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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ「俺があんたを調べ上げて黒眼鏡を向かわせた」 真実はきっともう少し複雑で当の本人達にしかわからないことかもしれない。 それでもこの男は、自分のせいだと思っている。 少なくとも探ったことは揺るぎない事実である。 男は何気もなしにそう述べれば女性警官に目をやって、 一度だけ席を外れさせるように頼んだ。 何やら息が掛かっているのかもしれない。 素直に離れる足音が遠のけばあとは二人きり、今は牢屋越しで。 「なにか言いたいことはあるか?」 その表情は特に感情が乗っていない。 正しく、何も思っていないからだ。 (-96) toumi_ 2023/09/24(Sun) 4:49:16 |
【人】 路地の花 フィオレ>>+12 テオ 「それもまた、今更でしょ」 言い続けてきたことだ。 花を丁寧に育てるあなたに惹かれたと。 変わらない。ずっと変わらないことだ。 「そうね」 「でも、あなたのその言い分はちょっと変だわ。 だって静かに咲いていようとしていた花に近付いてきたのもあなたじゃない」 ちょっとだけの言いがかり。 けれど、あなたの方から歩み寄ってきたこともあったでしょう? 柔らかなパンとしっとりした肉が噛み千切られるのを見て、嬉しそうにくすくすと笑って。 この女はやっぱり、あなたがそうやって拗ねていたって楽しそうにしているのだ。 「あら、それって」 「私のこと、特別に見てくれるってこと?」 嬉しい、と都合よく受け取るのもいつも通り。 甘い甘い毒を押し付けて、絡めとってしまって。 いつか、その毒が回り切ってしまえばいいと思う。 面倒を見ることを放り投げないのは優しさなのか、使命感なのか。 どちらにせよ、こちらには得しかないことだ。 だからこちらは笑って。 「本当に、難儀な人!」 (10) otomizu 2023/09/24(Sun) 4:51:05 |
テオドロは、めげないなあこの人…… (c15) backador 2023/09/24(Sun) 4:53:31 |
カンターミネは、血を吐き、笑う。多分、後で酷く痛む。 (c16) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 4:54:15 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノ「何でそんなあっけらかんとしてられるのかしら………」 目の前の上司はもう捕まってたらしい。 もうちょっとかっこよく逮捕されてほしかった。出来る事なら。 「それだけ早く片がついてくれるなら嬉しいわ。 保護されたって聞いてたのに、弟は大怪我してたのよ」 目途がつきそうならとりあえずは安心だ。 そして、あなたの口からその名前が出た途端。 女の顔は甘さも呆れも消える。 平静を装っているのだろうが、滲みだすのは不快感と、怒りの感情。 「……捕まったらしいわね。その人がどうかしたの」 (-97) otomizu 2023/09/24(Sun) 4:55:18 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → けだもの カンターミネ面会の正式な──友人の代理という名目で──手続きを踏み、 金髪のウィッグに碧のカラコン。 薄い色付きの眼鏡をして、少し軽薄な雰囲気に。 いかにも表の仕事仲間の女、というテイで猫被りは訪れた。 あなたが面会できる状態なら、面会に引っ立てられるだろう。 けれどさて、粗末な牢獄の中、あなたは今どうしているだろう。 面会が難しそうであれば、またの機会に。 「やっほーカンターミネ、退屈な獄中生活はどう? 元気してた?そろそろ干からびそう? もうあたしの名前も忘れちゃった? アメリア だよ〜」「ちょっと伝言があって来たんだけど。 何かついでに差し入れた方がいいものあった? あたしが看守に注意されかねないのはナシね」 面会ができたなら、看守は ちょうど交代中 らしく、姿は見えない。この猫被りが立ち去るまでは交代の看守は来そうにない。 賄賂でも握らせたのだろう。 (-98) unforg00 2023/09/24(Sun) 4:57:28 |
ニコロは、頭がぐちゃぐちゃになりそうだ。 (c17) ぴんじぃ 2023/09/24(Sun) 4:57:41 |
【秘】 けだもの カンターミネ → コピーキャット ペネロペ視力が悪くない限り、それなりにボロボロの女が目に入る。 廊下に背を向けて床に横たわっている白衣は よく見れば血が結構ついているし、 面倒臭そうに転がる最中明らかに痛みに顔を顰めるし。 その顔だって「は?誰だコイツ」みたいな顔を一瞬したのは さておいても、口元は切れてるし顎は痣があるしで かなり"やりあった"のが見て取れるだろう。 「おかげさんで退屈はしてないよアメリア。 ご覧の状態なんでベッドの代金支払いは今度で頼むわ」 軽口のキレもいまひとつな様子。 あーいってえ、とぐちぐち言いつつ、口元を一度拭った。 「次来ることがあったら消毒液と絆創膏、 あと湿布と鎮痛剤持ってきてくれ。 ……んで、伝言って何?あ、待った。 あんまり笑うような内容じゃなくしてくれ。 今腹が死ぬ程痛いから笑ったら多分死ぬ」 どいつもこいつもおてんばな奴しかいねえな。 内心でそう思いながら、人の事は言えないな、と。 ぼさぼさの髪を鬣のように揺らしつつ、耳を傾けた。 (-99) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 5:10:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネ食らったのは再びの衝撃。 愚かな犬は同じ轍を踏む。 一度千切れた血管は脆い。 乾きかけた肌に再び赤い雨が降った。 二度も同じ場所を負傷すればさすがに痛むか、 男は咄嗟にその鼻筋を抑えようと片手を引いた。 こういう時に先に動くのは利き手だと相場が決まっている────右だ。 つまり残ったのは、その逆側。 ごり、という音は刻印に似た。 死刑囚の肌に刻まれる目印だ。 めき、という音が内側に響く。 それは警鐘であり警告だった。 男は乱暴に手を振ったはずだ。 それなのに抜け出せなかった。 ばぎ。 駆け抜けるような激痛。男はその頭を再び抑えつけた。 そうして逃げ遂せようとした。 けれどそれさえ逆効果なのだ。 頭を目掛けて振り抜かれる腕。 照準を固定したのは男だった。 ▽ (-100) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:18:15 |
【秘】 幕の中で イレネオ → けだもの カンターミネぶつり。 きっと貴方よりもっと。 男の方がその衝撃を感じたはずだ。 「あ゛ ?」「 な、 」漏れる声には困惑が濃かった。 発したことのない音。それが喉から、指先────正確には指先が繋がっていたはずのところから、零れて。 答えを求めるように貴方へと視線をさ迷わせれば、まるでケチャップを纏ったウインナーのような己の指。 己の?何故? 吐き出されて転がっていくのは己の指だ。 何故────分からないが。 そうか。 こいつのせいだ。 目には目を。 歯には歯を。 誰が言ったか、忘れたが。 ここにいるのはけだもの二匹。 貴方が自ら脳を揺らしたのは幸運だった。 反射で残ったのが利き手だったのも幸運だった。 笑う貴方の頭を五指満足の利き手で鷲掴もうとする。 それが叶うなら────今に、男は貴方を、 後頭部から床に激突させようと持ち上げる。 (-101) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:20:54 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ眠気と共に襲う欲。 三大欲求に数えられる二欲。 初めに盛られた睡眠剤の効果は未だ濃く貴方を苛んで、 加えて今、下腹に熱が溜まるような感覚を覚えたはずだ。 緩やかに活動を停止しかけていた貴方の身体が再び活性化する。 人の欲求の中でも一際強かろうその二つが同時に貴方を蝕み始める。 それでも男は気づかない。 レンズ越しの瞳はどこか遠くを見ているようだ。 単に片眉をあげるだけ。そうして貴方の言葉を聞く。 「したいことなんてありませんよ。」 男は事も無げに告げる。 「貴方が話してくれればそれでいい。」 見当違いな言葉を投げる。 まだ、貴方に盛ったのが自白剤であれと思っているらしく。 「話す気になりましたか。」 乱雑な問いを投げている。 しかし、それだって今だけのこと。 貴方の様子がおかしいことには、いずれ気づくはず。 (-102) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:34:02 |
【墓】 favorire アリーチェ>>+9 黒眼鏡 「…… アレッサンドロさん。 ……そうね、困ったわ。何をしていたかバレたら、 それが冗談でも再逮捕されかねないわね、わたし」 少々"共犯"という響きがこの状況では不味すぎる。 それは女にもわかったのか、顔を上げて気落ちのまま笑う。 (+13) poru 2023/09/24(Sun) 5:34:33 |
【秘】 けだもの カンターミネ → 幕の中で イレネオゆらり、ゆらり。立ち姿は幽鬼のよう。 口元から血を垂らし、頭を揺する。 ぎひ、と笑うけだものは、それでもまだ頭は動いていたようで。 掴まれる寸前で後頭部を守るような姿勢をとった。 そうしておきながら、やはり笑い、 鷲掴まれた向こうからあなたを見下す。 「自分から仕掛けた癖に」 「人のせいみたいなツラすんなよ、クズ」 どこまで言えたのやら。 或いは、その腕にこちらも腕やら手錠やら絡ませて。 隙があるならその利き手の指すら食い千切ろうとした。 けだもの二匹だけなら殺し合いになるだろう。 止めに入る者は来るのか、来ないのか。 来ないのならば、どこまでこのけだもの達がやるのか。 少なくとも女から牙が抜ける気配は、まだない。 (-103) shell_memoria 2023/09/24(Sun) 5:37:34 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 口に金貨を ルチアーノ黒眼鏡 。その言葉に、男は分かりやすく表情を変えた。 変えた、というよりは抜け落ちた、が正しい。 不愉快そうなかんばせが一転、白紙に戻った。 そうして。 貴方の言葉を素直に聞く女の背中に、ひとつ。 ちっ、と舌打ち。軽蔑の籠ったそれを送って。 さて。 男は立ち上がり、再び視線を貴方へ投げやる。 かつ。靴底が鳴った。かつ。鳴った。かつん。 止まったのは鉄の格子を挟んで、目と鼻の先。 表情は凪いだまま、視線は貴方を見下ろした。 「だからどうした?」 「ひとつ訂正してやる。初歩的なことだよ。」 「向かったのはあいつじゃない。俺の方だ。」 「調べ上げた? ……はは、笑わせる。そんなことも知らずにか。」 (-104) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:43:21 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノその問いに、男はつまらなさそうにしただろう。 興が醒めたというのが近いだろうか、そういう顔。 つまらない時間に引き戻される時の拗ねたような顔。 男の手がペンを取る。 それでも。 「なんで?」 繰り返される言葉には、やはり笑うのだ。 滑稽なものに向ける笑み。愚鈍な者を嘲弄する笑み。 堕ち切らない貴方の瞳を、くつくつと煮える瞳が見やる。 「愚問だな。」 「奴らがこの国をめちゃくちゃにしたからだよ。」 「あいつはそのノッテファミリーのカポ・レジームだ。」 「憎まない理由がない────この国を、」 「愛しているなら。」 男がつらつらと紡ぐ言葉は。 それほど難しいことは言っていないはずなのに。 きっと、貴方にはひとつだって、理解できないことばかり。 (-105) rik_kr 2023/09/24(Sun) 5:55:21 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ「大怪我……? それは、また。 牢屋の中で起きたことは知らんが……。 そこまでは配慮はいたらなかったか」 どうして、と言いかけて。警察側の事情はすべて把握していたわけでもない、何か不測の事態が起こってもおかしくないだろう。 「――お前があの人を殺しに行こうとしているんなら。 『行くな』 と言おうと思ってな。理由はわかるか」 (-106) toumi_ 2023/09/24(Sun) 5:59:39 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 幕の中で イレネオ/* 終わりも近付いておりますが、熱中症のエビです。 せっかくマフィアだったので、過去時空で暴力を受けに行こうかと思っています(!? お忙しいと思うのでお手隙の際に、ゆっくりできれば…… ご検討いただけますと幸いです〜! (-107) otomizu 2023/09/24(Sun) 6:09:20 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ無感動な表情が貴方の言葉を浴びせられるがままにそこにある。 貴方が何に憤り、求めているかなど欠片も理解していないのだろう。 或いはそこに求めがあるのを知りながらに、理解を示そうともしないのだろう。 男が未だに庇護を向けるものとして見るもの、その外にある赤の他人。 知己が大事に面倒をしているのであっても、関係のないことだった。 だからそれが、ついでの用事を思いついたのは時の運めいたものであった。 多少はひょっとしたら、貴方に対する嫌がらせも含まれていたかも知れない。 その手を取り落とさせようがそうしまいが、さしたる労苦もありはしないのだが。 組んだ手を指だけ解いて、片手を己の襟元に添えた。 しっかりと締められたネクタイを緩めてシャツのボタンを外す。 色艶を帯びるにしては、やけに気怠げで眼差しも指の動きも重だるい。 「思い切り首絞めながら犯してくれ。 そうでもしなけりゃもう上手くトべもしないんだ」 (-108) redhaguki 2023/09/24(Sun) 6:13:42 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ「ふふ、お買い物デートね♡ 楽しみにしてるわ。前よりいいお店にしちゃうんだから。」 未来の約束を結ぶ。 未来を手に入れてみせるという覚悟を暗に示す。 その約束は、決して今の状況には負けない、屈しないと、 己を奮い立たせる燃料となって。 「……貴方は本当に優しい子ね。ありがとう。 貴方みたいな子のお友達で、アタシは幸せものだわ。」 一つ一つの優しさが、傷ついた心に染み渡る。 ガラス越しの体は抱きしめられないけれど、 心には何も隔てるものはなく、貴方の言葉に抱きしめられた。 「……うん、頑張って。そして迎えに来て。 ……待ってるわ、アタシの可愛い家族……」 ぴとり、ガラス越しにこちらも額を当てる。 冷たいガラスが、2人分の体温で温まった。 あんまり長く話すと、貴方も疑われちゃうかも、 なんて眉を下げて苦笑を零しながら添えて。 (-109) arenda 2023/09/24(Sun) 6:18:04 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 花浅葱 エルヴィーノ「それは――……そうだろうね」 彼らのやっていることは許されない。それは確かだ。 それを見失うほど職務に反目を決め込んでいるわけでもないのだ。皮肉にも、残念ながら。 貴方がかつての上司として扱う限り、貴方の前でそれを違えることはない。 その上で男は、彼らを赦すことを撤回もしなかった。 「どうして警察でありながら、か」 僅かばかり目が細められる。遠くの風景をみるような仕草だった。 座ったまま、悠々と構えたままであるような姿勢のままで男は貴方を見上げる。 美しい瞳の色に焦点を合わせてしばらく考えるような間がある。 答えを今考えているのか言いあぐねているのだか、 そういうものさえ、いつも通りのままの表情に浮かぶことはない。 答えを放棄したかのような沈黙のあとに、男はやっと口を開く。 「彼らの未来を守りたかったと言ったとして、君はそれを信じるのかな」 (-110) redhaguki 2023/09/24(Sun) 6:23:28 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ痛みに耳がキンキンする。 貴方の言葉を上手く噛み砕けない。 自分の指がどうなってるかの確認も出来ないまま、 ただ痛みに耐えるように丸くなる。 惨めな姿だ。大の男が縮こまって。 惨めな惨めな─── か弱い姿だ。 「……っ……何する気? 人間は…………そんなに丈夫じゃないわよ……」 割れた音、ガラス瓶の音。 昔落とした瓶を拾った時に、指を切ってしまった ことを思い出す。 乱雑に割れたガラスは……刃物と何ら変わりは無い。 (本当に…………ここで死ぬかもしれないわね…… ごめんなさい……フィオレ……アリーチェ…… 約束、守れないかもしれないわ……) 心の中で懺悔して。 後は、痛みが限界を超えて飛びかけになる意識の中、 貴方の楽しむ声と施す内容を、ただ恐怖と共に待つのみだった。 (-111) arenda 2023/09/24(Sun) 6:25:34 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 暗雲の陰に ニーノ「……そうだね。人と比べてどれほどなどと言うものでもないけれど、 私もこれまでに幾度も悩みや迷いを重ねてきたものだ。なにせ45だから。 ニーノをふたりぶんにしたってまだ上のオジサンだ」 どこぞで怖いおじさんだなんて嘯かれてもいるような年嵩の男だ。 同じように捜査をしたとて犯人を追う体力は若い刑事にはどうしたって勝てず、 整った顔立ちに張った皮膚はどうしたところで多少なり水気を失って衰えている。 いずれは警察官としても貴方に追い越される下り坂の、大人を通り越しつつある人間だ。 子があったなら同世代ぐらいであってもおかしくないような若々しい貴方の姿を、 羨むよりも微笑ましく見守る、そうした態度で横に在り続けていた。 「世を抜本的に変えようとするばかりがあるべき姿でもない。 誰のための警察か……或いは、君が誰のための警察になりたいか。 どんな人達を守るために行動したいと思うかを忘れてはならない。 きっとそれは、君が迷った時に道を照らす明かりになるだろうからね」 貴方に仰ぐ背中があり、貴方が隣に置く肩があるように。 手元のパンにひとくち口をつけたというのになかなか食べ進まず、 投げかける言葉に注力してしまって、小麦の匂いは吹き流されつつあった。 それを惜しむわけでもなく、ようやくふたくちめを口に含む。 「いくらでも急いだり立ち止まってもいいんだよ。 ……ありきたりな答えで申し訳ないけど。少しは、胸の内も晴れたかな?」 (-112) redhaguki 2023/09/24(Sun) 6:34:37 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「……? ああ。 普通に俺は男も褒めるぞ。両方いけるんでな」 ため息を吐きながらぼんやりと、ゆるりと首を傾げて。 「いくらでも口説いて欲しかったらしてやるよ。 本気で、――望むのならどこまでも?」 楽しませてやっていいぞと、何がとは言わないが。 あまり冗談ではなさそうなトーンで笑い返してやっただろう。 (-113) toumi_ 2023/09/24(Sun) 6:39:16 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「怪我したのは顔だけかい? いい男が台無しだね」 乱れた服を見て、大丈夫だと主張するあなたに苦笑する。 乱れたままにしておくのはどうにも胸が痛むから、キミらしくないよと、抵抗がなければそのまま服を整えてやる。 牢屋のどこが快適になるんだろうと思ったが、案外セキュリティに穴もあるようだからそんな物かと肩をすくめた。 「気にならないわけ無いだろ。 こういう時勢じゃなければ別だけど……今は、何が起きても不思議じゃないし」 実際あの法がまかり通ってしまうまでは、ここまで頻繁には会ってなかったはずだ。 無事かどうか心配で、様子が変われば気になって、確認しなければ気がすまないようになってしまった。 それでも別に、近寄るなと言われれば、これは素直にそれを聞くだろう。 そうであるなら相応のやり方で幸を与えて満足する人間だからだ。 「あのさ……気になってることがあるんだけど。 キミ、……抵抗って言葉、知ってるかい?嫌なら嫌って、言って良いよ……僕にだって、誰にだって、さ」 (-114) eve_1224 2023/09/24(Sun) 7:27:19 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノどうして謝らせてしまうんだろう。 何も悪くないのに。悪いことなんかあるわけないのに。 私たちと家族だったことが悪いというなら、何故私から捕まえてくれなかったのだろう。 悔しくて、悲しくて涙が止まらない。 「……フレッド…」 あなたの為を思うなら、マフィアである自分は長居をするべきではない。 置いていくのは忍びないけれど、今の自分にはどうすることも出来ないから。 「すぐ、出してあげるから」 「もう……痛い思いを、しないで……」 「お願い、フレッド……」 そんなこと、彼が決められることじゃないと分かっているのに。 (-115) otomizu 2023/09/24(Sun) 7:41:58 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 無敵の リヴィオ「何言ってるんですか。僕を育てたのはあなたでしょうに」 ひとつ上の先輩。 配属されたばかりの自分をユーモアを交えながらも、色々手引してくれたのは他でもないあなただ。 だから、大型犬みたいな後輩にも同じように手引をしたし、そうした小さな事が、今の自分を作ったといっても過言ではないだろう。 軽く背を叩く手を受け入れて、小さく笑った。 「そうですか。僕もまだ準備がありますから、動けるのは明日になります。 計画はあとでスマホに送っておくので目を通しておいてください」 よろしくお願いしますと、頭を下げる様子に疑いの色はやはり、ない。 翌日ある夢を見たけれど、それでもあなたを信じていることだろう。 例え、その場にその時現れる事ができなかったとしても。 あなたの立場でやれる事をやっているのだと、そう信じているのだ。 (-116) eve_1224 2023/09/24(Sun) 7:43:28 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノ「私だってわかんないわよ」 「……幸い、右手だけだったから…良かったとは言わないけど、まだマシだとは思うわ」 それでも、怪我をしていたこと自体が悲しいことだったから。 苦虫を噛み潰したような顔をしていたけれど。 「………何で?」 「分からないわ。あの人が何をして、私がどうしてそうしようとしてるのか分かるでしょ」 その声は、冷たさを帯びて。 あなたを見据えている。 (-117) otomizu 2023/09/24(Sun) 7:50:38 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ男である身体、その欲の受け口は、その精を取り込むような場所ではない。 中に入れたままにしておくべきではないけれど、果てたばかりの頭ではそんなことを考える余裕はない。 ないけれど、まだ眠れる気はしなかった。 「ん……、」 優しく触れてくる唇も、汗を掬う舌も、撫でる手も全部が心地よくて、くすぐったくて、ふ、と小さく息を漏らした。 それが少しずつまた色の付いた吐息になったなら、あなたはまた自分を喰らおうとするだろうか。 それでいい。 そうしてあなたとなんの夢を見ずに眠れる事ができたなら、きっと目覚めた朝には柔らかく笑えるはずだ。 この時の男は、翌日にあなたが居なくなるとは、露ほども考えていないのだから。 一人になった男は、何を思うだろうか。 それは、なってみなければわからないことだ。 (-118) eve_1224 2023/09/24(Sun) 7:55:34 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「……彼ら、って。誰ですか?」 やったことは臓器売買だ。 臓器提供を受ける人、それはなんらかの病に侵された少年少女ということになるだろうか。 「…………」 勿論やったことは許されない。 臓器提供を受けた人は助かったかもしれないが、差し出した方の未来は閉ざされている可能性すらあるのだから。 それでも、他人がどうなろうと何かに幸を与えたい。 その気持だけは、男は とても理解が出来た。 「……、信じます。 あなたは、ここで嘘はつかない……、でしょう?」 (-119) eve_1224 2023/09/24(Sun) 8:01:01 |
【人】 無敵の リヴィオ>>9 ダニエラ 「はは、そう言われるんじゃないかとは思ったよ。 だけどね、今日 だったから 必然なんだ」仏頂面にも怯まず笑顔のまま席へと座る。 そうして腕を組み、首を僅かに傾けながら口を開いて。 「……で、だ。こういうのは単刀直入に話そうと思う」 ジェラートは食べながらで構わないよ。 溶けてしまってはジェラート屋の店主が可哀想だ。 話しかけた側が何を言っているのかという話だが。 いつもと同じスーツのポケットの内側、 そこから小さな袋を取り出して、 君にも見やすいようテーブル上へと置いて見せる。 万が一のため、その袋に左手は添えたままだ。 きっと君には──いや、君なら、見覚えがあるはずだ。 #specchio ▼ (11) sinorit 2023/09/24(Sun) 8:05:45 |
【人】 無敵の リヴィオ>>9 >>11 ダニエラ その透明な袋の中には『銀のヘアピン』が入れられている。 勿論、知らないとただ首を振るのも簡単だろうが。 「……俺は、嘘つきでどうしようもない人間だが。 君が言葉を渋り、いつもとは違う様子を見せたのなら、 近付かれても間抜けに笑っているほど無能じゃない」 「最も、無能な人間は上に沢山居そうだけどね」 目が飾りの代理様とかね。 口にはせずとも態度に出していく。 「まぁ、それに……君と俺は案外似ているらしい。 本当の意味で仲良くやって行けそうな程にね。 俺としては、あー……犬カフェに行きたいのは本音だ」 単刀直入と言いながらいつもの声色で、 いつもの……とは異なる柔く弱々しい笑顔を浮かべて、 まるで会話を早々に終わらせるのは惜しいというように 語り続け、その翠眼は揺れることなく君を見ていた。 #specchio (12) sinorit 2023/09/24(Sun) 8:08:49 |
【赤】 無敵の リヴィオ「………考えても無駄だな」 会いに行かなくてはならない。 彼が今どうしているか、この目で見て、知りたかった。 出来ることなら、傷付いていて欲しくはないが。 そう思うならもっと、ちゃんと、会いに行くべきだった。 リヴィオ・アリオストは嘘つきだが、 けれど君を想う心は嘘じゃなかったんだ。 「………あー、ニコやルチに会いに行くのはやめておこう。 今顔を見たらみっともなく崩れ落ちそうだ」 こちらは流石に嘘だが、全くの嘘とも言いきれない。 先に入ったニコの様子は気になるが……止めよう。 気にならない。変に怪我をしていたら逃げ出したくなる。 何なら想像だけで嫌になってきた。止めておこう。 「……言っている場合じゃないな。そろそろ行こうか」 時間もそう多くはない。 彼女のお迎えを思うとゆっくりしてはいられないんだ。 玄関付近にスーツの上着を置いて、 男はその日の午後、 足を運ぶことが出来なかった収容所へと向かう。 そうして夕方、彼女が仕事を終える頃────。 (*4) sinorit 2023/09/24(Sun) 8:35:36 |