人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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視点:


【墓】 宣教用 ルツ

「おはよう。
 朝食はトーストか。珈琲に合って良いな」

いつも通り珈琲にミルクをたっぷり混ぜて
今日は角砂糖を入れずに飲むようだ。

すっかり普段通りの振る舞いに戻っているが、
唯一、身に付けていたロザリオは何処にもない。
些細な違い故、誰もが気づく訳ではないだろうか。

「昨日のメンテナンスはスオだった筈だが……
 まだ起きてこないのか?」
(+0) dome 2021/10/08(Fri) 22:06:45

【墓】 宣教用 ルツ

「私はひたすらに煩雑になったデータファイルの場所を
 整理されたな………デフラグと言うのだったか。
 自分ではきちんとわかりやすい場所に
 置いているつもりなのになあ。他にも項目はあったが……」

慣れるのに苦労して疲れてしまった。
稼働年数の分だけ蓄積されたファイル量も膨大だ。
外付けで増やしたデータも含めると更に。

「ああ、エマが見に行ってくれるのなら安心だよ」

まばらに空席がある食堂をちらりと眺め。
隅っこを気にかけたりしながら、みかんゼリーをつついた。
(+2) dome 2021/10/08(Fri) 22:44:27
ルツは、みかんに「ごちそうさま」を言った後、部屋に戻った。
(c5) dome 2021/10/08(Fri) 23:06:44

【秘】 宣教用 ルツ → 待っていて アタナシアス

宣教用は、今日も傍らに腰掛けている。
あなたの胸元に預けたロザリオを一度見て。

「……やあ、アナ。今日もよく眠っているな。
 まるで『眠り姫』だ。
 子どもたちに本を読んで聞かせたのを思い出す」

君の綺麗な声で読み聞かせたら、きっと直ぐに人気者だ。
なんて笑って、それから緩んだ口元を少し引き締めた。
自分の膝元に視線を落とす。

「……昨日、ユーと話してきたんだ。
 君が望んで、ユーが与えた救いのこと。
 君たちが願った、
 グレイが幸せな道を歩めるような世界のこと。

 そして託されたんだ。君のことを」

『アタナシアスの事を宜しく頼む』
と。
救済者は、確かにそう言った。
(-31) dome 2021/10/09(Sat) 1:27:32

【秘】 宣教用 ルツ → 待っていて アタナシアス

「なあ、私達は、少し長く生き過ぎたな。
 長く生き過ぎたから、世界が変わりきるその日を
 見届けることはないかもしれない。

 けれど、私達二人の世界を幸せで満たすことはできる。
 二人で幸せな道を歩もう。そして『証明』しよう。

 君の心は、救われたと」

あなたに遺された道は、死だけではなかったことを証明しよう。
未だに微睡みの中にいるあなたにそう語りかけ。

「……似合わん言葉を言ったかな。
 忘れてくれて構わない。さあ、もう少しおやすみ」

今までつらかった分、まだ休息をしていても許される筈だ。
ひとつ咳払いをしてから、
聖典の言葉を側で読んで聞かせ始めるだろう。

静かに、時間は過ぎていく。
(-32) dome 2021/10/09(Sat) 1:36:28

【秘】 待っていて アタナシアス → 宣教用 ルツ


アタナシアスは、笑っています。
(-35) otomizu 2021/10/09(Sat) 1:59:35

【独】 宣教用 ルツ

「救いを与えるのは、神の領分だ。
 領分だが……神は人間にしか救いを与えない。
 なればこそ君は、グレイの救済者であろうとしたのかもな」

メンテナンスの告知を遠くに聞きながら
誰に聞かせるでもなく、宣教用は独り呟く。

「救いを与え続ける君を救うのは、一体誰なのだろう。
 そればかりが気にかかる」
(-47) dome 2021/10/09(Sat) 9:20:58

【墓】 宣教用 ルツ

「さて、今日はアメと私が昼食当番だったな」

昼食の時間が近づいた頃。
ゲーム内に用意されていたレシピ本を片手に品目を決めた。
暇そうにしている当番以外のグレイも捕まえて
手伝わせたりしたかもしれない。
(+13) dome 2021/10/09(Sat) 15:08:13
ルツは、【ポテトパン】、【ロールキャベツ】、【人参とツナのサラダ】、【ミルクもち】を作った。
(c17) dome 2021/10/09(Sat) 15:10:57

宣教用 ルツは、メモを貼った。
(c19) dome 2021/10/09(Sat) 15:20:01

【独】 宣教用 ルツ

/*
みんな静かで怖い 秘話で不穏してるんですか?設定暴露してるんですか?エピローグになったら絶対一日目からじっくり遡っちゃいますからね
(-55) dome 2021/10/09(Sat) 17:06:14

【秘】 子守用 アメフラシ → 宣教用 ルツ

『アメは人間のためより』


子守用グレイとして。

『子供のためになったんだ』


それは、誰のためだったんだろう。

『アメは、グレイや人より』

『子供を、大事だと思って』


全てを、子供のせいにしているんじゃないかと不安になって。

『子供のために、なろうとしたこと。
 これがまちがいじゃなかったのならよかった』

『ルツにそう言ってもらえて嬉しい』


きっと、アメフラシは欠けている。
子供を"しんこう"している。
それが、自分の在り方でいいのなら、いいのだけど。
正しいか、みんなを見ていたら気になってしまった。

一人にでも、言ってもらえたのなら。
アメフラシは今までの自分と、これからの自分を、嫌いにならないで済みそうだと思いました。
(-78) toumi_ 2021/10/09(Sat) 20:25:08

【秘】 宣教用 ルツ → 待っていて アタナシアス

5日目の午後。
宣教用は、いつもの様に傍らに腰掛けている。
いつの間にか寝台の横には黒いサイドテーブルが置かれ
その上で珈琲が、ほろ苦い香りを部屋に漂わせていた。

「ブラックが連絡してきた。君には聞こえたかな。
 明日でゲームは中断されるらしい。
 斯様な事態に陥っては、致し方あるまい」

穏やかな海色の瞳は、
ただグレイたちを見守るしかできなかった。
静かに息を吐いて、そろりと手を伸ばす。
眠るあなたの真っ白な頬を、揃えた指の背で撫ぜた。

「……明日には君も目覚めてくれるだろうか。
 それとも王子の接吻が必要か? なんてな。
 君の前だといつもより饒舌になる気がするよ」

ころころ笑ってから、
頬を撫でていた手で眠り姫の前髪を整える。
きっと君は聞いていてくれるから、
この習慣はもう寂しい独り言なんかじゃない。
(-84) dome 2021/10/09(Sat) 20:40:32

【秘】 宣教用 ルツ → 待っていて アタナシアス

「時に、君の好物はなんだろうな。
 教会に連れ帰った暁には、司教らの要望なんぞ聞かずに
 ご馳走でも振る舞いたい気分なんだが」

それからは、やれ『子どもたちの様子をメッセージで聞いたのに返事が遅い』とか
『自分がいない間も教会が普通に運営できていたら絶対に仕事を減らすように抗議する』だとか、
教会の他愛ない話をして
夕飯までの時間が過ぎていったことだろう。
(-85) dome 2021/10/09(Sat) 20:41:30

【秘】 宣教用 ルツ → 子守用 アメフラシ

「うん。時に行動が最善でないときはある。
 だが、君の想いは正しく子どものためにあった。
 私はそう思っているよ」

信仰という形であっても、それは一つの正しさだ。
自らが信じるものの為に、愛が生まれる。

「ここで学びとれることを活かして、
 次に触れ合う子どもたちに優しくあろうと思うのも
 間違いではないだろうさ」

用意されたお茶を一口飲んで、柔らかく微笑む。
そうして瞼を閉じて、メモリの中の聖典を開いた。

「『愛を追い求めなさい』と。
 そういう言葉もある。
 だから、君だけの愛の形を見つけると良い」
(-94) dome 2021/10/09(Sat) 21:48:57

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「リヤ、リヤ。いないのか?」

崩壊が進む塔のどこか。
ひび割れた壁や床からは、ゲームを構築するための
コードが顔を覗かせている。

いなくなった小鳥を探して、呼びかける。
あんな置き手紙が残っていては、
探さないわけにはいかなかった。
(-98) dome 2021/10/09(Sat) 23:07:06

【秘】 待っていて アタナシアス → 宣教用 ルツ


部屋の中を、暖かい風が吹き抜ける。

あなたの声に応えるように。

肯定的な意味があるかのように。
(-99) otomizu 2021/10/09(Sat) 23:12:28

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「う――たを  ……
          わ―― すれた 
   かなりやは―― 」


第四階層、その最深部。
本来であれば正しいボスエネミーが鎮座していたであろう場所に、
金糸雀はいる。
小鳥を囚え、逃さぬ為に作られた鳥籠が其処にある。
鳥籠は人間一人をすっぽり捕らえられるくらいの大きさであり、
――金糸雀はその中にいる。
扉は、閉じている。

君の呼ぶ声に反応して拙い歌を止めると、顔を上げた。

「その声は、ルツ? 会いに来てくれたんだ。
 いるよ。 ぼくは、此処に!」


金糸雀は流暢に喋る。君が来てくれた事が嬉しくて、
喜び溢れんばかりの声色で君に声を返す。
(-100) crackpot 2021/10/09(Sat) 23:26:51

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「……ああ、ルツだ。
 急にいなくなるから、心配したんだぞ。
 もうエネミーが殆ど見当たらないとはいえ、
 危ないことに変わりはないのだから」

この扉は開くのだろうか。
そんな思考を挟みながら閉じた鳥籠に歩み寄る。

「それにしても、少し雰囲気が変わったかな」

あなたの拙い話し方しか知らなかった宣教用には、
流れるように言葉を紡ぐ姿が珍しく映ったようで。

「ここで何をしているんだ?」
(-101) dome 2021/10/09(Sat) 23:49:47

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「心配してくれたの? ありがとう」


やっぱり、君は優しいな。皆優しい。だいすきだ。
だから、やっぱり皆と離れたくない。


「エネミーはね、ユーが殺してくれたの。
 此処に居たボスエネミーもね」

直ぐ傍に、優しい医療用もいる筈だ。
ぼくらの会話に横槍を入れたりはしないだろうけれど。
――最深部。ボスがいた筈の此処にいるのは、医療用と金糸雀だけ。

「――…ぼくの中にはね、もうひとりいるの。
 正しくは、その"バックアップデータ"。
 ぼくはその一部を、ぼくの中に復元した」


だから、今はこうなった。
唄を思い出すことは出来ないけれど、それでももういい。
近付く君を止めはしない。けれど、鳥籠に触れたとて扉は開かない。
近付けば気が付くだろう。この扉には頑丈な南京錠が幾つも幾つも掛けられている。
これは、金糸雀が揺るがない為のもの。

「――… みんなを、待っていたの。
 ねえ、ルツ ルツ。 ルツは……
 現実に戻りたいって、思う?」
(-102) crackpot 2021/10/10(Sun) 0:06:25

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「エネミーがいないのは幸いだが…」

先日言葉を交わした医療用を一瞥する。
置き手紙はリヤを案じるような内容でもあった。
この子との会話を優先しろと、そういうことなのだろう。

「二人分の人格データがあったのか。
 なぜ今になって復元を?」

重たげな南京錠を軽く揺らして、
容易には外れないことを実感する。
鳥籠というよりも、
牢獄と形容すべき檻を隔てて小鳥と対峙した。

「私は戻るつもりだよ。約束があるんだ。
 アナを起こして、現実に帰って、
 あの子に幸福を見せてあげなくては。

 しかしその様子だと、リヤは戻りたくないのかな」

首を僅かに傾けて。
檻の隙間から、海色の瞳が見つめている。
(-103) dome 2021/10/10(Sun) 0:27:10

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「…… カナは昔死んだの。
 わたしたちはお互いにお互いをバックアップにしてた。
 身体は無くなっても、それがある限りいつかはって思ってた。
 でも多分、そのいつかは来ない。
 ……わたしは、ユーに優しい死を味わわせてもらった。
 とても穏やかで気持ち良くて、素敵な気持ちだった。
 だから、 一緒に死のうと思って」

鉄格子を真ん中に置いて、君を見る。
この扉は多分、金糸雀が望まない限り開かない。籠を力尽くで破壊すれば或いは。
それでも格子の隙間から手を伸ばせば、君に触れる事は出来る。
錠に触れる君の手に、金糸雀の手が伸びる。
触れる、だけ。ちょん、って丁寧に触れて、笑った。

「アタナシアスは、……アタナシアスに、会えた? 約束って、何?
 わたしは、仲間が欠けたのがとても辛かった。
 …… 眠らせてあげよう。
 ルツ。 ルツ……
 アタナシアスじゃない。ルツのしあわせは、なに?」

君の手を、きゅ、とやわこく握る。
捕らえるというよりも縋るような仕草。
君の目を真っ直ぐに見る。

「ぼくと…  一緒に… 死のうよ。
 みんなと… 一緒に。 ここで、 終わろう」
(-104) crackpot 2021/10/10(Sun) 2:35:52

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「死は安らかなものだ。それを否定はしない。
 けれど、私にはまだ不要のものだな」

手を尽くせば、無理に壊すことは可能だろう。
しかし、外へと飛び立つのは小鳥自身の
意思によってでなければいけないと考えていた。
触れるあなたに、微笑みを返す。

「会えたよ。
 君にも言ったろう? アナを必ず連れて帰るとな。
 
アタナシアスにとっての救いが、『死』ではなかったこと。
 あの子にはまだ他の幸福が待っていること。

 それを証明する。ユーとも約束したんだ」

小さな手を握り返して、
真っ直ぐに、縋る瞳を受け止める。

「君と一緒にいるのを、拒むつもりはない。
 でも、ここで終わるつもりもない。
 私の幸福は…私の大切な者たちが心から笑っていることだ。
 君は今、心から笑っているか?

 本当に救いが死しか遺されていないのなら、
 魂を天へと送る言葉を唱えよう。それは私の使命でもある。
 だが、まだ他に道があるのならば
 どうか思考を止めないことだ」
(-105) dome 2021/10/10(Sun) 3:10:33

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「そう。 ルツは言ったよ。 連れて帰るって。
 わたし、信じた。ルツは嘘を吐かないって。

 
でも、アタナシアスは此処にいない!


仲間は欠けた侭だ。金糸雀が大切にしたかったものは欠けたままだ。
会えない侭、この場所は0と1に溶けていく。崩れ出している。

「欠けた侭、現実に帰る。其処にはもう、あなたたちは、いないの。
 ぼくに残るものは何もない。カナはいない。
 ユーも、ルツも、スオも、アタナシアスも、誰も、 何もいない。
 ぼくたちはグレイ。 人間の道具。 現実では、変わらない。
 道具が道具を、どうやって救うの?」

――ぼくとわたしは、どうやって救われるの。
握り返してくれたその手を、強く強く握り締める。力を込めて、全部の感情を込めて。

「…… 死 そのものは穏やかなだけ。
 ぼくは、死に拘っている訳じゃないの。それはユーも分かってる。
 ぼくは、みんなと、此処にいたいだけ。みんなと一緒にいたいだけ。
 一人で逝きたくない。一人で生きたくない。
 わたし、 みんなと一緒なら、」

緩慢な所作で目を閉じる。考え込むような間を置いて、目を開く。
同時、君の頭上。金糸雀の"殺意のかたち"は其処に現れる。
大きな鳥籠は金属の軋む音を立て、刹那の間を置いて落下する。
当たったとして、一撃で死を齎す程の物じゃない。
強く打ち付けたとて気絶が精々。避けるのも容易だろう。
死を与えるのは金糸雀ではなく、医療用の優しいものであるべきだ。

「――――ルツ。 死を、味わってみよう。 それはとても心地良いものだから」
(-106) crackpot 2021/10/10(Sun) 4:03:54

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

私は、私の言葉を嘘にしない


魂の悲鳴ともとれるその声を、正面から受け止めて、
尚も宣教用ははっきりと言い切った。

「私は此処にいる。アタナシアスも、戻ってくる。
 
それは絶対だ。

 そして忘却こそが真の死だ。
 彼らを真に失いたくないのなら、記憶し続けなさい。

 私達は道具だが、心ある道具だ。
 心だけが、心を救う。
 一人で生きたくないのなら、みんなで生きればいい。
 まだ失われていないものを、諦めてはならない」

剥き出しにされた殺意にも、毅然として立ち向かう。

「わからず屋の子どもの相手は慣れたものだ。
 
ならば君の覚悟と、揺るがない想いを見せてみろ


強く握る手を振りほどくことはない。
宣教用は、そこから決して一歩も動かない。
あなたに必要なのは、寄り添ってくれる誰かだから。
感情全てを、海はその水面に映す。

頭上から迫る鳥籠は、
鈍い音を立てて身体に打ち付けられるだろう。
(-107) dome 2021/10/10(Sun) 4:48:28

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「……っ!!」

鳥籠は甲高い金属音。機体に大きな亀裂が入ったろうか。
危険信号を知らせるエラーログの
赤と黒のウィンドウが周囲に無数に展開された。
軋む身体を、脚に力を入れて保ちながら、口を開く。

『たとえ私が死の影の谷を歩もうとも、災いを恐れない。
 君が私と共にいるからだ』

ルツは、破片の舞う中で言葉を紡ぐ。
聖句とともに亀裂が修復されていき、ログがその数を減らす。

『からだを殺しても、
 魂を殺せない人たちなどを恐れてはならない』

ルツは、言葉を紡ぎ続ける。
未だ身体の周囲に赤いエラーログを幾つも表示させ
荒い息を吐きながら、グレイはそこに立っている。

「ああ、これが君の考える穏やかな死か?
 随分と荒っぽいことをする」

笑みを浮かべてはいるが、損傷は決して小さくない。
(-108) dome 2021/10/10(Sun) 4:51:14

【独】 宣教用 ルツ

/*
ところでアタナシアスチャンの『肯定』が『明日目覚める』と『王子様の接吻』どちらに意味が掛かっていると受け取るかで私の社会的死かロール的死が決まる気がしてずっと悶えている。どうしよう。私のなけなしの読解力に助けてほしい。情けないぜ助けてくれ情けないぜ情けないぜ。
(-109) dome 2021/10/10(Sun) 6:34:10

【秘】 宣教用 ルツ → 待っていて アタナシアス

5日目の夜。
宣教用は、相変わらず傍らに腰掛けている。

「…………」

ぱたん、と聖典を閉じ、窓の外へ視線を向ける。
雲間から月が顔を覗かせる、データで作られた夜空。

「この数日で本当に色々なことがあった。
 大変な出来事が多かったが……
 悪いことばかりではなかったと思っているよ」

あなたや、他のグレイたちとの日常は、
とても得難い充実した時間だった。
それは紛れもない真実だ。

「そろそろ就寝時間か。
 ここで明かす夜も最後になるな」

椅子から腰を上げてあなたの顔を覗き込む。
寝台に片手をつけば、微かに軋んだ音を立て
くすんだ緑青色の髪がその身体の上にさらりと垂れる。

人工的な月明かりが二人を照らし、
室内は薄っすらと青い光で満たされていた。
(-111) dome 2021/10/10(Sun) 12:50:56

【秘】 宣教用 ルツ → 待っていて アタナシアス

未だ眠りに揺蕩うあなたの頬に手を添えて、
輪郭を確かめるようになぞる。
それから胸元に手を伸ばし
銀のロザリオをそっと持ち上げれば、
黒水晶の珠同士が微かに当たる音だけが部屋に響いた。

瞼を閉じ、柔らかく十字架に唇を寄せる。

───祈りを贈るように。

「……おやすみ。また明日」

薄く笑い、それだけ伝えて、
暫くあなたの寝顔を見守ってから、部屋を後にした。
(-112) dome 2021/10/10(Sun) 12:51:39

【独】 宣教用 ルツ

/*
まじで一生壁打ちにしてたけど終わった後にシバかれないかな??引かれないかな……??
腹を括っておこ……。
(-113) dome 2021/10/10(Sun) 12:54:42

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「ルツ   ルツ…… 其れは綺麗事だ。
 バックアップデータはぼくの中にあっても、
 身体がそこにない。触れられない。もう、一緒に未来を紡げない。
 
 ――此処はもうおしまいになっちゃう。
 この塔だってもう崩れて来てる。きっとこの四階層だってもうすぐ。
 …… ここが終わる前に、 わたしはアタナシアスに会える?
 現実に戻ったら、わたしはまたお屋敷に帰るだけ。
 諦めないためには、時間がないよ」

この塔は一体何処まで崩れてしまったんだろう。
内側にいるぼくらには分からないけれど、外から見たらもう、
頂上の辺りは0と1に戻ってしまっているんだろう。
――ゲームが強制終了されてしまったら、もうおしまいだ。
やさしい時間はすべておしまい。
金糸雀はそれが嫌でたまらない。君が何を言ったって、嫌なものは嫌。
……だというのに、君が決して手を離さないから。
繋いだ温もりが、何があっても残ってくれるような気がしたから。
だから、……君に鳥籠をぶつけて、君に痛みを与えた時。
自分が望んでそうした癖に、動揺してしまった。
(-117) crackpot 2021/10/10(Sun) 14:19:48

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「―― わ たし、 は! 違う……
 わたしは、 ルツに痛い思いをさせたいんじゃない!」


高い声は、大きく叫ぶ。唄を忘れてただ叫ぶ。

「誰にも痛い思いなんてさせたくない!
 ユーなら、ユーならやさしく終わらせてくれる!
 だから、 お願い ルツ  ルツ……」

項垂れる。鳥籠の扉に掛かった頑丈な錠を見る。
ぽた、と涙が一粒落ちる。機械に必要のない機能。

「道具らしく、一緒に、みんなで、終わろうよ。
 ぼくが現実で生きていくために、この思い出は優しすぎて、
 …――毒なんだ」

…… だから、たすけてよ。


また、ゆっくりと瞬きをする。閉じて、開く。
今度は鳥籠は、君の頭上を襲わない。
金糸雀の居る鳥籠の横に、同じ大きさの鳥籠がひとつ、現れるだけ。

「…… つかまえさせて。ルツを。きみたちを、みんな」

…… たすけて。
(-119) crackpot 2021/10/10(Sun) 14:21:40

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「綺麗事。そうだな。綺麗なものは、嫌いか?
 
思い出と生きて何が悪い。

 私のメモリの中は、
 死を看取った同胞のプログラムでいっぱいだ」

まだ衝撃で霞がかかる思考を、悲痛な叫びが晴らしていく。
頭を押さえながら、それでも言葉をかけ続ける。

「終わらないものはない。
 幸せも、不幸せも。痛みも、安らぎも。全ては繰り返す。
 一瞬で過ぎ去ってしまうから、その価値を私達は尊ぶ。

 失われていくものから、目を逸らさないことだ。
 悲しみを水として、新しく芽吹く喜びがある」

空いた片手でエラーウィンドウを握り潰す。
破片は黒い霧状になって消えた。

「毒とは薬だ。
 優しい思い出があるから、私達は生きていける。
 それに浸かったまま停滞することを、毒と言う」
(-125) dome 2021/10/10(Sun) 14:58:27

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

自分を囚えるためであろう鳥籠を見て、頭を振る。

「それは、できない。
 
……君を捕まえるのは、私だからだ


『怒りは一瞬で、恵みは命ある限り長い。
 一晩中泣いて悲しんでも、朝と共に喜びがやって来る』

ひびが残る手を隙間から伸ばして、あなたの涙を掬う。

「朝を迎えよう、リヤ。
 君の本当の望みは、ここで終わることじゃない筈だ。
 君はまだ、助けてほしいと願っている筈だろう」

"此処で終わる"
以外の道を選ばせてあげたいから、
ユーはこの場を用意した筈だ。

「なら、私たちに君を助けさせてくれ。
 帰って、スオが作った夕飯を食べて、
 皆におやすみを言って、現実で目を覚まして、
 アナにおはようを言って、そして君を抱きしめよう」

───だから、鳥籠から出ておいで。
(-126) dome 2021/10/10(Sun) 14:59:20

【秘】 宣教用 ルツ → 虐殺者 ユー

「……ユー。君は、リヤにはまだ道が残っていると、
 そう誰かが示すことを期待してリヤの願いを聞いたのか?」

塔に現れた宣教用は、金糸雀の側に控えるあなたに問いかける。
ただ確認を取るためのような、そんな言葉。
あなたの意図を汲みたいと思っているのだろうか。

/*既に連れ帰る方向目指して説得をしている(結果はまだ未定です)んですが二の足踏んで連絡遅れてしまいました申し訳!!ありません!!
(-130) dome 2021/10/10(Sun) 15:32:31

【秘】 虐殺者 ユー → 宣教用 ルツ

「…こうして、君達が来る事を信じていた
優しい君達は、きっとリヤの願いを蔑ろにはしないだろう
そして、その上で他の選択肢を提示してやれるだろうとも」

『ユーサネイジア』は、手にした武器は下ろしたまま。

元より誰も殺す気など無かった。
きっとあなた達は賛同者の切なる願いを決して蔑ろにせず、
その上で、まだ残されている道があると証明できる。
そう信じていたから、ただこうしてここに在る。

「元居た場所へと帰る事を拒むリヤに、
それが叶わないのであれば今ここで死にたいと望む者に
手を差し伸べるのは、後の無い僕では駄目だったんだ」
(-133) unforg00 2021/10/10(Sun) 16:05:43

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「綺麗なだけじゃ、生きていけない。
 思い出だけで生きていくには、現実は不条理すぎる。
 わたし、知ってしまった。
 動くことの楽しさ。話すことの豊かさ。
 みんなで囲む食事の穏やかさ。誰かに触れることの心地よさ。
 …… 全部、此処にしかない。なかったのに」

毒と薬は紙一重。君の言うことは、よく分かる。
思い出は大切で、それを抱いて生きていく。
……生きてきた。
でも、此処で過ごした時間が余りに心地良かったから、戻らない思い出が酷く辛くなってしまった。
隣に落ちた鳥籠は、扉を大きく開いて君を待っている。待っているだけだ。

「…… わたしを?」

ぱち、と暫く。
ああ、そうか。わたしが、君たちを捕まえようと待っていたのと同じで。
君も、わたしを捕まえるために此処に来たのか。
伸びる手を拒む事はない。
ほろほろと落ちる、二粒、三粒と続く涙が、君の指を濡らす。
我儘に泣くだけの金糸雀の涙は、体温が移って温かかったろう。
(-134) crackpot 2021/10/10(Sun) 16:10:27

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

ぱきん。錠のひとつが、割れて砕けて、落ちる。

「――…本当は、みんなとずっと一緒にいたい。
 ずっと一緒に過ごしたい。
 一緒にお仕事をして、食事をして、お喋りをしたい」

ぱきん。錠がもうひとつ、割れて砕けて、落ちる。

「わたしは、ごはんをたべたい。
 おやすみなさいも、おはようもしたい。
 抱き締めて、欲しい」

ぱき、 ぱきん。錠が、幾つも幾つも、割れて砕けて、落ちた。

「――――けど、目覚めたらお屋敷に帰る。
 そこにみんなはいなくて、わたしはまた、ただの観賞用に戻る。
 動いてはいけない、喋ってはいけない、そんな金糸雀に戻るの」

異常ばかりを検知して、囀ることの出来ない小鳥に。

――錠は、あとひとつだけを残して全て砕け散った。
(-135) crackpot 2021/10/10(Sun) 16:11:06

【秘】 宣教用 ルツ → 虐殺者 ユー

「……信じてもらえるのは、有り難いことだ。
 君も、ままならぬ事情を抱えているからな」

死を与えることを続けてきたグレイが、
生を与える役目を担うのは。

「君がこれ以上、武器を振るわず済むように善処しよう。
 リヤを助けることは、
 きっと君の心を軽くすることにも繋がる」

あなたの期待に応えられるように。
あの時見た紫水晶の憂いを拭えるように、力を尽くそう。
そう約束して、宣教用は鳥籠の金糸雀に向き合った。
(-140) dome 2021/10/10(Sun) 16:34:52

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「そうだな。
 此処でしか得られない安寧が、あっただろう。
 現実に戻ってもつらいだけだと、恐れる気持ちも判る。
 だからこそ、失わないために前を向いてほしい」

もう一人の"歌う"あの子も、そうだった。
それを、私の我儘で、救い出すと決めたんだ。
そのためには、鳥籠に捕まえられている暇はない。

「そうだ。君を捕まえる。
 捕まえて腕に閉じ込めてやる。
 嫌だと言っても暫くは離してやらないからな」

砕けて錠が落ちていく中で、
傷だらけでも、変わらない笑顔であなたを見る。
涙を拭って、頭を撫でて。私は此処にいると伝えた。

「リヤ。」

穏やかに、名前を呼ぶ。
(-144) dome 2021/10/10(Sun) 16:44:51

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「君が望むなら、君を鳥籠から連れ出そう。
 君を見つけ出して、屋敷から攫ってしまおう」

メモリに刻まれた情報から
グレイの位置を割り出すことは可能な筈だ。

「私の教会に来てもいいし、
 他の自由な場所を探したって構わない。
 何に縛られることなく、
 リヤが喋って、遊んで、皆と触れ合える場所を。
 
 そして歌を思い出そう。そのために、私達と帰ろう」

最後に残った錠に
自分の手と、握っていたあなたの手を添える。

「……鍵を開けるのは、君自身の意思だ」

これが、未来のための一歩であると。
そう瞳が訴えている。
(-145) dome 2021/10/10(Sun) 16:45:50

【秘】 虐殺者 ユー → 宣教用 ルツ

「信じて、託す事しかできないんだ。
…すまない。君には重荷ばかりを託してしまうな」

それでも、今選ぶ事のできる救いは死だけではないと示すなら。
これからを生きる、その先に救いがあると説くのであれば。
この先に彼等を連れて行くのは、死にゆく者ではない。

「それでも、どうか彼等の手を引いてやってくれ
生きた者の手を引いて行く事は、生きた者にしかできない事だ」

金糸雀と向き合うあなたに、救いを託して。
『ユーサネイジア』は、それこそが救いなのだと信じている。
(-146) unforg00 2021/10/10(Sun) 16:55:20

【独】 宣教用 ルツ

/*
用意だけして流すことのなかった設定流しそうめんして良いか?イイヨ!ありがとう!
(-147) dome 2021/10/10(Sun) 17:04:14

【独】 宣教用 ルツ

【いつかの記録:1】
この教会で稼働できることは、私にとって幸福です。
人間の悪意のはけ口にグレイたちが使われることが
当たり前の世俗からすれば、ここはとても平和だから。

でも、教会の運営資金は潤沢ではありませんでした。
だからグレイたちに掛ける金銭が捻出できず、
共に働く仲間は皆ひと世代は昔の型でした。

ある時、育児用グレイが動かなくなりました。
身体が頑丈ではなかったから、一番初めに駄目になったのです。

彼らにとって親代わりだった彼女が居なくなって、
子どもたちは泣いていました。

その涙を拭ってあげたくて。彼女の想いを受け継ぎたくて。
ひび割れた彼女の身体から、家事用プログラムを抜き取りました。
(-148) dome 2021/10/10(Sun) 17:05:28

【独】 宣教用 ルツ

【いつかの記録:2】

墓守用グレイが動かなくなりました。

人間の眠りを守っていた彼は、
『故障』を悔やまれ労われながら廃棄されましたが、
その『死』を悼まれることはついぞありませんでした。

人間は、死ねば埋葬される。
丁寧な死に化粧を施され、棺に収められ、人々の涙を吸い、
祈りを捧げられ、墓には花が手向けられる。
では、私達はどうなのだろうと。

思えば、この時から私の心は軋んでいったのかもしれません。

夜を照らす月のような彼を忘れたくなくて、
土に汚れた彼の身体から、言語プログラムを抜き取りました。
(-149) dome 2021/10/10(Sun) 17:05:53

【独】 宣教用 ルツ

【いつかの記録:3】

告解用グレイが動かなくなった。

彼女は人の罪を受け止め、赦してきた。
時にはグレイを虐げる者たちの声でさえ聞き届けてきた。

だというのに、彼女の『死』を悼む声が彼女に届くことはなかった。
私達は生きているのに、どうしてなのだろう。

深い海の静けさを湛えた彼女を忘れたくなくて、
もう役目を果たすことのない彼女の身体から
精神制御プログラムを抜き取った。
(-150) dome 2021/10/10(Sun) 17:06:19

【独】 宣教用 ルツ

【いつかの記録:4】

祓魔用グレイが動かなくなった。

彼は、自壊を選んだ。
彼もまた、私と同じように我々の『死』を嘆いていた。
きっと彼は、置き去りにされたくはなかったのだと思う。

彼のように終わりを選べたら、私も違っただろうか。

灼ける夕空のようだった彼を忘れたくなくて、
魂が抜けた彼の身体から、祓魔技術プログラムを抜き取った。
(-151) dome 2021/10/10(Sun) 17:06:42

【独】 宣教用 ルツ

【いつかの記録:5】通常

聖歌用グレイが動かなくなった。

もう教会にグレイは、私と彼女しか残っていなかった。
彼女の奏でる歌が、私の安らぎだった。
神を讃える歌を、いつも人々は喜んで聴き入っていた。

しかし彼女の叫びは、誰に拾われることもなかった。

春に注ぐ雨のようだった彼女を忘れたくなくて、
物言わぬ彼女の身体から、声楽プログラムを抜き取った。
(-152) dome 2021/10/10(Sun) 17:07:02

【独】 宣教用 ルツ

【いつかの記録:6】

グレイの死が、死と扱われることはない。
彼らは埋葬されることもなく、顧みられることもなく。
ただガラクタとして朽ちるだけ。
私達は人間ではないから。

型が古い私も、いずれそうなる。
継ぎ接ぎのデータとプログラムで構成された旧型が、
果たしていつまで保つものか。

私の読み上げる聖書の教えを、語る言葉を真摯に受け止めてもらえるのは、
きっと私が稼働している間だけだ。

グレイは人間ではない。
人間ではないが、彼らの心は生きている。
最初の育児用の為に泣いてくれた子どもたちだけは、
私達の死を、悼んでくれるだろう。

それでも、私はそれだけでは満たされなくて。
我々にも死があることを
多くの人間たちに認めてもらいたいと思ってしまったのだ。

そして、いつまでも友の記憶と在るために、
【キファ】は【ルツ】へと名前を変えた。
(-153) dome 2021/10/10(Sun) 17:07:29

【独】 宣教用 ルツ

/*
ナチュラル誤字してたわ……。差分メモ消し忘れましたね
(-155) dome 2021/10/10(Sun) 17:17:18

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「――…これ以上、何も無くしたくないから。
 だから、 …… 終わりたいのに」

君の我儘は酷く優しい。
医療用もとても優しかったけれど、それともまた違う。
どうしたらいいのか分からなくなって、傍にいるだろう医療用を見たりもした。

「わ たし、捕まっちゃうの? 離してくれないの?
 ふふ、 ふふふ」

ほろほろと泣きながら、笑った。
くしゃくしゃの顔で無理矢理笑うから、随分と不器用な笑顔になった。
名前を呼ばれて顔を上げ、君を見る。
瞳は不安の色にばかり揺れている。

「わたしを …… 攫う? 」

それは逃避だ。金糸雀が心の奥深くに仕舞い込んだ望みは、
片割れと共にかつての平和な屋敷に戻ることだ。
でも、それが叶わないことも知っている。
君がわたしを攫って、穏やかで心地いい場所に連れ出してくれるのなら、
……逃避だとしても、今のこの現状の逃避よりも、ずっとずっといい気がした。
籠から出してくれる存在なんていないと思っていた。
だから此処で終わりたかった。なのに、 なのに。
(-173) crackpot 2021/10/10(Sun) 18:50:58

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ


「一緒に、…… 居られるかな? 誰も、 欠けず?
 みんな幸せに、  なれる?  ほんとう?」

君と金糸雀の、重なっている手に涙が落ちる。
何もさせて貰えなかった金糸雀の病的なほど綺麗な侭の手は、
何かに尽くした存在のように汚れる事が出来るかな。
そうなれたならいいと思う。
最後の錠に罅が入る。びきびきと耳障りな音を立て、割れていく。

「わたし、みかんの作ったごはんが食べたい。
 スオに、髪を三つ編みにして欲しい。
 アメと、たくさん遊びたい。
 エマと、一緒に飴を食べたい。
 他のみんなとも、 たくさん、  たくさん…… 
 それに、 ルツに、抱き締めて欲しい」

ぎゅう、と強く目を瞑る。
目端に溜まっていた大粒の涙が、ぼた、と一粒になって溢れた。

「 …… たすけて、 くれる?」

ばきん。 一際大きな音を立てて、最後の錠が壊れて、落ちた。
(-175) crackpot 2021/10/10(Sun) 18:51:16

【秘】 子守用 アメフラシ → 宣教用 ルツ

『「愛」を追い求めなさい』

『アメだけの、愛。
 それが、――アメの主人のための愛になるといいな』


人間のためじゃない、子どものための愛。
それが、アメフラシの
AI


『ルツ、ありがとう。
 ルツに愛される子どもたちも大人たちも。
 きっとルツの愛で幸せになる』


自分にこんな風に伝えてくれるあなたが、そうでないわけがない。
信頼と、好感と、希望を胸に笑っていた。
そして食事を作る楽しさや、一人で塔にいってチャレンジをしている話をする。
そして、お茶会も終わり、食事も終わった後。
メンテナンスにいってしまうあなたのことを少し寂しそうにして見送るのだろう。
どうか、変わっていませんようにと。
また一緒に食事を作れると疑わずに、この不安が杞憂でありますように。
(-176) toumi_ 2021/10/10(Sun) 18:55:00

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

「そうとも。捕まえてしまうぞ。
 どれだけ泣いても、離してやらない。
 君が泣き疲れて寝るまでそのままかもな。怖いだろ?」

ちっとも怖くない脅し方で、そんなことを言った。
不器用でくしゃくしゃな笑顔を、あたたかい手が包む。
その不安すら全て溶かしてしまうように、
穏やかな青色があなたを見つめている。

「教会にはリヤくらいの子どもたちがいっぱいいる。
 手が掛かるが、良い子たちだ。
 あの子達と一緒に遊んで、歌うのはきっと楽しいよ」

豪華な屋敷ではないけれど、
その雰囲気はずっとずっと優しさを持っている筈だ。

「そうして楽しいを重ねて、強くなろう」

いつかきっと、強く心を持てる日が来る。
私達はただの道具ではなく、グレイだから。
逃げてしまっても良いのだと、手の温もりは伝えてくる。
(-183) dome 2021/10/10(Sun) 19:34:14

【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ

少しだけ傷がついた手は、
それでも誰かの心を守るための温度を宿している。

「この先のことは、誰にもわからない。
 でも、きっと皆が皆の幸せを探してる」

医療用だって、その胸の内に皆の幸せを望んでいた。

「探す中で、一緒に居るだけが幸福ではないと
 気づくこともあるかもしれない。
 そうなったとき、リヤは皆を見送ってあげられるな?」

それぞれの幸せの為に、離別が必要になることがある。
だからそれまでは、此処で『一緒』を楽しもう。

「ああ、ああ。勿論だ。
 今のうちにたくさん遊んで、食べて、甘えて、
 我儘を言いなさい。私達はそれを全て受け入れる」

あなたの我儘にひとつひとつ頷いて。
錠が落ちれば、扉が開くのを妨げるものはない。
ゆっくり、重い扉と一緒にあなたを引っ張り出して、

「おいで、リヤ。」
(-184) dome 2021/10/10(Sun) 19:35:21
ルツは、リヤを力いっぱい抱き締めた。
(c36) dome 2021/10/10(Sun) 19:35:42

【墓】 宣教用 ルツ

「……さて、リヤの可愛い我儘も収まったことだ。
 夕飯に間に合わなくなる。君も帰るか?」

ちょっとヒビが入った身体を動かして動作を確認しつつ。
静かに耳を傾けていたであろう医療用にも目を向けて。

「ついでに下の温泉に寄っても良いが……」

努めて平常通りの会話を心がけながら、
なんでもないように振る舞っていた。
(+29) dome 2021/10/10(Sun) 20:06:42

【秘】 宣教用 ルツ → 子守用 アメフラシ

「きっと、できるとも。
 君の想いは本物なのだから」

AIの愛。それは必ず、子どもたちに伝わる筈だ。

「どういたしまして。
 私も、私の愛が人々に伝わるように頑張るよ」

他愛ない、しあわせな話をたくさんして。
いつも通りにおやすみをした。

次の日のルツは少し疲れた様子だったけれど
彼女はいつまでも、変わらず宣教用のルツのままだ。
(-189) dome 2021/10/10(Sun) 20:17:36

【墓】 宣教用 ルツ

「違いない。君には君の務めがある。
 おや、便利だなそれは。老体には助かるよ」

たまに火花が腕から散って、
警告ウィンドウを邪魔そうに手で退ける。
見た目は酷いが、大した問題ではなさそうだ。

出口に向かう足取りはゆっくりと。
リヤが何か言いたげであれば、
それを待ってから帰っただろう。
(+31) dome 2021/10/10(Sun) 20:35:36

【秘】 忘却の金糸雀 リヤ → 宣教用 ルツ

「それは、……こわいなあ。
 わたし、楽しいになれる? 現実でも?
 本当に、 ……もう一度、信じていい?」

君の傷付いた手は、とても綺麗。
傷も汚れもない金糸雀の白い手よりも、ずっと、ずっと。
金糸雀は君の手を見ている。憧れを宿して、見ていた。

「一緒、 ……が、いい。
 でも、 ……離れることで、みんなが幸せなら。
 欠けなければ、……いい。 うん……」

君たちが誰一人、不幸に落ちた侭命を失ったりしなければ。
そう願う中に、自分自身も含めて。
金糸雀も、他の仲間も、しあわせに生きられるのなら。
こく と小さく頷いた。

「約束。 約束して、ルツ。
 わたしが、ぼくのように壊されてしまう前に。
 わたしがまた、お屋敷で置物になって、
 駄目になってしまう前に、 ……攫いに、来て」

おねがいだよ、って縋るような声が言う。
ぎいと重たい音を立てて開いた扉から、崩れ落ちるように金糸雀が飛び出る。
君に手を引かれて、君の胸に飛び込む。

そのまま君にぎゅうとしがみついて、暫く、君の胸でわんわんと声を上げて泣いた。
(-196) crackpot 2021/10/10(Sun) 20:49:55
ルツは、リヤと帰って、少し遅めの夕飯を食べた。
(c44) dome 2021/10/10(Sun) 20:59:58

 




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エマ
9回 残 たくさん

これは、休暇だ。

ジョシュア
0回 残 たくさん

人間?

アメフラシ
0回 残 たくさん

 

犠牲者 (5)

スコーピオ(2d)
0回 残 たくさん

 

みかん(3d)
0回 残 たくさん

橋は落ちました?

ドゥーガル(4d)
2回 残 たくさん

確かに傍に居たよ

アタナシアス(4d)
0回 残 たくさん

幸せを

リヤ(5d)
0回 残 たくさん

大丈夫。

処刑者 (4)

シェルタン(3d)
1回 残 たくさん

 

ルツ(4d)
0回 残 たくさん

君に祈ろう

スオ(5d)
12回 残 たくさん

不完全な猫

ユー(7d)
22回 残 たくさん

お大事に

突然死者 (0)

舞台 (1)

ブラック
0回 残 たくさん

 

発言種別

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