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【秘】 宵闇 → 公安警察 清和「なあ、そういやルカ。お前この間最後のぎゃふんの『ん』は ──俺が作る、お前への歌と交換だって言ったな」 不発弾の処理が終わった後くらいそろりとやってきて話す。 ここから帰りたくないような 誰かが自身を呼んでいるような、そんな声が聞こえていた頃 けれど、薄々とここが夢だということに気づきはじめていた頃。 「それは"ここから"帰って再会した時ってのはどうだい」 ここで全て済ませてしまうことはできる。 その材料が揃っているからだ。 「全部田舎で済ませちまうのも、なんか勿体ないだろ ──まあ、先に聴いておきたいってんならいいけど」 せっかく再会したのだから、その先があってもいいはずだ。 だからこれは口実のようなものだった。 清和を追いかけるための。 「それに、実はさ、その曲ってのはお前だけでなく アキラにも聴いてもらいたい曲なんだよな、どうだ?」 そして、男は不敵に笑った。 (-54) DT81 2021/08/21(Sat) 14:41:04 |
【秘】 貴方の隣に 宵闇 → ただいま 御山洗>>-50 「お、やっと素直になったな」 そう、それでいいんだよ、なんて上から目線。 細身の男は背丈も体格も違うその腕の中にすっぽりと収まって くすくすと機嫌がよさそうに笑う声が耳をくすぐる。 男は、嬉しかったのだ。本当に、嬉しかった。 あの時苦痛を堪えるようだった姿は 怯えるように男を無理やり遠ざける姿は もう見なくてもいいのだと思うと肩の力も抜ける。 そうだ、彼に笑ってほしかったんだ。 この心が少しだけ満たされるような気分になる。 「ああ、待ってるよアキラ」 目を閉じて、広い胸に額を押し付ける。 「そしたらさ、また俺に好きだって言ってくれよ 何度でも聞いてやるし、言ってやるし」 ゆっくりと話しもしたい。この先に想いを馳せる。 ──だから夢が終わるまで、もう少しこのままで。 (-57) DT81 2021/08/21(Sat) 17:03:54 |
【置】 あの頃の 宵闇すこし古ぼけてかすんでいる楽譜、かろうじて読めるくらいの。 まだ音楽への知識が浅い時にはじめて創作したもの。 その曲のタイトルは『再会』 あの頃の少年が細い指でギターをかき鳴らす。 ──ふわりと、頬を風が撫ぜた 前奏、それはそよ風のように優雅に 爽やかな空気の流れるはずんだ音 雲ひとつない青空広がるすっきりとした空。 ──僕らは繋がっている ──きっと同じ空を見上げている 間奏、転調、雨が降ったように、ぽつりぽつりと。 しっとりとした、音が紡がれる。 それは恵みの雨、悲しみを流す清らかな水だ ──晴れた夕焼け空にカラスが鳴く ──帰ろう、僕らの道へ 後奏、夜が訪れるように 宵闇は光へと続くしずかな夜だ。 ──朝は必ずやってくる ──それまでは安らかな夢を (L13) DT81 2021/08/21(Sat) 18:19:17 公開: 2021/08/21(Sat) 18:20:00 |
【置】 あの頃の 宵闇 "未来"の宵闇 翔へ 元気ですか? ちゃんとメシ食ってますか? 彼女はできましたか? 夢は叶えましたか? 俺は小さい頃、なんとなく母さんが喜んでくれるからって 理由でピアノをやってたけど、今ではすごく楽しんでる。 都会の音楽に触れられるようになったのはルカのおかげだし。 俺もなにか夢を持ってみたいと思ったのはアキラのおかげだ。 未来の俺はどうですか? もし、挫折してたりつまんねえなって思ってたら いっそ音楽なんてやめちまえばいいと思います。 それもいやなら、一緒に入れた楽譜を見て思い出してくれ。 これはアイツらには今はナイショだけど、曲をつくったんだ。 練習もしたから今の俺は歌えるし、思い出すはずだ。 まだうまくできないけど、未来の俺がアイツらと再会したら 歌ってくれよな。絶対はずかしいと思うけど。 過去の宵闇 翔 (L14) DT81 2021/08/21(Sat) 18:21:01 公開: 2021/08/21(Sat) 18:25:00 |
【秘】 あしたの 御山洗 → あの頃の 宵闇>>-57 宵闇 じわりと滲んだ涙をうまく堪えることが出来なかった。体温の移ったしずくがぱたと落ちる。 喜ばしいからか、安堵したからか。許されたからか、まだ薄く残る罪悪感なのか。 ぐるぐると胸の内をわだかまっていたものは、溜息と共に落ちて、消えた。 好きだ、ともう一度だけささやく。今度は耐えきれなかったためではなく。 今こうして伸ばされた手を、掴み取ることが出来た手を、ちゃんと握って。 逃げるためではなく、心から伝えたかったこととして。 夜空から夢の世界を見下ろすような花火が消える頃には、夢は醒めてしまうのだろう。 ひと夏の気紛れと思い出が作り上げた願いの世界は、消えてしまっても。 ちゃんと自分の意思で願って、その手を掴みに行くために。 置き去りにしてしまった不発弾を、皆でもう一度見るために。 背中を向けたままだった思い出の中の人達に会いに行くために。 今なら、それが出来る。 ベゴニアの花言葉は――。 (-58) redhaguki 2021/08/21(Sat) 18:51:17 |
【人】 音楽家 宵闇ここにずっといたら取り戻せそうだった心があった。 今の自分にはなくて、過去に置いてきてしまったものがあった。 思い出せそうだった、すこしだけ思い出した。 それは『好き』という、身近にあって大事もの。 この村で培ってきたものが、音楽が好きだった。 男はきっと、この夢の事を一曲にするだろう。 ひとりの老人が、皆が愛した村。 ──時数えの田舎村。 (39) DT81 2021/08/21(Sat) 20:55:31 |
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