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【人】 星条 一 → スタンリー そうすると風呂に入ったほうが良いな。 一緒に入るだろ? [問いかけながら男は自分のズボンへと脚を伸ばした。 足の指で器用に摘まむと引き寄せポケットから喉飴が入ったケースを取り出した。 そこからひと粒飴を取り出すと自分の舌の上に乗せて、 レモンの味がするそれを口渡しで珠莉の口内へと押し込んだ*] (39) 2021/07/15(Thu) 18:49:26 |
【人】 OL 奈々え、そういえば待って? 今日お泊まりすることちゃんと話した? [ はっとした。 もし彼が昨日のお泊まりだけを 家族に話していて今日のことを話していないなら 彼女はまず持って先に連絡させる。 無断外泊させたなんてことを明日言われたら 彼との交際をダメと言われてしまいそう。 彼が宥めてくれたなら、 彼のことを信頼して彼女の心配は落ち着いていく。 ] (40) 2021/07/15(Thu) 19:47:12 |
【人】 OL 奈々昨日の、薔薇5本も… すっごく、よかったのに…… あぁ、もう…すき……… [ 薔薇をどう飾ろうかと、 徐々に彼女の思考はそちらにも動いて。 しっかりと示された彼の気持ち。 それを1日でも長持ちさせたい。 そしたら、彼が一度実家に帰っても 彼女はそれをみて幸せを感じられる。 彼のことを、まだまだ知っていきたい。 おばあさんになっても、 ずっとずっと彼という人を好きでいたい。 ] ねぇヨウ? あなたの初恋、どんな味か… もう一回私に教えてくれる? (41) 2021/07/15(Thu) 19:48:02 |
【人】 三月ウサギ─── 友人、恋人、契約者。 俺達は、何かになれたんだろうか? 確かめることはせず、ゆっくりと身体を起こと。 白い太陽を、背負いながら。 ようやく重なった視線を惜しむように 真っ直ぐに君を見つめたあと。 目を細めて微笑んだ。 (42) 2021/07/15(Thu) 20:43:12 |
【人】 三月ウサギ最初から、一夜だけの約束だった。 このホテルを出た後は。 それぞれの別の世界に分かたれて。 君の家族が俺の家族になり。 俺の家族が君の家族になる。 なのに、俺と君は家族にはなれない。 そんな当たり前のことに対して。 心底不思議そうに、首を傾げれば。 (43) 2021/07/15(Thu) 20:43:51 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[気付いた彼が顔を上げる。 よそよそしくちゆの名前を呼んで。 それにぱちりと目を丸くして、 うっすらと壁みたいなものを感じては 嫌だな、と人知れず思う。 やっぱり忘れちゃってたの? 心に掛かったのは見えないもやもや。 不意に彼がちゆの身体を抱きしめたら 埋まる距離感といっしょに取り払われるけれど。 ――あの夜とは違う、彼がいた。 震える身体はどうしようもなく弱々しくて 手を添えた背中はいくらか小さく感じる。] (44) 2021/07/15(Thu) 21:08:46 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[どうして泣いていたのかなんて知らない。 喧嘩でもしたの?怒られちゃった? あれから変わりなく「リカちゃんパパ」をしてたんだから あたしたちの関係は、奥さんに知られてはいないんでしょう? それなのに何があったのか――ちゆは、知らなかった。] ……大丈夫、ちゆがいるよ。 [何が大丈夫かなんて知らない。 それでも、ちゆは側にいたんだよ。 今だってあなたの側にいるの、だから。 あやすように背を撫でる。 男の人の泣く姿を見るのは、初めてだった。 だけど知らないタイガさんの顔、また一つ知れたって ちょっぴり嬉しくなったことは内緒。] (45) 2021/07/15(Thu) 21:08:58 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[彼が落ち着くのを見ればベンチの隣に腰掛ける。 そうして語られた事実を知る。 ちゆの知らなかったこと、 いつもリカちゃんと二人だった理由。 奥さんの姿を一度も見たことがなかった理由。] 辛かった、ね [いつかの別れ際みたく視線は足の先に向けたまま 深刻な声で同情を口にした。 ――それもまた、半分くらいは演技だった。 なんだ、もうとっくに壊れてたんだ。 ] (46) 2021/07/15(Thu) 21:09:21 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[仲良くやってるんだと思ってた。 ちゆじゃない女の人のところへ戻って ちゆの知らない時間を過ごしてるんだと思ってた。 どうせ一番にはなれないんだ、って だから壊せなくて、諦めてたんだよ。 でも、奥さんがもういないんだったら あなたの最愛がこの世界にいないんだとしたら 今度こそちゆを選んでくれるのかなぁ、なんて 自分勝手な酷い考えは あなたが知ったら幻滅しちゃうのかな。] (47) 2021/07/15(Thu) 21:09:58 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里……なんにもできないけど、 話だったらちゆが聞くよ。 [頬に手をやるタイガさんを、 出会いがけのソファでそうしたみたいに覗き込む。 微笑んだのは優しさで、明るい声色は思いやり。 ――本当だよ?だってちゆ、「良い子」だもん。] えへへ、普通にしてたよ。 タイガさんのことずっと考えてたかな。 [はにかんで笑ってみせる。別に、嘘はついてない。 タイガさんのこと、ずっと見てただけ。] (48) 2021/07/15(Thu) 21:10:17 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[だけど三つ編みのやり方を聞かれたら つり上げた唇の端がふっと落ちてしまう。] できるけど、なんで? [覗き込む顔を正面に戻して尋ねた。 目的なんか聞かなくたってわかるけど。 そっか、結局「リカちゃんパパ」のままなんだ。 ……そうだよね、そりゃそうだ “普通”はお父さんかお母さんと一緒だもんね。] (49) 2021/07/15(Thu) 21:10:48 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里[今度こそ彼を手に入れられると思った。 今度こそちゆのことだけ見てくれると思った。 今度こそ愛し続けてくれると思ったのに 今度はあの、小さな子どもがいるなんて。 なんでかな、もどかしいの。 愛しても愛しても愛しても愛しても いつまで経っても報われないの。 ちゆだって「良い子」にしてるのに、 欲しがっても掴んだ手からすり抜けてしまう。 それなのに、] (50) 2021/07/15(Thu) 21:11:21 |
【人】 ぶろーくんはーと 真白 千由里……娘さん、いくつなの? タイガさんの子どもなら、 きっと可愛いんだろうなぁ。 [タイガさんの注いだ種で 知らない女の人のお腹から生まれたあの子が ひどく羨ましくて、恨めしくて。] ねぇ、ちゆも会ってみたいなぁ。 [――――狡いよ、リカちゃんは。*] (51) 2021/07/15(Thu) 21:11:41 |
【人】 大学生 廣岡 珠莉[甘い抱擁。伝わる体温で、同じだけ熱を持つ 体が触れ合うのが、心地よくて。 啄むような口づけの合間、差し込まれた舌が ゆるく唾液をこぼすから、飲み込んだ。 とんとん、と二回合図。 軽いキスだったはずなのに、少しだけ 息が上がりそうになって、深く吐いた。 それから、尋ねた時間。 20時だと返ってきたから少し安心した。 完全に寝落ちてそのまま何時間も 待たせていたわけではなかったらしい。 ほ、と息を吐いたらまた掬い取られる。 触れ合った唇が微かに音を立てて。 「よかった」と紡ごうとして、 また出なくて、眉を下げる。 彼の表情も同じように曇るから、 なんだかおかしくて、伸ばした指先で、 その眉間をつん、とつついた。] (52) 2021/07/15(Thu) 22:50:08 |
【人】 大学生 廣岡 珠莉はい、そうしましょう わたし、お腹すいちゃいました。 [と微笑みかけながらいうと、初めの約束が 果たされるようだとわかって。 ふわ、と花開くように笑んで 肯定を数度の頷きで返す。 すると彼が何やらごそごそと足を伸ばすのが みえたから首を傾げてしばし、待つ。 今度は何かを口に放り込むから。] ───それ、 っ……ン、 [何ですか、と聞こうとした唇が 塞がれて、甘酸っぱいものがころん、と 口内におちると、じゅわ、と唾液が ひろがるのがわかった。] (53) 2021/07/15(Thu) 22:50:28 |
【人】 大学生 廣岡 珠莉ん、 ぁ、飴? [ころん、と口の中でころがして、 こくんと唾を飲み込むと、甘くて酸っぱくて レモンの味が。───昔、本で読んだ、 ファーストキスの味を思い出した。 きゅ、と心根が掴まれる心地がする。] ……ふふ、おいし [そう微笑みかけながら、両手を広げて、 彼の首元に回して引き寄せる。 そのまま数度口づけを重ねれば] おふろ、連れてってくれますか? [とおねだりを。]* (54) 2021/07/15(Thu) 22:50:50 |
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