人狼物語 三日月国


82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】

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【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

/*震天お嬢様へ
そろそろわたくしスロウスと個人的にお話がしたくてたまらないと思ったのですが、震天お嬢様のタスク今どのような感じかしら お話しに行っても構わないかしら 忙しそうでしたら遠慮なく蹴ってくださいまし 愛を込めて フルスイング中澤息子より
(-119) もちぱい 2021/07/04(Sun) 13:28:50

【赤】 オーバーワーク ラサルハグ

「……『エンヴィー』、『グラトニー』。
あの踊り子とは、少しばかり"取引"をしています」

その取引の対価として、
研修を甘んじて受け、『お客様』を楽しませると。
職務に忠実な"怠惰"は、決してその言葉を覆させはしない。

「もし研修中に激しく抵抗するようなら、如何なる罰を与えても
その"取引"の取り止めを仄めかしても構いません
あなた達の判断に任せます。」

踵を返し、俄に盛り上がりを見せる余興に背を向ける。
恰幅の良い仮面の従業員を呼び付け、代わりに扉の前に立たせた。

「僕は少し調べ物をして来ます
次にお連れする方は既に決まっていますので、ご心配なく
あなた達はあなた達の役割に殉ずるといい」

狡猾な白蛇は、獲物を求め去って行く。
『スロウス』は、決して不確定要素のある賭けは好まない。
(*32) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:38:58

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

/*

それって……ラブコールってコト!!?
勿論今夜分の襲撃ロールはありますけどもそれくらいですわ!
その襲撃ロールも夜からとしたので今はゼロに等しいですわね!

つまりフリーよ!!いつでもかかってらっしゃい!!
(-120) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:45:42

【独】 オーバーワーク ラサルハグ

目ぼしい乗客のリストこそ与えられてはいたけれど、
詳細なパーソナリティや経歴までは教えられていない。
乗客という仮面を被り、対等な乗客同士として信頼関係を築き
そうして必要な情報は自ら聞き出せ、という事なのだろう。

本当に趣味の悪い余興だ。

ただの乗客であれば、その余興に付き合いもしただろうが。
相手が"元従業員"という事であれば話は別だ。
何処まで知っているかを把握しておく必要がある。

『スロウス』は、不確定要素のある賭けは好まない。
(-121) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:48:11
ラサルハグは、(5)1d10杯目のコーヒーを飲み終えた。
(a30) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:49:29

ラサルハグは、調べ物をする事にした。
(a31) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:50:22

ラサルハグは、誰かの写真を捲った。
(a32) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:50:46

ラサルハグは、…………
(a33) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:50:57

【独】 オーバーワーク ラサルハグ

「ああ、本当に」
     

「これを工作員に任せるとは、趣味が悪い」
(-122) unforg00 2021/07/04(Sun) 13:53:40

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

/*ヮ…!
そうですわよラブコールですわよ!!わたくしスロウス好きですもの!スロウス〜!!

という訳でお邪魔いたしますわね!次のレスからいきますわよ!
(-124) もちぱい 2021/07/04(Sun) 13:59:17

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

『エンヴィー』ではなく、『サダル』として動いていた穏やかな昼下がり。ディーラーとしての仕事の合間に設けられた休憩時間。
女は普段利用していたレストランではなく、別のカフェに足を運んでいた。

「……『スロウス』。いや、ラサルハグかな。どちらでもいいや。聞こえるかな。
今時間はある?私は今カフェにいるのだけれど、よかったら君とお茶がしたいなと思って通信を繋いだんだ。どうかな?」
(-125) もちぱい 2021/07/04(Sun) 14:00:05

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「……今は、ラサルハグと」

簡潔に、けれど戒めるように返答を返す。
怜悧狡猾の白蛇は、万に一つの可能性も許さない。
仮に人払いをしたとしても、
そこが公の場である限り『ラサルハグ』の仮面を被っただろう。

「…それで…何がしたい、のかは知らない、けど…
きみが、望むなら。」

淀みなく言葉を連ねる『スロウス』とは違い、
『ラサルハグ』の声色には常に迷うような間がある。
それでも短く了承は返された。
場所を告げれば、程なくして姿を現すだろう。
(-128) unforg00 2021/07/04(Sun) 14:18:01

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「……おっと」

小さく声をこぼす。自分の詰めの甘さを認識した。人払いを済ませていたが、可能性がゼロではない限り何が起きるか分からない。奇跡のような確率が見せる逆転劇や絶体絶命の光景は、仕事柄何度も目にしている。

「…………お待ちしておりました、ラサルハグ様。
あらゆる業界の方々が一堂に会する豪華客船ですから、よろしければ色んな方とお話をしてみたいと思いまして」

貴方の姿が見えると素早く立ち上がり、自身が取っていた席へと案内する。ついでに一杯目のコーヒーを飲み終えていたからか、そのまま二杯目のコーヒーとシャルロットsweetを注文した。
(-132) もちぱい 2021/07/04(Sun) 14:30:27

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「……そう、…でも、私はあまり…
仕事に関する話は、できないよ」

案内された席へと着いて、同じくコーヒーを注文した。
いつぞやの警備員の男性のお叱りが脳裏を過ぎって、
けれど何か食べる気にはなれなかったので、それだけを。
ミルクは無しで、砂糖が四つ。極端。

「どちらかと言うと、その……きみの話が聞きたい、な」

カジノでの遊び方もわからないから、と呟いてコーヒーを啜る。
あなたがディーラーである事は知っている。
『ラサルハグ』も、知っていて不自然な事ではない。
(-138) unforg00 2021/07/04(Sun) 14:56:09

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「企業秘密という事もありますからね。失礼しました、無理に聞くことはしませんのでご安心ください」

にこやかに返しながら自身のコーヒーに口をつける。こちらは何も入れずブラックでそのままいただくようだ。
そういえばカフェイン中毒起こしかねないほどコーヒー飲んでたの見かけたな……大丈夫なのか……?と内心思いつつ、貴方の言葉を受け止めて返す言葉を選び始める。

「……私の話ですか?ううん……私はただのしがないディーラーですから、面白い話は然程出来ませんよ?
ああ、ただしカジノの遊び方くらいならお話しできるかと。ラサルハグ様はやはりそういった娯楽は馴染みなかったでしょうか?」
(-140) もちぱい 2021/07/04(Sun) 15:07:19

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「…なら、よかった」

実際のところ、自分の一存では話せない事の多い職業だ。
それは決して間違っていない。
コーヒーの場合急性中毒の目安は一時間に9杯だそうです。

「うん。正直馴染みがない…し、どうやって遊んだらいいか、も
よくわからない、から…そのうち、聞きに行こうと思ってた」

これも嘘ではない。
一般客として潜り込む以上、遊び方を教えてもらう、というのは
会話の切っ掛けとしてちょうどいいと判断した。
そしてそれが少しでも真に迫るよう、
敢えてルールの類を調べなかった。

「それに…どうして、ディーラーになったのか
私は、興味がある。
…ああ、でも…きみだけに話せ、というのも、不公平…だから
もし、話したくない、なら…これは無視して」
(-144) unforg00 2021/07/04(Sun) 15:37:33

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「成る程。……そうですね、それならカジノのゲームの話は後ほど場所を変えて致しましょう。私も今はトランプなど持ってきていませんから」

この人以前8杯飲んでた気がする……だいじょばなくない……???(>>2:a16 >>2:a31)なんて心配をしていたかどうかはディーラーのみぞ知る。

閑話休題。

「どうしてディーラーになったか、ですか。
そうですね──私の夢が果たせそうだから、とだけ」

女は簡潔に答えた。

"地位も力もないこの私が、本来顔を拝むことすら出来ない恵まれた奴の悔しがる顔を間近で見ることができるんだよ! "


この薄氷を渡るような穏やかな時間帯が、嫉妬の獣が咆哮する前だろうと後だろうと。
貴方は必ずその夢の内容を目の当たりにする事だろう。

「……夢の話はともかくとして。ディーラーはなかなか楽しいですよ?
カジノは色んな業界の方々が出会える社交の場でもありますから。世界に名を轟かせる方も遊戯に興じようとお越しいただきますし。

それに……身分や性別による体格の差、そういった優劣を取り払って運試しをしながら皆で遊べる……ある意味公平である意味理不尽なギャンブルが好きなんです」

読み合いとか心理戦も少なからずありますけどね、と苦笑いでそう述べたが。
表情こそポーカーフェイスのままであったが、最後の話を紡ぐ女の声はどこか弾んでいた。
(-148) もちぱい 2021/07/04(Sun) 16:06:45

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「………夢、か」

『ラサルハグ』にも『スロウス』にも、
その身を焦がすような、突き動かすような願望は無い。
あなた達のそれが何を以て築き上げられたものなのか。
あなた達にあり、自身に無いもの。その差は何なのか。
やはり理解が及ぶ事は無かった。

或いは、この手で次なる獲物を仕留めたその時は
同じように、忘我の悦楽に浸る事になるのだろうか?
とてもそのようには思えなくて、無為な思考を打ち切った。

「…そう、だね
きみが…どんなに、ディーラーとして…上手、でも
私が、どんなにわかりづらくても…
運試しの前では、そんなことは、あまり関係ない。
理不尽で、公平だ」

蛇の目のように無感動で、
ガラス玉のように無機質な片目がポーカーフェイスを覗き込む。
この感情の読めない怠惰者が、ただ駆け引きの相手であったならば
もし仮にそうだとすれば、少なからず手を焼いただろう。

「……うん、きみが、そこまで…ええと…
その、夢中になれる?事、なら…
私も…興味が、あるから。空いた時間にでも、教えてほしい」

実際のところは、どうなのだか。
(-156) unforg00 2021/07/04(Sun) 16:38:29

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「はい。理不尽で公平……だから皆に等しく良い結果も悪い結果も訪れる。私にとってそれは救いでもあるんです」

一瞬、瞳の奥が鋭く光る。
どれだけ仮面を被ろうと、どれだけ声や表情を誤魔化そうと……本心を語る瞳だけは隠せなかった。

本性を潜ませた深緑色に映る透き通るような水色。冷たい美しさを持つその瞳が羨ましく、妬ましいとも思った。
私はもう濁り切ってしまったというのに、貴方は決して汚れが混じることがない。
少なくとも女からはそのように見えた。

「本当ですか?私も遊んでくださる相手が増えるのはとても嬉しいものです。
……そうだ。このコーヒーを飲んだら、私の部屋でゆっくり遊んでみませんか?カジノだとディーラーはいかに早くゲームを回せるか求められてしまいますから……ね?」

成る程、まったく読めない。ルールを教えれば手強い相手になるなと思った。
だから実際興味があるかは分からないが、自分の目的の為にその言葉は都合が良かったので利用することにした。女はそんな狡さを抱えている。
(-159) もちぱい 2021/07/04(Sun) 17:04:54

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「心身や社会的な優劣に関係なく、チャンスが与えられるから?」

その言葉に迷いは無く、いっそ無神経なまでに率直な追及。
嫉妬を映す瞳にも怯む事はない。
凪いだ湖面は嫉妬や激情に曇る事もない。
そのような揺らぎの余地を与えられていない。

「…ああ……きみが、それでいいなら、そうしよう。」

自室という、完全なる相手の領域への誘いすら易々と承諾する。
無警戒、というよりは無頓着。
或いは、眼前の"嫉妬"を歯牙にも掛けていないとも取れる。
それさえも自身の脅威足り得ないとさえ思っているような。

何でもないような顔をして、
再びやや冷めたコーヒーに口を付ける怠惰者は
恐らくは、あなたの最も
気に食わない
顔をしている。
(-165) unforg00 2021/07/04(Sun) 17:48:40

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「……。ええ、そうですよ」

一拍置いて答える。返事の反応速度以外、何一つ変えることなく。勝負師となってから作り上げた仮面は存外分厚い。

「ありがとうございます。嬉しいですね。
早く行きたいと思う一方、こうしてラサルハグ様と話しながらいただくお茶やケーキも美味しいですから……全部食べてしまうのはどこか寂しく思えてしまいますね」

嘘だ。
コーヒーと共に注文したケーキなど、とうに味など感じない。口に放っては液体で流し込み、無理に胃の腑へ押し込んでいるだけだ。

激情を秘めた自分とは反対の貴方。
自分は必死にポーカーフェイスを貫いているのに、貴方は恐らく何一つ取り繕ってなどいないのだろう。

嗚呼、
気に食わない。


(-167) もちぱい 2021/07/04(Sun) 18:16:03

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

ディーラーの自室。
話した通り、女は貴方を部屋に招き入れようとするだろう。

「どうぞ、ラサルハグ様」

まだ扉は閉め切っていない。『サダル』としての振る舞いのままだ。
(-168) もちぱい 2021/07/04(Sun) 18:16:15

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「………………」

工作員の『ラサルハグ』
は、不自然な沈黙の意味に気付かないほど
決して愚鈍ではなかった。
ただ利口なだけで、さして賢明でもなかったが。

過剰に砂糖の放り込まれたコーヒーのカップはすぐに底を見せ、
虚言を舌に乗せ上辺を取り繕うあなたを暫しの間
冷たく無感動な瞳が、ただ黙して見ていた。
(-172) unforg00 2021/07/04(Sun) 18:43:15

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

──それから。

「………ありがとう、」

招かれるままにその部屋へと踏み入り、一呼吸の後に。

「それで。」

一転、明瞭で冷淡、『スロウス』としての口跡。
短く、端的な言葉で本題を促した。
(-173) unforg00 2021/07/04(Sun) 18:43:45

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「それで」

扉を閉める。第三者がいなくなった空間ではもう仮面を被る必要がない。

「……ただの興味。好奇心。
君と言う人がどんな人間なのか気になっただけだよ、スロウス。
やっぱり、誰かから口封じをされて話せないかな」

かちゃり。
施錠した後、貴方をソファに勧める。共犯者をどうこうしようという意図はない。単に第三者の盗聴を警戒してのことだ。己の詰めの甘さを目の前の人物から教わったから。
(-175) もちぱい 2021/07/04(Sun) 18:59:07

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → ディーラー サダル

「………何も。
僕など見たままのつまらない人間ですよ、エンヴィー。
きっと、グラトニーの方が余程腹の探りがいがある」

勧められたソファに大人しく腰掛けて、一つ溜息を吐いた。
自分は誰にだって必要以上の隠し事をしているつもりも、
況してや自身を偽っているつもりもない。
『ラサルハグ』も『スロウス』も、作った顔などではない。

「……それとも
捨て子の中から見出され、職務に必要なあらゆる処置を受け
優秀な人材として誂えられた、工作員のラサルハグ。
こう答えればあなたは満足しますか。」

こちらも共犯者一人にどうこうされるとは思っていない。
そして、この話をしたのも、一人なら口封じは容易だからだ。
こちらが上部の人間に見放されない限りは。
(-177) unforg00 2021/07/04(Sun) 19:16:19

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「つまらないかそうじゃないかは私が決める。価値観は人それぞれでしょう?」

備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、二人分のグラスに注いで自分と貴方の前に置く。そのままテーブルを挟んで向かいに座って動きを止めるまで表情の変化は一切なかった。

普段の微笑の仮面ではない。笑みさえも取り払った、真剣な眼差し。

「うん、満足した。ありがとう。
…………君はその経歴の中にある出来事や今の立場に不満などないのかな。……まあ、"何も感じていない"ようにも思えるけど」

しばらく考え込んでから口を開いた。
『サダル』として見かけた時や『エンヴィー』として共に活動している際に目の当たりにした姿を振り返ってそう評した。
(-180) もちぱい 2021/07/04(Sun) 19:33:22

【秘】 痛覚鈍麻 ラサルハグ → ディーラー サダル

「……そうですか」

対する怠惰者も、至っていつも通りのものだった。
無感動な瞳は何を映す事も無く、
共犯者の、自身の手には負えない言動に瞑目する。
いつも通りだ。

「僕にとっては、物心ついた頃からそれが当たり前の事です。
"そうなった"事で今こうして生きているのに、
それらの何を嘆き、恨む必要がありましょうか。
それに、仮に不満を抱いたところで他に居場所もありません」

「…それを作ろうとしないのは、
ああ、きっとそれこそ"怠惰"なんでしょうね」

後半は殆ど独り言のようにそう零した。
わかってはいても、怠惰に身を預けてしまう。
愚鈍でこそなくとも、やはり人としては愚かなのだろう。
『スロウス』はそれでもよかった。

『スロウス』には向上心と呼べるものが無い。
常に餓え続けるあなた達共犯者と違って、
決して積極的に何かを得ようとはしないし、
手が届かないと見れば容易く諦めが付く。

今だってそうだ。
迫る『期日』を目前にして、形ばかり足掻く気も起きはしない。
(-181) unforg00 2021/07/04(Sun) 19:57:55

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → 陶酔飛行 バーナード

──夜間、消灯時間も近付いた頃。

あなたに充てがわれた部屋に、
小さく、けれどはっきりとしたノックが響く。

「……夜分遅くに、その…ごめん」

恐らくはあなたがレストランで何度か聞いた声が、
或いはあなたにとっては見覚えのある乗客の一人が。
やや言葉を選ぶような間を持って要件を告げる。

「『この船の噂』について、きみに…話したい事が、ある」

その誘いは、神に背くようにと唆す蛇のように。
(-183) unforg00 2021/07/04(Sun) 20:07:47

【秘】 ディーラー サダル → オーバーワーク ラサルハグ

「…………」

閉口したままだ。水で唇を湿らせようと手にしたグラスも中途半端の高さで止まったまま。
ずっと何かを思案している。

「……例えばさ。痛いのが嫌だとか。苦しいのが辛いとか。そういう事も感じた事がない?それで今の場所から抜け出そうと思──」

続けようとしてやめた。
本当に感じたか感じなかったかは目の前の人間しか分からない。けれど、真意はどうあれ自身の今いる立場で構わないと『スロウス』自身が判断したからこそ、歩むべき道を歩んで今ここに『スロウス』は存在している。

まさしく"怠惰"の名を冠するに相応しい人間だと思った。
けれど──

「……私と反対だ。私は自分の環境が嫌で、周りの人間が嫌で、許せなくて……色んなものに我慢できなくて。だから、その激情を燃やしてここまで来た。
だから君の気持ちは理解できないし、醜い私と全然違う君を見て妬ましいとも思っていた。
でも………………」

──糾弾する気にはなれない。

「…………君がそれでいいと言うのなら、私は何も言わない。何も言えない」

きっとこれは憐みだ。
一方的で傲慢な感情。
でも、それすらも貴方は必要としないのだろう。
(-186) もちぱい 2021/07/04(Sun) 20:26:03

【秘】 陶酔飛行 バーナード → ワーカーホリック ラサルハグ

ノック音と、声。顔も見かけた事がある。テンガンと珈琲云々を話すしているのも聞いていたし、名前は名簿でチェックもしていた。

時刻も時刻だ。
深夜3時などならまだしも、ギリギリあってもおかしくない。
なぜ自分に?と言う疑いは当然あるが、少なくとも普段見ていた面子で一対一で易々と負ける相手はそう居ないと思っていた。

だから、とくに警戒もなく扉を開けた。
──昨日までなら。

昨日の事が焼き付いて、苦虫を噛み潰した様な顔をしつつ、それでも。“当選者”の連行光景を見た後で、その話題を蹴る選択肢が持てる筈もなかった。

「……はぁ。部屋番号か、声かける相手、
間違ってないですかね?ラサルハグさん?」

言葉の棘を完全にそぎ落とせただろうか。
軽口めいた下手な丁寧語を使いながら、扉を開けて外に立つ。
(-188) poru 2021/07/04(Sun) 20:51:55

【秘】 ワーカーホリック ラサルハグ → ディーラー サダル

「──あなたは自分の為に生きている」

『スロウス』は、
生きる為に仕事をする
のではなく
仕事をする為に生きている
のだ。
それがあなた達との、決定的な違いだ。

「あなた達には渇望が、執念がある。
それは僕が持っていない、決して持ち得ないもので
そして、自らの意思で何かを成し遂げるには
きっと無くてはならないものです」

注がれたきりのグラスに張られた水面のように、
やはり無風の湖面のような瞳は揺らがなかった。
妬み、迷い、哀れみ、揺れ動くあなたとは対照的に。
(-190) unforg00 2021/07/04(Sun) 20:57:50

【秘】 ワーカーホリック ラサルハグ → ディーラー サダル

「僕はこのままでいいと考えています。
一度たりとも不幸な人生だと思った事もありません。
思考停止だとはわかっていますが、どうする事もできません
あなたが現状に抗う事を止められないように、
僕も現状に甘んじる事を止める事ができないんです。」

平坦な声が滔々と語る。
『スロウス』も内心では、
決して満たされる事のないあなた達を憐れんでいた。

「あなたの人生はあなたの人生で、
僕の人生は僕の人生です。
あなたは僕にはなれず、僕はあなたにはなれない。
決して同列に語る事のできるものではない。」

──それでいいとは思いませんか。
鏡面のような片目には、やはり悲嘆の曇りは無い。
(-191) unforg00 2021/07/04(Sun) 20:58:16

【秘】 オーバーワーク ラサルハグ → 陶酔飛行 バーナード

「……いや、間違ってない
盗み聞き、のようで…その、悪いと思ってる、けど
きみが、この船の噂について…話しているのを、聞いたんだ」

その応対に潜む棘に気付いてか否か、
やや眉を下げてそう言って、室内にちらりと視線をやった。
できるなら室内で話したい、と言外に訴える。
時間が時間ゆえか、廊下に人の気配は無かったけれど。

夜間だからか、奇妙な訪問者は上下白のスーツ姿だった。
やや明確になった線の細さは、女性に近い、ようにも見える。
だぼついた服を着ている時よりも、余計にひ弱に見えただろう。

単純な力であれば、訓練を受けた軍人である
あなたが屈する道理は何処にも無い。
(-193) unforg00 2021/07/04(Sun) 21:13:59
 




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