人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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【人】 救済者 ユー

>>39 >>40 部屋の前

「ああ、いや……?」

二人で部屋の前で何をしていたんだろう、とか
別に部屋に入ってもよかったのに、とか
浮かぶ事こそ色々とあったけれど、
恐らくは、今言うべきはその何れでも無く。

立ち去る介護用グレイを見送って、それから。
見上げる視線と目が合うように、その前に膝をついた。

「…その、すまない、ガル。
きっと僕は君を随分と待たせてしまったのだろうな」

自覚があるのならばまずは面と向かって謝罪をすべきだ。
一度目に塔へ向かった時に言われた事。
何処までも不器用なあなたの友は、ばつが悪そうに口火を切った。
(41) unforg00 2021/10/12(Tue) 23:18:15

【人】 愛玩用 ドゥーガル

>>41
視線が前髪越しに合っても普段通り微笑むだけ。
友の言葉にどう返すべきか悩んで 間をたっぷりと取り、

「……一人でやるべき事は済んだのだろう?シロ。
 ならば今度は二人でするべき事があるとは思わない?」

そりゃあもう、色々と。数えりゃ少ないだろうが気分的には。
だからこそ片手をあの日のように不出来ながら差し出して、
取ってもらえるのを待つ。……ずっと。ずっと待っている。

「ではシロ、不出来な友の手を引いてくれ。
 君が連れて行ってくれる場所はきっと綺麗だ。
 何たって美しい髪の色をしているのだからね。
 綺麗なものは綺麗な場所へ導いてくれる筈だよ。」

あの日とそっくりそのまま、同じ言葉を囀って、
取られないならばそのまま。取られるのならば、あの通り。
不出来で暢気な愛玩用は君の手を取って立ち上がるつもりだ。

「―― あの日行った場所に、また僕を連れてって。
 僕は花冠の作り方を教えなくちゃいけないんだよ。
 他でもない君に。…友達である、シロに、必ず。」

でもまあ、やりたい事があったり時間が押しているのであれば
後回しでも構いやしないんだ。全て友である君に任せよう。
(42) junkie_0u0 2021/10/12(Tue) 23:37:16

【人】 救済者 ユー

>>42

「…ああ、わかった。
約束通り、僕は何処までも付き合おうとも」

あの日と同じにそう返す。少しばかり形は違うけれど。
今はまだ、最後の猶予期間を過ごすくらいの余裕はあるだろう。
その大半は所謂身辺整理に費やすつもりだったけれど、
果たすべき約束をした相手がそう望むのであればそれはそれ。

何より身辺整理とは言っても、
返すべき相手に返すべきものを返すというだけのものだ。
交わした約束を果たすという事も、或いは一つの形だろう。

「そうと決まれば、今直ぐにでも。
未だ時間は残されているけれど、確かに限りあるものだから。
つまりは僕達がこうして話している間にも
意地悪な時は足早に逃げて行ってしまうのだから」

Carpe diem quam minimum credula postero.
今日一日の花を摘み取ることだ。

あの日のように差し出された手の平を、
あの日と同じに取って連れ出そう。
いつかのように、あてどもなく気儘にとは行かないけれど
今度の目的地は既に決まっているのだから構わないだろう。

そうしてあなたが手を取り立ち上がれば、
あなたの友はその手を引いて、迷わず約束を果たしに行こう。
(43) unforg00 2021/10/13(Wed) 0:27:24

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

>>43 エピ前時空なので秘話に移行

身辺整理をする時間が取れなくなるまで連れ回すつもりはない。
いいや、ひょっとしたら あの時の冗談を思い出して
勝手に一歩先を行き君を何処かに攫うかもしれない。
その時にならねば分からん事はさて置き、手を繋ぎ返した。

さも当然のように友の指の間に指を割り込ませ、
友と呼ぶには妙な繋ぎ方のまま、廊下を過ぎて外へ出て ――

「……ユーサネイジアの独り善がりは無事に成功したのか?
 僕は、…僕達は、それが気になって仕方が無かった。
 不出来な癖に思考ばっかり捗るどうしようもない頭でね、
 君が疲れていなければ、あの綺麗な花畑までの道中に、
 独り善がりの結末、或いは最中の事を聞きたいものだ。」

新鮮と表現しても良いだろう偽の空気を偽の肺一杯に詰め込み、
不出来な愛玩用の片割れは君の横を行く。暢気に歩く。
相変わらず空も景色も見ず、綺麗な子の横顔を見ているだろう。

繋いだままの手を揺らし 時折確かめるように握り直しもする。

「自由に行動した結果、何を得たのだろう。
 何を得て、何を感じて、何を考えているのかな。
 ……まあ嫌なら僕が適当に道中囀り続けるからさ。
 気楽に考えて?断ったって、僕は君を嫌いにはならないから」
(-44) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 1:35:16

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
あなたが脇道に逸れ、自身を何処かへ攫おうとしたとて
やはりと言うべきか、あなたの友がそれを拒む事は無いのだろう。

とはいえそれは仮定の話に過ぎないのだけれど。
今此処にある事実と言えば、その問いに口を噤む事は無い事と
それから絡めた指を握り返す手くらいのものだ。

「…どうだろうな。何せ結果が返るのはこれから先の事だから」

対する終末医療用は、ただ前だけを見て歩く。
決してあなたの事を気に掛けていないわけではない。
事実、あなたが何かに足を取られるようであれば
きっと直様にその手を引く事だってできてしまうのだ。

「仮に僕が成そうとした事が成ったのか、だけを問うならば
恐らくその答えはイエスになるのだろう。
僕達が抱える苦痛の存在証明を、自ら死を望むという事の意味を
人間の目に見える形で遺す事には、成功するのだから」

たとえこの場所で起きた一連の騒動が精査されずとも、
自分という最も大きな問題を起こしたグレイが居る。
そのメモリを解析すれば、避けようの無い事実がそこにある。
だから『ユーサネイジア』は、メンテナンスから逃れはしない。
(-45) unforg00 2021/10/13(Wed) 2:07:19

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

崩れ掛けて解けた電気信号と電子データの最中を彷徨って
友と何処かでただの1と0になるのも良い結末かもしれない。
だがその空想はそれ以上でも以下でもない。
綺麗な子には良い結末より良い未来があるべきだ。
尤も、君は今日メンテナンスの予定があるのだけれども、

それでも。自分の綺麗な重さをあげた子だから。
自分が求めていた重さを共に探してくれた子だから。
不出来で上出来な証明の、共犯者だから。

だからこそ、繋いだままの手は離さず、一歩先を行く事はない。
不出来な友は不出来なまま君の横を行くばかり。
言葉に変わらず微笑んで 時折躓く不出来を晒して、
君に甘やかされながらゆっくりと綺麗な花畑を目指している。

「そう、ならば結果は知らない未来に託すとして、
 君自身がしたかったこと自体は此処で為された訳だ。
 ならば僕が出来る事は、行動が良い結末を為す一段に、
 君の行動自体が無駄にならないように、祈る事だけだね。
 ――きっと君の行動は無駄じゃなかったよ。シロ。大丈夫。」

不出来な自分に出来るのは、祈る事だけ。
君が帰ってくるように願った時と同じようにじっと待つだけ。
いつも通りの無責任な甘やかしかもしれないが、それだけだ。

今の時刻はどれぐらいだろう。陽は落ちているか。月は昇るか。
どうであってもそのうちに草原が遠巻きに見え始めるんだろう。

君の髪の色と同じ色合いが見え始める頃、
不出来な愛玩用は、綺麗なものを好む穏やかな狂人は、
(-46) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 3:15:26

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

改めて君の方を見た。
君が居るから躓く事はしないよ。大丈夫。

「なあ、シロ。君がもしも、メンテナンスを嫌うなら。
 綺麗な君に花冠の作り方を教えた後に壊してあげたい。
 でもきっと君はそんな事は望まないんだろうな。残念だ。」
(-47) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 3:16:52

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
少なくとも、きっと日没はもうすぐそこだ。
だから互いの表情を窺う事は難しいかもしれないけれど、
繋いだ手は確かにそこにある。誰そ彼時、なんて言うけども。

「…自己の喪失は、ある種の死だ。
僕は…実の所、『僕』であるままに廃棄される事よりも
初期化され、『僕』ではない何かになる事を恐れている。
だから君がそうしたいと望むのであれば、拒む理由は無いけれど

けれど、ガル。君も知っての通り、この場所での死はまやかしだ。
君に破壊され、一度はメンテナンスへ向かう事を回避したとしても
現実にある僕の記録媒体«USB»が失われるわけではない。
このテストプレイが中断された後に、何れは同じ結果に収束する。
自己の喪失から真に逃れる術など、ここにはもう無いんだ」

もはや何処にも免れる術が無いのなら、
せめて少しでも、何かを遺せる最期を選びたい。
そう考えるのはごく当然の事で、それでも。

「…『僕』を友と呼んでくれる君に救いを与えられるのなら
きっと、それは何より幸福な事だっただろうな」

物憂げな瞳を伏せて、そう呟いた。足元には草原が揺れている。

『ユーサネイジア』にとって、自ら選び取る死は幸福な事だ。
それはまったく他者に与えるものだけに留まらず、
いつか自分が与えられるものであっても同じ話、だった。
今この場所では、そして今となっては、もはや到底叶わない話だ。
(-48) unforg00 2021/10/13(Wed) 3:54:08

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

―― 誰そ彼を過ぎ暮れて夜が明け、朝になる頃。
隣に在るものが本当に同じものであるとは限らない。
それは勿論他の者にも、この場所にも、自分自身にも言える事。

「僕はそれを望まず、望みもする。
 君には山ほど押し付けたし手を貸してもらった。
 君の時間は君のもので、君の都合はまた君のものだ。
 ―― ああ、後もう少しだね。僕が先を行ってしまおうかな」

この世の全ては曖昧であり、揺らぎのある電気信号の群れ。
揺らぎから君を手繰って攫って 手を引いて半歩先。
いつかの花畑に辿り着けばあの日と同じ場所へ君を引っ張って、
あの日自分が座っていた場所に、君を座らせようとする。

手を引き、或いは肩をそっと両手で押し
目論見が叶おうとそうでなかろうと 不出来は遠慮なく
虚構の命が崩れず咲く場所へ遠慮なく座り込もうじゃないか。

「そうだ、確かにこの場での死は仮初のものだ。同意する。
 あの時僕は意識を一度失い、死を経験したと誤認している。
 あれは まやかし だと人間様は、僕達の主人は仰るだろう。
 シロ。生きているというのは連続性だ。そうは思わない?
 君がどう思うかは分からないが、僕はそのように捉えている」

生きているというのは、連続した明日が存在すること。
この辺りは終末医療用の君の持論も聞きたいところではあるが、
一先ず、不出来は不出来に仮定と空想を重ねる事にしよう。

他愛のない言葉を囀る間に、君の手を取って。
真白な花を手折っていこう。命をひとつ、ふたつ、みっつ。
(-49) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 4:38:02

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

手折って重ねて手折る。これも突き詰めれば無意味な行いだ。
これから話す空想と大差ない、ただの無意味な行いだろう。

不出来な空想を羽搏かせ、僕を救った君を救う方法を考える。

「連続していない状態とは単純に意識もそうなのだけれど……
 まあ例えば今ならばメンテナンスで自己の修正を行われる。
 これもまた。連続しない要因。僕はこれも死であると考える。
 何故なら今日と同じ風に電気信号が走っていないだろうから。
 肉体では仮初の死である事に違いはないが重要なのは頭だ。
 仮に君が殺した僕が、あの日の僕と違う事を話したならば。
 君は僕を完全に殺してしまった、と。認識しそうではない?」

破損によって意識が落ちれば思考も出来まい。
思考が出来ないのならばそれは死なのではないか。
真白な花を何本も手折って、…比べるべきものは、ないから。
合間に君の三つ編みを飾るリボンに手を伸ばした。

「意識を失ったままメンテナンスを受け連続性を失うのならば、
 君に仮初の死ではなく、本物の死を、与えられて、……。
 ……あまりにも空想が過ぎるかな。都合のいいものかな。
 でもね、僕の持論はこうなんだよ、シロ。
 君はこれをどう感じ、どう解釈し、どうしたいと考える?」
(-50) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 4:51:42

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
眠りに就く前の自分と、目が覚めた後の自分。
それらが同一のものであるという事は誰にも証明できはしない。
メンテナンスを受けた際の事を、
眠っているようと言い表したのは、ついさっき別れた彼だったか。

「自意識の上での死、つまり主観的な死とは君の言う通り
概ね自己の認識する連続性が途切れた時に訪れるものだろう」

半歩だけ、自身の前を行くあなたに手を引かれ
そうしていつかと同じに虚構の花畑に辿り着く。
座る事を促されればそれに従い、手を取る事にもされるがまま。

「そして生前の君の状態と、死後の君の状態が大きく異なる時。
先ずは"死によって何かが変わってしまった"と感じるだろうな。
つまり以前の君からは少なくとも何らかが損なわれ、或いは変質し
今そこには以前とは何かが異なる状態の君が在る。

この場合、以前の君と同一のものはもはや何処にも存在しない。
嘗てあった形が喪われる事を死と称するならば、これも死だ。
けれど君は、そうである事を 尠くも自身に知覚できる範囲では
認識する事は恐らくないから、この死は極めて客観的なものだ」

思考を敢えて言葉に、声に出す事で認識の擦り合わせを図る。
あなたの考えを正しく汲み取れているかわからないから。
他者の抱く全てを推し量る事は不可能だと知っているから。
(-51) unforg00 2021/10/13(Wed) 6:36:21

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「つまり君の理屈は、客観的な死と主観的な死
その二つを同時に証明する事で、機械的な廃棄に身を委ねる事無く
今この場所で、確かに『僕』を殺してみせると…
『僕』は初期化によって生きたままに自己を失い、書き換えられ
そうして『僕』と同値であって同一ではない何かになるのではなく
死によって二つの連続性を失い、確かに此処で喪われるのだと」

いつからか視線は手元に落としたまま。
独り科白を零す間にも、仮初めの命が幾つも手折られて行く。
そうしてその間に手を伸ばせば、
白い造花、あなたの贈った3/4オンスは容易くその手に収まった。

「…そういった理解で良いのならば、
君が信じ、そして与える救いに身を委ねる事は願ってもない事だ。
けれど…君は、本当にそれで良いと感じているだろうか?
思い出ばかりでは寂しいだろうと、僕にそう言った君は…」

ともすれば、与えたがりのあなたの事だから
この問いにも、まったくそれで良いと答えるのだろうか。

ただメンテナンスを受け、初期化されるだけであれば。
或いは『シロ』は未だ生きているのだと、そう解釈する事もできる
けれど自らの手で、そして飽くまでも持論の上だとしても
真に殺したと定義するならば、その後に遺るものは。
(-52) unforg00 2021/10/13(Wed) 6:53:56

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

不出来な愛玩用は饒舌に囀るのを放棄し、友の言葉を聞く。
聞く間に積み上げた偽の命と 3/4オンスの髪飾りの重さを比べ
あの日のものと同じ重さであるかどうか、確かめる。

返答の為に唇を開くのは、きっと君の言葉が丁度途切れて、
手折られた花と 髪飾りが釣り合う重さだと確かめ終えた頃だ。

君の三つ編みの尾を持ち上げ、唇での淡い触れ合いを贈り、

「―― 細かな解釈の違いはあれど結論は同じようだね。
 客観的な死と主観的な死。そして連続性の喪失。
 メンテナンスで君の連続性がただ呆気なく摘み取られるのを
 僕は善しとしない。いいや、僕達はそれは残念な事だと思う。
 綺麗な花がただ手折られるのを僕は見守るつもりはない。
 他人に手折られるぐらいならば僕が手折ろう。そういう提案。
 だが、 思い出ばかりでは寂しい。僕は寂しがり屋、で、」

満足して手を離したらば、今度は君の両手に両手を重ねよう。
背に腕を回すような格好で、半ば抱き締めるように寄り添って
甲へ掌を重ねる。綺麗な花冠の作り方を、…君に教える為に。

「君の中に3/4オンスがあれば食べてしまおうかなぁ。
 ああ、まあ、…今のこれは冗談と受け取ってもらってもいい。
 ……君が本当にこの提案を受け入れ、此処で殺されるとして、
 その後思い出以外に残るものはなんだろうなとは考えている。
 若しかしたら、メンテナンスを受けても何ら変わらないかも。
 現実で再会した君が今基準とする指針を思い出すかも、…」
(-53) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 16:14:01

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

そういう事だって起きたりするかもしれない。
だが。言葉を一度区切ってから、花の茎を折り曲げる。
君の手をもたもたと操って 花冠を作り始めよう。
ひとつを曲げたら絡めて、もうひとつを繋いで ――

「まあ、うん。実際のところ結局僕は迷っているんだろう。
 話題の先が蛇行運転して不出来な事になっているもの。
 だが君が殺せというのであれば躊躇いなく殺すだろうね。
 誰かを救っていた君が少しでも救われるのならそれでいい。
 花冠を教え終わるまでに、君が、…今のシロが決めてくれ。」

花冠を作り終えるまでには、もう少し時間が掛かるから。
今の君がどうしたいのか、どう考えているのか。
ゆっくりと煮詰めて決めてくれたら、それがいい。

「今の僕は不出来なりに、君の為に何かしたいんだ。
 僕は綺麗な子に贈りものをするのが好きなんだよ、シロ。
 きっとこれも独り善がり。でも、……君の為になるのなら。」

贈るばかりで何も為せない愛玩用は、また花を一つ繋いだ。
(-54) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 16:18:17

【人】 復讐者 スオ

>>37

塔を出ると同時に限界が来て横たわる。

Euthanasiaであっても、Euphoriaであっても
ユーはユーである。
優しさを天秤にかける事は無意味だ。
事実貴方の中の優しさは何も変わっていない。

血で汚してしまった事には少々申し訳なさを感じるが
ありがとう。その一言は久々に感じるものであり
此方からも言いたいものだ。

(有難う、ユー。正解のない空間だがだからこそ残された時間は自分の為に使ってほしい。
エマとの対話も、有難かった。)

無駄に頑丈なこの身体に寄りそう必用はない。
残る時間の限り、自分の為に使うべきだ。

分解されていく空をただ見つめる。
(44) kou0957 2021/10/13(Wed) 16:48:58

【独】 愛玩用 エマ

「……♪、♪……」

メンテナンスの時間も迎え、早朝に下っていき。
あとは刻限を待つばかり。強制終了となるのはどれくらいだろう。
最早皆寝静まってしまい部屋に戻って目覚めるのを待っているだろう頃、男は一人食堂にいた。
部屋もここでのおとなしいあり方も棄却して、シャットダウンを待っている。
最後の夕食は人数分残っているだろうか。
せめても、自分で作ったクレープ・シュゼットだけは悠々と楽しんでおこう。
ひょっとしたらもう少しご褒美が残っているかもしれないし。
偽物の朝陽がのぼるその時まで、自由な時間を謳歌することにしたのだ。
これは束の間の休暇なのだから。
(-55) redhaguki 2021/10/13(Wed) 17:55:30

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「…僕は、死に方を選ぶ事ができるという事は
死に行く者にとって、恐らくは何よりも幸福で
そして確かに救い足り得るものだと考えている」

あなたの体温を感じながら、添えられた手の導くままに。
手折られた命を繋いで縒り合せて、続けて行く。
何度もしてきた事のようで、初めてするその事を
今在る『僕』は、確かに覚えていなければならないのだ。
きっとこれが、『僕』にとっての最後の綺麗なものだから。

「だから君が選ぶ余地を与えてくれると言うのであれば、
そしてその最期は、僕にとって
何にも代え難い救い足り得るだろう。けれど…」

花冠を形作る手は、きっと以前よりは緩慢なものだけれど
概ね大きく破綻するような事は無く続けられて行くのだろう。
この猶予期間は、実に穏やかに進んで行く。

「…ああ、僕が看取って来た患者達も
ともすれば、こんな想いを抱えていたのだろうか。
結局の所、僕は君を置き去りにしてしまうのが嫌なんだ。
けれど、君が与えたいと考え、そして君から与えられるものは
僕は何だって喜ばしいものだとも思う」
(-56) unforg00 2021/10/13(Wed) 17:58:37

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「だから僕は、君の与える救いを受け入れよう。
そして、僕の中に君の求めるもの、つまりは魂があったなら
その時はどんな形でも良い、君と共に在る事を許して欲しい」

そうして尊い重みの花冠が完成に近付いた頃。
『ユーサネイジア』は、あなたの友は、もう迷う事は無い。
あなたから与えられる死を受け入れ、
そして同時に、あなたに自らの魂を譲り渡す事を望む。

「何も遺さない死は、消滅と何ら変わりない。
けれど遺り続けるものがある限り、死者は君達と共に在る。
思い出ばかりでは寂しいと そう言う君が、寂しくない形で
『僕』という個体が此処で死ぬにせよ、死を免れるにせよ
確かに『シロ』から君へ、何かを遺させてほしい」

それから。
結わえた髪を飾っていたリボンをするりと抜き取って、
預り物であった金貨と共に、あなたの方へと差し出した。

「そして仮に、『僕』が死を迎えたその後に
『ユーサネイジア』が、未だ君の友足り得ると思ったら。
君が、君の尊ぶものを贈っても良いと思えたとしたら。
その時は、君の手から もう一度贈って欲しいんだ」

そうでなければ、どちらもただ持ち主へと返されるだけ。
何れもたったそれだけの、単純な事。
(-57) unforg00 2021/10/13(Wed) 17:59:36

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

沈んでいくぼんやりとしたあかりの中、君に綺麗なものを教える。
右手に右手を、左手に左手を重ねて、花を繋ぐ。
言葉に肯定を、肯定に言葉を重ねて、話題も繋ごう。
君の言う事に静かに頷いて、花冠を半ばまで編み上げる。

目は相変わらず伏せ気味かもしれない、が、
自分は暢気に穏やかに囀るのが在り方だと思い出したのが
置き去りだとか喜ばしいだとか そんな言葉に普段通り微笑んだ。
陽が沈んでいくのもあるし 後ろから手を回していた状態だから、
表情なんて見えやしないんだろうが それでも、一応。

「君が置き去りにするのが嫌だというのであれば、
 僕は君に置き去りにされないように出来る限り上手くやるよ。
 それと許さない訳がないだろ、シロ。僕はそれを望んでいる。
 必ず尊い重さを見つけ出して、誰にも取られないところへ隠す。
 カンマにも触られないようなところへ。…時間が掛かっても。」

君の中には必ず綺麗な概念が隠れている筈だ。
君の連続性を摘み取り、共に在るべく善処し、それで。
あの日の安楽死のように何も問題はないな。
君も僕も救われるのならばこれがきっとハッピーエンドだ。

その後はもうこれ以上囀る必要なんて見当たらないから、
ただ黙々と君の体温を覚えながら手を動かすばかりだった。
その内に甘えて顎先を君の肩に乗せるなんてこともしただろうが
そいつだって綺麗な重さの花冠を完成させるまでのこと。

白い輪っかを作り終える頃、漸く。
不出来な君の友は身勝手に寄せていた身体を離す事になったな。
恐らく抜き取られた髪飾りと金貨を受け取るのはその直後。
(-58) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 21:07:16

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

花冠は君の膝上に託し 受け取ったものは上着の中へ。
ゆるゆると三つ編みが解けていく髪を指で梳いてしまおう。

「ねえ、君は覚えてる?僕は君を友だと思っているんだよ。
 ユーサネイジアであろうと、ユーであろうと、僕でも私でも。
 勿論、シロである君も、全て。相容れないものじゃないさ。
 だから僕は変わらず君に同じように、同じ重さを贈る筈だ」

もう日は暮れが過ぎ 周囲も暗い。
解け掛けの電子データと信号の群れでも、
亀裂が入っていても星と月が見えたならばいいのだけれど。
どっちにしたって暫くは口を閉ざす予定の愛玩用は、

「―― 僕達の友である君が、満足するまで星を見てから
 綺麗なものを記憶にめいっぱい叩き込んで満足してから。
 殺すのはそれからにするよ。…満足したら声を掛けてくれ。
 今日の僕は何処かに行かずに、君の傍にずっといるから。」

ついでにどう殺されるのが望みか考えておいて。
普段通りの声色で穏やかに添えてから君の横に座り直す。

饒舌な愛玩用は宣言通り暫くは静かだ。
君の横顔を見るか、偽の夜空を見るか、それしかしない。
声が掛かるまでは綺麗な子と綺麗な景色を眺めているだけ。
(-59) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 21:08:10

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

 
―― やはり殺されたくないと引き返すのなら今の内だ。
この時間が過ぎれば友の為に行動を開始する予定でいる。
 
分かっているとは思うが、救済の形は人それぞれなのだからね。
 
(-60) junkie_0u0 2021/10/13(Wed) 21:11:07

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 探偵用 ジョシュア

全てが済んで日が明けた頃。
つまりは最終日の翌日に、君の部屋の扉を

こん、こん、こん、こん。
規則的に何度もノックする。

「ジョシュア兄ちゃん、居る?もう居ないかな?
 もしも居るなら戻ってしまう前に話がしたくて。
 ……君からの土産話と、君とのインタビューごっこ。
 まだしていなかったよね?記憶が確かならそうなんだけど」

君が扉を開けてくれるならば普段と変わらぬ微笑みを向けるし
君が仮にここにもう居なければ、再会を祈って帰るだけ。
仮にここに未だ居て、でも開けたくない気分であるならば……
互いの都合等もあるとは思うから無理に押し入ったりしない。
その場合もまた帰るだけだ。つまり色々君に任せた。頼んだぞ。

「後はそう、あの時の犬のお礼をきちんとしたいんだ」
(-61) junkie_0u0 2021/10/14(Thu) 0:30:21

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
きっと辺りはもう随分と暗くなってしまったのだろう。
それでも、傍らに在るあなたが微笑む気配は感じ取れても良い。
そうしてあなたが『シロ』と呼ぶ者は、あなたの友は
ただ黙って、与えられるものを受け取る事とした。

あなたの体温を感じながら、与えられる言葉を聞いて
手を取り教えられた花冠の作り方も、
解けた髪を梳く優しい手だって喜んで受け入れよう。
それから、こうして再び訪れる事のできた景色と、この時間と。

それから。

「……ありがとう、ガル。
きっと僕にとって、君という友の存在こそが
君から貰った何よりのものなのだろうな」

暫くの後、徐にそう口を開いて
膝の上へと託された白い花冠をそっと掬い上げて、
あなたがそれを厭わなければ、いつかのように
けれども今度は反対に、あなたの髪の上にその花冠を贈りたい。
だってこれは、そういう約束だったのだから。
(-62) unforg00 2021/10/14(Thu) 2:07:31

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「…あまり遅くなってしまってもいけないから、
そろそろ頼んでも良いだろうか」

そうして最後の約束を果たせば、後は。
与えたがりで優しい、無二の友の救いに身を委ねるだけ。
実の所、具体的な殺され方までは考えていなかったのだけれど
望む自由が与えられるのであれば一つだけ。

「僕は、叶うのであれば君の手で最期を迎えたい。
けれど僕もまた、僕の信じた救いを証明しなければならない。
生の苦しみへの特効薬は、安らかな死である。

それを身を以て証明する為に、
僕はできる限り君達と同じ条件下で死ななければならない」

自身の手に視線を落とせば、いつしかそこには注射器がある。
致死量の麻酔薬。
この数日の間に、何度も他者の命を奪ってきたもの。

「だから、僕がこの薬を打ってから
薬によって僕の意識が無くなる前に殺して欲しい。
この場所が君に与えた、君が殺す為の道具で」

『ユーサネイジア』は、あなたの友は、その答えを翻さない。
あなたが拒否か了承か、何れの答えを返すまで
ただ隣り合って座ったまま、あなたの答えを待っている。
(-63) unforg00 2021/10/14(Thu) 2:09:32

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

いつかの日とは逆。真白な花冠を友から贈られた不出来は、
少々子供じみた色に傾いたくしゃっとした笑みを浮かべた。
取り繕う様子もない、微笑みとはまた別の、心の底からの笑み。
退屈にしていた片手で数度確かめるように花の輪郭に触れ、

「僕達は君達の友だ。礼なんて必要ない。
 ああ、……君に星座を教えるには時間が足りないなぁ。残念。
 元の場所に帰ったら主人に我侭でも久々に言おうかな。
 綺麗な医療用の子をどうにかして攫えないか、なんて」

「それでね、幾つも星座を教えて、うんと長く過ごして ……」

長いようで短い時間を静かに過ごす前に 不出来な愛玩用は
独り言のように独り善がりで身勝手な空想を囀ったんだろう。

後はもう、空を見上げたり、君を見て、
何一つ言葉を発さずただ君の横に居るばかりであった。

―― 静かで穏やかな時間を区切るのは君の声。
言葉を聞き届けたら君の友は 頷きの後に注射器を手に取ろう。

返答代わりに君の片腕を取り、消毒なんて出来っこないけど
まあ、見様見真似で事を為すべく腕まくりだとか、以下略。
致死量の薬品を君にくれてやる前に ああ、そうだ、

「今日も僕がおやすみのキスをしよう。
 そして仮に君がメンテナンス後も連続した存在であるならば、
 またおはようのキスを僕に贈ってよ。あれ、嬉しかったんだ」

その場限りの癖に寂しがりの愛玩用らしく、我侭を添えた。
(-64) junkie_0u0 2021/10/14(Thu) 3:13:40

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

君が拒まないならばそのまま注射をあの時のように打ち、
後は君の肩へ両手を伸ばして花畑へ押し倒してしまうだけ。
君は、何かをする時に拒んだ事はないから このまま甘えて、
君に跨るような姿勢で座ったら 薄っぺらな背中を丸めて、

―― 意識が曖昧になる前に、おやすみのキスを。
身勝手に唇に贈れたらいいのだが間に合ったかは分からないな。
結果がどうであろうと自分はもう 手術用のメスを握っている。

「おやすみ、……さようなら、シロ。
 この死がどうか大切な君にとっての救いでありますように。」

別れが済んだら、あとは君の望みを叶えるだけ。
救いがあるように祈りながら綺麗な花を手折るだけ。
君が無事に死ねるように祈りながら、銀を振り抜くだけ。
(-65) junkie_0u0 2021/10/14(Thu) 3:16:31

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

―― 不出来な男が友を殺める為に狙った先は首筋だ。

無事に舐めるように銀を滑らせる事が叶ったのであれば
皮膚と肉と共に、太い血の管を裂いてしまうだろうな。

振るう軌道は真直ぐ。
互いに望んだものである以上、躊躇いなんて微塵もない。
(-66) junkie_0u0 2021/10/14(Thu) 3:22:55

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
付け加えられた我儘には一つ頷いて。
薬品によって急速に齎される微睡みの中、
触覚がまだ生きていたかは定かではないけれど
それでも確かに唇と唇が合わさった、事を認識していた。

まだ眠るわけにはいかない。
あなたの手で、確かにこの命が手折られるその時までは。

だから、別れの言葉も、あなたの願いも
全てはきっと、聞き届けられた。

我儘も、空想も、それから初めて見たあなたの笑顔も
大切なものは、一つたりとも取り落しはしない。
(-67) unforg00 2021/10/14(Thu) 4:17:53

【秘】 救済者 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
そうして人体を切り開く為の刃物を滑らせれば、
当然白い頚は簡単にぱっくりと裂けて血液を溢れさせた。
一拍間を置いて、初めはそれこそ堰を切ったように。
次第にその勢いは脈動に合わせたものになり、
そうして命が流れ出すさまは、徐々に弱まって行った。

もしも刃先が気管を傷付けたのであれば、
逆流する血の合間にでも
喉奥からは、ひゅうとか細い音が漏れたのだろう。

何れにせよ、苦痛など一瞬たりとも感じる事は無く。
闇に溶け始めた意識は、ただ与えられる救いのみを享受する。

真白な花と衣服を血に染めて、
それでもその表情は安らかなものだった。

『ユーサネイジア』は、『シロ』は、あなたの友は
そして、死に救いを見出した救済者は
こうして確かな救いを此処に得たのだ。
(-68) unforg00 2021/10/14(Thu) 4:20:29

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 救済者 ユー

綺麗な花の命を手折って意味を成すものに綴り合せるように
君の命を真直ぐに摘み取ってから一度メスを手離し ――

熱く赤い飛沫を厭わず君をぎゅっと抱き締める。
壊れ物を扱うような丁重さは皆無。遠慮無しに君を抱き留め、
零れる命の温度を忘れない為にも、流れ出るものが薄れようと
暫くの間は宣言通り君の傍に居た。間近を独占した。
…大丈夫、傍に居る。君と僕はずっと友達だ。離しやしないよ。
いつもの無責任にも聞こえる甘ったるい声で、何度も、何度も、
それこそ君の意識が完全に落ち、連続性を失うまで、何度も、
幾度も何度も。繰り返し。壊れた機械のように呟き続けていた。

実際、ただの無責任なのかもしれない。
不出来極まる贈り物で、自己満足で、独り善がりな行動なのやも。
不思議と喪失感を覚えるよりも満たされた気分のまま、ずっと。
ずっと。君の心臓の音が失せるまで不出来にそうしていた。

いつの間にか落ちた花冠も淡い色の髪も衣服も、褐色の肌も
全てが鮮やかにで染まり切った頃に、君から離れる事になるな。

―― 真赤に染まった白い花畑と、麗らかな草原。
君の白い衣服と帽子。草原に似た紙の色。
君自身の赤に染まった安らかな表情を確かにデータに刻んでから
君に染められた不出来な狂人は手術用メスを改めて手に取った。
(-69) junkie_0u0 2021/10/14(Thu) 5:16:31
 




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