人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 門を潜り ダヴィード → 黒眼鏡

「部下らしく皆にはきちんと生活してもらいますよ。
 アレさんも帰ってきたら養生生活ですからね」

口を出させてもらえるところなんて本当は殆どない。
心配だけでどれだけ貴方を繋ぎ止められるのか。

「ええ、ええ。
 帰ったらゴクゴク飲みますとも!」

大仰に肩をすくめる。不安が少しずつ散っていく。
貴方との会話はやっぱり、男にとって心地よい時間だった。

「……厳重なんですね。
 分かりました、その時には必ず」

男は『地下の冷蔵庫の奥にある扉』の鍵を貰ったのだと思っている。
そんな場所ならば置いてある物も相応に慎重さが求められる物品なのだろう。
一人納得をして、深く頷いた。
(-399) NineN 2023/09/22(Fri) 18:32:52

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

突き飛ばされればよろめいて、
過敏になった三半規管が揺れて吐き気を催す。
それを生唾と共に飲み込む。
荒くなった呼吸は隠す事も出来ず、
貴方の足音とヴィットーレの呼気だけが部屋に響く。

「何度も言ってるでしょう。吐く事なんて、なにもないの。」
「アンタにとっての正義ってなに?悪人を痛めつける事?
 それとも無辜の民を平穏に過ごさせる事?」
「…アンタのお仲間が絶対に間違えないんだったら、
 アンタが逮捕されてるのはどう説明を付けるのよ。」

単調な音を塗り潰すようにしゃべり続ける。
とはいえ喋れば酸素が抜ける。
息継ぎの瞬間にでも、意識はそれる事だろう。
(-400) arenda 2023/09/22(Fri) 18:35:53

【秘】 無敵の リヴィオ → 傷入りのネイル ダニエラ

皆が戻ってくる日があるか。
それは未来で、明確に答えにするのは難しい。
しかし、戻らないと断定することも、また。

君の問いに、首を傾け、悩むような仕草。

「……上の考えることは分からないし、
 俺個人として知ろうとは思わないが」

「摘発する側はそうせざるを得ないのかもしれないね。
 恐らく上からの命令で、それって圧力だろう?
 止まりたくても止まれないとか」

どうだろう、真実は当人に問うまで分からない。
お上は警察とマフィアに等しく法を執行することで、
従順な軍隊でも作ろうとしているのか。

「何にせよ、答えは俺には出せないし、
 話が聞けるなら聞きたいところだね」

それは上にではなく、そうせざるを得ない者に。
(-401) sinorit 2023/09/22(Fri) 18:36:53

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

マフィアお前たちには適応されない。」

事もなげに言う。
それはつまり、貴方は例外であって、
この一室はある種治外法権的な空間であるということを示していた。
言いながら、男はさっと壁の方に視線を走らせた。それが本当に機能していないか、疑って確かめるような視線だった。


「そうだな。毎日毎日頭の湧いた悪人の相手をするのは気が滅入る。」
「お前もさっさと吐いてくれると助かるよ。」
「そうだな、まずは例のテディベアについて。仕掛け先と総数、利用目的から利用した内容、データの所在まで。全てだ。」

貴方からの問いにはずれた答えを返して、こちらの聞きたいことばかりを押し付ける。
まるで自分の立場が絶対的に上であるというように、自分の手に裁きの天秤があるのだというかのように、男はつらつらと言葉を続けた。
(-402) rik_kr 2023/09/22(Fri) 18:41:49

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 情報屋 エリカ


今日もバー:アマラントはいつも通り営業中。
バイトの一人だって、いつも通りに顔を出して。

空にはどんよりとした雲が垂れ込めて、
人も街も、それに圧されるように
どこか息を潜めたようにしていても。

 カランカラン

ドアベルの音がして、また一人と客が帰っていく。

「静かですねえ」

店も、街も。
何の含みも無く、バイトはただ思った事を口にしていた。
(-403) unforg00 2023/09/22(Fri) 18:59:04

【秘】 オネエ ヴィットーレ → pasticciona アリーチェ

「………そう。アタシみたいなのでも、
 誰かの道しるべになれたのかしらね……。」

ヴィットーレは誰かと寄り添おうと思ったことはないし、そうしようとしてきた人もいない。
誰とでもフレンドリーに、でも誰とでもフラットに。
家族を、少なくとも3人も踏み台にして生きてきた己なんて。
人並みの幸せなんて得てはいけないと思っているから。
他の家族には、貴方にはたくさんの幸せを得てほしい。
マフィアなんて関係がない所で、平穏に、平和に。

見るに堪えない顔でも、せめてもといつもどおりの笑みを浮かべる。
涙を流さないよう必死に頑張った、昔弱虫だった貴方の。
その成長が嬉しいから、自然に零れた笑みでもあった。

「………なんでかしらね、孤児院の家族たちにも、
 よくお礼を言われるのに………」
「………アリーチェに言われると、嬉しくて、安心して……
 ……なんだか、泣きそうになっちゃうわ。」

潤んだ翡翠の瞳。
きっと貴方が、家族の中で貴方だけが、ヴィットーレの
してきた行いを知っているから。
他の家族に感謝されても、騙してるような心地がして
素直に受け取れなかったそれらの言葉が。
……全てを知った貴方が、尚もそう言ってくれたなら、
汚れた自分を受け入れてもらったようで、心が温かくなる。

「……アリーチェ、本当に立派に成長してくれたわね…
 アタシ、嬉しいわ。本当に、自慢の……家族よ…」

気丈で穏やかな、大人の女性の顔。
そんな顔もできるくらい、ちゃんと育ってくれたのだ。
これからはもう、撫でたり抱きしめたり、子供扱いは
しちゃ駄目ね、なんて苦笑して………貴方の手に合わせるように、
血が固まった大きな手を、檻に押し付けた。
ほんのわずかくらいは、触れ合えるだろうか。
(-404) arenda 2023/09/22(Fri) 19:00:01

【教】 コピーキャット ペネロペ


「そうだとしたら、この夢も寂しくなるな」

いつも通りの口調、とはいえそこに常の冗談めかした色はなく。
先日よりも情報量の少なくなったこの夢も相まって。

「あんたの事も伝えときゃよかったかね。
 女の秘密を勝手にバラすのはマナー違反かと思ったんだが」

件の二人の片割れに自分が『そう』だと伝えてはいたが、
あなたの自由意志を尊重してあなたの事は伝えてはいなかった。
向こうも得られる情報は限られているのだから、
白黒どちらとも付かない所から疑われるのは道理であった。

「疑わしくない奴もそれはそれで怪しいって事かね。
 あーあ、酒が飲めなくなっちまうな」

最後の一言だけは、いつも通り。冗談めかした調子で。
(/1) unforg00 2023/09/22(Fri) 19:01:58

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ

「ヒューッ。世も末だな。真っ先に捕まったクセに?
 自分は正義だって信じて止まないツラだな。
 ……その癖『パパ』からの視線は怖いか?
 言いつけを守れてるかビクビクするガキみてえだ」

情報を食う女は、視線を食い、その結果を歌う。

「ああ、俺も同じ気分だ。一日だってごめんだね」
「だから頭の湧いた正義面した犯罪者相手でも、
 素直に答えてやるからよく聞けよ」
「仕掛け先はそこら中。総数は渡し過ぎて忘れた。50か60か。
 利用目的は大体プレゼント。内容はお喋りクマちゃん。
 データの所在?録音した音声ならテディベアの中だ、以上」

まともに答えないなら、こちらも同じ。
情報屋は対価なき情報取引に精度を保証しない。

実際、『子機』のテディベアにはお喋りの機構がついている。
事前に録音された音声を小型のスピーカーから再生する。
それとはまた別に、『親機』から遠隔でデータを受け取り、
それを出力する機構もついていたが、
残念ながら子機から親機は辿れないようになっていた。
(-405) shell_memoria 2023/09/22(Fri) 19:02:28

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 情報屋 エリカ

あなたの声以外はひとつとして音のしない、
それは、本当に静かな時間だった。
最初はただ黙って聞いていたに過ぎなかった女だったが、
徐々にその口を引き結び、息を呑み、目を伏して。



――狭い車内と、遠く夕陽の海を望む。
その後ろ頭と流れる景色を、瞼の裏に浮かべていた。
(-406) oO832mk 2023/09/22(Fri) 19:08:06

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 情報屋 エリカ

目を、開く。
静かな時間は続いていた。
無音で首を振る。…そうしてようやく、口を開いた。


「少し、悩んだんですけどお」
「読まないことにしましたあ。」

「読むのはあ」
夢から覚めてから
にしますう。」


もったいぶって、そういって。
へにゃり、と、頬を緩めて笑う。


「そおしたらあ」
「言い訳なんて、しようがないと思うのでえ。」

「それで、ちゃあんと、向き合って」
「…そのあと、考えよおと思いますう。」


続いたのは、暢気にゆらりと、間延びした声。
「ありがとおございましたあ」と、向き合うきっかけをくれた、あなたへ。
(-407) oO832mk 2023/09/22(Fri) 19:08:58

【秘】 無敵の リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ

「…はは、そうかい。それはとても光栄だ。
 君に口説かれる日が来るとは思わなかったよ」

一体何が欲しいんだ?甘いスイーツかな?
それとも刺激のあるご馳走かな?

話し続ける君の表情を眺めながら、
男はほんの一瞬動きを止め、しかし笑顔は崩れない。
あぁ、本当に熱烈な口説き文句だ。

「随分と突然すぎるが、心配事の他に悩みでもあるのかな。
 それに君からの提案ってのは一体なんだろう」

俺の
、俺
の望みってのもよく分からないな。
 突然すぎて、俺には理解しかねるよ……ルチ」

鈍感なbambinaやdonnaじゃあ、
怪しい勧誘と勘違いして訳も分からず逃げてしまう。

「詳しく聞かせてくれるかい──愛しの君」
(-408) sinorit 2023/09/22(Fri) 19:19:41

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「ああ、いいな。オレ作れるよ、少しくらいは。
 オレんちに泊まりは……あー、多分大丈夫」
「いいよ。やろう」

急に仲間が尋ねてくることも殆ど無いし、
忙しい日に予定しなければいい話だ。
その時は折角だから、貴方の好きな食べ物を
作ってやれたらいいな、なんて。

頬をするりと撫でる手は、やっぱり自分より小さく。

「……伊達なんだよ。これ」

そう言って、肩を竦めて笑ってみせた。
ロメオは店の中でも素知らぬ顔で、
恥ずかしげもなくまたメニューを見て。

「また来ような」

カクテルの届かぬうちに、次の約束をするのだった。
(-409) susuya 2023/09/22(Fri) 19:21:53

【念】 口に金貨を ルチアーノ

『ありがとうございます〜!
 少しまっててくださいね!』

笑顔で猫は受け取られて行き、その店員の腕の中で伸びたり収まったりしながら店の裏手の方に運ばれた。
流石に表で飼っているわけではないようだ。

そうしていると店員は暖かな色をしたブーケを抱えてあなたのもとへ帰ってくる。

『お姉さんみたいな美人さんが来たら渡してくれって
 色男さんが言っていました。こちらお届けものです』

そう言って貴方が渡されるのはピンクをベースとしたグラデーションが美しいのブーゲンビリアの花束だった。
(!7) toumi_ 2023/09/22(Fri) 19:24:49

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

こちらは全くの気遣い・・・・・・のつもりだったのだ。
手慣れていないが故の悪あがき。自分の手で足りないなら貴方の手も借りようと、その程度のつもりでいたものだから。
そんなに一瞬で、反応がまるっと変わってしまうだなんて予想もしていなかった。

貴方の声が甘くなる。
手探りで進んでいた指がずるりと飲み込まれて熱い肉に包まれる。貴方の手を導いたこちらの手はまだそこに留まっていて、だから反応した・・・・のもわかった。
それから、どうやらそこが好いのだということも。

張り詰めていた水は零れれば一瞬。
台の上にある球も転がれば一瞬だ。
それらはきっかけとして充分だった。
男は口を開いて笑った。牙が閃いた。


(-410) rik_kr 2023/09/22(Fri) 19:25:24

【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

そこからは。
例えば、貴方が好いだろうところに繰り返し触れたり。
或いは、芯を持ち始めた部分を一緒に撫ぜてやったり。
落ちつかせながら本数を増やして、窄まりを緩めたり。
時々は検分するようにその肌に手のひらを這わせたり。

貴方が熱を持つごとにこれもまた高揚していく。
前のめりになる感情にこの身体も呼応していく。
慣らされた内側が滑るようになる頃にはきっと、
互いの息遣いはもう抑えられるものでなくなっているはずだ。

ずるりと指が引き抜かれる感覚にも貴方は身を揺らしただろうか。
代わりとばかりに宛がわれるこちらの性器を、どんな顔をして見たのだろうか。
とっくに衣服は取り去られている。顕わになった細腰を男の手が掴んだ。
当然だが、こうなってはもう止まることを知らない。貴方が何をしようと、何を言おうと、何を思おうと。
このは構わず、その身を貪るだろう。
(-411) rik_kr 2023/09/22(Fri) 19:26:09

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → pasticciona アリーチェ

「そおなんですかあ。」

へらり。感想は、それだけ。

「ふふー。でも、嬉しいですねえ。」
「ちゃあんと仲間だって、思っててくれたんですねえ。」

一緒に街を見回って、休み時間は笑いあって。
あなたの作ったお菓子を食べて、また作ってくださあいなんておねだりをする。
そんな日々。
その日々は決して、嘘だけではなかったけれど。
嘘だとしていた方が、あなたにもきっと都合がいいはずだと女は信じていた。


「…んー。聞いちゃいますかあ?それえ」
「でもその答えを、聞いちゃったらあ」

「アリーチェさんも」
ニーノくんとおんなじとこ
に」
「連れてかれるかもって思いませえん?」

無垢そうな瞳で、恐ろしいことをいう。
そうしてまた何もなかったみたいににこりと笑った。
それだけは教えられないのだ。この女は。
だからそんな言い方で、あなたのことを牽制している。
(-412) oO832mk 2023/09/22(Fri) 19:37:06

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

靴音は固く、人々の賑わいは相も変わらず。
表立っての用事でも無いので、今日は変装もしないでいる。
位置情報を片手にどこにあるか見渡しながら歩けば、
それは案外と分かりやすく建っていた。
良い店だ。外装も良く期待出来る。

「あ、ども……、?」

扉を開けた時に合った視線、
店員からの定型文の後に空いた妙な間。
それに自分もハテナをまた浮かべつつ、

「うす。ティラミスが美味しいって聞いて」

おすすめされるままに、今日の所は控えめに選ぶ。
店内に彼の姿は無く、ハズレだったかと思ったが。
思わぬおまけと共にもらった紙切れに気が付けば、
ふむ、と顎を擦った。

店員に礼を言い、「良い店すね」と愛想を撒いて、
少しばかりのチップをカウンターに置いて店を出る。

そこからまっすぐ目指すのは紙切れに示された先。
傍からは人気の無いそのバーの扉を、
ひとまずはノックしてみた。
反応があればそれで。無ければそのまま薄く扉をあけよう。
(-413) susuya 2023/09/22(Fri) 19:42:15

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ

「あはー。なるほどお。」

頷く。暢気なものだ。
またフォカッチャを、ひとつ齧る。

「でもお、それじゃあー」
「もし。…もし、お話を聞けたとしてですよお?」

そういうの
じゃなくって、ほんとおに悪うい人だったらあ」
「リヴィオさんは、どおしますかあ?」
「…やっぱり、逮捕、しちゃいますう?」

こてり、と。首を傾げて、ミントブルーがあなたを窺う。
流れるのは、ただの雑談の延長だと嘯くような、日常的で、穏やかな空気。
(-414) oO832mk 2023/09/22(Fri) 19:59:24

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ

「……他の人間の話は少しだけ今は横に置いておこう。
 俺はなあ、リヴィオ。
 ここに来る間で、お友達にお前のことを聞いたんだ」

さて何処まで、一体いつから本当にお前の中身を知っていたと思う。
それとも全部この口はハッタリを言っていると思うだろうか?
狡い正直者は言わないこともあるが口に出したことは大体本当なんだ。
だけど実際、眼の前に
本物
がいるのに、他人の口コミを鵜呑みにするなんてナンセンスだろう?

「……俺は見ためと態度を一番重んじていてなあ。
 情報や噂は二の次だ。だから、お前がそう望むってんなら。
 
全部なかったことにして
ここにある面だけを見てやってもいい」

(-415) toumi_ 2023/09/22(Fri) 20:05:36

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ

「だがなあ、どんな答えが返ってこようと俺はお前をこれから調べ尽くすぞ。
 お前が自分から見せんのだから、おれは見に行くんだ。
 自撮りから猫の写真から家族や、職場の状況にその怪我の経過。
 俺が知らんと満足しない部分まで調べてその面剥いでやる」

「端から俺は、初めてあった日からお前を疑っていた」

 信じていたから、疑い続けていた。
 あなたが悪者ではないといいと夢見ていた。
 ここでの悪者、という意味がどんなものになるか
 貴方にわかる日は来るのだろうか。
 孤独の猫はそれでも前に進み続け、暴き続ける。

 貴方は己にとっての裏切り者にたりうるか?

(-416) toumi_ 2023/09/22(Fri) 20:09:46

【人】 コピーキャット ペネロペ

朝の慌ただしさは過ぎ、少しすればまた街が動き出す。
そんな静かな時間に、三日月島の灯台には一つの人影があった。

天気はあいにくの曇天。
朝に行き交う人々もそれに、或いは法案の陰に、
重たい空気に俯きがちに背を屈め、歩いていたことだろう。

灯台からの眺めも見通しは悪く、目に映るのは灰色ばかり。
ざあざあと鳴る波の音も平時に比べて心地良いものではなく。
今は侘しさばかりがそこにあった。

けれど、それでよかったのかもしれない。

目を閉じて、過去にこの島であった事を思う。
この島で失った家族を思う。

今となっては伝聞でしか知らない家族ファミリーを思う。

#三日月島_灯台
(8) unforg00 2023/09/22(Fri) 20:11:41
ペネロペは、暫くの間そうしていた。
(a14) unforg00 2023/09/22(Fri) 20:12:04

ペネロペは、自分の素顔を知らない。
(a15) unforg00 2023/09/22(Fri) 20:12:26

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ



「今日は俺を捕まえろ」


「その代わり、提案を受けるってんなら
 お前から俺たちに会いに来て牢屋にぶち込まれろ」

「中でも外でも全部面倒見てやるよ」
(-417) toumi_ 2023/09/22(Fri) 20:19:25

【秘】 無敵の リヴィオ → 傷入りのネイル ダニエラ

男の机上、置かれたフォカッチャは
まだ歯型もなく欠けもない。
問いかけにまた首を傾げ、指先で顎を撫でる。

「そうだね、もしも悪い人だったら。
 そうだったら……いや、逮捕よりも皆の解放を願うかな」

「一人を逮捕しても何も変わらないだろう?
 だったらそう願う方が現状を変えられそうだ。
 最も、俺のこれは願いや望みってやつなんだろう」

希望論でしかないもしもだが、
だったら同じ目に合わせようというのは堂々巡りでしかない。
リヴィオ・アリオストは、そう考えている。

「……君なら。君ならどうする?ダニエラ君」

それじゃあ君は、問う君はどうだろう。
同じように雑談の延長線、その続きを君と続けよう。
(-418) sinorit 2023/09/22(Fri) 20:21:54

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ


「ローメオ〜。ロメオ居るかあ〜?」

真夜中。

食事会の残りの缶ビールやら缶ワイン、
他つまみになりそうなもの、それから酒瓶を持って。
酒飲みはあなたを探してアジトをぶらついていた。
やっぱり飲まないとやってられなかったらしい。

が、さて、あなたの姿は見付かるだろうか。
(-419) unforg00 2023/09/22(Fri) 20:27:53

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 法の下に イレネオ

「不安にさせてるのは
そうやって威圧的に取り締まる奴らのせいだろう。
嘘でもそれが真実だと上塗り出来るようにした。
そんな奴らのせいだ。履き違えるなよ。」

ブレない。まだ。

「ないものをあると断じて捌くのがお前の正義か?
だったら随分と独善的だな。それこそ何も見えちゃいない。」

ただ一つ、この男が揺れるとしたら。
貴方を摘発した罪悪感かもしれない。

「お前を摘発して牢にぶち込んだのは誰だ。
そんな役回りを押し付けたのは、誰だ。
本当にそれがお前の信じた正義なのか、イレネオ。」

貴方の苛烈な一面を見たことはなかったから。
何かの間違いであって欲しいと思う。

パンを抱えて困っていた貴方を
仲間と語らっていた貴方を知っているから。
(-420) ぴんじぃ 2023/09/22(Fri) 20:29:32

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「ん。弟」「義理……?だけど」

説明が難しんだよな、と首を傾げる。
貴方の察する通り、歯切れの悪さの理由はそこにあった。
弟だけではない。今まで逮捕された仲間だってそうだ。
手段があればすぐにでも解放してあげたい。
けれど、手段はない。
できる事は現状維持、ボスの帰りを待つのみ。

それが嫌だ。

「……あんた、いい男だな」「ありがとよ」

我儘みたいに打ち明けた八つ当たりの一つを、
見送らず隣に立とうと言ってくれるのが嬉しかった。
無免許宣言に大丈夫かよと笑って。

「ボスの事信じてない訳じゃないけど。
 そうなったらあんまりにもやりきれないからさ」
「一人でやれば捕まったって迷惑かけない。
 皆逃げてくれれば、オレは別に」

「って、思ってるけど。あんたは怒りそうだし」
「一緒に来てもらうのも良いな」

今はまだもしも話にしか過ぎないそれを、
夢物語みたいに目を伏せて唱えた。
(-421) susuya 2023/09/22(Fri) 20:32:39

【念】 傷入りのネイル ダニエラ

運ばれていく猫に、指先だけで手を振って。
その頃には手の平に残っていた柔らかさも温かさも消えている。

「…あー。色男さあん。」

ブーケを受け取る。…浮かぶ顔は2つくらいあった。
しかしタイミング的に、片方に絞ることもできそうだ。
…そうやってだれかの顔を浮かべながら花束を見つめるその瞳には、僅かな寂寥が乗った。

「色男さんはあ、このお店、よく来るんですかあ?」

おもむろに顔を上げた女は、気怠そうに間延びした声でそう訊ねる。
ブーゲンビリアは胸の前。香り立つことなく、ただ鮮やかに。
(!8) oO832mk 2023/09/22(Fri) 20:38:41

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

最後までを暖かく見守り聞き終えてくれた貴方が、次に口を開き話してくれるのは己が知らない時代のことだ。
マフィアについて詳しくもなかった男は今と昔の違いをそこでようやくに知る。
けれど一度広まった印象というものはそう簡単にはなくならないもので。
彼等からの被害も決して無くなったわけではないと、これは周囲を見ていても知るところ。

だから、やはり仕方ないのだろうかと。

落ちかけた視線、されど貴方の言は続いていく。
下がる眦が届けてくれる慈愛に満ちた表情。
鼻先を掠める芳香と混じり、かつての記憶が蘇るよう。
──変わらない。

「…………うん」

変わらないものが、ある。
そう感じる度にどうしてこんなにうれしくて。
どうしてこんなに泣きたくもなるのだろう。


「ちゃんと、ひとつの参考にする。
 けど、……よかった」
「ヴィトーさんが、"間違っている"を言ってくれること」

にぃと笑って届ける表情も幼いころと変わらない。
……のは己で自覚しているものではないけれど。
伸ばした指先は、貴方の服の袖をちょんと摘まんでいた。

「自分の心、よく見えなくなってたけれど。
 それを聞いてようやくちょっと……見えた気がするから」
「でも決まっちゃったもの、変えるのって難しい……ですよね。
 何かしてたら、オレでも変えられるものあるかなあ……」
(-422) mspn 2023/09/22(Fri) 20:42:47

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ

押し込まれた瞬間に悲鳴がまた落ちる。
骨が割れる音を拾い上げ腹の底は冷えるようなのに、
ペン先が刺さるその場所は燃えるような痛みを訴える。
片側の手を止めるために動かそうとしても──じゃらり。
金属が擦れる音が自由の無さを示しただけ。

「……な、にも、しらな」

ぐり。


い゛っ
、ぅ」
「っは、……」

「……ゎ……、かり、ませ」


ぐり。


「〜〜ッぁ゛」


ねじ込まれる度に背が丸まり、びくりと身体が跳ねる。
喘ぐように開いた唇から苦悶に満ちた哭き声だけが落ちる。
首を横に振る度に汗と涙がはたりと落ちていく。
息をすることさえままならなくて、こんなの。

[1/2]
(-423) mspn 2023/09/22(Fri) 20:49:50

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 法の下に イレネオ


──地獄、みたいだ。


いたい、こわい、くるしい、やめて。
逃れるための術を探している。
何か伝えたらやめてくれる?
でも本当になにもしらなくて。

貴方にそれを伝えようとしたのだと思う。
顔を上げ、滲む視界にその表情を捉えて。
けれど。

…………なんで。


どんな言葉よりも先に浮かんだものが、形になる。

「……な、んで…………」

「…………、……ゎ、らえる、の……?」


わからない。
わからなかった。
ぽた、とまた頬に雫が伝う。

[2/2]
(-424) mspn 2023/09/22(Fri) 20:52:29