人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「解ってる、解ってるよ。
 こんなオレでも、オンリーワンではあるらしい」

不思議な話だよな、なんて皮肉ったらしく笑った。
自分に何かあれば、確かにあいつは泣くかもしれない。
貴方も泣くかもしれない事は、
ロメオはまだピンと来ていないけど。

「おう。約束」
「……悪いな。愚痴っぽくなって。お前も愚痴とかないの?」

目を細めて、穏やかに笑んで。
それからお詫びに聞きますよ、と貴方に問いかける。
(-618) susuya 2023/09/23(Sat) 13:47:32

【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ

奇妙な可笑しさがこれの喉を転がる。
それは空気を揺らして笑いになった。

貴方の顔がさっと青褪める。
大きな双眸から涙が落ちる。
唇が開いて音もなく震えた。

男はペンから手を離した。

両手で包むように貴方の頬に触れる。大きな厚い手のひらだ。貴方とこの男では一回りも二回りも体格が違う。伴って当然、男の手は貴方の頭に比して大きい。

貴方の手は自由になった。
今なら抵抗することは出来る。
しないのであれば、再びの口づけが寄越されることは明白だ。
貴方にとっては目的も分からない、ただ恐怖を想起するだけの口づけが。
(-619) rik_kr 2023/09/23(Sat) 13:53:25

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

立ててない指摘には、たててる……とまた主張していたものの。
一人ではろくに歩けそうにない男は貴方に支えられたままだ。
そうして目の前に向けられた背を見つめると、ゆっくりと瞬きを一度、二度。

「…………おんぶ」

してもらうの、いつぶりだっけ。
わからないけれど両腕を伸ばすことに抵抗は無かった。
そうして貴方がおぶり上げれば思ったよりも軽いと感じるかもしれない。女子よりは当然重いのだが、男子にしては発育が良いわけではないので。

「あはは、おんぶ」

笑いながらぎゅぅと腕に力を込めたのは、落ちないようにというよりはうれしくて。
緩む頬に癖のあるひだまりの髪が触れて、くすぐったくて、しあわせだった。

「かえる、かえろー、ろめおにい」

呼んで、その内に貴方が歩き出してくれることだろうか。
規則正しいリズムに揺られるのは揺り籠にも似ていた。
少しの間はふにゃふにゃと起きていて、言っていることは「ろめにい」「ろーにい……」となにやら改めての呼び方の模索だったが。
じきに穏やかに寝息を立て始める、安堵し切った子供と同じ。
(-620) mspn 2023/09/23(Sat) 13:55:03

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

「ぎ」

真っ先に出た音は、それだった。
或いは、揺さぶられた脳と、やられるままでたまるかという、
微かな意地が見せた歯を食いしばる抵抗の音だった。
ことここに至って、女の口元は未だ形だけは笑んでいた。

それでも、例えこの女がマフィアであったとしても、
手足のように扱う機械ではないから。
鼻の奥から流れ込む血が喉に落ちていき、
踏み躙られる肩からの悲鳴はそのまま口から出ようとする。

女は拷問も担当していたから、今何をされたら不味いか、
手に取るようにわかっていた。だから、靴底から
"緩急"が与えられた瞬間があったなら、
「あ、終わった」と。そう思う事だろう。
それでも、ほんの僅か。

「ぐ、あ、ぎぃ、ああ……」

その程度で済ませたのは、きっと意地と張り合いのおかげで。
しかし同時に"その程度"こそが、分の悪い根競べの敗北を、

即ち、天秤の傾きを意味していた。
(-621) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 13:58:38

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

「『何を』。」

ふん、と男は鼻を鳴らした。
歪む視界の真ん中で笑ったようだった。

「皆そう聞くな。やっぱり脳みそが足りないのか?」
「何も何故もない。法に則り、裁くための手続きだよ。」
「お前たちも従ってきたはずだ。どうしてわからない?」

ぐらり。ぐらり。眠気で頭が揺れる度。
男の声が反響する。判断力を失わせる。

瞼が重たく帳を降ろそうとする。

貴方が耐えられず首を振らすなら、
今度はその頬に男の拳が飛ぶ。
(-622) rik_kr 2023/09/23(Sat) 14:03:10

【秘】 門を潜り ダヴィード → 黒眼鏡

「ええ、ええ。
 頼りにしてくだされば幸いです」

「早く帰ってこないと、勝手に掃除しちゃいますからね」

見られて困る物、というよりは処分していい物かどうか判別をする人間がいなければ、さっぱりきれいにされてしまうことは想像に難くない。
仕事道具もあるであろう場所に勝手に触れたことはないので恐らく冗談だが。

「はい。待ってます。
 ……出たら、忙しくなるでしょうから、待ちますよ」

本格的に寒くなってからのジェラートというのも、それはそれで悪くないかもしれない。
体を冷やしてからあたたかい珈琲でも飲めたら最高だ。
いつかの約束に思いを馳せて、男は穏やかな声でそう言った。
(-623) NineN 2023/09/23(Sat) 14:05:17

【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ

揺れる、揺れる、ゆらゆらと。
飲まされたばかりの睡眠剤は意識を奪おうと誘って。
貴方の言葉すらも上手く聞けない。

「っ、う……こんな事、する訳ないだろ…」

頬を殴り飛ばされ、意識が戻される。

これは尋問と言うより、拷問。
許されるものではない、と。
貴方を、睨みつけようとする。
(-624) ぴんじぃ 2023/09/23(Sat) 14:08:02

【影】 傷入りのネイル ダニエラ

常日頃、閑古鳥と同棲するそのモーテルは、つい数日前の騒ぎから一転、ここ数日でさらに静かになっていた。
ある雨の日に立ち寄ったのと同じように女はそこを訪れる。
人目を気にして足早に入口へと近付くと、するりとその中へ入っていった。

入口傍のカウンター。
カフェインの香りを撒き散らしながら店番をする経営者の姿はそこにない。
超えて奥にある扉を潜ると、そこはそんな経営者の私室だった。
部屋の大半をキングサイズのベッドが占め、本当に寝るためにしか存在していないんじゃなかろうかと密かに思っていたことは誰にも言っていない。
さらに言えば彼女は徹夜の常習犯でもあったのだから、想像する更に数倍この部屋に価値はないんじゃなかろうかと思っていた。

…実際には、そんなことはなかったと知ったのはつい数時間前のことである。

ペンライトを口に銜えて両手が使えるようにした女は、それからそこで暫く作業を行った。
たった1度しか聞かなかった手順だが忘れようもない。
大切で大好きな、昔馴染みの言葉なのだから。
(&6) oO832mk 2023/09/23(Sat) 14:09:14

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 情報屋 エリカ

/*
取り急ぎ、確認ありがとうございます。
はい、それで勿論構いません。
一応の確認程度で聞いてるので、その後の行動には何ら変更はありませんし、そのようにいたします。
(-625) eve_1224 2023/09/23(Sat) 14:26:26

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

引き絞れるような声が耳に届けば、男は口の端を軽く歪めた。
やはり不快そうだった。不愉快そうだった。
つまらなそうだった。


とはいえ、これは仕事・・だ。
快不快で判断して辞めていいものではない。

貴方の口が僅かも開いたなら。
男はその隙を見逃さなかった。

錠剤をひとつ。
手のひらで覆うようにして放り込む。こうすれば貴方はもう逃げられない。
口の中に入りさえすればこっちのものなのだ。飲み込まずとも溶け切るまでこのまま待つだけのこと。傾いた天秤は一層男に利する。
どうあれ長い根比べが始まるのは明白だった。

男は、貴方の口に入った薬の効果を知らない。
途中で一緒くたにされてしまった錠剤の見分けを知らない。
ただ、先程の警官の言葉によれば。
この場にあるのは
興奮剤
自白剤
の二種類で、
貴方が感じた効果によると​────それは興奮剤の方だ。
(-626) rik_kr 2023/09/23(Sat) 14:29:10

【秘】 無敵の リヴィオ → 傷入りのネイル ダニエラ

「勿論、実は俺も気になってたんだ」

今まで一度も足を運んだことがない動物カフェ。
一度どんなものなのかをこの目で見てみたかった。
それに、君が笑顔になれたらいいなと考えたんだ。
流石にそれは内緒のままだが。

立ち上がり、手を伸ばす君を眺める。
何かを口にすることもなく、
君が施してくれる様子をただ黙って見ていた。

(-627) sinorit 2023/09/23(Sat) 14:34:21

【秘】 無敵の リヴィオ → 傷入りのネイル ダニエラ


もしも、君が少しでも男の額や頬に触れたのなら、
異様に熱を持っていると感じられるかもしれない。

勿論、普段触れることがなければ、
男の体温が高いだけの可能性はあるだろうが。

──だって男は、"いつも通り"だ。

きっと、気のせいだった。

(-628) sinorit 2023/09/23(Sat) 14:34:45

【秘】 無敵の リヴィオ → 傷入りのネイル ダニエラ

満足げに微笑みながら離れる君を確認した後、
飾られた犬のヘアクリップを見るために、
机上の鏡へと手を伸ばす。

「……今日も素敵だね。
 本当に、いつもありがとう」

そうしてそれを目にした途端、緩やかな笑みを浮かべ、
噛み締めるように君に、改めての感謝を告げる。
こんな時だからこそより丁寧に、
その日常への思いを伝えたかったからこそ。

いつだって、君からの贈り物は嬉しいものだった。
(-629) sinorit 2023/09/23(Sat) 14:35:18

【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ

貴方が頷いて、安心を得てからにようやく男はデニッシュにかぶりついた。
複雑でしかしすっきりとした甘さが舌の上に沁みる。
五十年前、マフィアの勢いの強かったいつかと比べれば街の様子は変わった。
どちらが豊かであるかを示すものではない。ただ、変わった。
その片鱗の一つが、法案の形としていま表れているだけ、なのかもしれない。

「正直な話、私も彼らは好きではない。非合法の手段を取っているのには変わりない。
 いずれ衰退して街の産業や活気の中へ落ち延びていってほしいものだ。
 ……人としてそこにある人々を排斥して済まそうとは思わない。
 正しく、歩み寄れる隣人となれるように、徐々に解体されてほしいところだ」

マフィアなんていなくなってしまえばいい、端的にはそういう話だ。
けれどもそれは、彼らの死や破滅を望むのとは違う形だった。

「フレッドが自分の道や、自分の目の前にあるものを見ることができたならいい。
 君が目を塞いでしまわざるをえないことが、私は一番悲しいよ」

服の袖に掛かる僅かな重みを払い除けたりはしなかった。
そこにあるものを、そこにあるように。
されるがままの腕が、貴方へと預けられた。

「革新的に変えるのは難しい話だ、私でもそうだ。
 けれども其れ以外のことをしてはいけないわけではないし、そうだな。
 街の見回りでもして、店の人達やおじいさんおばあさんたちとたくさん話をしなさい。
 彼らにとって、安心できるお巡りさんであるようにね」
(-630) redhaguki 2023/09/23(Sat) 14:35:27

【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ

その通り。するわけがない・・・・・・・
貴方に対する男の行いは、平静なら一発で逮捕レッドカードだ。
つまり、男だってそう。尋問の経験はあれど拷問の経験は浅い・・

「……。」

顔を歪める貴方を見、男は思案するように顎に手をやった。
貴方を実験材料にして、男は学習している。


「さすがに向きませんね。」
「もっと時間があればいいんですが。」

首を右に、左に倒し。呟いた男は、再び錠剤を手に取った。そうして貴方の方へ手を伸ばす。眠気から緩慢になった動作は好都合だ。きっと難なく捕まえることが出来る。
そうして男の思うようになったなら、
これは貴方の鼻を摘んだ・・・・・

そこは人体が空気を取り込む場所の一。
もう片方を開かせたいのなら、ほかの入口を塞ぐのが近道だ。
(-631) rik_kr 2023/09/23(Sat) 14:46:15

【秘】 無敵の リヴィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

夕暮れ時、それまで忙しなく働き続けていた男は、
壁に飾られた時計を確認して席を立つ。
そんな男の姿を見つけるのは部署内か、あるいは廊下か。

どちらだとしても、
君の姿を確認すれば手を振って軽い挨拶。
ただ、君の意中の人物が自身だとは考えなかったのか。
呼び止められれば目を丸くして、首を傾げる。

「…ふむ、何か大切な用かな。
 勿論、俺で良ければ力になろう」

君の思いを伝えてごらん。
力になれることなら、力になろう。
(-632) sinorit 2023/09/23(Sat) 14:48:28

【神】 路地の花 フィオレ

いつかの時間。
アジトの会議室に、山ほどのホットドッグ用パンを置きにきた。
具材はない。パンだけだ。

『ご自由にどうぞ』
(G22) otomizu 2023/09/23(Sat) 14:57:10

【秘】 情報屋 エリカ → 花浅葱 エルヴィーノ

「やっていること、ね 

挨拶もなく、あなたの言葉を繰り返す。
そんなもの確認せずとも……なんて考えたが、余計な事だ。
安心を渡すのも、この情報屋のひとつの仕事だった。


「幼馴染の方は……これと言ったこともない。
 一人での町歩きや、美女や友人とのデートを楽しんでいる。
 普段している事と、大きくは変わらないんじゃあないか?」

少なくとも、降ってわいた何かに
踊らされているわけではなさそうだ。

「先輩殿の方は……まぁ忙しくしている。
 人手が減る一方の警察だから、というだけではない。
 特別任務を受けている為だ」

「──【A.C.A】、と言えばもう分かるだろう?」

「そういう事だ。摘発に足る証拠があれば、
 チームメンバーであろうと
 この法を適用していたことだろうな、彼は」

温度感の薄い、淡々とした音が返った。
(-633) 66111 2023/09/23(Sat) 14:59:34

【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

「うんうん、それが分かってるなら大丈夫です」

「……愚痴、かあ。
 愚痴かどうかは、分からないんですけど」

しばらく考え込み、ぽつりぽつりと話し出す。

「俺、小さいころに色々あって。
 アレさんとペネロペさんに拾ってもらって……
 ずっとあの二人の役に立ちたいって、生きてきて」

でも、こんなことが起きて。
『俺の命は貴方達のものだ』って言ったら、怒られてしまった。
使い方を決めるのは俺で、ちゃんと手綱を握った上で二人のためを考えて行動しろって。
だから、俺がちゃんと考えられるようにならないといけない。
どうしたらいいんだろう。

そんな、愚痴というよりは相談事だった。
(-634) NineN 2023/09/23(Sat) 15:01:40

【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ

その表情に「煽り所」を見つけはしたものの。
口元を覆う手のひらが相手では、声もほとんど出せず。
どうせ一度開いたならもう変わらないから
喚きでもしてやろうかと思ったのに。

現状を考えれば。男が肩を踏み砕くような姿勢でなければ、
女に覆いかぶさって口を塞ぐ男という図式は、
強姦魔に等しいもので。或いはそこを突けば、多少なれど
男の動揺か、怒りか、その辺りを引き出せるかもしれないが。
今は煽りより、「何」を入れられたかだ。

普通は、薬は目で確認するのだから、色と形で薬を判断する。
だが手のひらに覆われた状態ではそれを判別は出来ず。
しかしケースに入っていたのだから、数種類までは絞れる。
処分しそこなったものなら、数世代前の物か。
味は知らん、飲んだことなど一度もないから。
どれにしろ、致死の薬はなかった。ならば――。


カンターミネは、考えをシフトした。
即ち、いずれ朽ちる『正義』と遊んでやる、と。だから、

ぴちゃり。


嫌がらせの念を多分に込めて、手のひらをぬるりと舐めた。
目元にまた、張り付かせる。痛みを越えて、にやついた顔。
目尻を下げて、掌の向こうで口角をあげる。
もごご、と口の中で僅かに溶けた錠剤と共になすりつける。
『雑魚が』。たった3文字、ただの笑み。
即効性のある薬なのか。痛みは少しずつ、和らぐ。
分泌されたアドレナリンが、恐れを削いで笑みを返した。
(-635) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 15:14:51

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「───ふうん。なるほど」

少しずつ語られる、貴方の相談事。
役に立ちたいという気持ちも、命を捧げようという気持ちも、
ロメオには心当たりがあり、共感できるものだった。

「……観察かなあ」

首を傾げながら、思考しつつ口を開く。

「別にオレは目標とかも無くて、生きんのに必死で
 気が付いたらこんなスタイルの生き方になってたけど。
 まずオレみたいな生き方をしたら殴られると思え」

「人の為に生きるなら、人が何を欲してるか知らなきゃ。
 何が嫌で、何をしたら喜ばれ、何をしたら役に立つか。
 人を観察して、そういうのを吸収する。
 人間が正しく自発的な行動がとれるようになるのは、
 経験と知識があってこそなんだよ。挑戦するのもいいが。
 未熟者の挑戦は無謀と同義になる事もある。
 この世界でそうなると、死ぬ事もあっから……」

目標があればいい、理想があればいい。
その真似をしてみるのもいい。勿論背丈に合った方法で。
そういう事を、ロメオは言った。

「何かある?そういうの」
「どうありたい……とかでもいいけど」
(-636) susuya 2023/09/23(Sat) 15:25:54

【墓】 幕の中で イレネオ

男がその知らせ >>n4 を聞いたのは、それが署内、或いは島中を駆け巡ったより幾らか後のこと。
またいつものように・・・・・・・牢を空にしていたその男は、ねぐらに帰る最中にそれを聞いたのだ。

ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリア。

その名は当然男だって知っていた。話したことさえあった。
同じファミリー・ネームのよしみ。広範な人間関係を築くのが不得手なこの男のためにと、気を配ってくれたのを覚えている。
その時の悠揚な笑みを覚えている。


────
がん。
(+8) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:32:03

【墓】 幕の中で イレネオ

がん。

がん。
がん。


それは憤りだった。
男の義憤が牢を打ち檻を揺らした。
食い締めた歯がぎりと鳴る。奪われ消された子どもたちのことを思ってまた心が逆立った。

「────くそ野郎が」


呻きに似た響きが落ちる。
まったく男は正義の徒であった。
(+9) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:32:26
イレネオは、真面目な警官・・・・・・だ。自他ともにそう認めるように。
(c27) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:32:53

【秘】 黒眼鏡 → 門を潜り ダヴィード

「好きにしたい時は、好きにしていいからな。
 俺はそっちのほうが嬉しいね。
 めんどくさいオッサンだから」

自分勝手にすぎることを言いながら。

「それはそれで、片付けの手間がはぶけていいなあ」

…実際やっても、怒ることはないだろう。
見られて困るものなんてあるのだろうか。

「おう。
 まー、ファミリーも無傷じゃすむまい。
 そーなるとお前やペネロペが出世できる目もあるってもんだ。

 お前さ。金か、女か? それとも立場?」

曖昧な質問。
(-637) gt 2023/09/23(Sat) 15:33:35

【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ

「いいや。壊れないために、やっていることなんだろう。
 でなければ明日、罪もない人を捕らえるのは自分かもしれない、なんて。
 そんな状況には耐えられもしないさ」

法案を嘆くのは他人事だ。けれど、手を尽くすのは現場の彼らだ。
彼らは己の声も届かない高みからの命を受けて、曖昧な罪を裁きに己の足を運ぶのだ。
とても正気ではいられない。
哀れむように、スカイブルーは長い睫毛を伏せた。

「生きて罪を償うべきを望むなら――……それこそ此処がちょうどいいということになる。
 調書には目を通したかな。なら、わかるだろう。
 私が口の利ける状態で生きていることを望まない連中は大勢いる。
 島内のマフィアの根絶は目指せても、島外よりの者となると不可能な話だ。
 生きて、を望むならばそれこそ、此処から一歩とて出ることはできないんだよ」

貴方の目の前にいるのは上級警部ではなく罪人だ。
故に、一度咎を受けたならば二度と元のようにはならない。
貴方の目の前にあるのが現実であり、真実だ。
(-638) redhaguki 2023/09/23(Sat) 15:38:28

【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ

「ふふー。」
「今回も気に入ってもらえて、良かったですう。」

はにかみ笑んで、明るい声。
ありがとうなんて、本当はこっちが言いたかった。

それにしても。
そうして落ちた瞳であなたの額に触れた手の平を見つめる。
まあいいやと割り切れてしまえる女ならばよかったのだが。

「…リヴィオさん。」

また徐に手を伸ばす。
前髪揺れる額ではなく、目指したのはその頬だった。
別に無理にと言いはしないから、拒否をされれば触れることは叶わない。
それでももしまた触れることができたなら、その熱を確信して問うはずだ。
「熱いですよお。具合悪いんですかあ?」って。
(-639) oO832mk 2023/09/23(Sat) 15:44:00

【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ

手のひらに濡れた感触。
それを感じた男は、反射的に貴方の頬をその手で・・・・打った。
まったく拷問官にあるまじき態度。口に物を入れさせておいて、あまつさえ吐き出させかねない真似をする。
男がこういった行為に慣れていないのは明白だ。そもそも感情的すぎる、筋道だってそう整えられていない。


そうしたとて貴方は笑っているのだろう。
優位を取ったと思っていた男は、再び鋭い舌打ちを。不機嫌そうに視線を一度逸らせば、唾液と共に吐き出された薬が目に入るだろうか。
(-640) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:49:44

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ


「いいねえ、祝日が増えたらそれは
 署長代理殿最大の功績と言ってやっても良い」

実際、街ではひそひそとゴシップに興じる者も多い。
何か一つでも火種さえ落とされれば、
案外火の手は早く回ってしまうのではないだろうか。

「そのマルチタスクがその辺の奴はなかなかできねえんだよなあ。
 便利な人手があって助かるわ。
 指示出しはまあしゃあねえ、俺が居なくなったら
 親父とその部下が引き継ぐはずだ」

「俺ァお前がとっ捕まっても悲しいがね。
 あ、これオフレコな」

気軽に酒飲める奴減るし、と一瞬で発言を台無しにして。
もう一枚、ラスクを抓む。

「おうよ、俺は良く出来た犬は好きだからな。
 ぜーんぶ片が付いたら嫌ってほど褒めてやるよ」

へらりと笑って、また酒を呷った。
(-641) unforg00 2023/09/23(Sat) 15:56:54

【神】 コピーキャット ペネロペ

「あ?パン?」

「…なしてパンだけ?」

会議室に置かれたものを見、困惑。
ある上司の顔が過ぎったかもしれないし、ないかもしれない。

#アジト
(G23) unforg00 2023/09/23(Sat) 16:04:34

【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ

「なんだ」

拍子抜けしたような声がソファに落ちた。
僅かばかりの期待があったのかもしれない。わかりやすい終りのある事への。
組んだ手が腹の上に置かれ、虚脱したようにソファの背もたれに体を預ける。
とても貴方の期待に値する価値のあるような人間とは思えない。
貴方が男の顔を視たならば、貴方を見上げるスカイブルーには薄く冬の雲が掛かっている。
今、ではない。会ったときから。おそらくはずっと何年もそうなのだろう。

「お前にできることなど何もないさ。
 失われたものを探し出すのは途方もない時間が掛かる。
 ようやく見つけたところで、そこには手遅れって名前の裏切りが横たわっているだけだ」

淡々と物語を口にするように、切り捨てる言葉が向けられる。
貴方の"光"に照らし出されるものなどない。無いものは照らせない。
そしてその結果を告げる意図は、今しがたの会話による影響さえもない。
貴方のことをどう思っているか、どういう期待や勘定を向けているか、
それとは無関係にただそこには閉じられた扉があるだけだった。
扉は、壁は、ふと。流れた風で木の葉が動いたのをみるような気まぐれに口を開く。

「憂さ晴らしがしたいのなら手を貸してやろうか。
 頼み事があるんだ、ルチアーノ」
(-642) redhaguki 2023/09/23(Sat) 16:07:12