人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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フレディ12票
テンガン・カルシャック1票

処刑対象:フレディ、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:龍人族の勝利

村の更新日が延長されました。

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【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ >>3:*7望む言葉をかえしたつもりなのに
 どこか釈然としない翳りの滲む表情に見えて
 なにか間違えただろうかと小さく首を傾げる。

 その所作に促されるように話し始める言葉は
 ちっとも理解できなかった。
 やっぱり欲しがってるのは同調のような気がするのに
 「そんなことないよ」の言葉が不思議と彼に届かない。 ]


 どうして……?
 

[ どうして拒まれると思ったの?
 どうして嫌われる覚悟でこんなことしたの?
 そのどちらかか、或いはその他にも受け取れるかも知れない
 
 彼が一番聞いて欲しい言い訳したいのは何か
 どう受け取るか知りたくて
 甘えるように寄りかかりながら短い疑問の言葉で問う。]
(*0) 2022/05/28(Sat) 22:43:30

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 世間にはきっと言い訳なんかしないだろう。
 俺の知る限りは彼はそういうひとだ。
 例え俺が望んだとしても、例え俺の為だとしても
 きっと馬鹿正直に償おうとする気がする。

 罰されて償うほうが楽なのかな。
 そんな気はするけれど、だからこそ
 赦し受け入れてやろうと思ってしまう。

 そのほうが特別な感じがするから。
 それが彼の望む特別なのかはわからないけれど。 ]
(*1) 2022/05/28(Sat) 22:43:39

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 「おいで」と呼ぶ声に応えるように胸にぼすりと飛び込んで
 くふくふと笑いながら抱きついた。

 互いの体温も、熱も忘れ、汗も乾いてしまった肌の
 違う温度が少しだけ悲しくて、
 馴染むまではとギュッと抱きつく。

 乾いた汗の臭いと時間の経過した精液の饐えたにおい。
 好ましい香りなはずはないのに
 ふたりの臭いが混ざっていると思えば
 洗い流してしまうことが惜しいとすら思う。 ]


 おふろ。また一緒に……?
 
 お湯入れるのはもうやだからね。
 さっき、ウォシュレットで軽く流したし。
 それで十分じゃない……?

 誠丞サンの、ゆびとか、いれられたら。
 俺、きっと……またしたくなっちゃうし。

 
(*2) 2022/05/28(Sat) 22:44:52

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 流石に抱き上げて欲しいわけじゃないので
 張り付いて体重を軽く預けたままだが
 自分の足でちゃんと立って移動する。
 きっと普段使わない筋肉を使ったのであろう股関節が
 やべー違和感を醸しているけれど立てないほどでもない。

 裸のままで風邪をひかせるつもりはないらしい。
 風邪なんかひきそうもないくらい調整された空調だけど。

 まだ幼い頃、雪の日に遊びに行こうとする俺を
 靴とコートを洗ってしまったと使えなくするやり方で
 引き止めた母を思い出していたのに。

 どうやら服は取り上げられないらしい。

 素っ裸で過ごす趣味があるわけではない。
 空調が完璧だろうとそれとはべつに肌寒さを感じる。
 だから服を与えられることは願ってもないことなのに

 物足りなさを覚えてしまうのは何故だろう。
 もっと束縛してほしいのに、と。 ]
(*3) 2022/05/28(Sat) 22:45:29

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 自分でもよくわからない鬱憤を晴らすように
 風呂場で散々煽って甘えて誘いまくったのに
 『多少の悪戯』程度で済まされてしまった敗北感に
 不貞腐れながら彼のベッドメイクの腕前を鑑賞する。

 機嫌がよければ手伝っても良かったけれど
 『多少の悪戯』程度で軽くのぼせかけているので
 手伝いを申し出ても断れてしまいそうで
 彼が慌てて探してきた飲み物で水分補給しつつ黙っておく。

 暇な間に病室の物色を始める。
 手の届く範囲のところからはじめて、
 だんだん離れたところまで。

 入院時に度々世話になっていた慣れた個室よりも
 随分と広い部屋の中を
 好き勝手に歩き回るほど、隣でくっついている時より
 彼の意識も視線も向けられることに
 気付いてからは探索に夢中になった。 ]
(*4) 2022/05/28(Sat) 22:46:44

【赤】 入院中 阿出川 瑠威



 ん〜……これといってとくには。

 あ。そうだ。
 誠丞サンが何を食べたいか、知りたいな。

 一緒に食べてくれるんでしょう?
 誠丞サンのすきなものをたべたい、一緒に。


[ 一緒に食事をして、一緒に寝起きして
 好きなだけセックスに溺れて
 ずっと二人きり。

 なんて素敵なんだろうと思う。
 けれど、同時に、彼はどこまで耐えられるだろうかと思う。
 疲れて壊れてしまわないかな、少し前の俺みたいに。
 
 だから少しでも自由を与えてやろうと
 好きなものを用意しに行く時間と
 好きなものを食べる自由を提案する。

 少しくらいの自由は与えてやりたいと思うんだ。
 自由なのに戻ってくる方が
 より満ち足りた気持ちになれる気がして。  ]
(*5) 2022/05/28(Sat) 22:47:29

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 母と同じように閉じ込め押さえ込むやり方を取ることに
 嫌悪感や罪悪感を抱く彼の心の内など知る由もなく
 俺自身は、むしろそれを与えて欲しいとさえ思っていた。

 だって、自由なんか望んじゃいなかった。
 今更そんなもの与えられたって持て余すだけだ。

 その愛され方しか知らないから
 その愛され方以外だってきっとあったろうに
 その愛され方以外取りこぼしてきてしまったから
 そうやって愛されないと不安で、不安で。

 気まずそうに見せられた不信と同義の愛情の形に
 正解と教えるみたいに目を輝かせて、頬を染めた。
 掴まれた腕から力を抜く。
 拒む意志なんか欠片もないと表明するために。

 拒む理由なんてない。
 だってこれで繋ぐってことは
 絶対に外しに戻ってくるって約束の証だ。 ]
(*6) 2022/05/28(Sat) 22:48:04

【赤】 入院中 阿出川 瑠威


 それがひつようなら。
 いいよ。誠丞さんが決めて。

 俺の主治医はあなたなんだから。


[ 彼の不信愛情信頼愛情で返して
 望んでいたくせに、容認するみたいな言葉を紡ぐ。
 彼が赦される事を望んでいるように見えたから。

 愛して、愛されて、ただそれだけなのに。
 何も悪いことなんてしてないのにな。

 何時か彼も慣れてくれたらいいのにな。
 俺を閉じ込め独占ようとするその執着愛情に。 ]


 さみしいから、はやくもどってきてね?


[ 俺には余計でしない不必要な自由を奪う拘束を
 恍惚に染まった眼差しで見つめてから
 甘えた声で、見送る彼に強請った。* ]
(*7) 2022/05/28(Sat) 22:48:25

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[寄り掛かる人肌を享受しながら視線を隣に向ける。質問の意図を探るように、或いは質問の補足を待つみたいに。そうして少し考える素振りで、見えない主語を推測しようとするが解釈の幅が広い。

どうして。彼の言葉を心の中で反芻する]


 君はどうしてだと思う?
 ……なんて、聞かれても困るね。


[無数にある候補の中から、それらしい回答を探り当てようとして諦めた。自分でも掬い上げられないなら、信頼出来る第三者に委ねてみる。

彼の同調に安堵すると同時に、心の安寧を得ることを許さない自分自身がいる。どう言い訳を並べても、どれだけ赦されても。けれど、彼に拒絶されなかっただけでも十分に特別と幸福を感じている]
(*8) 2022/05/30(Mon) 2:28:58

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[服を与えなければ、万が一外に出られても出歩けないだろう。……という発想が全く無かった。監禁して自由を奪っている。なら出来る限り他の権利まで取り上げたくない。それが「普通」の愛し方だと思っていたから。

彼の言葉を「したくなったら困る」と解釈したが、無自覚なのか確信犯なのか、彼の誘惑に流されまいと理性を保つのに苦労した。これ以上したら立てなくなるんじゃ……いや、その方が都合が良いのか?なんて、邪な企みも過ぎった。散々煽られて、理性と感情を振り回されたら当然仕返しもしたくなる。既に洗い流したらしい中を確認しようかとも思ったけれど、自分の箍を外してしまいそうで思い留まった]


 ……瑠威? 怪我するといけないから、
 あちこち触らない方が良い。


[子どもじゃないんだから、触って良いものとそうでないものの区別はつくだろう。分かっていても、彼が傍を離れると手元の作業が疎かになってしまう。視界に入らないと声を掛けたり、返事が無ければ様子を見に行ったり。過保護過ぎると思う一方で、彼の姿が見えなくなるとどうしても心が落ち着かなかった]
(*9) 2022/05/30(Mon) 2:29:32

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[彼から母親を遠ざけなければ、と思っていた。
彼女の存在は、彼が追い詰められた原因のひとつだと考えていたから。だというのに私は彼女と同じ──それより直接的で、むしろ酷いやり方で束縛しようとしている。

銀色の手枷は歪んだ精神性の証明だ。
そう認知出来る間はいつまでも慣れないのだろう。
面倒そうな顔をするどころか、嬉しげで従順に見える彼にも]


 すまないが、使わせて貰うよ。
 君が「いい子」だと思えるまでは。


[ひんやりとした金属の輪を、彼の右手とベッドの手摺に繋いだ。さっきみたいに病室を自由に歩き回らないように。彼の左眼に「目薬」を点した時より余程緊張して、使い慣れないのもあるが辿々しい手付きになる。

──でも、必要なことだから。

そう思うことで無心になろうとする。
何も考えるな、]


 ……あぁ、すぐ戻る。また後で。


[するりと彼から視線を逸し背を向ける。
罪悪感の裏にある、束縛を許容されることへの倒錯した悦びを自覚する前に]
(*10) 2022/05/30(Mon) 2:30:21

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[外観からして広いだろう院内を歩いても、あまり人の気配を感じない。途中で洗濯室に寄って、洗濯物を機械に託しておいた。白衣を着てはいるが、やっていることは家事や介護に近いので不思議な心地がする]


 好きな食べ物……、か。


[彼の言葉を思い出し、記憶を辿る。
気遣いからの提案とも知らず、自分に興味を持ってくれたのだと単純に嬉しく思った。だから真剣に献立を考えたくなったのだが。食に頓着がないことに気がつき、頭を悩ませる。私一人で食べるなら正直何でも良いけれど、……]
(*11) 2022/05/30(Mon) 2:31:31

【赤】 眼科医 紫川 誠丞

[ビニール袋を手に提げ、病室に戻る。
「ただいま」と言って、ベッドの上から動けない彼が変わらずそこにいるのを確認し、頬にキスをする]


 売店で買ってきた。
 ブラックだけど、大丈夫か?


[サイドテーブルにコーヒーとサンドイッチを二人分並べる。結局、普段食べ慣れている組み合わせを選んだ。食堂のメニューでも良かったけれど、すぐ帰ると約束したので近場で済ませた。

それから白衣のポケットから鍵を取り出し、彼の拘束を解く*]
(*12) 2022/05/30(Mon) 2:32:31

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 質問には質問が返って、けれど勝手に完結した。
 如何やら聞かれても困るらしい。彼も困っているのだろうか?

 問題を出された時と同じだけ少しだけ悩む素振りを見せる。
 即答したっていいけれど少しくらい頭を使う振りをして。
 困るほど難しい事もないのに。
 簡単なことだ。必要なのはただひとつ…… ]


 『おれのことがすきだから』?


[ 俺のことが好きだから嫌われるかもしれないことを意識し
 俺のことが好きだからそれでもなお行動したんでしょう?

 必要なのはただひとつ。
 そこさえ揺らがなければ俺はなんだって受け入れるのに。
 『どうして』だと思う?
 そう尋ねようとして、困られても困るのでやめた。
 簡単なことなんだけどね。
 けれど彼にはそう単純でもないのだろう。 ]
(*13) 2022/05/31(Tue) 1:43:20

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 危険なものとそうでないものの判別が付いた上で
 危険なものでさっくり派手に肉を切り裂いた前科が
 生々しく左腕の上に刻まれているからこそ
 彼が幼子相手のような不安を抱くのも尤もだろう。
 むしろ幼子よりも厄介だ。

 目を離した隙にまた何かしでかすと思われている。
 彼から与えられる過干渉とも取れるその心配が
 嬉しくて、楽しくて、堪らない。
 悪さをして気を引きたい幼子のような幼稚さだと
 自覚は多少はる。自覚だけは。 ]


 はぁい。


[ 呼びかける声にいい子のお返事を返して
 素直に大人しく彼のもとへともどる。
 けれど彼が他に意識を逸らせばまたふらりと離れた。
 気にかけてくれさえすればいいこにしているのだと
 彼に教え込むために繰り返す。

 きっといずれ疲れさせてしまうんだろうな。
 普通はそうだ。
 ずっと気が休まらないなんて精神が疲弊してしまう。
 そう思うのにやめようと思えないのを
 今は浮かれているからだと自分に言い訳をする。

 たしかに彼の意識が自分に向いていることを確かめる作業が
 楽しくて、嬉しくて、たまらなくて。 ]
(*14) 2022/05/31(Tue) 1:45:06

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 『母親』という生き物が『子』に向けるのと同じだけの
 熱情を向けてほしいと願うのはきっと酷なんだと思う。
 母がそうだったからといって同じ愛し方を
 親子ではない関係を望んだ彼に彼に求めるのは
 違うことくらいは頭ではわかっている。

 けれどそれ以外は上手く受け取れなくて
 与えられないと不安で与えられると嬉しくて

 俺がほかを覚えるのが先か
 彼がこれに慣れてしまうのが先か

 ……どちらでもない可能性を考えるのが少し怖い。
 俺が疲れて母から逃げ出そうとしたみたいに
 彼もいつか疲れて

 俺からまた逃げ出してしまうんじゃないかって… ]
(*15) 2022/05/31(Tue) 1:46:05

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ 慣れない手つきで嵌められる手錠を
 外しに来るのは彼だとは思う。
 本当に?
 自分が罰される為に第三者に見せようとするかもしれない
 あの日みたいに突然姿を消すかも知れない。

 考え始めると不安で押しつぶされそうになるから
 今は考えることを投げ出した。 ]


 ふふっ、俺が「わるいこ」だったことなんかないって
 早く思い出してね、せんせぇー。


[ 買い物の最中店先に置き去りにされる犬の気分だ。
 そう思い浮かんで。
 彼に愛玩されるペットになれたらどれだけ幸せだろうと
 幸せな夢に浸ることで、投げ出しても、消えてくれない
 不安な気持ちを紛らわせた。 ]
(*16) 2022/05/31(Tue) 1:46:25

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ …​───まるで時間が止まっていたみたいに。
 彼が視線を逸らした瞬間と寸分違わぬ姿勢で待っていた。
 一人の間、すっぽりと人形みたいに抜け落ちていた表情に
 喜色をぱっと灯して、顔を上げる。

 いいこにしてたから褒めてとねだるより先に
 与えられたご褒美に幸せそうに頬を染めて
 はにかんで笑って同じ口づけを返した。 ]


 おかえり、誠丞さん。

 ………あ〜…なるほど。
 さては食に拘りがないな?

 ありがと。
 なんでも食べれるよ。好き嫌いないし。


[ そもそも最近味覚も食欲も大分まともに機能しているか
 怪しかったことは黙っておく。
 言えば心配をしてもらえるだろうけれど
 今はこれ以上心労を増やすのも気の毒で。

 違和感はあれどもう痛みもあんまり気にならない
 自由な左腕でサンドイッチの具を確認していれば
 また慣れない手つきで拘束が解かれる。 ]
(*17) 2022/05/31(Tue) 1:48:32

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ ちゃんと戻ってきてくれた実感と
 あと何度ちゃんと戻ってきてくれるかという感傷とが
 頭の中でぐちゃぐちゃになって

 信じていないのはどうやら彼だけではないらしいと
 今更に納得して、受け入れた。 ]


 べつに、つけたままでもよかったのに。


[ 信じられないのなら、何時までだって。
 疑ってくれて構わなかった。
 疑う分だけ信じようと悩んでくれていると思えば
 俺にとってはそれは幸福でしかないから。

 彼にとってもそうだろうか。
 普通は違うだろうか。
 ポーズじゃなく、本当に少しだけ悩み逡巡 してから
 躊躇いがちに口を開いた ]


 つけたままなら、外しに戻ってきてくれるでしょ。
 その間だけは、いなくなったり
しない、って……


 
(*18) 2022/05/31(Tue) 1:51:11

【赤】 入院中 阿出川 瑠威

[ ああ、違う。縛り付けたいんじゃないんだ。
 その手で外しに戻って来いと強要しているようなものだ。
 いや、違う。縛り付けてしまいたいんだ。
 なら正しいのだろうか?或いはもっと罪悪感を抉る?
 そんなひどいことはしたくない。
 そんなひどいことすらゆるされたい。
 考えが纏まらなくなって慌てて早口に遮った ]


 ごめん。なんでもない。
 よし、食べよう!いただきまぁっす。
 あ、そういえばこういうの食べるの久しぶりかも。


[ 無理に浮かれた声を作ってサンドイッチに手を伸ばした。

 なんか吐きそうだな。
 大人しくしていた食欲はすっかり情緒と同じだけ乱されて
 折角彼と一緒の食事なのに食べる気がまるで起きない。
 けれどそんな状態で笑顔で食事をすることには慣れていた。

 いっそ吐けばいいのかな。
 これから飲み込むサンドイッチと一緒に
 思ってることぜんぶ。

 けれど嫌われたくないんだ。

 彼のように嫌われでも行動を起こすなんて事できなくて
 好きだなんて簡単な感情だけじゃどうにもならない
 単純ではない葛藤の苦味を、コーヒーで流し込んだ。 ] 
(*19) 2022/05/31(Tue) 1:53:24

【人】 団地妻 ナナミ

―― その後 ――

[思った以上に、夫との離婚はあっけなかった。

 相手に十二分に心を奪われていたのだろうか。
 それとも、探偵がいい仕事をしてくれて、裁判になっても言い逃れできないほど立派な証拠を突き付けたからだろうか。
 夫はあっさりと自分の主張を受け入れ、謝罪すら口にした。

 そういえば、こういう素直なところを好きになったんだっけ。
 そう思って、彼との思い出を懐かしくも思う。
 しかし、それでいて彼にすがったり、取り戻そうと思わずにいられたのは、ただ泰尚の存在のおかげでしかなかった。

 幸い子供はいなかったし、自分も働いていたので泥沼化させる必要もない。
 慰謝料は夫とその彼女に請求はするが、示談をちらつかせたら言い値で折れてくれたと、探偵社に紹介してもらった弁護士が笑いながら教えてくれた。
 こちらの成功報酬で彼に渡す分も増えるので、自分たちは彼らからしたら、いい客だっただろう]
(0) 2022/05/31(Tue) 23:19:37

【人】 団地妻 ナナミ




 この家……出ることにしたから。


[夫と離婚が成立してしばらく経った頃。
 いつものように御用聞きを装って泰尚が家に訪れた。
 きっと、彼は家の中の雰囲気がいつもと違うことに気づいていただろう。
 彼を、近くまで招きよせると、小さな声で囁いた。

 離婚に伴い夫との財産分与を済ませ、そして夫の浮気相手からの慰謝料も手にして。浮気調査で使った分以上の額がまとまって手に入り、銀行口座の残高に〇が増えた。

 夫と二人の名義で買ったこの家は、財産分与と夫への慰謝料を兼ねて自分のものになったので、そのまま住んでいればいいのだけれど、二人用の家に一人で済むのは広さがもったいないから、自分はこの家を出て貸すつもりだった。

 目の前の泰尚をちらっと見る。

 自分がこのままここを出るとしたら、接点がない分、会うことも困難になるだろう。
 別れを切り出されるのではとでも彼は思っているのかもしれない。しかし]
(1) 2022/05/31(Tue) 23:21:48

【人】 団地妻 ナナミ



 いつまでもここにいたら、貴方と私が隠れて浮気していたとばれてしまうかもしれないでしょ?

 新しい連絡先―――。二川屋さんの配達エリア外のところだけれど、貴方のバイクなら来られるでしょう? “いつでも”



[今までは、人目を気にして決まった日時にしか会えなかった。
 でもこれからは、会いたくなったら誰の目も憚れることなく――
夫も、近所の人の目も――会うことができる。
 そのために適度に離れ、適度に近い距離で、人目がない場所借りたのだった。

 隠し通していた自分たちの中は最後まで隠さなければならない。
 離婚をしたと周囲にも知られて好奇の目にさらされたくもなかったし]


 ―――会いに来てね?


[それは念を押すだけ。
 しばらくは彼の逢瀬を待つだけだろうけれど、きっとそのうちそうする必要もなくなるだろうし。なにより]
(2) 2022/05/31(Tue) 23:26:37

【人】 酒屋の息子 ヤスヒサ

―その後―

[もどかしさを味わう他ない。
力になれない申し訳なさを抱えこみ、御用聞きを重ねたある日、彼女が口にしたのは、思いがけない言葉だった。でる―――その言葉と、片付いた室内。それを見て、まず思ったのが彼女に会えなくなるのでは。

そういうことだった、けど。]

 え?

[そうだ、彼女は強い人だ。
ふんわりとした雰囲気と柔らかな優しさを持っているとともにしっかりとした大人の女性だ。自分が思うよりも自立している。だからこそ、彼女の支えでもありたいし、彼女に頼られる存在になりたい。

眼をぱちくりさせて]
(3) 2022/06/01(Wed) 20:25:34

【人】 酒屋の息子 ヤスヒサ


 その、旦那さんとは?


[今更な事を聞き。
彼女が離婚したことをしれば、ああ。と手を口に添えただろう。新しい連絡先を教えてもらい。それを見つめれば、彼女の方を見。]
(4) 2022/06/01(Wed) 20:29:53
 




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