足が動かない。
早く行かなければ。

誰よりも遅れてロビーにやってきてそこから進めずにいた。


鼓動が速度を増し、隠した本音が表へと。


気付くべきではない。……なかった。


名を呼ぶ声は、とても弱々しく。乾いた笑みが零れた。

>>16 シャト
無邪気な声が聞こえて、近くに来た存在に気づいた。
もうとっくに、誰もいないと思っていたから。

声の出し方を忘れたように口を動かして。

音の代わりにまた、乾いた笑みを零す。

>>20 シャト
「」
待っていると言われたことに、また鼓動が速さを増した。

「」
呼吸が荒くなり、周りの音が聞こえづらい。

「」


>>24 シェイド
──肩が跳ねる。けれど振り返ることが出来ない。


ずっと、動けずにいる。

>>30 シャト

そんなことを彼は望まない気がする。


でも、本当にそうだろうか。


分からない。


>>32 シェイド
シャトの言葉に迷うように沈黙すれば、君の声が聞こえて。


何が違うのか、告げた男にも分からないまま。


だって、終われない。死が訪れるまでは。





頬をつつくことを、拒みはしない。
──けれども。

瞳は揺れ、君達には男の怯えと狂気が伝わるはずだ。

>>38 >>39
触れられた手と触れられる頬が熱い。
2つの温度が己の体温と交わり、心地が良くて。



「」
──弾ける音がした。それが何かは、理解出来ない。













──シャトの手を握り返し、己に触れるレヴァティの手を掴む。
勿論、拒めば離すが…………どちらだっていい。

もし拒まないようであれば、とびきりの笑顔を見せて処刑室へと先導する。

>>43
温かな手は男の手と繋がれ、それはいまだ繋がりがあるまま。
破壊のための爪はきっと、男の手傷付けることは無いのだろう。

漸く辿り着いた処刑室。扉を開くために獣と繋がる手は離れ。
扉に手をかける直前、君に目線を合わせるために身を屈めた。

「………シャト、俺が暴れるとあんたは困るだろうからさ。
先にめいっぱい遊んできてくれよ。楽しいを見せてくれ」
笑顔で語りかける。暴力など知らない者のように柔らかに。

「いっぱい踊ろうぜ。キエは踊るのが得意なんだ」
ふわふわとした足取りを思い浮かべ、楽しげに呟いて。

>>44
「だよな、」
振り返る。躊躇いもなく彼の名を呼んで。同意を求めた。



「……あ、悪い。大丈夫かって聞かれてたっけ。答え損ねてたな。そりゃ勿論問題ねぇよ。いつも通り元気だろ？」
と、ここに着くまでに君の問いに答えずにいた男は思い出したようにその答えを紡いだ。



「そんなことよりさ、あんたはどう遊びたい？
…あ、まだここに入んの怖いか？でもさ、大丈夫だって。

最後まで隣にいてくれよ。…逃げないでくれ

俺も居るからさ。怖いなら手を握ったままでもいいぜ」

>>46
「いいぜ。……行ってきな」
にこやかに告げて、扉を開いた。そうして見送った後。
──男はレヴァティの手を掴んだまま、閉まる扉の前に立ち。

>>49
「……あぁ、歌も踊りも得意なんだ。ほら、見ろよ」
まだ獣の温かさを残す手で獣と踊るキエを指差し(>>47 >>48)。


楽しげに踊る2人に男の気分も上がる。

「ははっ！仕方ねぇな。…あ、でも近くにいんのはいいんだけどさ。
あんたは血は被んねぇ方がいいんじゃねぇかな。ほら、ああなっちまうし」
キエを指した指先はに酔う獣に向いた(>>50)。
それから、男の名を呼ぶ獣に気がついて。

「…おー、見てる見てる。2人ともだぜ」
と、聞こえるかも分からない声で言葉を返す。

「……そういや、血を吸う花とか作れんの？ ここまで派手に血塗れだしさ、に咲きそうじゃん。
あ。ルヘナにやったら喜ぶんじゃねぇかな？俺もは好きだ」
ルヘナの部屋は花が沢山で。でも宴が終わったら没収されるか。

「……んー。レヴァティとキエが遊ぶのに、何がいいかねぇ。
俺は何にすっかな。歌が聞こえねぇのもなんだし能力はやめとくんだけどさ」
キエの血を避け、並べられた武器の方へと移動。
早く選ばないと今宵の演目が終わってしまう。

「な、どれがいいと思う？」

>>52
爪を立てる様子に、少しだけ視線はそちらに向いて。
…すぐに武器へと戻された。

「やっぱ出来んだ。…………なぁ、レヴァティ」
空いた手の人差し指を立て、己の口に添える。

「」
バレてしまうのは嫌だろう。と、薄く笑って。

「……ぐるぐる巻き、どうやんの？触れるだけで血は付くぜ。
あぁ、でもやんなら別に能力に限った話じゃねぇんだが」
添えた指先を外す。動きは緩慢で、歌を聞くものとしてはヤケに冷静。

君が示した銃を手に取り、男の手を握る君の手に。
──近付けた。君に「手に取れ」というように。

「ほら、これでも遊べるぜ。…それとも最後がいいか？
同士、仲もいいだろうしさ」
最後に殺すのは君がいいかとの提案。




「…………と、そう長く相談してる暇もねぇか」
視線をキエに向け、適当に手に馴染みそうなナイフも握る。 >>a9 >>a10

そしてそのまま、踊るキエへと足を進めるだろう。

>>54
「へぇ、離れててもやれんのは便利だよな。
……そうだ、後で見せてくれよ」
と、あくまで今ではなく後でと告げる。

受け取るようであれば満足気に笑って。



「大丈夫だって。……俺が教えてやるよ。
そう難しいもんでもねぇし。だから、」

>>56
「だか………………ら、………………………………」
近付く姿に気付けなかった。伸びる手に、気付けなかった。

立ち止まる。
レヴァティシェイドの手を握る力もナイフを握る力もあっという間に抜けて。

カランッ……と、それは音を立て床に落ちた。

>>_2
「……………………は、ははッ……！！！」
動かないまま、男は笑い声を零す。

「あは、はッ………………！！」
この笑みは狂気を含むか、それとも別か。

「……………………やってみろよ、キエ」
その手に力が入っていないことは理解出来ている。
それでも煽るようにそう告げて。

──空いた手を、キエの手に添える。

>>60 キエ
傾く体を、あの日のように支えることは無い。
君に触れる手は、君の手と重なるものだけで。

続く歌に、僅かに目が細まる。


以前に触れた際には感じた熱も、今は失いつつある。


分かっている。……だから、早く。

>>59 シェイド
君に預けた銃を奪おうとキエの手に重ねた手を外したところで。

──ゴン！と己の頭に衝撃が走る。

その行為の意味とかそういうものはあまり理解出来なかった。
ただ、君の叫ぶ声が耳に響いて。


何かを言う前に君が手を引くから、体はそちらに傾く。



狂気に侵されていたはずの思考は、君の行動で疑問で満たされた。
男は、動けずにいる。上手い言葉も言えないまま、目を瞬かせながら。

>>63 シェイド
更に引っ張られた体は軽く浮いて。
そのままでもいいかなって一瞬だけ考えた。

でも、「代わりに」という言葉が気になって。


「──嫌だ」
片足を床に付けるのとともに姿勢を低くして両手も付ける。
その頃には押し付けられた種は胴に巻き付き、腕の不自由さは得るが。

…この程度なら障害にもならない。

姿勢を低くしたまま、床を蹴る。シェイド目掛けて──ではなく。
床に落ちたナイフを手に取り刃先を、押し込むように勢いよくぶつかりに行く。

反応が出来るなら回避も、庇うことも。
他の行動も可能だろう。

>>66 シェイド
こちらに背を向ける君の姿は認識出来た。
それでも、駆け出す足は止められなくて。



──鋭い刃先は、君の体へと飲み込まれた。



身を寄せ、低い声で囁く。その瞳に揺らぎはない。
寧ろ楽しげに笑みを浮かべ、


深く突き刺したナイフを軽く上向きにして、引き抜き。


振り被る。

男にしては隙だらけで、無駄な動きだ。

>>72 シェイド
違う？何が違うのか。言葉の意味が分からない。
だってあんたはこんな俺をくれただろう。

「ははッ………！」
しい。しい、 。

君を殺すのは、きっと。

>>73 キエ
──振り被ったナイフが、キエの胸に突き刺さる。


己を抱きしめるその腕を、振り払う事はしなかった。

>>74 >>_4
動きが、一瞬止まって──乾いた笑いが零れる。


まだ狂気の残る瞳は細くなり、シェイドへと向かうが。
それは、決して傷つけるために向けられた訳ではなく。

──キエの体を投げつけるようにそちらへ押した。



そのまま身を引くように。離れるように。1歩、足が下がる。
それからもう一度能力による爆弾を作り出し。

己の左腕に押し付けて。

「」
どちらに言ったのか。あるいは2人に対してか。
それとも、周りに向けてか。

なんにせよ、掠れた声では届かないかもしれない。

──
と、爆発する音とともに零されたものだから。

「処刑、終わりだろ。…なんで、暴れんのもやめた。
あとは好きに解散ってことでいいか？」
あくまで冷静な声で、周りに問いかける。

痛みに顔を歪める様子もなく、いつも通りに。

「いいなら、装置とかユニットとか……あ、腕も手もねぇや。
申請出来ねぇんで、後片付けとかは任せた」
看守でも囚人でも、代わりにお願い出来ないか。と。

「……キエの体は………、レヴァティ次第ってことで」
運んでいくのか、装置に乗せるのか。
そこは今きっと抱きとめてくれているであろう彼に委ねた。

>>77 >>a24 >>a25 シャト
飛んだ方向的にも、食うんだろうなって思ってた。
だからそれを横目に見て、美味いのかなって考えていれば。

>>78 ルヘナ
手伝いの声掛けが来た。…もう、大丈夫なんだろうか。
確か端末を使えば囚人でも何とか出来たし。

「……っつっても、怪我人歩けそうなやつばっかか。
必要そうなら頼んで──」

>>79 >>80 シェイド
「うわっ……」
引っ張り寄せられて、驚くように声が零れた。

「…………俺はいいって。背中の傷、酷くなんぞ」
抵抗はしない。けど、自分を抱える必要は無いと思ったから。

腕も手もボロボロで、草を焼くために使った爆弾で身体は傷ついているが。

別に 歩けない訳でもないし。と首を横に振る。

>>82 シェイド
「どうでもいいわけねぇだろ…」
多分、キエが守りたかったものだ。

きっと好きだから。気に入っているから。
その気持ちが、分かるから。

「……別に痛くねぇよ。感覚がマヒしてる痛みには鈍いからな」
大したことはないと、なんて事ないように言ってのける。

>>84 シェイド
「我慢は別に、してねぇけど……………。
……。………」
己の痛みへの耐性は異常なのだろう。

それは周りの反応からも伺える。


「あ、あー……分かった。分かったよ。
………連れてってくれ、」
折れた。実の所、真っ直ぐな人間は苦手だ。

その真っ直ぐさが眩しくて、羨ましくて。


名を呼ぶ時は君にしか聞こえない小さな、本当に小さな声で。
俯く君とは反対に、男は 笑っていた。

>>86 >>87 シェイド
「マジ。…元々こうなんだよ、都合もいいし。
………いや、それは別に嘘でもねぇ……ケド」


この名は、大勢の場で呼ぶ気はなかった名前だ。
約束もしたし。…でも、今はなんとなくそうしたかった。

そんで、ホントに持ち上げれんのかな〜って身を任せて。
──出来てしまった。

「」
これなら案内出来るなと安堵して、ルヘナに見せびらかす様子にまた笑う。