人狼物語 三日月国


82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】

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【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

ちゃり、と金属のぶつかる音と共に。
最後の新入り従業員はやってくる。
数名の賓客と一部のスタッフの前に悠然と歩み出た。

カジノで戦うディーラーの制服でもなく。
関係者として暗躍したペストマスクに漆黒の燕尾服でもなく。
自分の上に立つ人間たちに付き従う『従業員の制服』と目元だけを隠す簡素な仮面を身に纏い、女は静かにやって来る。

ただ、もう逃げられないとばかりに存在する厳つい首輪が女の喉元に巻きついていた。

「──改めまして、サダルです。
この客船に乗せていただくにあたり必要な『研修』は既に受けております。
ですが皆様が必要だと判断したのならどのようなものでも喜んで行わせていただきます。

私は皆様の従順な下僕です。
皆様の命令こそが私の幸福。それら全て皆様の愛なれば。私は喜んで従い、奉仕し、皆様に誠心誠意尽くしましょう」

服従の意を見せるように頭を垂れる。
こんな行為は慣れている。
なるべく壊されないようにしたいのなら、素直に従っていたほうがいい。
ぺらぺらと上辺だけの薄い忠誠を吐き出し、女は閉じた瞼の裏側でぎらぎらと反抗的な炎を湛えていた。

(0) 2021/07/09(Fri) 22:23:39

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

顔を上げろ、と指示を受ける。
女が飼い犬のような態度を被って大人しく従い顔を上げると、他のスタッフからの平手打ちが飛んだ。

頬がじんじんと熱を伴う痛みを発しているが、反比例するように心は冷え切っていく。

乗船客の失踪に関する噂を流したと聞いた。
何故そのような事をしたのか。
泡を飛ばして捲し立てるスタッフにひたすら頭を下げながら、詳細を有耶無耶にして謝罪を繰り返す。

何度も打たれた。でもそれが今更何だと言うのだろう。こんな仕打ち、昔から受け続けている。

女はスタッフの気の済むまで説教を受け続けた後、賓客に連れられて姿を消した。『再教育』を受ける事になったらしい。

"嫉妬"の女は最後まで、自分を見下す人間たちのいないところで嗤い続けていた。
(1) 2021/07/09(Fri) 22:23:51

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

カーテンは全て閉め切られ陽の光が欠片も与えられない船内のどこか。
陰鬱とした暗い部屋の中で、むせ返るほどの煙草の煙と性臭にまみれながらあえかな声をあげて体を揺らす女が一人。

「……っ、……ん、ぅう、あ……はぁ……っ」

相手の事など考えない、己のみ快楽を貪るような動きを見せる男の上に"従業員"に堕ちた女は跨り喘ぐ。その間にも両隣に並んだ者の男根を時に頬張り、時に手で擦り、ひたすらに奉仕をし続けた。

「……ッ、い゛、ぁ、あ゛ぁあ……!!!」

休む事など許されない。
尽くす手を緩めれば頬や尻を打たれ、意識を飛ばせば煙草を体に押しつけられる。

女の体は傷だらけだった。顔と手を除いたありとあらゆる場所に火傷や切り傷が覆い被さっている。全てカジノのディーラーとして働く前、自身の親に金を貸した人間たちによって飼われていた頃付けられた痛みだ。
似たり寄ったりの傷なのだから、今更増えたところで何とも思わない。灰皿代わりにされた背中にまた一つ皮膚が隆起した歪な火傷の跡が残るのを、女は冷めた心で受け止めていた。

「……わ、たしっ、は、皆さんに……、ぅ、尽くす、雌犬……です、……もう、裏切るような、真似は……しま、せ……ひっ!ぁ、あっあっあっ……ぁあ……ッ!」

卑しい言葉を吐き出す事を何度も強要された。
女は大人しくそれに従い、幾度となく降伏の姿勢を取らされながら最奥を穿たれ、服の下に押さえつけていた豊かな乳房をこれでもかと弾ませながら悦楽の果てへと追い詰められる。

何度果てても終わらない。女の喉が掠れようと、涙が枯れ果てようと、『再教育』はひたすらに行われ続けた。

(10) 2021/07/10(Sat) 3:26:36

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

体は無理矢理にでも高められ、魘されるほどの熱と刺激が脳を侵していたとしても。
意識を保ち続ける限り、女はずっと牙を隠して笑っていた。

──失うものなんて無い。
プライドも恥も、全てとっくの昔に私自身が食ってやった。どれだけ犯し尽くしたところで、私は君たちに折れるつもりなど毛頭ない。
私を折りたいのなら、私を泣かせた"暴食"のような並外れたショウくらいでなければ認められない。

だからきっと、暫くは大丈夫だ。
後はこの肉体や精神が壊れないよう、従順なフリして耐えるだけ。

私が私の"賭け"に勝つその時まで。
耐えられずに私が心身壊れてしまったら私の負けだ。

ルーレットのボールは回り始める。
結果は、如何に。
(11) 2021/07/10(Sat) 3:28:00

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

仮面をつけられても澄まし顔で日常生活に戻ってきた元ディーラー、現一般従業員。

「ここ、水面下で行われているものに目を瞑れば待遇はわりといいんだよね……複雑」

もにゃもにゃしながら昼食を適当に注文した。イングリッシュマフィンfoodが出てきた。
(16) 2021/07/10(Sat) 11:28:03

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>16

おいしぃ〜!!
(17) 2021/07/10(Sat) 11:30:15

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>20 ダビー

目の前に置かれた器を見たのも束の間、すぐにその先の人物を追いかけるように視線を流した。

「……。こんにちはダビー。私は元気だよ。そっちも"相変わらず元気そうで"何より」

平然と答える。ひとまず座りなよと促した。本当に元気そうで何よりじゃないか。ねえ。
(21) 2021/07/10(Sat) 16:32:54
サダルは、ボル族と初対面した。これが噂の……。
(a20) 2021/07/10(Sat) 16:33:48

サダルは、ボルシチはともかくボルジュウは初めてなので二人分小皿に取り分けた。
(a21) 2021/07/10(Sat) 16:36:45

サダルは、片方のボルジュウをダビーに押し付けた。君も食べたいなら食べなよ。
(a22) 2021/07/10(Sat) 16:38:10

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>22 ダビー

「別に含みがあってもなくても君の様子など私の知った事ではないから好きにしなよ」

続くようにボルジュウを一口いただく。流石はボル族の最上位(※諸説あり)、とても美味しい。表情は崩さなかったが内心満足した。
投げかけられた問いには、今よりも更に声を小さく抑えて答える。

「……目的はいくつかあるけど。

一つ、単に私がこの船の上層部とかが気に食わなかったから。失踪に関する話を流出させ、私を見下ろす奴らを困らせて不快にさせてやろうと思って。……ここは記憶を改竄できる処置を施せるしいくらでも揉み消せるだろうから、意味は薄いけど。

二つ。君の言った通り、私の賭けの為に必要だったからああいう事をした。ここに堕ちてくる必要があったんだ。
あの宣戦布告は、初めから"エンヴィー"として生き残れるかどうかで勝負をしたんじゃない。勿論、勝っていたら今まで通りエンヴィーとしての活動に励んでいたけどね。
でも、本当の目的はその先あった」
(23) 2021/07/10(Sat) 17:05:33
サダルは、どこかの時間帯で合挽き肉のハンバーグを食べた。
(a28) 2021/07/10(Sat) 21:45:49

サダルは、もう境界線が薄れてしまった。どんな物も、食べることができるようになってしまった。
(a29) 2021/07/10(Sat) 21:47:17

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>ラサルハグ

ホワイトな労働をしつつ、その合間の休憩時間。
女はかつて共犯者だった相手の前にふらりと姿を現す。

「……ス、……ラサルハグ。今時間いいかな。少し話したいことがあって」

本性をあちこちに晒して開き直ったのか、涼やかな笑みを被らずけろりとした様子で声をかける。
(26) 2021/07/10(Sat) 23:29:29

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>27 ラサルハグ

口調に気付き、少し思案する。

「……どうだろう。私は"共犯者"の時の話をしにきた。些細な質問だから、このまま話しても構わないけど……君に不都合があるのなら場所を変えようと思う」

全てを投げ捨てる勢いで駆け抜け、その結果一般従業員へと落ちた女にとって最早怖いものなど殆ど無い。開き直ってすらいた。
(28) 2021/07/11(Sun) 0:13:13

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>29 ラサルハグ

「……それじゃあこのまま話そうか」

切り替わった口調にほんの少し肩の力が抜けた。サダル、ひいては『エンヴィー』にとってなんだかんだ『スロウス』の方が馴染み深いものとなっていたらしい。

「……君が共犯者を降りる直前。私たち三人で『報酬』の話をしたことを覚えているかな。
グラトニーは物理的な報酬、私は気に食わない奴の転落を見ること、そして君は……無いけど、強いて言うなら私たち共犯者の勝利って答えていたね。

その勝利という報酬は、君の仕事の期日が過ぎてからも有効だったのかな。期日が過ぎてしまえば、私たちが勝とうが負けようがもうどうでもいいと切り捨ててしまうことも出来そうだと思うけど……」
(35) 2021/07/11(Sun) 4:10:45

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>31 ダビー

ほんの一瞬、眉がぴくりと動いた。

「別に君のためにやった訳ではないけれど……どういたしまして。
でもこれはあまりにも悪手だ。後でどんな目に遭わされるか分かったものじゃない。明日いきなり私が船から姿を消しているなんてこともあり得るだろうね。

二つ目は……二つ目、は…………」

スプーンを動かしていた手が止まる。
濁り切った瞳が静かに伏せられた。

「…………分からない。勝算は0じゃない……、……と……思う……」

分かりやすく言葉尻が萎む。よく浮かべていたポーカーフェイスでも本性がバレてから見せ始めた開き直った態度でもなく、素直に不安を顔に滲ませている。
(36) 2021/07/11(Sun) 4:32:44

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>37 ラサルハグ

相槌を繰り返しながら耳を傾け、思考を巡らせて──

「つまり、私たちが勝っても負けても関係なかった。……そういうことかな」

──その報酬の価値が無いものだと、"嫉妬"はそう判断した。

はは、と自然と笑みが溢れる。自分の思っていた以上に乾いたものだった。

「……売り渡されたって言う事はさ、君は……処分とやらもされなくて済むって事かな」
(38) 2021/07/11(Sun) 11:12:04

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>40 ダビー

「確かにそう。地に落ちた敗者に権利はないから、互いを助けられるわけでもない。互いが出来るだけ長く無事であることをそれこそ天に祈るしかないだろうね」

あっけらかんと答える。全てを諦めたつもりではないが、それでも駄目な時は駄目なのだと理解していた。

「外的要因。…………それは……」

提案に口籠もる。普段であれば一も二もなく頷いて行っていただろう。女は平気で人を裏切り、利用し、踏み躙るような人間だ。実際、目の前の男に対してもそうした。しかし──

「この賭けに関しては……イカサマ……したくない、から…………


あの人が自分の意思で選ばなければ、意味無いよ……」
(41) 2021/07/11(Sun) 12:42:30

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>43 ダビー

緑色を見つめる緑色が鋭くなった。

「……煩い。余裕そうに揶揄うとか腹立つな。つい最近私に騙されてたって言うのに」

隠しもせず舌打ちし、苛立たしげにボルジュウを啜る。ああくそ、気に食わないけどスープは美味い。
こくんと一口飲み込んだところで、女は少し考えるように沈黙を置いた後おずおずと口を開く。

「……ダビー。君はさ、大事なこと……掴めそう?」

抑揚のない静かな声で問いかける。真摯な色を滲ませて。
(44) 2021/07/11(Sun) 13:59:04

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>46 ラサルハグ

「…………え?」

淀みなく返ってきた答えにもはや悲しみさえも浮かばずに。
ただ黙って聞いていたが、続けられた言葉に目を瞬かせる。

「望みが叶えばいいって……思ってた?え、あの、えっ!?」

ずい。ずいずい。ずずずい。
にじり寄る。

「……す、スロウス。それっていったい、あの、どうして……?」

最早それは仕事、役割には関係のない範疇の話だ。
生きる為に仕事をするのではなく、仕事をする為に生きていると答えた貴方からその言葉が出てくるなんて思ってもみなかった。

くるりと瞳を丸くさせ、共犯者のガラス玉にも見た目を覗き込む。
仮面を投げ捨て素直に驚きの表情を浮かべた女の顔が、きっと貴方の水色の瞳に映り込んでいることだろう。
(51) 2021/07/11(Sun) 16:13:21

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>49 ダビー

「知らない。君の事なんか分かる筈ないでしょう……ばかなひと」

あれだけ騙したのに、それでも生き残れと言ってくる。その優しさは一体どこから出てきていると言うのか。

ああ、眩しい。ああ、妬ましい。

「……ふうん、そう」

ただそれだけ答えた後、スプーンを置いた貴方とは裏腹に食べ進めていく。まるで興味がないと言わんばかりに。

「もう取り返しのつかないことはしてしまったんでしょう。
それなら無理に心を制御する必要なんてないんじゃないかな。

一度受け止めてもらって、それで関係が壊れていないなら……きっとまた受け入れてくれるよ」

(52) 2021/07/11(Sun) 16:32:10

【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル

>>49 ダビー

「だから、さ」

貴方を見つめる緑色がゆるやかに歪む。
獣のような獰猛な、相手に噛み付くような光を宿して。

「早く君も呑まれるといい。楽になれる」

自分は掴めるかも分からないのに、君はもう欲しいものを手にしている。
全くもって羨ましい。ずるいったらありゃしない。

「ねえ、ダビー。
仮面を捨てて曝け出すのって……"サイコー"だよ?」

だから、女は囁いた。
地の底から緑色の怪物が、共に狂えと手招きをしている。
(53) 2021/07/11(Sun) 16:33:13
サダルは、ギャンブラーだ。
(a38) 2021/07/11(Sun) 17:00:28

サダルは、君の全てが、心から欲しい。
(a39) 2021/07/11(Sun) 17:00:44

サダルは、一発の弾丸に貫かれる。
(a42) 2021/07/11(Sun) 19:10:19

サダルは、"賭け師"の唇に自分の唇を重ねた。
(a43) 2021/07/11(Sun) 19:12:03

サダルは、今度は手で隔たりなど作らなかった。
(a44) 2021/07/11(Sun) 19:12:18

 
──幕間の観賞室。

今となっては王達は去り、人払いだってされていない
だというのにも関わらず、相も変わらずここは閑散としていて
今の時間は人っ子一人居なかった。

観客の無い"喜劇"を背に、薄明かりの下を探る。
誰も、従業員さえも覗く事のない、暗がりの中。
自身の手で隠したものを、探って

探って、

探って、

「──あった」

ずしりと重い、人の命を奪う為の道具。


込められた弾が、ただの一つも欠けていない
事を確認して──

 
──何をするでもなく、ただ懐に仕舞った。

初めから、使う事を想定して持ち込んだものだ。
"上"の意向によっては、迷わず命を絶っていただろう。
そして同時に、それを他者へと向ける事だって想定していた。
或いは、この凶器を誰かに握らせる事だって十分に有り得た筈だ。

たった一発の銃弾で人は死に、
たった一滴の毒で人は苦しむ。
それを与える事は躊躇わない。

ただ、何れも
今ではなかった。

特別な理由なんて何も無い、たったそれだけの事だ。

 
やるべき事は終えた。

観客の無い"喜劇"は終わり、エンドロールが流れている。
じきに舞台は幕を閉じ、登場人物達はそれぞれの道を歩み出す。

今度こそ、幕引きだ。

裏切りと、そして駆け引きのその後に
カーテンコールを迎えた後も、彼らの人生は続いていく。

今この一齣の舞台に幕が降りたって、
一人ひとりの人生、その演目はこれからも続く。
幕が降りれば、新たな舞台が始まる。

哀れな役者、その役に殉じた"怠惰"は舞台を降りれど
また何れ、再び舞台へと上がる事になるだろう。

次はきっと、異なる役を演じる事ができるはず。

【人】 "賭け師" サダル

>>55 ラサルハグ

興味がある。
先日二人で話をした時に聞いた言葉だ。聞き間違いではなかったし、夢の中の出来事でもなかった。

「……そ、っか。そっか……」

共犯者の声を何度も脳裏で反芻する。三人いる共犯者の中で一番己の感情に振り回されている人間だ、今もずっと"怠惰"に対する嫉妬や憐憫、その果てに歪に芽生えた仲間意識などが整理されないままでいる。
故に、今女の中に生まれたものはひと匙のむず痒さと落ち着かない嬉しさ。

「……スロウス。私はね、きっとこれからも飢えたままだよ。
例え一度満たされたとしても、それだけじゃ足りなくて人から何かを奪おうとしたくなる。長年人を羨み妬んできた私が、一度満たされただけで納得できるとは思えない」

だから、と一つ言葉を置く。そうして軽い深呼吸。

(68) 2021/07/14(Wed) 17:07:19

【人】 "賭け師" サダル

>>55 ラサルハグ

「興味が潰えるその時まで、走り続ける私を見ていてね。
走り切った私の物語が喜劇になるか悲劇になるかは分からないけれど……暇つぶしくらいには、きっとなると思うからさ」

唇を獣じみた笑みに歪め、そう囁いた。

これはただのエゴだ。傲慢な一方的な想い。
相手は何かを欲する事など無い"怠惰"。誰かから何かを与えられたいと思っていないだろう。
そうやって生きられる貴方が羨ましく、妬ましかった。自分には無い強さがそこにあった。

そんな相手に興味を持ってもらえるなら。
私はこれからも抱えた業のままに踊ってやろう。これからも人を騙し、傷つけ、地に引き摺り込んででも自分の飢えを満たそう。
決して交わることのない、平行線上にいる貴方。
そんな貴方に──私は私という傷を、贈り物を、与えてやりたいと思っているのだから。

羨んで、憐んで、嫉妬して、そうしておかしな形に生まれてしまった好意と庇護欲と仲間意識を抱えた身勝手な共犯者は微笑んだ。

大一番の賭けに挑み、長い眠りにつく前の事だった。
(69) 2021/07/14(Wed) 17:10:49
 




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