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【人】 OL 奈々────── ……ふふふっ。 あのねヨウくん。私明日でもいいの。 ヨウくんのこと返したくないから、 ご実家にご挨拶して、そのまま… 結婚したいと思うの。 それまでは私が養うし、 なんならずっと養ってもいいのよ! [ 彼をダイニングテーブルに座らせ 隣に密着するように座り手を握って話し始める。 もしかしたら勢いに彼が押されていたら ごめんね、と少し落ち着いてみて。 もっともっと話したい、と 気持ちは伝わったなら嬉しい。 あ、勿論帰り道にDVDは返していたよう。 ]* (11) 2021/07/14(Wed) 20:17:38 |
【人】 神原 ヨウ──────────── …………明日。 そうだね、明日オレの家に来てもらおっか。 オレの両親になーりんのこと改めて紹介するよ。 養う養わないは、ちょっと待って。 気持ちは嬉しいけど、それは長続きしないと思う。 でも同棲するならお金とかの問題はあるもんね…… [>>11彼女の勢いはとても嬉しかった。 それだけ彼女の思いをはっきりと伝えられたのだから。 だから代わりにオレが少し冷静な役になる。 彼女と結婚するにあたって一番現実な道は何か、と。 色々話すことはあるが まずはお互いの両親に話を通してから そこから始まるような気がした。 特にオレがまだ学生だから、オレの両親には。] でも、オレが学生のうちに結婚しよう。 もう10年も待って、また2年も待てないから。 (12) 2021/07/14(Wed) 20:50:35 |
【人】 神原 ヨウ[そうしてとあるものをバッグから出す。 それは元々用意してあったもの。 彼女にあげた薔薇の花束と同じもの。 ────たった一本のバラ。] (13) 2021/07/14(Wed) 20:50:48 |
【人】 神原 ヨウ付き合う事になったら渡そうと思ってたんだけど どうせなら、後7本は持ってくるべきだった。 ……オレの奥さんになって、奈々。 [これからの計画を話す前に もう一度自分の気持ちを言葉に直す。 あのホテルの出来事が夢では無かった事を示すために。]* (14) 2021/07/14(Wed) 20:51:09 |
【人】 敷島 虎牙[目覚めた俺の鼻腔を紫煙がくすぐる。 視線を向ければ、とっくに目覚めていた 千由里と目が合った。] ……おはよ。 [気怠い体をベッドの上で転がすと 俺は柔く微笑んで、両の腕を彼女へ開く。] ぎゅーして。 [抱っこをねだるように甘えて。 こっちに飛び込んできてくれたら 思いっ切り抱き締めてキスをしよう。 寝起きだから、ちょっと口が粘つくかな。 でも今キスしたいんだから仕方ない。] (15) 2021/07/14(Wed) 21:10:39 |
【人】 敷島 虎牙[そうして、気が済むまで チェックアウトまでの時間をベタベタ過ごそう。 シャワーで性の残渣を洗い流すのも惜しいけど 家に帰るなら、と丁寧に汗を流した。 千由里のうなじや肩の痛々しさと比べて 俺の身体には傷一つない。 中に胤を残しているわけでもない。 何食わぬ顔で帰れば、きっと 絵美も俺には何も言わない。はず。 綺麗さっぱりな身体のまま 千由里と駅まで手を繋いで向かったら 最後にひとつ、キスだけしたい。] ちゆ、本当にありがとう。 ……俺の相手が、君で良かった。 [別れを惜しむように髪を一筋、指に搦めて 俺は眉を下げて微笑む。 本当だよ?嘘じゃない。 それでも家に帰らないといけないってだけで。] (16) 2021/07/14(Wed) 21:18:47 |
【人】 OL 奈々────── 大丈夫、…?ヨウくん、学校の後でも 全然私は大丈夫よ? [ 学校に行くことは彼のお仕事。 だから、学校帰りに迎えに行って 彼の家に向かっても全然彼女は苦でない。 彼女を宥めるような、 落ち着いた彼の様子にふわっとした気持ちが。 養うことが現実的ではないことは 何となく分かっていたけれど、 やっぱり社長だったり、お金を稼いでおけばと 少しこう、後悔のようなものが湧いてくる。 ] 、ぁ……よ、くっ……… [ ごそごそと彼が取り出したものに、 彼女は口元を両手で押さえ、どうしようと 目を何度も開いては閉じを繰り返し 恐る恐るそれを受け取って。 ] (17) 2021/07/14(Wed) 21:25:32 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[だから、予想もしてなかった。 電車の中で考えていた絵美への言い訳なんか ひとつも役に立たないこととか、 また暇を見つけてこの企画に参加したいなーなんて 甘っちょろい幻想が砕かれるのとか、 自分が思ってたより子を育てることが重い事すら。 会社の同僚や部下、上司は気遣ってくれるし、 近所に住むお節介なおばちゃんとかも よく声をかけてくれる。 更新しなくなったブログにも気遣うコメントが あったかもしれないけど、そこまで見れない。 正直、怖かった。 絵美を真綿で締めるように殺したのは俺で、 人はそれを知って、後ろ指を指してやしないか。 「あいつは人殺しだ」「ロクでもない男だ」って みんなが知っている気がして。] (18) 2021/07/14(Wed) 21:29:35 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[誰でもいい。 ちゃんと俺を見てくれる人が欲しい…… そう願うことすら、自分には許されない。 公園で俯く俺は、どうにもならない自分の心を じっと殺していたんだと思う。 梨花と買い物に行く時も、怖くて 周りをよく見ることも出来なくて。 ただ、都合のいいことを願うことに慣れた俺は 抱きしめてくれる誰かの存在を渇望して。]* (19) 2021/07/14(Wed) 21:34:01 |
【人】 OL 奈々────── ん……なら、明日の朝帰りましょうか。 学校へは送ってあげるから、 きちんとお話しできるようにしましょうね。 [ 何を着たらいいのか。 どんなメイクをしたらいいのか。 彼女の頭の中では色々とこうしようああしようが 浮かんできてしまって、ほわほわとした そんな気分になってきた。 でも、怒られるのかもしれないと 彼の両親に会うまではそわそわが 止まらないような気がする。 ] ヨウくんの、き、もち…… [ 込み上げてくるものはやっぱりあった。 彼が本当に、こんなにまで好きでいてくれた。 それが分かる行為がこんなにも簡単で こんなにもわかりやすくて、 伝わりやすいなんて。 言葉が失われていくなんてことは容易。 ] (21) 2021/07/14(Wed) 22:59:51 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[差し込む光を浴びながら、彼の声に振り向いたとき その無防備な微笑みに自然と目は細まっていたけれど 昨日よりなんだか甘えん坊な姿、 お強請りされるまま腕の中に飛び込みながら おはようのキスをしながら 別のことを考えてしまったんだ。 奥さんの前だったらこんな感じなのかな、とかさ 彼の寂しさは知っていたつもりだけど――それでも 純粋にちゆだけだって思えないのは きっと写真に映ってたあの女の子のせい。 ……こんなの面倒くさいって思うよね、だから 彼はなんにも知らないままでいい。] (22) 2021/07/15(Thu) 4:05:05 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[シャワーを浴びた。 昨日の痕にボディソープが少し沁みた。 それが嬉しくて、鏡越しに見えないのはもどかしくて 身支度を整えたら、もういつでも外に出られる格好。 昨日はほとんど目につかなかった時計が 今日はやたらと視界に飛び込むの。 チェックアウトの時間が近づいて、名残惜しくて 駅までの道をやけにゆっくり歩いていたけれど それでもやがては辿り着いてしまう。 最後のキスを交わした、その後は どんな顔をしていいかわからなかった。 気づいたらじっと爪先を見つめてた。] (23) 2021/07/15(Thu) 4:05:33 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里……うん、ありがと。 ちゆも幸せだったよ。 [“またね”なんて存在しない。 手を振る彼が背を向けて、反対方向に歩き出して 見えなくなったらそれでおしまい。 あたしたちを繋ぐ関係性はどこにもないから。] (24) 2021/07/15(Thu) 4:05:47 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[そうして彼を見守ったところで、 苦しいのが消えるわけでもない。 たとえば何気ない偶然を装って目の前に現れてみたら あの夜の続きが始まるかもなんて、何度か考えた。 そしたら彼は驚くかな、それとも困った顔をするのかな。 だけど思い浮かべる傍らにはあの子がいて 小さなリカちゃんの物心なんて知らないけど ――あの子さえいなければ、なんて思いながら あの子がいたから足を踏み出せなくて。 壊しちゃえっていつかは簡単に考えたのに ちゆを見て、困った顔されるのが怖かった。] (25) 2021/07/15(Thu) 4:06:52 |
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