
 潤んだままの瞳をきらりと照らした。**]
 
(31) 2022/09/23(Fri) 21:17:19
[ 自分はヒーローじゃないって、
 そんなことをいうけれど。

 でも、わたしにとって辰沙は、
 あの夜、小さかったわたしを助けてくれた彼は、
 わたしにとっての一人のヒーローなんだ。

 それは今も、変わらない。]

[ だから、そんなことを言わないでよ

 いつか、わたしの手の届かない、
 遠いところへ行ってしまいそうで。
 わたしは、それがとても怖い。 ]


 …もう。


[ それでも。
 普段滅多に見ないような顔で微笑まれて、
 約束、なんて言われてしまえば
 つられて、わたしも表情が緩む。 ]


 
 …うん。約束よ。


[ 溢れる涙は、まだ少し止まる気配を見せないけれど
 それでもどうにか片方の掌でそれを拭うと、
 反対側の手の小指を、微笑む彼の目の前にを差し出す。
 
 当たり前の日常なんてものが
 いざというとき驚くほどあっさりと
 脆く崩れてしまうことを知っているから。

 少しでも、言の葉で縛っておきたくなる。 ]


 …じゃあ、気を取り直して。
 お昼ご飯、何にする?
 わたしはカルボナーラがいいかなって思うの。


[ にこ、と表情を崩してみせれば。
 さっき小指を絡ませたときよりも不器用な
 微笑みが返ってくるかしら。 ]


[ ―――それから、その日は考え着く限り休日を満喫した。

 カフェで遅めの昼食を食べた後、書店の中を一通り見て回る。
 絵本や児童書の棚の近くを通りかかったときは
 平積みされた絵本にふと懐かしい気持ちになった。

 まだ、出逢ってまもない頃、
 「本を読んだことはない」「文字も読めない」と
 彼女に告げたところ、さっそく毎日のように
 彼女の読み聞かせが始まった。

 幼児向けの絵本から小学校の教科書、
 やや分厚めの児童書から文庫本までなんでも。
 一生懸命読んでくれたし、文字の書き方も教わった。 

 思えば、彼女は末っ子で、しかも兄たちとは
 比較されてばかりだったと聞いているから。
 …お姉さんぶりたかったのだろうかと、今は思う。]

[ それから、レシピ本のコーナーで暫く足止めを食らった。
 最近彼女はお菓子作りに凝るようになってきた。
 とはいえ生来大雑把なところがあるので、計量がそれほど難しくなく、
かつ工程が簡単なものが彼女としては理想のようだ。

 よく動画サイトをチェックして、気になったもの、気に入ったものを
 積極的に作っている。

 …彼女の作る食べ物は実際美味しいし、
 美味しいと伝えると喜んでくれるので。
 もっと、正直に伝えられるようにならないと。

 「これとかどう?食べたい?」と
 傍らにいるとよく聞かれて居心地が悪いので、
 それとなく距離をとって見守る。

 彼女が本を選んでいるあいだ、近くにあった
 フリーペーパーを手に取って暇つぶしに眺める。
 途中、冊子の片隅に書かれていた
 『SRNK彗星が地球に最接近!千年に一度の天文ショー!』
 と書かれた記事にはほんの一瞬眉を動かしたけれど。

 (4)(5)(15)(8)(11)5d15分後、お目当ての本を見つけたようで
 こちらへ手を振ってかけてきたので再び合流することにする。 ]

[ それから、シアター近くのゲームセンターで
 暫くクレーンゲームに没頭する理音に付き合った。

 彼女のお目当ては、何かのアニメのキャラクターらしい。
 赤い眼をした白兎。
 特に表情のないただのぬいぐるみのはずなのに、
 なんだか妙におちゃらけた印象があるのは、なぜだろう? ]
 
 
 ……、もう、諦めたら?
 
 
[ 既に千円分、このゲームに注ぎ込んでいる。
 これはもうご縁がないということなんだろうけど。


 …どうしてもほしいと言い張る彼女に、
 小さくため息を吐いてから]


 …ぼくがやる。やらせて。
 
 
[ 基本的な操作方法を教えてもらってから、
 ボタンに手をかける。
 ―――本当はよくないけれど、ごめんね。
 彼女の月々のお小遣いの額を知っている身としては
 このまま続けられるのはいろいろ障りがある。 ]

[ それから数分後。
 件の白兎と、ついでに薄紫の瞳の黒猫を手に入れて
 上機嫌の彼女だった彼女は、運良く座れたバスの座席で
 すやすやと穏やかな寝息を立てていた。
 白黒二匹のぬいぐるみを抱きしめたまま、
 僕の肩に無防備に頭を預けて眠る彼女の横顔に
 ふふ、と口許が柔らかくなる。
  
 時刻は既に夕方。
 空の色はすっかり、茜色に変わっていた。
 最初こそ十人ほど人が乗っていたバスは、
 大通りを過ぎてから急速に乗客を減らし、
 新興の住宅地を過ぎた頃には
 僕ら以外の客はすっかりいなくなっていた。

 彼女からいったん視線を外すと、
 ふと何気なく窓の方へ目を向ける。
 学校方面へと緩やかに坂を上るバスから見えるのは
 黄昏に色づく賑やかな街の風景。 ]

 




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