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【秘】 流転 タマオ → 発熱 ニエカワ「あ」 間の抜けた声が漏れた。人がいると思っていなかったので。 「はい、本官は幽霊です。あなたもですよ。 熱はまだ引いていませんか?」 中途半端に壁抜けしていた状態から移動して、きちんと部屋に全身をおいて問いかけた。 「死ぬ前の状態を引き継ぐか、健康になるかはまちまちだが… …あなたは如何様なものだろう?」 昨日今日に死んだ者の物言いではないように思える。あなたはそういえば、この小さな山村で“玉青”という姓の人間を、彼の他に知らない。彼はいつの間にか“村生まれ村育ちの駐在警官”としてここにいた。 (-72) Vellky 2021/07/05(Mon) 20:56:39 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「……次、ですか。 次はどこに行くんでしょうね」 生きていないだけで生きてる人間と同じようなものだろうか。 男にはわからなかったが少なくとも、意識をしないで欲しいという警備員の意思は受け取った。 「では、どうしましょう……ひと思いに、と言いたい、です。 怖い物は、怖いので。あまり苦しみたくありません。 ですが、逃げ切れてしまうような体験も恐ろしいので……。 首を切ってもらうのが良いでしょうか。 ああでも怖がらせたくは無い。 物を持てるんですよね、でしたら、頼みたいことはいくつか」 ひとつ。物理的に、出血多量になるように。 ひとつ。あまり肉の断面が見えるような傷は嫌。 ひとつ。自分の借りている病室に死体を残して欲しい。 ひとつ。手紙代わりのものを渡して欲しい。 「少し、話したいことがあるので一度離れますが。 そのあと、またあなたの前に現れたら引き受けてくれますか」 (-73) toumi_ 2021/07/05(Mon) 20:57:22 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 流転 タマオ「熱……ない状態ってあんまり経験したことなくて だからたぶん死んでもこんな感じなんだと思う…… でも苦しくないから、大丈夫……です」 顔だけだったからよくわからんかったが、一人称から警官の幽霊だと察することができた。 けれど、幼い頃から入退院を繰り返して自宅と病院ぐらいしかよくわからない少年は、タマオという人物にも心当たりがない。 病院に避難してきた人の中にいたような気がする……ぐらいだ。 「警察の人も、セナハラさんに殺されたの?」 (-75) kotorigasuki 2021/07/05(Mon) 21:30:10 |
【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク「東京へ勉学に赴こうかと。 次はきちんと自力で肉に出来るようにしておきたく」 タマオの知識は偏っている。こうした時にその分野だけを学ぶので。そして大分結構自由に存在しているようだ。本人としても、死んでいる以外には概ね生者と変わらない認識である。 「なら包丁か何か、兎角刃物を持ち出しましょうか。 斧で切り落とし切ってから、 首を元の位置に戻すのもひとつだと思う」 縫合の道具もここには存在する。どのような手段でも取れるだろう。入用な物品はどこにあるものか、分かれたら確認してこようとタマオは思った。 (-77) Vellky 2021/07/05(Mon) 21:55:59 |
タマオは、相も変わらずの無表情だが、雰囲気は分かり易い方だと自負している。 (t13) Vellky 2021/07/05(Mon) 21:57:25 |
【秘】 流転 タマオ → 発熱 ニエカワ 大丈夫ならよかった。ひとつ頷く。 「いいえ、本官は最初から幽霊です」 彼は戦前に死んだらしい。寂しがりなので村の日常に当たり前に紛れ込むという心霊現象を起こしていたところ、今回の災害騒ぎがかち合ったと説明される。 セナハラがあなたを殺した事に対しての驚きはないようだった。 「アユミサンも窓の外に浮いていましたね。ご存知ですか?」 タマオは善意からそう口にした。彼はアユミサンが子ども達に懐かれていると思っている。知らないなら知っていた方がいいかなと考えたのだ。 (-82) Vellky 2021/07/05(Mon) 22:28:33 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 流転 タマオ「そうなんだ……先輩…になるのかな、こういうの」 よろしくお願いします、と軽く頭を下げたが、続く言葉には青ざめて 「え……っ、先生も……?!」 姉や母のように慕っていた先生の死。 そして彼女を殺した相手は容易に想像がつく。 「…………」 黙り込んで俯いてしまった。 (-89) kotorigasuki 2021/07/06(Tue) 1:21:54 |
【秘】 流転 タマオ → 発熱 ニエカワ「そうですね、先輩と言うのならそうなるものと……おや」 少年の反応は芳しくなかった。もっと喜ぶと思ったのに。 「彼女と再び相まみえられるやもという可能性は、 リョウクンにとって残念なことでしたか?」 タマオの視点は、一般からは大分にズレている。 (-91) Vellky 2021/07/06(Tue) 1:46:52 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 流転 タマオ「そ……っか……そうだね。死んだらまた……会えるんだ…先生とも」 何か希望を見出したような瞳は怪しい光を宿していて。 「ありがとう、お巡りさん……俺、ちょっと行ってくる」 穏やかな微笑みを向けて少年はその部屋の扉から出ていくだろう。 (-92) kotorigasuki 2021/07/06(Tue) 1:58:00 |
タマオは、彼を見送った。「いってらっしゃい」 (t14) Vellky 2021/07/06(Tue) 2:08:00 |
タマオは、それはそれとして雨漏りがないことを確認した。 (t15) Vellky 2021/07/06(Tue) 2:08:38 |
タマオは、麻酔を持ち出した。 (t16) Vellky 2021/07/06(Tue) 4:36:04 |
タマオは、縫合道具を持ち出した。 (t17) Vellky 2021/07/06(Tue) 4:36:20 |
タマオは、斧を持ち出した。 (t18) Vellky 2021/07/06(Tue) 4:36:34 |
【独】 流転 タマオ・×× 博(名字は記憶にない) 享年22歳。大正〜昭和初期ごろに東京駅で銃に撃たれて死亡。警察官になりたかったが、あおいめ故に「健康」と認められなかった(健康でないとなれない職)。制服が警官服に似ていないこともないからという理由で駅員になった。 非童貞処女。浅草にはよく足を運んでいた。色んな文化に触れたがりだし、基本的に寂しがり。ある意味では悪霊と言われて正しい存在。 (-126) Vellky 2021/07/07(Wed) 0:05:23 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「お待たせしました、タマオさん」 どれぐらい時間がたっただろう。 病院内を駆け回っていた男は警備員にはなしかけた。 声をかけたと言うことは、もう準備が出来たのだろう。 「……はぁ。 流石に気が重いです、無駄なことだと思わないばかりに」 相当ぶりにはいたため息は随分と感情がこもっていた。 (-141) toumi_ 2021/07/07(Wed) 5:36:03 |
タマオは、短く否定した。特に待っていたわけでもない。 (t19) Vellky 2021/07/07(Wed) 5:55:47 |
【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク この男はと言えば、気まぐれに外の様子を見て帰って来た所だった。微塵も濡れていないし扉を介してもいない。改めて非現実的な存在である。 「苦しまないように努力はします」 必要な物はあなたの病室に運搬済みとのこと。麻酔で意識がない内に首を落とすつもりらしい。 (-142) Vellky 2021/07/07(Wed) 5:55:56 |
タマオは、病室へ向かった。 (t20) Vellky 2021/07/07(Wed) 5:56:10 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「……、眠ったまま別れをするのは寂しいですね。 かといって」 「ああ、ちょうど良いのがありましたね。 ……自分で使うとは思いもしませんでしたが。 タマオさんは [阿片] は流石にご存じですか?手元に、あるんです。 効果がどこまで及ぶかわかりませんが、―――直前までは気をおかしくなれそうだとおもいませんか?」 (-144) toumi_ 2021/07/07(Wed) 6:09:08 |
【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク「ああ、いつぞかには軍でも麻酔代わりに使われていましたね。 いい考えだと思います。己も不慣れなことをしなくていい」 この麻酔、未使用で返却できるな。 「余程少量というわけでなければ、 おおむね望み通りの効果は得られるかと」 ベッドの下から斧を引っ張り出しつつ、聞きかじった知識を思い出していた。 (-145) Vellky 2021/07/07(Wed) 6:31:30 |
【独】 流転 タマオタマオあんたちゃんと隠せるのね??? ここまでの行動を見るに運んでそのままな印象あったけど。そうねお前行き当たりばったりだけど思考はしているものな(面倒になったら放り出しますが (-147) Vellky 2021/07/07(Wed) 6:49:12 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「違法だと取り締まられているようですね。 表だって取引が出来ません。とても高く売れるのに」 残念そうに呟きながら、鞄のなかから一眼レフを取り出す。 高価なレンズの中にしまわれた紙の包みを引っこ抜いた。 続いて取り出したのは翡翠のパイプに………、 しけて使い物にならなくなったマッチ。 暫し眺めて捨てればライターを取り出した。 あまり商品を減らしたくなかったが仕方が無い。 「……副流煙は大丈夫ですか?」 パチン、と。オイルライターを鳴らし火を灯せば閉じた。 「ああそうだ、もう一つ頼み事が……。 ピアスを人につけたことはありますか。 もらい物をしまして、嬉しかったんで。 これだけは体につけておこうと思いまして。 痛くしても構いませんから、薬が効いてきた頃にでも針で穴を開けてくれますか」 (-148) toumi_ 2021/07/07(Wed) 7:19:15 |
【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク 一連の動作をしげしげと眺めつつ、煙については問題ない旨を伝えた。吸おうと思わなければ吸わないんだってさ。 「医療行為全般に対して、経験があるとは言えませんね。 ですが、その程度なら恐らく問題ないかと」 後のこと考えないで良いし、痛くしても構わないのなら尚のこと。出血が止まってから取り付けた方が良いだろうか? それなりにします。 (-150) Vellky 2021/07/07(Wed) 7:47:36 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「そうですか」 夜中、その静かな空間で、火を点けた。 独特の香りが病室に漂い始める。 この香りで皆気づいてしまうだろうか。 自分が大声を出さなければ済む話だとも思った。 いくつか頼み事をして、確認をして。 取引をした相手を思い返していた。 「スー―――…… ぁ ー……」ふらり酩酊。なれない煙に噎せつつ。 壁にもたれかかり座り込む。 ピアスに輝く白の宝石を眺めて小さく笑っていた。 (-152) toumi_ 2021/07/07(Wed) 8:22:32 |
タマオは、頼み事をされた。問題ありません。 (t21) Vellky 2021/07/07(Wed) 8:42:46 |
【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク 暫し様子を見てから、あなたを床に寝かせた。切り落とし辛いので。ピアスも一応、血に塗れる心配のない場所へのけた。持っていたそうなら、そうした。 (-153) Vellky 2021/07/07(Wed) 8:43:05 |
タマオは、よいしょ。 (t22) Vellky 2021/07/07(Wed) 8:43:14 |
【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク「それでは」 次が当然にあると思っているような、 こんな状況にそぐわない淡々とした別れを告げて。 それから斧を振り下ろした。 (-154) Vellky 2021/07/07(Wed) 8:56:31 |
タマオは、バキッ。上手くやれました。 (t23) Vellky 2021/07/07(Wed) 9:03:04 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「? わたしのですよ、それ。 かえしてください、わたしがもらったものなんです」 だだをこねるように。 ぼんやりとあなたの目を見ずに手を伸ばしている。 ぺたり。すぐに力は抜けて床に寝転んでいた。 「……『 』」 何かを呟きたいが、思い浮かぶ言葉が無くて。 ただ、今、自分は。 誰かの為に死ぬことが出来ているのかだけを考えていて。 (-156) toumi_ 2021/07/07(Wed) 9:50:14 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオ「わたしのかちがしりたかったです おかねじゃないと わからないじゃないですか だれもがわかる かちなんて ないじゃないですか いいことをしたからいいひとでもなくて わるいことをしてもいいひとだなんて わからないじゃないですか だったら わたしのことばや わたしのいのちのうむに かちをみいだしてくれるひとがいたなら それはもう そのひとにとっては かちのあるにんげんになれたとおもって いいんじゃないんですか ここにこれてよかったです あなたにあえて それに―――」 (-157) toumi_ 2021/07/07(Wed) 10:08:38 |
【秘】 商人 ミロク → 流転 タマオなみだをながして ことばをこぼして そのやいばがふりおろされるときまで。 こはく は ひすい を ながめつづけました。 ふしぎなみりょくで まるでひきこまれるようだとおもいました。 わたしは あいされたかったのでしょう。 ちかよったらかわいがられるくろねこのように。 ときにはけられて てあしをもがれて しんでしまうけれど。 えさがもらったら すぐににげて じゆうに どこまでも。 きままないいきかたに あこがれました。 みろくは だれかのきおくに きろくされましたか。 それだけで きっと。 なんじゅうねんも なまえがなかったことなど きにならなくなるでしょう。 だから ちっとも は さみしくありませんでした。 (-158) toumi_ 2021/07/07(Wed) 10:18:02 |
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