おじさまと、おでかけ……

　　『今度の連休、デートしたいな。

　　　よかったらお泊り付きでどこか行きたいけど、

　　　ダメなら普通に遊びに行きたい。』



［　一目惚れしちゃった女の子をデートに誘うって、
　　こんなにハードルの高いものだったのかとふと思う。
　　メッセージを送信して、相手の名前を見るだけで
　　顔が綻んでいく姿はただただおかしな人間。

　　けれども、それを気にしないくらいに、
　　1つのやりとりが自然と唇を緩ませて行く。
　　もしどちらかにOKが来たなら、
　　どういうところに行きたいか聞いて、
　　デートプランを軽くでも提示して準備を進めて
　　彼女に会う当日を楽しみに授業を受けた。　　］*

［　やっぱり朝ごはんはご飯かな。
　　パンもいいかもしれない、なんて考えながら
　　こっそりこっそりと朝ごはんを作ります。
　　出来たらおぼんにのせて寝室に持っていけば
　　匂いで起きてくれるかな、とテーブルに置くの。

　　そして、ぎしっと体重をのせて彼の耳元に
　　顔を近づけて起きなければそっと一言。　　　］





［　起きてくれるかな、っておもいながら
　　可愛い可愛い彼の髪を愛おしく撫でて
　　彼の反応をひとつひとつ眺めて楽しむことが
　　私の朝のルーティーンのひとつだったり。

　　テレビも音楽も何もない、ただ彼の吐息だけ。
　　これ以上ないくらいにとてもいい朝だと思うわ。　］*

[>>1メッセージあり。]

[一番上のメッセージは、中町さんの弟さんから。
他の未読が100近く溜まってたのを、さっさと削除して
ブロックしてさっぱりとさせてから
灰のメッセージを見てみるとデートのお誘いだった。]

　　『良いですよ。灰とデート出来るの嬉しいです』

　　『次の日に用事があるので
　　　あまり遠くには行けないんですけど』


[泊まり自体は了承しつつ
次の日に用事があるから、出来れば近くが良いと彼に言う。
アウトドア系よりは、落ち着ける所がいいと言いつつ
水族館などどうでしょう、なんて言う。


中町灰。
私の友達がお世話になってる中町燐の弟さん。
お兄ちゃん子だと思ってたんですが
最近はわたしに惚れちゃったみたいです、可愛いですね。

そんな気持ちをそれとなく把握しつつも
はぐらかすようにしていたり、いなかったり。
そんな彼がアプローチに動いたので、わたしは少し楽しみでした。]*

[心地良い声が耳に届くと
どんな目覚ましよりも効果的に目が覚める。
時折これは夢なんじゃないかと思ってしまうのは
長年思っていた女性が、朝からオレを起こしてくれると言う
そんな幸せ過ぎる状況だからだろう。]

　　
　　……おはよ、なーりん。


[起こしに来てくれた彼女に手を伸ばして
首の後ろに腕を回してぎゅっ、と優しく抱きしめる。
頬に軽く口付けをすると、漸くベッドから起きて
彼女の隣に立つだろう。]

　　ご飯、ありがとうね、なーりん。


[朝ごはんはパンをよく食べてた。
単に用意するのが手間が掛からない、というだけだったけど
奈々さんに作ってもらえると、とても美味しく感じるのだ。

手を合わせて、頂きます。
パンにはジャムを塗り塗りと、しゃく、っと温かいパンを口に運ぶのだった]*

［　“デートできるの嬉しい” なんて天に舞うしかない。

　　初めて出会ったのは兄の家。
　　可愛いだけじゃなくて、芯が通ってて、賢い。
　　惚れ込まないわけがなかった。
　　一筋縄ではいかないからこそ、会話も楽しくて。　］


　　次の日は予定あり、ね。水族館か……。
　　アフタヌーンティーとか好きかな。

　『それなら、ここでアフタヌーンティーからどう？

　　この水族館のナイトショーが綺麗なんだって。
　　　
　　ベッド、1つでもいい？それともやっぱり2つ？』


［　アフタヌーンティーのホテルで泊まりたいことも添えて。
　　つまりプランとしては、ゆっくりお昼に待ち合わせ。
　　アフタヌーンティーを楽しんで、チェックイン。
　　そのあと近くにある人気の水族館へ。
　　夜まで満喫したら夕食もどこかで食べて部屋に。
　　彼女の用事に間に合うようにチェックアウトして
　　見送りができるかな、くらい。

　　ホテルや水族館のURLと共に、上目遣いな犬のスタンプ。
　　こんな顔で画面の奥で返事を待ってる、と
　　暗に示ていたら、優しい彼女は笑ってくれるはず。　］

　　楽しいデートにするために、課題……。
　　兄さんに見てもらおうかな。


［　彼女に会うまでの時間がそんなに遠くないはずなのに、
　　亀の歩きのように遅く感じられたと、
　　兄の家に遊びに行った時に話したら、
　　兄が笑っていたことが記憶に新しい。　　　　］


　『待ち合わせは駅前ね。

　　当日の服装は朝写真送るよ』

*

［　ご飯を作って、大好きな人に喜んでもらうなんて
　　役得とか後輩ちゃんたちが言ってた気がする。
　　勿論、食事だけが全てではないから
　　あくまでそこは2人の生活のいちフレーバー。

　　可愛いヨウくんが朝の口づけを頬にしてくれて
　　満足しようかなと思ったんだけど、
　　やっぱり唇に欲しいから後でおねだりしようかなって。
　　抱きしめられてふんわりかおる柔軟剤が、
　　心地よくしてくれて、時間が経ってしまうの。　］

　　　
　　　ふふ、早くだぁりん起こしたくて
　　　簡単なものにしちゃった。
　　　可愛い寝顔だったなぁ……。

［　黒レースのベビードールとTバックに
　　1枚薄手のカーディガンを羽織ったくらいだから
　　彼が隣に来てくれると、体温が感じられた気がしたの。
　　ジャムをつけたパンを美味しそうに頬張るだぁりんが
　　なんだかひどく愛おしく感じちゃって、
　　意地悪？悪戯？をしたくなっちゃった。　　］


　　　やだ、落としちゃったみたい………
　　　だぁりんどこについてるか見て見て？


［　パンにつけていたジャムがデコルテあたりに
　　落ちてしまったのだけれど、拭くには
　　場所が分からなくてヨウくんに体を密着させてみるの。
　　とって？とお願いしたら、どうとってくれたかなぁ。
　　困った顔が見たくなっちゃった、なんて言ったら
　　多分怒られちゃうかなとは思うけど、
　　ヨウくんの悩む姿もすっごく可愛いから仕方ない。　　］*

　　作ってくれるだけで嬉しいよ、なーりん。
　　可愛い？そう？
　　そう言われるのは未だに慣れないもんだね。

[>>11子供の頃から彼女はずっと年上のお姉さんだ。
可愛いって言う気持ちは分からなくないけど……訂正。オレには分からないんだけど。
そんな風に言われるのはやっぱり気恥ずかしさがある。

薄着の奈々さんを見るとまだドキドキする。
こう言ったことは慣れるものだと思ってたけど
とんでもない。
奈々さんみたいな美人の艶やかな姿は
いつも刺激的だった。]

　　落ちちゃった？
　　
[>>12奈々さんがジャムを落としたと言うから
彼女の近くに行って
目当てのジャムは彼女の鎖骨あたりに合ったので
それはすぐにティッシュで拭き取ってあげたんだけど。]

　　んー、どこかな？
　　なかなか見当たらない。ここかな？

[胸元に手を当てて、指で軽く薄布を引っ張ったり
わざとらしく手のひらを彼女の大きな胸に擦り付けたり。

見当たらないね、なんて言いながら
彼女の悪戯に、こちらも悪戯で返すのだった。]*

　　『凄い素敵な所です！
　　　水族館にも色んな所があるんですね。

　　　ベッドの数を女の子に聞くんですか？
　　　それなら２つですよ、勿論。
　　　わたしから、１つで、って言って欲しいんですか？』


[主人の方を見つめる可愛らしい犬のスタンプは
まるで今の彼自身の姿のようで
くすくすと画面を見ながら笑ってしまう。

水族館も煌びやかで楽しそうな所。
普通のよりも、よりテーマパークみたいな
趣きが強そうで面白そうだった。]

[待ち合わせについてOKのスタンプで返して
そのまま携帯を閉じようかと思ったけど
何から何まで用意してもらってるし
彼が喜びそうな御礼をしようかと思って]

　『じゃぁ、決定だね。予約しておくよ。

　　流れでOK出してくれるかなって期待？

　　ちゃんと2つで取っておくね、安心して』


［　流石にダメだったか、と返事を見て笑い
　　きちんとツインでホテルの予約を取る。
　　その代わり、いい部屋取ったから
　　驚いてくれるといいな、と淡い期待を抱いて。

　　彼女からの提案にすぐ答えられるよう、
　　元々からデートスポットを探していたので
　　いい反応があると誇らしげになりやすい。
　　だからそれは気をつけるように、と
　　兄から言われていることをふと思い出す。　　］

　　
　　ダメダメ、謙虚にいかないと。
　　でも…少しは押すことも大切だよな。


［　駅前の目印を伝え、返事が返ってきたので
　　もう彼女から連絡が来ることは当日まで
　　ないかな、と集中しようと思っていると
　　画面が明るくなったので中身を確認した。　］

　　　ふふふ、可愛いヨウくんが好き。
　　　慣れないのは仕方ないかも？
　　　慣れてなくてほっぺ赤くなっちゃうところも
　　　大好きだから変わらなくてもいいんだよ？


［　小学生と高校生で止まっていた時間が
　　まさか動き出すとは思っていなかったし、
　　動き出してこんな親密な関係になるとも
　　ことさら思っていなかったから、
　　恥ずかしがる彼をまだまだ見ていたい気持ちは
　　年上だからうまれてくるのかもしれない。

　　だぁりんが気に入ってくれるものを見つけるために
　　色んな種類の下着を毎日着て一緒に寝るの。
　　色も素材も形も、色々と試したなぁ……。
　　刺激的？刺激してるんだもの大成功じゃない！　］


　　　んー、見えないのー。
　　　とってとってぇ。
　　　じゃないとだぁりんに抱きつけないよぉ。

［　目を閉じてお願いをしていたら、
　　多分ティッシュか何かがデコルテを撫でたの。
　　だから取ってくれたのかなぁ、と思いつつ
　　だぁりんの悪戯に小さく声が漏れちゃった。　］


　　　んっ、だぁりん…？
　　　おなかに落ちちゃってるの？


［　それなら捲って見て？と彼の片手を裾に。
　　捲ったら色々見やすくなるから、
　　綺麗にして、とお願いしてみて。

　　朝ごはん途中だからやりすぎかもだけど
　　のんびりも大切よね、絶対。　　　　　　］*