[こそり、こそり…。お布団お化けが忍び寄る
眠る相手にそぉっとお布団を上からかけて
もそもそ隣に潜り込んだ。

乗っからないで背中にぴっとりとくっついて
自分の高めの体温が伝わるように。
これなら重たくないだろうって布団の中でドヤ顔。

重たいのはだめ。いっこかしこくなった。



いっこかしこくなったぼくはもう知ってる。
重たいのはだめだ。
だからこれは、要らないおはなし。]

私たちのハロウィンはこれからだ…！

幸せかぁ……
うんうんなるほどなぁ。ほんとループレヒトの考え方ってステキだよね。憧れちゃう
受け取る側でいい？でもあげる側もやりたいからループレヒトにプレゼント用意しておくね！
欲しいもの……は、誰かが私のためってくれたものなら、それでじゅーぶん、だよ。

[顔が崩れてそうでちょっと恥ずかしかった。緩んだ顔をもどしもどし]

恥ずかしがらなくていいじゃない？溺れさせるのは…気にしなくてもいいじゃない？今を生きる魔法だってあるもの
……！うん！思いっきり楽しむ！

[もいっこ、とトリュフをつまんだ。そのおいしさはこの賑わうハロウィンの空気も含めての美味しさだと気付いて…ちょっとだけ過去の自分を恥じた]

ちびっこだって遊びまわった後は電池が切れたようにねむるーって言うじゃない？
どういたしまして！…このレモンケーキはループレヒトが食べなよ
レモンはね、疲れによく効くって聞いたからきっとその方がいいよ〜
[いつもみたいにがっつこうとする気持ちを抑えて、ケーキの乗ったお皿を押し返した]

のびたくんがおばけだったらのびたのばいおはざーどじゃん（？）
布は一応上着なんだけどね…汎用性高くてつい……。

瞼さん仕事して〜〜

[だがしかし！姿は丸見えである！！
くるりと振り向いて冷めた目で見つめた]

……。
ふぅん。

[音が成れば子が怯えて、戒律の象徴ですらありながら、気楽。それはそれでどうなんだと思うのは完全に余計な世話だろうけど。
下がった頭に掌を当てて、思いっきり押し返した]

わかんないよ。必要かそうでないかなんて。
おとぎばなしがいろんな解釈を持つのと同じように、それが正しいかどうか、おれにだってわかんない。

……でも、きちんと型でぬいた怖さなら
それが欲しいって思うならって、口にするだけだ。

[その味だって知らないのなら、あとは見るものに任せるだけだと子供は吐いて。
もういいよ、この話、と外方を向いた]

なんか……いや、いや、卵が先かみたいな話になっちゃうな。

[そういえば、信じてたな、サンタ。と。今更ながらに思い出す。それが目の前にいるとわかっても、歓喜の声を上げるほどにはもう子供じゃないんだけど。
だって、どちらかといえば先生だ。ややこしい言葉を並べてゆっくり噛み砕いてくれる。膝を折らない先生。そう見えた。

順繰りに立てられた指が、いち、にい、さん、し。
それから……同じ量のお菓子が並ぶ。
ご褒美と祝福の名を借りた呪いに、思わず口を噤んだ]

……願いで。それからどうなるかは、
そうだな、知ったこっちゃないね。

[悪意を込めてない言葉を纏い、そっと両手でそれらを受け取ると、
……そのまま全てをポケットに入れた。]

[いつもは布だけなのに今日は布団がかかってる。
それだけじゃなくて、背中が温い。

おやおや？
不思議だなぁ、なんて呑気に思うはずもなく。
くるっと反対側を見てくっつく物体を確認した]

……うん、これはたしかに重たくないね。

[乗っかられるのが嫌な訳じゃないけれど、
こっちの方がいいやってもぞもぞ。
もっとこの湯たんぽを堪能してやろうと
抱き枕の如く抱き締めてもう1回おやすみなさい]

無為を救いにできるくらいには、
きっともう、おれは子供じゃないよ。

[おかえしに手の上に置いたのは、石。……に絵の具を乗せた、カボチャの形のオーナメント。こちらはふたっつあるものの両方を乗っけた]

……頑張ってみる、
取り急ぎ、あったかくしてゆっくり眠れるように。

[もぞもぞしてるから起きてるって気付いてる筈だ。
それでも抱き締めてくれることが
傍に居てもいいって許しみたいに都合よく感じて
じんわり視界が歪むから、そのまま顔を上げることなく
腕の中にすっぽりと大人しく納まった。

重たくなければ、間違えなければ
こんな幸せな気持ちになれるのなら
このままでいいやってごちゃごちゃしてる気持ちを
要らない言葉みたいにごくんと呑み込んで
伸ばし掛けた手を引っ込める。

あったかくて、きもちよくて、しあわせなのに。
なんかすごくくるしい。

………へんなの。]