人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

表情の変化こそなかったものの。
くす、と吐息混じりの笑みが薄い唇の隙間からこぼれ落ちた。

「お菓子もそうだが。何も見えるものに限った話じゃない。
お前とこうして過ごす時間、お前の好意そのもの。

お前が俺に向けてくれるもの全てだ」

髪を梳き、その間から見える肌へと指を伸ばす。頬を静かに撫でながら、語りかけるようにゆっくり貴方へ想いを伝えた。

「俺が家族から貰ったものなんて、貴戸という家を栄え絶やさず繋ぐ為に必要な技術や知識くらいだ」
(-277) もちぱい 2021/09/27(Mon) 3:22:55

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「…………」

くすぐったい。
手の感覚が、貴方の言葉が。

「言って良かった。好きだ、って。
 ……実は何時からかって覚えてないし、
 何が好きってのがある訳じゃないんだよな。
 気付いたら、好きだった。
 好きだと気付いたら、もう全部が好きになった。」

腕を伸ばしてぎゅっと抱きしめる。

貴方はあまり家族の話をしない。
こんな場所に来るくらいだ、話して気持ち良くもないのだろう。

「まあ、悪くないな。
 お前をいちばん好きな人間は俺なんだってのは。」
(-278) osatou 2021/09/27(Mon) 3:31:07

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「……。
俺は別に自分の事を好きとも嫌いとも思っていないが、それでもお前に好かれる部分がある人間だとは思っていなかった。お前と違い、自分勝手で薄情な人間だからな。
……だから、今もまだ信じられないでいる」

抱きしめてくる貴方が愛おしくて、絶えず頭を撫で続ける。

「ああ。俺は自分が満足に呼吸できる場所さえあればそれでよかった。その為に一人になったとしても文句なかった。

でも……お前のおかげで、日々を過ごすのが『楽しい』と思えるようになってきたんだ。一人きりなら例え生きやすくなったとしても、そんな感情を抱くことは難しかっただろう」

口元を綻ばせる。
自然に浮かべるようになったこのはにかみも、一人で生きる事を決めていたらきっとずっと縁のないものだっただろう。

「俺はお前が一番好きで、お前さえいてくれればそれでいいんだ」
(-279) もちぱい 2021/09/27(Mon) 3:42:30

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「……最初は、カタい奴だと思った。
 気が合わないかもなって。お前、ほら、几帳面だし。
 それでも一緒に過ごしてたらさ、
 意味分からん事し始めたり、負けず嫌いだったり、
 目が離せなくて、
 ………名前を、呼ばれ始めた頃には、多分、好きだった。」

そこからは、好みが全部貴方に染まった。

「……もうお前は、一人にはならないよ。
 頼まれたって離れてやらない。」

そっと腕を離して貴方を見上げる。


「──嗚呼、お前って、そんな顔するんだな。」
(-280) osatou 2021/09/27(Mon) 3:58:33

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

好きという感情はもっともっと甘ったるいだけのふわふわしたものだと思っていた。
それなのに、自分の中に生まれた好きは愛しくて愛しくて、たまらなく嬉しさが募って押しつぶされそうになるほど苦しくなってしまうものだった。

「ああ。願わくば、ずっと傍にいてほしい。
お前で満たされる幸福を知った今、お前がいなくなってしまったら。
…………もう世界のどこにいっても、満足に呼吸ができる場所なんて無いだろうから」

その苦しさと嬉しさが混ざり合い、涙となって飛び出そうとしてくる。ああ、嬉し泣きとはこんな風に生まれてくるのだろうか。

「……自分の顔のことなどよく分からないが、もし変化が生まれたのだとしたら。それはきっとお前のお陰だ、暁」
(-281) もちぱい 2021/09/27(Mon) 4:10:36

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


居なくならない。


ぴしゃりと言い切る。

「………と、思う。
 死ぬ予定は無いけど、
 不慮の事故とかは流石に保証のしようも無いしな……。」

貴方の頬へ手を伸ばし
指先で肌を摩る。

「そうか、俺か。
 そいつは光栄だな。」

息苦しい日々とは、どんなものだろうか。
理解は出来ないが、想像して、苦しいなと眉を顰めた。
(-282) osatou 2021/09/27(Mon) 4:20:35

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

言い放たれた言葉を、泣きそうな笑顔で返した。

「……死が二人を分かつなら。その時は……、どうしような」

目に見えない未来のことなど誰にも分からない。いつ誰に死が訪れるかなんてそんなの誰一人として知れるものではない。 考えてもしょうがないことだったから、思考の隅へと追いやった。

肌をくすぐる指に思わず喉を鳴らして笑い声にも似た吐息をこぼしていたものの、微妙に眉を顰めた貴方を見て少しだけ首を傾げた。

「暁、どうかしたか?」
(-284) もちぱい 2021/09/27(Mon) 4:30:38

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「死んだら死んだ時で良いんじゃないか。
 とは言え、そう簡単に死んでくれるなよ。」

少しだけ口を噤む。

「……貴戸が今まで苦しんで来たんだなって考えて
 嫌だなって思った。
 ま、過去があってこその今だし
 仕方ないんだけどさ。」

こんな場所でないと
きっと貴方とは巡り逢えていなかっただろうから。
(-293) osatou 2021/09/27(Mon) 12:58:06

【墓】 1117 闇谷 暁

>>【食堂】
>>+82

「邪魔な訳あるか。
 ……寂しくないか?」

な、と、ルームメイトを一瞥。
からっぽな空き部屋で、彼は一人何を思うのだろう。
そんな勝手な想像だけが頭の中にある。

言い忘れていたいただきますと有難うを告げて
箸先を行儀悪く迷わせ、豆腐を割いた。


「……何かあったんだな。」

きっと何か、迷彩が大切な話をして
黒塚がそれを無視でもしたのか。
何にせよ、タイミングの悪い事故……のようなものか、と
一先ずは気楽に捉えた。
大きなことが起こっているとは、あまり考えたくはなかった。
(+83) osatou 2021/09/27(Mon) 13:18:22

【墓】 1117 闇谷 暁

>>【食堂】>>+84

「………良いよな?
 今日だけと言わず、いつでも。」

言って、気付く。
勝手に決めても良いものだろうか。ルームメイトへちらりと視線を送る。
布団は……近くの部屋から持ち込んで来ても良いだろう。そんなことを考えつつ。

「……煩かったらすまん。」

自分は何とも思わないが、ルームメイトの声が大きい。
……寂しさは紛らわせるのではないだろうか。





「…………、」

貴方の夢。
かつて自分勝手に口を挟み、怒らせたもの。
背中は押せないが、貴方の思いはよく理解していた。

「悲しいな。」

彼のために、何が出来るだろう。
探偵だ何だと名乗っておいて、余計なところで飛び込む癖に、いざ目の当たりにすると足が止まる。戻れないな、と、自虐の言葉と共にもやしを飲み込んだ。

「話して、笑われて……何か言われたか?」
(+85) osatou 2021/09/27(Mon) 15:30:33

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

「当然だ。俺はもっとお前と過ごしたいのだから、そうそう簡単にくたばってなどいられない」

速やかに答えた。

「……俺が苦しんだのは過去の話だ。今はもう何も問題はない。お前のおかげでな」

自分の都合のために家に泥を塗るような行為をしたことを、世間はどう評価するだろうか。たとえ褒められたものではない結果だとしても、自身の心はまったく揺らぐことはないが。
全てを切り捨ててよかったと心の底から思っている。貴方に出会えたのだから。

「……暁。…………その。
………………もっと触れたい。嫌か?」

貴方に苦しい顔をさせるのは忍びなくて、誤魔化すように話題を切り替えた。あまりにも不器用なやり方になったけれど。
(-310) もちぱい 2021/09/27(Mon) 16:02:30

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「………そっか」

今は大丈夫だと告げる貴方に
出会った頃より穏やかになった姿に
僅かに胸を撫で下ろした。


仮面を被る貴方も好きだったが、
今の貴方はもっと好き。




腕に力を込めて上体を起こし
頬へ触れる手をそのままに、貴方の唇へキスをひとつ。


「誘ってたんだけど
 気付いてないだろ。」
(-315) osatou 2021/09/27(Mon) 16:30:01

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

唇が重なる。

あどけなさすらありそうな、気の抜けたようなきょとんとした顔。数秒ほどそんな表情を浮かべた後、ほんの少しだけ瞳を伏せた。

「……すまない。気付かなかった」

ばつが悪そうに呟いて、それもまた誤魔化すように身を寄せる。
触れるだけのささやかな口付けを自分から贈った。

「…………怒っているか?」
(-316) もちぱい 2021/09/27(Mon) 16:37:24
闇谷 暁は、貴戸 高志へ感謝の意味を込めて頷いた。 >>c59
(c61) osatou 2021/09/27(Mon) 16:45:13

【墓】 1117 闇谷 暁

>>【食堂】
>>+87


がたん!

音を立てて立ち上がる。

「───ッごめん、」


咄嗟にそう、口から出た。
苦しい記憶を開かせて、
あまつさえ言葉にさせてしまうなんて。

そこまでさせるつもりじゃなかった。
なんて言葉は、ここ以外だって通用しない。
知りたがって貴方の傷に触れた。

悪い、と呟いて再度椅子を引く、座る。

「……同じな訳ないだろ、
 違うよ、違うんだ、リョウ……。
 お前は望まれて産まれてきたんだ、
 そんなことあってたまるかよ……!」

ここには居ない男の言い分も、理解できなくはない。
それでも情のせいか、目の前の少年の事ばかりが大切に思えてしまって
本当に、探偵失格だ、と瞳を細めた。

箸を取り落としそうになって、置いた。
(+91) osatou 2021/09/27(Mon) 16:45:49

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


「怒ってない。
 これから知っていってくれ。」

くすくす笑う。
貴方のおかげで、
表情には喜色が浮かぶばかりだ。


「触って欲しい。高志に。」


名前を呼ばれはじめた頃から密かに始めた、
貴方の名前を呼ぶ練習が、この頃やっと役に立っている。
(-320) osatou 2021/09/27(Mon) 17:00:06

【秘】 4432 貴戸 高志 → 1117 闇谷 暁

笑う貴方につられるように、少年もまた表情を和らげる。貴方が笑っていると、自分も嬉しくなる。

「ああ、知っていきたい。
…………沢山教えてくれ、暁」

今だけ呼ばれる特別な名前。
くすぐったそうに、まぶしそうに目を細めて反応する。
名前を呼ばれるだけでこんなにも温かな気持ちになるなんて思わなかった。

「暁、好きだ」

なんて捻りのない言葉だろう。胸の内にある気持ちを表すものにしては非常に物足りない。
だから、言葉の代わりに行動で示そう。触れ合って気持ちを伝えよう。

背中に腕を回して、二人で共に畳へと沈もうとする。
狭い箱庭のなかで続く狂った宴、その合間のわずかなひととき。
長いような短い時間の中で、少年は真っ直ぐな「好き」を貴方に贈るのだった。
(-321) もちぱい 2021/09/27(Mon) 17:14:17

【墓】 1117 闇谷 暁

>>【食堂】
>>+92


口を一文字に結ぶ。
具材が沈殿していく味噌汁の色が、薄くなっていく。

貴方はいつだって変わらず、理解してくれない。
けれどそれで構わない、理解し合うだけが『友人』ではない。

だから。

生きるのに許可なんて、いらない。

 誰の許可が必要で、
 誰にダメだと言われて死ぬんだ。
 もっと好きに生きて、良いんだよ……」

好き勝手に、言葉をかける。

「リョウは、
 誰かに許されないから死ぬのか?」

貴方からそんな言葉が出た事が悲しいと、
そんな想いだけは、知って欲しいから。

「だったら俺は、
 お前が死ぬのを許したくない。」

             
正論なんて、くそくらえ。
(+93) osatou 2021/09/27(Mon) 20:19:02

【秘】 1117 闇谷 暁 → 4432 貴戸 高志


すきだ、それだけの短い言葉で綻んで笑い合える。
嗚呼、言ってよかった、なんて
可愛らしい感想を胸に抱えて。

「高志の事ももっと知りたい。
 好きだ、好き過ぎて、……幸せ過ぎる。」

貴方の温もりが包み込んで来て、
二人で地に沈んで、笑って、
体の底から混ざり合って。

「お前のこと離さないから、
 お前も俺を離さないでくれ。」

貴方の全てが自分に向いていることが、こんなにも誇らしい。


こうして、少年院での時間は
細やかな幸せも、ほの暗い混沌も、何もかもに等しく進んでいく。
(-336) osatou 2021/09/27(Mon) 20:52:53
 




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