［ヒトの雄は唾液で興奮する‥‥なんて知識はない。

　でも、体が知っている。
　覚えさせられてしまった。
　恋人のさを。

　もっと、と寄せられる唇に貪り付く。>>0:3］



　　　ん、っ……　　ちゅ、　……

　　　ポップ、　……っ、　あいしてるよ…　



［柔らかく舌を絡みあわせれば
　体の芯が熱くなる。
　唾液を送り飲み込ませ
　自分も啜って、口の中で混ぜ合わせてから味わう。

　────やっぱり堪らなく、い。］
　

　
［悪戯を仕掛けたいな、と思いつつ
　唇を離すのが勿体なくて
　合わせ目の隙間から呼びかける。］



　　　っ、……なぁ、ポップ。

　　　ちょっとだけ、目　つむってて？



［そうして、口づけを続けながら
　ポケットから小瓶を取り出し
　人さし指にとろり、とを纏わせた。］
　

　
［垂れ落ちそうになるから
　慌てて、咬合の間に潜らせて
　ふたりの唇に、ぬとりと塗り付ける。］



　　　ハチミツ、だよ

　　　今日はこれで
　　　もっと甘くして舐めっこしようか

　　　どこを食べたい？
　　　どこを食べさせてくれる？



［戦利品として頂戴した希少な品を
　ポップと楽しもうと
　ふたりきりの非番をずっと心待ちにしていたのだ。

　艷やかになった唇の端を持ち上げ
　問いかけながら
　片方の手は、待ちきれないとばかりに
　塗り付けたいと思っている最初のひとつ
　胸の小さな尖りを、布地の上からまさぐった。**］