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ユメカワは、離れ際。そっと君に囁いた。 (a38) unforg00 2022/07/21(Thu) 8:40:28 |
【赤】 夢中 ユメカワどこかで出席を取る声が響くころ。 「先生」 あなたと最初に出会った時と同じように。 今はまだ数少ない、あなたを先生と素直に呼び慕う生徒の一人は この時も、やっぱりひょいと顔を見せた。 夜闇はもう随分と薄れてしまって、 生者の時間にほど近くなりつつあるけれど。 曖昧な色は、今もまだ白日夢じみてそこにある。 「……みんなは、呼べなかったね。」 名簿の空欄がひとつ埋まっても、全員にはならない。 飽くまでも、全員、というのは努力目標ではあったのだけど。 とはいえやはり、そうなれば良いと思っていたのも確かな事で。 そうはならなかった理由が、ただ時間の制約だけであれば。 少々強引なやり方をしてでも、今すぐに解決していただろう。 けれどそうではない。だから、でも、と言葉を続けた。 「今日だけじゃ、皆は揃わなかったけど。 牧夫兄達の事はちゃんと先生のおかげで呼んで来れたし…… …すぐには来れなかった皆も。いつかは来てくれると思うから」 いつかはきっと来てくれる。 今はまだ少し、生きてやらなければならない事があるだけ。 おおよそ何を疑う事も無くそう思っている。だから、 (*2) unforg00 2022/07/21(Thu) 10:22:02 |
【赤】 夢中 ユメカワ「俺、待てるよ。いつか皆が揃うまで」 けれどやはり、ずっとは待たないだろう。 願わくば、生者の内で死者が遠く色褪せた記憶になる前に。 君達が遠くへ行ってしまう前に、友達同士で居られる内に。 手を引いて行けるように、きっとまた会いに行こう。 誰が来てくれたから、とか、何人来てくれたから、とか。 そういうものは決して手を引く理由になり得ない。 だって、君達の重みは等しく換えの利かないものなのだから。 子どもというものはできる限り多くを望むものだし、 寂しがり屋は、誰にも寂しくあってほしくはないものだから。 (*3) unforg00 2022/07/21(Thu) 10:22:33 |
【赤】 先生 シロマ「……良かった。 『もし待ち切れないから今すぐ行こう』って言われたらどうしようかと思ってたんだ。 私はこの辺りから動けないしさ」 貴方に視線を向けた後、窓の奥を見遣った。 「しかし、矢張り難しかったね。 特に私は皆と昔から友達、というわけでもないから……夜が明けてしまうと尚更」 もしも幼馴染なら、情に訴えることも可能だろう。そう思い 馴染んだ わけだが。白間コズヱは神でもなく、只の少女であった。限界というものはどうしても見えてくる。 ギシ、板が沈む。 教壇の上を、少女の細い足が進んでいく。 ▽ (*4) wazakideath 2022/07/21(Thu) 11:19:27 |
【赤】 先生 シロマ「……今日は、『待ち切れなくなったら』の話をしようと思ってたんだ」 貴方の頭を、誉めるように撫でて。 「ね、深雪。 車とか用意できそう?バスとかさ。 そういうのがあれば私も移動できるだろうし──修学旅行だって行けると思うんだ」 自ら調達できればするのだが、こればかりはそうもいかない。 生徒の、貴方の力を頼るしか無かった。 「それに」 できる限り多くを望む子供の、 「 皆を迎えに行き易いかと思って。 」夢を叶えてこその教師だ。 (*5) wazakideath 2022/07/21(Thu) 11:20:53 |
気狂 ネコジマは、メモを貼った。 (a39) 66111 2022/07/21(Thu) 13:16:31 |
【赤】 夢中 ユメカワ「前から友達じゃなくても、楽しかった事は変わらないよ」 過去の記憶は偽りであったとしても。 ほんのわずか、共に過ごした時間は決して嘘にはならない。 やはりと言うべきか、少なくとも夢川はそのように思っている。 真実それぞれの思いがどうであったかは、 当然ながら、訊かねばわからない事なのだけど。 「……バス?」 ぼんやりと目を細めて、優しく頭に触れる手にはされるがままに。 けれど投げ掛けられた問いに、ふと視線を上げた。 (*6) unforg00 2022/07/21(Thu) 16:37:51 |
【赤】 夢中 ユメカワ「…うん、わかった。 せっかくなら、修学旅行の時期までに間に合ったらいいな…」 夢川深雪の死因は、交通事故だ。 その事を鑑みれば、このお使いを頼むには最も適任と言えるだろう。 この場所へと迷い込んだのはきっと幾つかの偶然の産物であって、 死者とは元来、自分の死に纏わる処に留まり続けるもの。 そうして時に、悪意の有無に関わらず生者を引き込むものだから。 「……課題、初めての課題……になるのかな? 皆を呼んで来るのは、先生の手伝いって感じだったしさ…」 わからない所があれば、また聞けば良い。 あなたも皆も、きっと一緒に考えたり、助けてくれるはず。 何よりも、上手くできたら皆喜んでくれるはずだ。 ──ああ、なんだ。努力する事の楽しさって、たったこれだけでいいんだ! (*7) unforg00 2022/07/21(Thu) 16:38:22 |
友達 ネコジマは、メモを貼った。 (a40) 66111 2022/07/21(Thu) 16:40:05 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 「でもなぁ、もうすぐ花火が始まりますから」 そう言いながら、切り口をピッ。 小さく開けてあげる。 切りきらなかった端っこを、 花火を結んだ残りの紐で、 投げやすそうな木材に結んで、 屋根の穴から外に放り投げた。 できる限り、遠くへ、遠くへ──。 猫はおやつを追って飛び出すだなんて 命知らずなことはしませんから、 ただそれを見送りました。 にゃあ。 ひとつだけ鳴いて、とことこ、屋根裏を後にします。 外に落ちているおやつを少し舐めたら、 ぐいぐい引っ張って切れ端を千切って、 誰かのところに持っていくのでしょう。 (L4) 66111 2022/07/21(Thu) 18:23:06 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 屋根から射し込む光は月明りよりも陽の光がもうほとんどで。 少しドキドキしながら、猫島は鏡にかけた布をはぎ取った。 「……ああ、なんだ」 鏡にはまた、あの日の猫島がいる。 「間に合っちゃいましたね」 間に合わなければ、それでもよかったのだけど。 (L5) 66111 2022/07/21(Thu) 18:23:43 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 「はい、いなくって」 「見つからないだけかもしれないけど」 そう思いたいけど。 「たぶん」 そうじゃないだろうから。 「だから」 猫島はもうたすかりません。 「…君が言った通りになっちゃったのは、少し癪ですけど」 そうなっちゃったんだもんな。 (L6) 66111 2022/07/21(Thu) 18:24:53 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 「嘘にしたら怒りますからね。 悪魔だって約束は守るんですよ?」 「猫島がただ単に騙されたならいいんすけど。 ……いやよくはねぇけど。 そんな揚げ足取りの話でもないでしょう」 「うん」 「しあわせじゃなくてもいいです、 しあわせだって思えていたら。 覚めたらそれでいいです。 運命がそう決まっていただけだから」 「それじゃあ」 (L7) 66111 2022/07/21(Thu) 18:25:43 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【赤】 先生 シロマ昨夜から明け方。 ほんの数時間だが……思い感じて過ごしたことは、正しく現実のものだろう。 それは自分が、貴方が、ここにいるという証左に他ならない。 たったそれだけの事実が、存在の証拠だ。 「……そう言ってくれると嬉しいよ」 きっとそんな貴方だからこそ、この学級へやって来たのかもしれない。 「まあ、急ぎというわけでもないからね! 初めての課題……うん、校外学習って感じかなぁ」 楽しみで仕方ないのだろう。 普段の落ち着いた抑揚も今は無く、年相応の笑顔があった。 「修学旅行はやっぱり京都かな。 いや、最近は東京なんだっけ。 たしか、すごく高い電波塔ができたんだろう? ……へえ、もう向こうまで車で行けるようになったんだ。 高速……道路?っていうのを使うんだね」 「ああ、寝るのが惜しい! こんなに今夜が待ち遠しい朝は初めてだ……」 (*8) wazakideath 2022/07/21(Thu) 19:32:36 |
【神】 友達 ネコジマ『そう、明日香ネエ』 『とらやって呼んでたんですよ、猫』 『もう猫島の猫じゃねぇすけど』 『そう言っていたんですよ、昔』 (G2) 66111 2022/07/21(Thu) 20:03:35 |
ネコジマは、待っている間、そんなことを送っていた。特にオチはないよ。思いついたからくらい。 (a41) 66111 2022/07/21(Thu) 20:03:44 |
友達 ネコジマは、メモを貼った。 (a42) 66111 2022/07/21(Thu) 20:04:45 |
ネコジマは、友達と一緒に帰りますよ。猫も一緒。 (a43) 66111 2022/07/21(Thu) 20:51:39 |
ネコジマは、花火をちゃんと見なかった。 (a44) 66111 2022/07/21(Thu) 20:52:57 |
【置】 気狂 ネコジマ麻弓ネエが大きい音をさせた方が勝ちとかルール作って、 栗栖ニイが当然のように受けて立って、 牧ニイも面白そうだからってやり出して。 こずネエが参加と一緒にもう少しルール整備して、 夏ニイが一回審査員にされかけたけどそれはフリだから、 雪ニイがふつうに花火持たせてくれていて。 裏ニイもこれくらいになっていたら誘われてくれて、 かなネエもなんか、もちゃ…ってしてたら引っ張られてて、 明日香ネエが最終的に審査員になっていました。 猫島も、当たり前にそこにいるんです。 (L10) 66111 2022/07/21(Thu) 20:58:08 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
気狂 ネコジマは、メモを貼った。 (a45) 66111 2022/07/21(Thu) 20:58:32 |
ネコジマは、おそらへとんじゃった。すっとんじゃって、もうみえない。 (a46) 66111 2022/07/21(Thu) 20:58:50 |
ネコジマは、あしたのあさにもおりてこない。 (a47) 66111 2022/07/21(Thu) 20:58:55 |
ネコジマは、ずっと猫島! (a48) 66111 2022/07/21(Thu) 20:59:05 |
【神】 夢中 ユメカワ外はもうすっかり夜が明けるころ。 ぴろん。グループメッセージに着信ひとつ。 「745555」 送られるはずのない持ち主からの、 送られるはずのない端末からの、 最後のメッセージ。 (G3) unforg00 2022/07/21(Thu) 20:59:53 |
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