人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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【秘】 シャッタードグラス カナイ → 神の居ぬ間に弓を引こう マユミ


あなたの命を絶った人間は、いってしまった。

暗くさみしい所に、あなたを置いて──ひとりぼっちにしたまま。

そこに如何なる理由があろうとも。

それがその実、不本意なものであったとしても。

最後にはきっと、その不実を怒られるとわかっていてそうしたのだから。


それがどんなに耳の痛いものであったとしても。

きっともう一度、逃げずにあなたに逢いに行くから。
(-15) unforg00 2022/06/11(Sat) 22:03:35
カナイは、ひとりぼっちの寂しさを知っている。
(c7) unforg00 2022/06/11(Sat) 22:03:44

【秘】 シャッタードグラス カナイ → 神の居ぬ間に弓を引こう マユミ

『── 一人で散歩をするのは、やっぱり寂しいですから』

たとえ今はそうであっても、きっと。
あなたをずっとひとりぼっちのままにはしない。

叶 西路には、まだ伝えなければならない事が残っている。

こんなどうしようもない自分の事を信じて、
その心の内を、傍で笑顔を見せてくれた、他でもないあなたに。
あなたもまた、一人ではないのだと伝えなければならない。

これから自らの行く路が如何なるものであろうとも、
そして、あなたがこれから何処へ行くのだとしても。
その為なら、地獄を越えて、煉獄から天国にだって。
或いは──死に抗い、それを覆す意思だって。


あなたからは受けて当たり前のお説教を受けるのも。
それに対して、ごめんなさいを言うのも。

もう少し待たせてしまう事になるけれど、
許されるのであれば、いつかのその時に。
どうか、ゆっくり聞かせてくださいね。 
(-16) unforg00 2022/06/11(Sat) 22:07:44

【独】 シャッタードグラス カナイ

/*
死体から死体にしか秘話が送れないから
こういう(壁打ち)事になるのは仕方ないんですよ(言い訳)
(-17) unforg00 2022/06/11(Sat) 22:11:47

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 晨星落落 ヌイバリ

『何処にいるかまったくわかんねえ〜〜
 強いて言うのなら、夢ン中ってやつ?
 俺ちゃんこんな幽体離脱みたいなことできるようになっちゃったらしくて』

明るい声に、明るいテンション。

『いやー……全然俺も場所把握できてないの。
 強いて言えば、はりーの傍?
 へへ、声聞けて良かった』

『そうだ、あきちゃん、
 ……えーとなおあきさんにいじめられてないか?』
『俺ちゃんに飯作る約束覚えてるか?』
『怪我は? 会議室は無事?』
『ちゃんと、はりーは生きてる?』

いつもよりも簡潔な質問攻め、過度に心配しているのかはたまた。
余裕がないのか。

『――俺、襲われちゃってさ。やべえとこで多分寝てるから。

 
もしかしたら、多分、死ぬかも。


 突然ごめんな、こんなこと。
 だけど、ちゃんと帰ってきたらはりーの笑顔見たいんだワ。
 だから、ちょっと安心させてくれねーかな。
 ……はりーの傍超気分よかったし、
 そういう効果あんのかなって!』
(-18) toumi_ 2022/06/11(Sat) 22:53:33

【秘】 インザダーク マユミ → シャッタードグラス カナイ

少女は知っています。この暗くてさみしい場所の事を。
なぜなら、それは少女にとっていつもいる場所だからです。

眠りに落ちた先では誰もが一人だと知っています。
優しさを見せていた人が豹変する事を知っています。
家族とは必ず温かいものではないという事を知っています。

信用も、信頼も、愛情も、献身も、願いも、
いずれ裏切られるものだと少女は知っている、
つもりになっていました。

ですから、あなたが約束を果たしてくれた時。
本当に、本当に、嬉しかったのです。

なので、あなたがまた西から帰ってくるのなら。
太陽に向けて歩いてくれるのなら。
俯きながらでも、日向へ来てくれるなら。

少女は、それを待つのでしょう。
あなたにその意思があるのなら、
少女もまた、あなたへの言葉を胸に、夜を歩きます。


少女は、今度は約束をした訳でもないあなたを、待っています。
(-19) shell_memoria 2022/06/11(Sat) 23:40:52
マユミは、暗い夜をゆく人だ。そして、日向へ向かう人だ。
(c8) shell_memoria 2022/06/11(Sat) 23:49:22

【独】 インザダーク マユミ

/*
普段マ人やらないからタグの使い方全然わからん
調べろ?それはそう(情熱が先に来た)
(-20) shell_memoria 2022/06/11(Sat) 23:51:30
カナイは、針の路を歩く。
(c9) unforg00 2022/06/12(Sun) 0:08:18

カナイは、正しい路は今もわからない。ただ、待つ人の居る方へ。
(c10) unforg00 2022/06/12(Sun) 0:08:28

【独】 シャッタードグラス カナイ

/*
バキベキボキバキ…………(全身を折り曲げられる音)
(-21) unforg00 2022/06/12(Sun) 0:09:20

【独】 シャッタードグラス カナイ

/*
簡易メモまで合わせて来る犯罪者がよお〜〜〜〜っっっ
(-22) unforg00 2022/06/12(Sun) 0:48:59
マユミは、目を瞑って、冷たく暗い天井を見上げている。
(c11) shell_memoria 2022/06/12(Sun) 1:01:31

マユミは、本当はその向こうを見ている。いつか日が  迄。いつか月が  迄。
(c12) shell_memoria 2022/06/12(Sun) 1:03:37

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → ピントを合わせて ライカ

『わ、やばすぎ。起きたくなくなってきた』

『……あはは。あーあー暴れてる。
 そっか。

 あのさー。さとみんもさ。
 もし、俺が暴れて襲いかかっても、
 ……許してくれんじゃねーかなって思ってんの。

 それどころか、化け物になった俺を治してやるーとか
 言ってくれそうじゃん。

 俺ちゃん、みんながこえーことになったり
 大怪我しても治してやれるような薬探すつもりだったんだ。
 ……裏の事情調べたり、化け物捕まえようとしてて。
 ま、このざまなんだケド』

『助けるよ、死体になってたって。運んでやる。
 許さないから、償わせてやる。先輩が相打ち?
 はヤバすぎだけど。
 もう〜〜、みんなまとめて持って帰るっしょ!
 だから、……もうちょっと起きるまでさー。
 見えないけど傍居てくれる系? 
ちっと心細いわ
(-23) toumi_ 2022/06/12(Sun) 1:05:37

【秘】 晨星落落 ヌイバリ → 篝屋に来た カジヤマ

『そういう能力、っていうことなのかな。
本当になんでもありだな〜……』

でも、こんな状況では身体の安全確保ができていなければ行使は困難だろう。
気絶するように眠っているあなたの姿を思い出した。
どんな感覚なのか、視界なんかはどうなっているのか。
平時なら質問したであろうそれも今は捨て置かれた。

簡潔な質問責めに目を白黒させて、ひとつひとつ答えようとする。
あなたの質問がひととおり終われば解答をしようと脳裏に用意していたものが、最後の質問ではない言葉でがらがらと崩れた。

い……嫌だ、ダメだよそんなの!

なんで、なんでっ、俺無事だよ、ちゃんと生きてるよ。
ちょっと疲れてるけど皆のこと待ってる!』

奈尾さんにはちょっといじめられたけど、もう痛くないし怪我もないよ。
ごはんはね、野菜とお肉と入れたお粥にすればにーちゃんも食べやすいかなって思うんだ。
会議室はいろいろあって今は資料室に移動してるよ。ちょっと埃っぽいけど、今は俺一人だから寂しいな。
ちゃんと生きてるって、なんだろう。


三十三さんがにーちゃんのこと探しに行ってるよ。
大丈夫だよ。

ぱらぱら、ばらばら。
言葉にしたかったものが崩れて散らばっていく。
(-24) NineN 2022/06/12(Sun) 1:26:25

【秘】 ピントを合わせて ライカ → 篝屋に来た カジヤマ

『ダメですよ。起きてくれないと。
 生きるって言ったのは、先輩でしょう』

約束を破るのは許さないですよ、と窘めるようにそう言って。

『どうでしょう?案外、先輩のこと恨んだりするかもしれませんよ。
 ……なんて。冗談』
『多分、先輩の言う通り 治す方法を見つけるでしょうし。
 ……バカですね。先輩。大馬鹿です。
 言ってくれたら、手伝いましたよ。誰も手伝ってくれって言わないから、一人で歩き回ってたんですよ』

『……わかりました。
 償うべきという言葉には賛成です。普通の人であるのなら、罪の意識もきっと戻ってくるはずですからね』

(-25) otomizu 2022/06/12(Sun) 1:31:44

【秘】 晨星落落 ヌイバリ → 篝屋に来た カジヤマ

そうして崩れ落ちた言葉になれなかったものたちは。
青年の意思を代弁するが如く、能力として発現した。

毛布に包まれるような安堵、日向にあたためられるような心地よさ。
差し伸べられる誰かの手のぬくもり、午後の微睡むような穏やかさ。
あえて言葉にするならばそういった、あなたにとって心地よい感覚が伝わっていくだろう。

それらはすべて一瞬の儚い幻であって、
あなたがそうあれるようにと青年が願う気持ちでもあった。
(-26) NineN 2022/06/12(Sun) 1:33:59

【秘】 間近の焦点距離 ライカ → 篝屋に来た カジヤマ

『しょうがないですね』
『いてあげますよ。ちゃんと』

『危なくなる前に、皆さんが集まっているところに移動はしますけど。
 僕は傍で、起きるまで見ていますから』

だから、ちゃんと起きてくださいよ。と口にして。
貴方を背負って、一度資料室へと向かうことになるのだろう。
(-27) otomizu 2022/06/12(Sun) 1:39:30
ライカは、カジヤマを背負って 皆が集まっている部屋に向かうのだろう。
(a0) otomizu 2022/06/12(Sun) 1:39:56

ライカは、ユウキにも声をかけていたはずだ。一緒に行きましょう。
(a1) otomizu 2022/06/12(Sun) 2:03:45

フカワは、タブレットのロックの向こうをいくつか想像してみた。
(a2) backador 2022/06/12(Sun) 4:24:14

フカワは、マユミとカナイの様子を鑑みるに、未来と叶い損ねた願いばかりが詰まってるのだろうと想った。
(a3) backador 2022/06/12(Sun) 4:28:28

フカワは、一度沈んだらもう登れない、一方通行を行く。西に沈んだ夕焼けの残光がなければ今にも消えてしまいそうで。
(a4) backador 2022/06/12(Sun) 4:33:55

フカワは、ひとりぼっちの寂しさを智♂していた。
(a5) backador 2022/06/12(Sun) 4:35:24

フカワは、ただ、そこにいたかった。
(a6) backador 2022/06/12(Sun) 4:35:34

【独】 インザダーク マユミ

/*
この三人(実質名指し)、ここ出た後に
誰か一人が死んだら全員まとめて死にそう 死にそうじゃない?
一番死相出てるのだ〜れだ!全員です……

まあ弓日向は死があるとしたら神陰間家に喧嘩売って捕まって
ヤク入れられて適当にマワされてどっかにポイされるくらいでしょう
神に弓引くんならそれくらいのリスクは許容するものだし……

逆にそこを越えたら本当に生まれ変われるのかもしれない
変われないかも どうなんですかね
絶賛ホームレスというか友人(ヌキ)の家転々としてるし
お金もそれで稼いでるから……うーん

まあ叶さんもね 罪背負って生きていくもんね
明日はもっといい日になるよね ねっユミ太郎!
そうなのです?
(-28) shell_memoria 2022/06/12(Sun) 13:11:41

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 晨星落落 ヌイバリ

『……!? うゎっ!?
 気持ち悪いほど気分良くなった!?』


突然大声を出せば、やっぱり気のせいじゃなかったかと。
弟分の発現した能力、それが刹那の幻だとしても、
触るものがなくとも手に取るように暖かさを感じられた。

『――あはは……ごめーん。
 俺ちゃんこの能力使って、死んだ人と会話できてさー。
 なんつーか、
帰らなくて良いかな
ーみたいな
 そんなこと考えてたんだ』

 なんとなく、いや、火事にあってから。
 生きるとか死ぬとかどうでもよくなった。
 それでもあの日のことは思い出したくなくて、
 鏡に顔が映る度嫌になって。

 はりーにも、少し会いたくなかった。
 話せばすぐにバレてしまう、辛かったことを吐露してしまう。
 弱いところを見せてしまう、相手の笑顔がみたいだけなのに。
 あの純粋に楽めた時間が戻らないのを互いに知っているから。
 全部、全部話を聞く余裕がないのをわかっていた。


(-29) toumi_ 2022/06/12(Sun) 14:55:51

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 晨星落落 ヌイバリ

『今まで自分の怪我や病気治すために薬作ってたんだ〜。
 火傷痕って手術だけじゃどーにもなんねーときあるじゃん?

 俺ちゃん薬が効きにくい体質で、勉強も行き詰まって疲れてた。
 この機会にちょっと"楽"になってもいっかなって思ってたらー

 
結構意識が戻らなくて!

 これって重症なんじゃねってなってんの!』

明るく振る舞って、怖い気持ちを押し込める癖は似ているようで。笑っているようで、心の中はずっと泣いていて。
誰かにただ聞いて欲しくて、許して欲しくて。

『だから、死んだらごめん。俺ちゃんの心が弱かったせい。
 誰にも相談しなかったせい、最後だけでも兄ちゃんやりたくて
 戦ってみたけどぼろ負けちゃうし、馬鹿だよなあー……  

 さとみんか誰かは俺を見つけてくれてんのかな、
 起きないとこうして話した記憶入らなくてわかんね。


 って、はは。
 情けないにーちゃんだけど、励ましてくれてサンキュー。
 えっと、……最後かもしんねーのにやっぱ心配させて悪ぃー。
 それでもはりーが無事で、本当によかった……
 もう少し留守番させそうだが、泣いてないかー?』

また、会いたい。
一緒にご飯を食べて語り合いたい気持ちは
この暖かさで十分に取り戻している、だから。
せめて、最悪のことになってもいいように言い訳をしたかった。
(-30) toumi_ 2022/06/12(Sun) 15:01:41

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 間近の焦点距離 ライカ

これは破りたくて破る約束じゃなくって、とぐだぐだいいながら返事をする。
約束はやぶらないのが一番、だよな。返しながら
『痛いの嫌だな』『またあんな日々が帰ってくるのか』

と随分暗そうな闘病を想像する声を漏らした。

『恨むぅ? そんな〜。
 もうわかってるよ、馬鹿だったって。
 せっかく罠かけたり、賢く動くつもりだったのが全部パァ。
 ……すれ違ったのも運が悪い、もー…… ごめんー。
 ちょっとした口約束も叶えるのが遅くなって。
 こんな形で一緒に居ることになって』

自分が近くに居るのに戻れないのは、
――――身体がどこまで生きることを拒否をしているのだろう。
もしかして本当に元の身体に戻れないなんてことがあるのだろうか。
死んでしまうのだろうか、俺が諦めていたから。

『……あきちゃんが二度と真人間に戻らなかったらどーしよ……。
 そんなことより死んだ人が生き返るなんてことできんのか?
 俺ちゃんとこの薬の効果なら出来ると思うんだよなー。
 この薬、妙に効くっていうか。特効薬は作れそうだし。
 もうちょっとで成分がわかりそうなんだけど……。
 んー、とにかく死体は回収してェ、俺ちゃんの家に置く??
 嫌すぎ……なんかやっぱり拘束具はつけて、
 頭ぶん殴って……』


(-31) toumi_ 2022/06/12(Sun) 16:04:36

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 間近の焦点距離 ライカ

『……難しいことはいいや。薬が作れる設備みつけてないし。
 たくさんあんがと、さとみん。
 正直起きるのちょーこわい、……痛いのも嫌い、でも。
 暗いままや会えないのはもっと嫌、かも。
 俺ちゃんが泣いてたら慰めてもらお』

運ばれてるの感覚は全く伝わってこないが、
その優しさだけがとても感じられて、早く目覚めたいなと見えない世界で瞳を閉じた。
(-32) toumi_ 2022/06/12(Sun) 16:06:39

【秘】 晨星落落 ヌイバリ → 篝屋に来た カジヤマ


わぁっ!?

びっくりした〜……ちょっとは楽になった?
なんか気持ち悪いとか、ない?』

これはあくまで強制的なもの。
あなたが望んだこととはいえ、外部から与えられたにせものだ。
声色にそういった色は見られなかったが、やはり心配にはなって聞いてしまった。

死んだ人と、という言葉に息を呑む。
誰と、何を。深く聞くほど踏み込む勇気はないけれど、少なくともこの状況下でそんなことができてしまったら。
帰りたくなくなるのも理解できてしまう。

理解できてしまうから、言わなければならないことがある。
青年はそのことをよく知っていた。
(-33) NineN 2022/06/12(Sun) 16:55:51

【秘】 晨星落落 ヌイバリ → 篝屋に来た カジヤマ

……にーちゃんのアホ!バカ!バカ!!
死んだらとかさぁっ、弱かったからとか!何言ってんの!?

襲われたんだろっ、今怪我して辛くて、怖いんだろ!
それがなんでにーちゃんのせいになんの、バカ!』

疲れていて、追い詰められていて、楽になりたくて。
それでもかっこつけたくて走っていって、弟分からは背中すら見えない。遠く、眩しく。
どうしてそれを笑えるだろう。

十年の隔りは、二人に不可逆の変化を齎している。
あの日にはどう足掻いたって戻れない。
とうの昔に枯れた花を求めて暗い土を剥がしたところで、その手に得られるものは何一つない。
それだって本当はお互い様だ。

泣いてない、泣いてない。
泣いて許してなんかやるもんか。
あなたがそう振る舞うことを自身に許していたとして、
その結果傷ついて泣くことを自身に許さない。

そんなことを、許してなんかやらない。

ぐるぐると目の奥が熱くて、喉の奥で押し殺したような音が鳴る。

『留守番させるんなら、帰ってきてよ。
帰ってこないのは留守番じゃないんだから……』


無茶苦茶なことを言っていると分かっている。
自分はここから抜け出して迎えにいくこともできない。約束しているから。
だからこれは、ただの弟分からのわがままだった。
(-34) NineN 2022/06/12(Sun) 17:25:45

【墓】 妄執 ユウキ

>>1 三十三

「おかしいおかしくないなんて、そんなもの個人の価値観で如何様にでも変わります。大衆に平等に与えられた倫理道徳の物差しで考えるなら、ある程度反応は揃ったものになるとは思いますが。

 思い込みでも、俺は貴方の背を押しますよ。それで貴方らしさを守れるのなら。貴方がやりたい事をして、どんどん活躍できるのなら」

世間から、常識から見て批難されるものであるかどうかは一応この青年も判断が出来る。
それでも、分かっていて青年は背中を押すのだ。

「はい。俺は人の歩みを見るのが好きです。可能性を見るのが好きです。
 人がどのように進化していくのか、その成長を見守ることが好きで、その果てを見届けるのが夢なんです」

ああ、思い出した。
そう、自分は、その為に動いている。

「だから俺の知らない場所で知らない人がどんな事をしたのか、その軌跡を保存してくれる方というのは大事な存在なんですよ。
 三十三さん。貴方のような、死という忌避されるべきことを記録してくれる方は特にね」

(+2) もちぱい 2022/06/12(Sun) 17:55:54

【墓】 妄執 ユウキ

>>1 三十三

「……えへへ」

迷いのない回答に、青年は吐息混じりに小さく咲う。

「よかった。うれしいな。あのね、三十三さん。
 どうか、願わくば──

 
 理不尽に巻き込まれ、それでも尚生き延びた人たちと可能な限り連絡を取って、彼らのその先を記録してほしい。

 ここで喪われた命を、この組織の進化の歩みを、どうか可能な限り覚えていてほしい」


「三十三さんが聞く義理もない勝手なお願いなんですけど。でも、託すならきっと貴方が一番だと思って。
 きっと、此処で起きたことは揉み消される可能性が高い。そして生きて帰った人たちがこの件を世間に明かすことは恐らく難しいことだと思うんです。社会という世界も結局のところ力を持った生き物が全てですから」

(+3) もちぱい 2022/06/12(Sun) 17:56:35

【墓】 ひとがすきな ユウキ

>>1 三十三

「俺はこれもまた人の進化の過程だと思っているんです。
 ダート製薬という組織としても、理不尽に巻き込まれた人たちとしても。

 人を変え、考えさせ、己の意思と選択を以って次の一歩を踏み出させる転機です。
 俺はそれが無きものにされるのがたまらなく寂しい。

 だから……だから、どうか。貴方だけでも。
 どこまでも悼ましい事実にも目を逸らさずちゃんとフォーカスを当ててくれる貴方だけには。

 此処で人々が何をしたのか、切り取り、アルバムに収めてほしい。
 人の意思を、記録してほしいんです」

冷え切った腹が、じくじくと痛む気がした。
自分はもう、人の進化を見届けることが出来ないから。
こうして動いて喋ることができるけど、外に出ることは叶わないから。

だから貴方に。三十三来夏に。
世界に真正面から目を向けてくれる貴方に。
願いを託したい。

名前の知らない者達も含めた、人の進化の過程を記録して、存在を証明してくれることを。
(+4) もちぱい 2022/06/12(Sun) 17:58:07
ユウキは、人が好き。ただ、それだけ。
(c13) もちぱい 2022/06/12(Sun) 17:59:16

【置】 棕櫚の主日 コゴマ

「……」

人に、誰かに。託して、それで。
託したものが帰ってこなかった時、人はどのように片割れを迎え入れれば良いのか。
帰り路、つかず離れずの距離で資料室までの道をついて歩き、
その間にどれほど言葉を交わせたものか、おそらくは片手で数えられるものだったろう。
駆けつけるも間に合わなければ、手を貸すことも出来ず。
気にしないで良いことなのだろう、それは当人の資質として出来ないことだった。

「……はい。前線を守っていただいたおかげで、こちらは特には。
 状況としては新しいものを見つけられたわけではないですが、まあ。
 聞く限り当面の最も警戒すべきには、対処できたのではないかと」

資料室に入り、状況についていくらか言葉を交わす。
これからどうするか。脱出すべき手立ては、どれだけ見つかったか。
歯がゆさのまま、鉄パイプを握り締めて資料室を出た。

果たして自分はどれだけ彼らを慮れただろうか、わからない。
投げ出すだけを投げ出して、この中で負った苦しみを肩代わり出来たか。
暴れるもののいなくなった廊下はどこまでも静かだった。
遠くの方で聴こえる足音は、幾人かの隊員を失って警戒態勢にあるようで、
あまり広範に見回っている様子でもない。
多少なり不用意にふらついたところで、困るようなことはなさそうだ、と思った。
(L0) redhaguki 2022/06/12(Sun) 18:39:11
公開: 2022/06/12(Sun) 18:45:00

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 晨星落落 ヌイバリ

『う〜ん。…慣れないってのが、答え? 
 ずっと気ぃ、はってたし……
 温泉いってもマッサージしてもよくなんねぇでさー。
 …癒されるってのを実感! 落ち着き酔いだわこれ』

ここ何年間も癒される、何て感覚なかった。
だから得たいの知れない感覚もすんなりはいって。
もしかしなら催眠術とかならかかりやすい体質だったのか?
新しい知見をみつけてしまう。
それが大好きな弟分からなら、やはりどんなものでもすんなりと受け入れてしまったんだろう。

『へへっ、バカでーす。
 ……本当バカで、いつまでも頭よくなれねぇ』

知識だけが詰まっている頭は、足りないものを常に求めて。
効率重視、その日が来たら笑えるような良い研究成果の為。
それだけで笑顔になりたい気分を嘘にしないで生きてきた。
(-35) toumi_ 2022/06/12(Sun) 18:54:18

【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 晨星落落 ヌイバリ

『……なんも言えないわ。反省してる。
 でも、はりーのくれたこれ無駄にするわけにはいかねぇよな。
 これもしかしたら、今そっちできつい系?
 具合悪かったら目えつむって、みんなに頼って。
 ……みんなすげーひとたちばっかだっただろー』

おかえりって、もうずっと聞いてないんだ。

――俺だって帰りたいんだよ、ずっと


二度と戻らない昔のような幸せな場所にいきたい。
死んでも良い。

無理ならせめて、その懐かしい声の隣で笑いたい。
生きていたい。


『んじゃあ、ちょっくらはしってくるか!
 急かされたら仕方ないよな、あともうひとふんばり……
 すぐに出口でもなんでも探して、お前達見つける。

 信じてくれよ、だから、また後で!』

そういい、手を離すように段々と声の距離は離れていった。
そこに、あまり不安は感じさせないように。

『……さっき死んでも〜っていったの取り消すから、
 みんなにはオフレコでな。内緒だぞ?』
(-36) toumi_ 2022/06/12(Sun) 19:06:48

【秘】 晨星落落 ヌイバリ → 篝屋に来た カジヤマ

ああ。
なぜだかその答えで、すとんと腑に落ちた気がした。

『はは、変なの。
もっと悪い使い方もできちゃうのに、こんな……
こんなのも、できたんだな……』

無意識下にある意思の具現化。
見えもしない、ありもしない敵に吠え続けるような気分だったのは、薬の影響もあったのだろうけど。
それでも、人に助けられて今ここにいるという事実は、青年にそれなりの影響を与えたのだった。

『あーっ、えっとね。
バカって言ったのはほんとにバカって思ってたわけじゃなくて、
ああえ〜〜……なんて言うか……』

詰められた知識も、あなたがそうなりたいと思って努力した結果なわけで。
そのものを否定するのではなく、たまに寄り道に誘う悪い弟分がいる。
それを思い出してくれただけで十分だと思った。
(-37) NineN 2022/06/12(Sun) 20:08:53

【秘】 晨星落落 ヌイバリ → 篝屋に来た カジヤマ

『そう、無駄にしないように帰ってきてな、にーちゃん。
こっちはそんなにひどくはないよ。
狭いし埃っぽいけど、皆帰ってきたら隠れられるように愛施……
あ、えーと、古後くんがバリケード作ってくれた。
だから今めちゃくちゃ秘密基地にいるみたいな感じ。
机とか椅子とか組み合わさってさ、面白いよ』

その程度には余裕がある状態だ。
今のところ。

早く昔になればいい。
体は未来に向かって生きていくから、
心だけは過去に埋めて生きていたい。
歩みの止まる足を叱咤しても、泥に埋まったように踏み出すことができない。
心と体が二つに裂けた狭間で、もう休んでしまいたい。


その気持ちは、悲しいほどに分かるから。

『……帰ってきたら、ちゃ〜んと聞かなかったことにしたげる!』

だから。
いってらっしゃい、また後で。
(-38) NineN 2022/06/12(Sun) 20:20:31

【置】 晨星落落 ヌイバリ

伊縫 玻璃にとって。

針は自らの境界を知るための道具だった。
たとえば、自分の指を一本たてて。
カラフルな待ち針を一本、その指に向かって突き立てる。
にんげんの皮膚は脆く、破れやすい。
あと少し力を入れればぷつりと傷ができて、真っ赤な血の玉があふれてくる。
そのほんの少し手前で均衡を保つと、痛みも、自分の気持ちも、
全部思い通りに、『意思』のままに支配下に置けていると――錯覚する。

ただ自傷するだけだと両親を心配させてしまうから、
大切な裁縫箱に全てをしまい込んで。


玻璃は壊れて戻らないものだった。
10年前のあの日、姉と友人の――瑠璃姉と、真珠さんからの手紙を皆に配った時に。

『皆への感謝の手紙だから、私たちがいって死んでから皆に配ってあげてね』

その言葉を鵜呑みにして、任せられた仕事に張り切って配って歩いて。
自分への手紙を開けようと喜び勇んで家に帰った時には、もうすべてが終わっていた。
青年は、少年は、知っていたのに。

姉とその友人が何かに悩んでいたことも。
ラベルのない薬の瓶を、こっそり机に隠していたことも。
それを、『願いを叶えてくれる魔法の薬』と呼んでいたことも。


だから今も、手書きの手紙が嫌いだ。
(L1) NineN 2022/06/12(Sun) 20:44:23
公開: 2022/06/12(Sun) 20:50:00

【置】 晨星落落 ヌイバリ

守ってあげたかった。
皆を助ければ、取りこぼさなければ、今度こそ、
愛することを許される・・・・・・・・・・はずだと信じて。

でもそれはとんだ勘違いで。
守るどころかずたぼろになって、助けてもらって、大泣きして、
そうして今ここにいる。

青年の指先は、
を灯したかのように熱を持っていた。
時間なのかな、と青年はぼんやり思う。

幾人かの人々の顔が脳裏に浮かんで、消えて、
誰かを泣かせるようなことにはならないといいな、と思った。
(L2) NineN 2022/06/12(Sun) 20:44:56
公開: 2022/06/12(Sun) 20:50:00
ヌイバリは、目を閉じた。
(a7) NineN 2022/06/12(Sun) 20:46:57

 




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