人狼物語 三日月国


73 【誰歓突発RP】私設圖書館 うつぎ 其漆【R18】

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【雲】 西園寺 飛鳥


[───超えたら、嫌われない?

 だから、言えないの。
 さっきみたいに、

 その別れの言葉が、何を意味してるのか、
 私にはわからないから。]



   ……………うん、ありがとう


[沈黙が続きそうだったから、
 わたしもお礼を言って、笑いかけた。
 だけどもう一歩、踏み出せなくて、
 そのまま、家に送り届けてもらうだろう。]

 
(D9) 2021/05/25(Tue) 20:20:45

【雲】 西園寺 飛鳥


[西園寺の表札がかかった木製の大きな門が迎える。
 バイクから降りて、ヘルメットを外して、置いて、
 もう一度お礼を言って、見送らないと、
 いけないって───わかってるのに。

 だけど、やっぱり寂しくて。
 
 門の方には回れなくて、彼の服の裾を掴んで、
 少しだけ引っ張った。
 …それから、もう一度、引っ張った。

 唇を結んで、開いて、詰まって、飲み込んで]

 
(D10) 2021/05/25(Tue) 20:21:05

【雲】 西園寺 飛鳥




    ───ひとつだけ、聞いてもいい?


[そう尋ねたら、そちらを見つめて。]


   我慢、できないってどういうこと?


[ぎゅ、と掴んでいた裾を握って]

 
(D11) 2021/05/25(Tue) 20:21:25

【秘】 西園寺 飛鳥 → 『伽藍堂』 江戸川 颯介




   ………わたしは、颯介さんが、好きだよ


[ゆらゆら揺れる瞳で、伝えた。
 聞きたいことはW1つWだけ。
 これには、答えなくていいよって意味をこめて。]*

 
 
(-8) 2021/05/25(Tue) 20:22:18

【人】 絵描き ルナリア

 
 
  画商の彼は少しの間、
  黙って私のことを見つめていた。
  けれどすい、と目線を窓に移すと、
  あーとかうーとか不明瞭な音を吐き出す。
  
  首を傾げてその様子を見つめていれば、
  ちらりとこちらを見た彼。

  そうして、内緒話をするように
  低音の声をそっと部屋に響かせる。


   『 そいつは、恋煩いだな? 』
 
(0) 2021/05/25(Tue) 21:47:12

【人】 絵描き ルナリア



  ……私は、その言葉を聞いても
  すぐには理解出来なかった。
  余りにも、自分と縁の遠い言葉だったから。

  オウム返しに繰り返して、繰り返して。
  少しづつ頭の中にその言葉を浸透させようとして。


   「 恋煩い? 」


  今度の繰り返しは、私が? という意味。
  彼は理解したのか、そうだと言うように頷いた。
 
(1) 2021/05/25(Tue) 21:47:34

【人】 絵描き ルナリア


  
  ───

     私はあの人に、恋をしているのだろうか。

  内容を理解したからか、
  その後はなにも言及しないまま
  画商の彼は帰って行った。

  私はひとり、珍しく絵に向き合わないまま
  ぼんやりと座って虚空を見つめている。
 
(2) 2021/05/25(Tue) 21:47:56

【人】 絵描き ルナリア

  

  恋、なんてしたことがないから。
  正しく恋なのかもわからなければ
  どうしたらいいのかもわからない。

  肝心な時に彼はいないし、
  絵を描く気にもなれやしなくて。



  ……コップを握って、水を飲む。
  ぱちり、と琥珀の目を瞬く。

  私は椅子から立ち上がれば
  鞄を持って、外に出ることにした。**
 
(3) 2021/05/25(Tue) 21:51:32

【雲】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

[イタリアンに入ると隣の席には
 何処かぎこちない男女がいて
 何となく、見合いか何かかな、って。
 他人行儀な距離感と話題、
 それでも何とか話題を出しては
 笑い合おうとする、奇妙な空気。

 名前だけ普段と違うけれど
 きっと傍目には其方の席と
 同じ空気に見えたかもしれない。

 最近ハマったコンビニスイーツとか
 欲しいコスメとか、友達の話とか
 たくさん、知りたいことは知れたけど
 そういうのじゃない、
 俺はまだ、核心に触れようとしてない。

 取り繕っておしゃべりしても
 ダメ、なんだ。言わなくちゃ。]
(D12) 2021/05/25(Tue) 22:14:47

【雲】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

[そうして提案したデートの引き伸ばしにも
 却下が下りてしまえば
 これで本当にデートのおしまいが
 すぐそこにきてしまう。

 …………いいや、きっと俺が一言
 も少し一緒にいさせてくれ、って
 素直に口にすれば良かった。

 じわり、じわり、後悔が押し寄せる。
 最後に冷やを一口、苦い想いを
 喉の奥に流し込んだら、席を立とうか。


 結局、またあの重苦しい感じのする
 綺麗に剪定された松の前に辿り着くまで
 俺は自分から切り出せない。]
(D13) 2021/05/25(Tue) 22:15:10

【雲】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

[門に向かおうとする背が
 控えめにぎゅ、と引かれて
 俺は素直に立ち止まる。

 くる、と振り向くと飛鳥の唇が
 開いて、閉じて、やがて問う。]


  ─────それは、


[我慢、ってなんのことだ、なんて
 すっとぼけるのは、無しだ。

 ─────だって、飛鳥は待ってる。
 俺が言葉にしなかった先の言葉を
 いつもみたいに、
 でもいつもより揺らぐ瞳で、紡いで。]


  …………飛鳥に、言わせたくなかったのに
  どうにも臆病で、我ながら情けねェや。


[ぼりぼりと、ヘルメットに蒸れた旋毛を掻いて
 唇だけ、笑みを形作ってみせた。
 イタリアンにいたカップル未満の二人みたいに
 間を埋めるだけの空虚な笑みだった。
 そう気付いたら、首を横に振って。]
(D14) 2021/05/25(Tue) 22:15:42

【秘】 『伽藍堂』 江戸川 颯介 → 西園寺 飛鳥


  ……あんたが店に来ると、
  パッと店に花が咲いたようで
  いつも、来るのを待ってた。


[握られたシャツを解いて
 もう一度、恐る恐る腕を伸ばそうか。
 腕の中に迎え入れたら、また心中を零す。]


  でも、こんなオッサンよりいいヤツがいる、
  きっと幸せになれる立派なお嬢さんを
  俺なんかのところに来させちゃ可哀想だ。
  ……そう思って、遠ざけてきたけど

  でも、今は、今日という日が終わるのが怖くて
  もっと飛鳥のそばに居たい、
  許されるなら、あんたが欲しい。

  ……そう、思っちまった。


[綺麗な髪を梳いて、毛先を拳の中に握り込む。
 そのままその拳へ口付けると
 咥内に飛鳥の髪の匂いが広がった。
 でも、やっぱり足りない。
 風に晒された髪は、冷たかった。]
(-9) 2021/05/25(Tue) 22:16:41

【秘】 『伽藍堂』 江戸川 颯介 → 西園寺 飛鳥

[顔を見る勇気がなくて
 俺は抱きしめまま、問う。]


  俺は、あんたに口付けても、いいのか。


[それが許されるのか、やっぱり自信はなくて
 待てをする犬みたく、合図を待って。

 もし許されるのなら
 震える唇を、赤いそこへと落とそうか。
 肌先を掠めるだけの、
 溜めのわりには軽いキスを。

 口を離す頃には、俺の唇は
 飛鳥と口付けた証拠の赤に塗られていたか。]*
(-10) 2021/05/25(Tue) 22:17:12

【人】 ぷにぷに グレザン

[ 初めて見る“にげん”の共通点を探すのは苦労したが、友人>>2:34の言うように、ぷにぷにたちのような形の多様性まではないようだった。

 例えばねこは、黒や白や茶色やしましまといった色や模様があるだけじゃない。もふもふの量がたくさんで長かったり、顔がぺたんこだったり、しっぽがとても短かったり。同じねこはねこでも、もっと細かく分かれている。とりもおんなじだ。
 もしかすると、“にげん”も種類がいろいろあるのかもしれない。なんて奥が深いんだ。さすが伝説の生き物。

 先っぽの数を調べたり、出っ張りの色や形をじっくり眺める。穴はあまりにも多すぎてちょっと困った。丸と先っぽはだいたい同じなのに、色違い>>2:35まである。ねこも色が違う子がいるし多分そういうやつだろう。]
(4) 2021/05/26(Wed) 7:14:50

【人】 にげん? グレザン

[ たくさんの観察を終えて、ようやく変化を試した。
 ぴょんこぴょんこ跳ねて喜んでくれる友人の評価>>2:36になんだかくすぐったい気持ちになる。ふふんと笑うと“にげん”の口が上がった。]


 最初に見た“にげん”は、出っぱりがあっただろう。
 なかまだと思ってもらえるように、つけてみた。

 おお、ここの穴か。わすれていた。
 こっちは二つ、こっちは一つずつ……
 ん? 場所がずれてるか?
 ううむ、これぐらい?


[ 友人の観察眼はたしかだ。ぴょんぴょん跳ねてぐるりと一周、二周と入念にチェックしてもらって、完成度はぐっと上がったようだ。
 かんぺき>>2:37の言葉とほっぺたをくっつける仕草に嬉しくなる。上の二本を使って友人を寄せ、友人より硬めのほっぺたでこちらからもぷにっとしておいた。この弾力が正しいのかどうかは、お店に入ったら分かるだろうか。]
(5) 2021/05/26(Wed) 7:15:18

【人】 にげん? グレザン


 よし、がんばれ。
 む、むせるな、ゆっくり、ゆっくり吸ってはこう。


[ 自分の変化を終えて、次は友人>>2:38の番だ。
 ぺたんと地面に座って見ていると、力を込めた体がぷうっと膨れていく。、やがて形作られていくのは、同じような量のもふもふを持つ、出っ張りなしの、先っぽの色違いの“にげん”だった。]


 おおお……!
 すごい、“にげん”じゃないか!

 よし、チェックだ。
 ふぅん……うーむ……

 お、こっちの先っぽの数がおおい。
 それから、ここはー、もうちょっと右だな。


[ 上の二本をぱたぱたと揺らして興奮を示す。似てはいるが、自分とも、店の中の生き物ともきちんと違う形だ。これが友人の“おりじなりてぃ”>>2:34。素晴らしい出来だ。
 不安定な二本で立ち上がると、歩く練習もかねて友人の“にげん”を見ていく。メモと見比べつつ、本数の違いや細かい調整をいくつかしていけば、ぐぐっと完成度は高まった。]
(6) 2021/05/26(Wed) 7:15:47

【人】 にげん? グレザン


 よぉし。ばっちりだ。
 これなら店の中にいても、おかしくない出来だろう。


[ 満足気に頷く。友人はいつものようにぴょんこと跳ねる。
 しかし、今必要なのは歩き方だ。しかし、二本の動かし方に慣れていない友人は、離れるままに沈んでいってしまう。おお。]


 むずかしいかもしれない……

 まずは、そうだな……
 片方ずつ、前に出す練習をしよう。

 前に出す時に、こけそうになるから、
 それを止めるみたいに、もう一本を出して……

 ……説明も、むずかしいな……?


[ 壁にもたれながら一歩ずつの練習。さっきの友人観察で多少コツをつ感だから、それを教えようとはしたが、いざ言葉にしようとするとなかなかに難しいことだった。

 それでもなんとか、ふらつく友人と一緒に歩いてみる。段々とスムーズに前に出るようになると壁から離れ、自分が友人の上の二本をつかんで、いち、に、と声をかけながら進んでもらう。何度かふたりでころんと転がってしまったが、十をこえるまでには友人もバランスを体得したようだ。

 とんとんと歩く姿は友人の頑張りの結晶だ。えらい、すごい、と誉めたたえ、傍に近寄ってほっぺたをくっつける。今度は同じぐらいの硬めのぷにり。ふたりで喜びを分け合った。]
(7) 2021/05/26(Wed) 7:16:20

【人】 にげん? グレザン

[ これで、あの店に突入する準備は整った。自分たちをさえぎるものは何もない、はずだ。
 友人と顔を合わせる。上の部分をこくんと揺らしあった。]


 よし。では、行こう。
 “にげん”の図書館、“うつぎ”へ!


[ 体の半分ぐらいの高さになった扉の取っ手に、一本を引っかける。ギイと鳴る扉を開け、店の中へと踏み入れた。]
(8) 2021/05/26(Wed) 7:16:36

【人】 にげん? グレザン

― 店内 ―

[ 柔らかな明かりに包まれた店内は、なんとも“丁度いい”大きさになっていた。不思議な音楽と匂いはどこからするのだろう。コツコツは? きょろきょろと見回すと、さっきみたいに声>>0:1が聞こえた。どきどきしながらそちらを見る。

 最初の時はほとんど頭に入ってなかったが、やはり自分たちでも分かる言葉だ。
 出ていけ、とは言われなかった。ちゃんと“にげん”に見えているのだろうか。そわそわと落ち着かないのを隠すように、こくりと頷く。]


 あ、ああ。おじゃまさせてもらう。
 ここでは、好きに本を読んでいいんだよな。


[ ええ、と返事があれば、思わず感動してしまう。このたくさんの本が自由に読める! というだけでなく、伝説の生き物とちゃんと会話ができた! という事実にだ。
 そして分からなかった部分は、小声でこっそり友人に尋ねてみる。]
(9) 2021/05/26(Wed) 7:17:12

【人】 にげん? グレザン


 紅茶は、お茶のひとつだって分かるが……
 “こーひー”はなんだろう。
 ならべて言ったから、飲み物だろうか。


[ 森でもお茶は飲んでいる。お茶の木の葉っぱを摘んできて、火にかけたりもんだりカラカラにしたりして飲むやつだ。

 しかし、もう一個の名前は聞いたことがない。幸せのかたまりのチョコも知っていた友人だ、知っているかも。
 あるいは、素直に聞いてしまうのも一つの方法だろうか。“にげん”には当然の知識で、知らないと怪しまれるかもしれないが、自分の住んでるところでは無いと言えばごまかせるだろう。きっと。

 そんな相談をひそひそとしつつ、謎がとけるかどうかはさておき、無事店には入れたのだ。この後はうきうきわくわくの図書館の冒険が待っている。

 どこから見て回ればいいのか悩む量の本と本棚を前に、まずは拠点、自分たちの机と椅子を選ぶことにした。観察中に目星はつけてある。
 カウンターから少し離れたところ。自分と友人、ふたり用の場所を確保することにした。]*
(10) 2021/05/26(Wed) 7:17:26

【独】 にげん? グレザン

/*
へへ みんなめちゃくちゃかわええな……
恋とか揺れ動く感情 最高 へへへ

そんなとこでここはほのぼのをかましていきます
わ〜いうつぎ探検だ〜い!
(-11) 2021/05/26(Wed) 7:19:16

【独】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

/*
僕は揺れ動く感情も好きだし、
練り歩くぷにぷにも好きなんだなァ
(すけを)

探検いいなぁかわいい……
(-12) 2021/05/26(Wed) 8:51:04

【独】 絵描き ルナリア

/*
今日明日は気圧で死んでるので明後日頑張ります……!
皆様可愛いのは見ている**
(-13) 2021/05/26(Wed) 18:44:42

【雲】 西園寺 飛鳥



[すっとぼけられるかなって思った。
 だけど、今誤魔化されたらもう、進めない気がした。
 だからお願い、ちゃんと教えてって
 心の中で願っていたの。
 
 そうしたら、彼の口が開いて、それから
 情けないと呟いて、下手くそに笑うから
 眉を寄せて、そちらをじっと見た。
 …そんな顔、しないでほしくて。

 レストランで隣にいた少しよそよそしい
 カップルを思い出す。…あの2人の方が、
 まだ初々しかったような気すらした。

 私たちは、もう知っているんだもの。
 あの2人よりもきっと、近しいもの。
 それでいて、遠いんだもの。]
 
(D15) 2021/05/26(Wed) 19:22:30

【雲】 西園寺 飛鳥


[ぎゅ、と唇を結んで見つめていたら、
 彼が首を横に振る。掴んだ手に力を込めた。

 ゆっくりと紡がれていく言の葉。
 それは、今まで彼が隠してきた心で。
 待ってた、と言われたらきゅん、と
 心がときめくように締め付けられる。
 解かれた手。もう、怖くなかった。
 広げられた腕に、寄り添って、
 わたしも彼の背中を優しく抱きしめるの。

 胸板から響く声に、黙って、頷く。
 優しく髪が梳かれる。そっと、顔だけ離して
 彼の表情を見ていたら、わたしの髪がその口元に
 近づいて、口付けられるから、そこに視線を
 落として、それからまた、上げて。

 だけど、視線は合わないし、またぎゅ、と
 強く抱きしめられてしまったら、
 見ることも叶わなくなって───それでも
 問いかけられる言葉に、拒否なんて、
 できないし、したくない、から。]
 
(D16) 2021/05/26(Wed) 19:22:46

【雲】 西園寺 飛鳥



[背中に回した腕を一度解いて、
 その首に引っ掛けて、近づいて。]



    ───だめなわけない。


[と告げて、こちらから背伸びをして、
 口づけを贈ってしまおう。

 甘い、キスは、触れるだけ。
 彼の唇に赤が移ったのが見えたら、
 少し眉尻を下げて笑って、その頬に
 手のひらを添えて優しく、親指で拭う。

 背伸びをやめて、そちらをじっと見つめながら
 またそっとまつげを伏せたなら、
 今度は彼から口付けてくれるだろうか。
 心臓が飛び出してしまいそうなほどドキドキしてる。
 ぴったりくっついたからだから、なにもかも
 伝わってしまうような気がした。]
 
(D17) 2021/05/26(Wed) 19:23:04

【雲】 西園寺 飛鳥




   ………颯介さん、


[いつもよりも、柔く蕩けたような
 視線をじっと投げかけて、呼ぶ。]


  ………お付き合い、してくれますか?


[あのときと同じように、はじめて、
 あなたにこの提案をしたときと同じように、
 また、わたしは問いかけて。
 静かにその答えを待つの。
 言い淀むようなら、わらって、
 今度聞きにいくねって、腕を緩めるけれど。]*

 
(D18) 2021/05/26(Wed) 19:23:17

【独】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

/*
ピエーーーーーーーーーッ!!!!!!(ごろんごろん)
(-14) 2021/05/26(Wed) 20:26:35

【雲】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

[欲しかった口付けが、飛鳥の方から送られて
 俺はそっと瞼を閉じた。
 背伸びしてのそれは、ほんの少し触れるだけ。

 移った赤を拭われる前に、
 もう一度、今度は俺からキスをしよう。
 もう少し深く口付けても
 良かったのかもしれないけれど、
 まるでキスの仕方も知らないような
 掠めるだけのキスだった。

 それだけでも、触れ合った身体に
 ドキドキと鼓動を伝えてしまう。
 ……これはどっちのものだろう。]
(D19) 2021/05/26(Wed) 21:29:43

【雲】 『伽藍堂』 江戸川 颯介

[蕩けたような甘い声で呼ばれ
 俺はほんの少し身を離す。
 もう何度も何度も言われてきた告白に
 今度はちゃんと頷いた。

 ざあ、と吹いた風が御屋敷の松を揺らす。
 彼女の祖母から出禁を食らったのを思い出せば
 ほんの少し、臆病風が吹く。
 でも、もし許されるのならば
 彼女と付き合う許しが欲しいし、
 ……あの骨董品達の評価に
 関する誤解も解きたいとも思う。]


  飛鳥の、お祖母様は特に
  いい顔してくれなさそうだけど……
  もう一度、骨董品のことも含めて
  チャンスをくれたりしないかねェ。


[だから、飛鳥にも力を貸してほしい、と
 少し眉を下げる。
 話し合いに努力するのは俺の仕事、
 そのきっかけを作ってもらえないか、と。]
(D20) 2021/05/26(Wed) 21:30:04
 




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