人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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ナオアキ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
カナイ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
マユミ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
ロク神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
カジヤマ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
フカワ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
ライカ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。
コゴマ神の居ぬ間に弓を引こう マユミに投票した。

マユミは村人の手により処刑された。

コゴマ! 今日がお前の命日だ!

月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?

幽界の歪み
突如として空間が歪み、この世とあの世の境界が曖昧になってしまった! 今日に限り、生者も死者の声や姿をハッキリと捉える事が出来るだろう。

現在の生存者は、ナオアキ、カナイ、ロク、ヌイバリ、カジヤマ、フカワ、ライカ、コゴマの8名

カジヤマは、会議室の端末に送信した『あきちやんだめだー』そこからしばらく返信はない。
(a0) 2022/06/06(Mon) 21:35:49

【人】 跼蹐 カナイ


──会議室の扉が、そっと後ろ手に閉められた。

消耗こそすれ神経が昂ぶったような感覚が持続し続けているのは
いよいよおかしくなりつつあるのか最初からおかしかったのか。
一度深く息を吐いて、注意深く気配を探る。

自身に現れた力が特定の個人を探す事に長けたものではなくとも、
不安定に揺れる気配があれば、すぐに気付く事はできる。
それが多少遠くであっても、大まかな方向程度は。

『おねがいします』。

たったそれだけの文章でも、
何が起きたのかということを察するには十分だった。
だから闇雲に探す必要は無いのだと知っていた。

『ただ二つお願いがあるのです。
聞いてもらえるのです?』

『はい、構わないのです。
1つは、この能力が制御できなくなったら 
その時は僕を止めて欲しいのです。
叶様や他の人に害をなしたい訳ではないので』
(0) 2022/06/06(Mon) 22:47:34
カナイは、無事に、という言葉には、きっと何も言わないまま。
(a1) 2022/06/06(Mon) 22:48:59

カナイは、少し眉尻を下げるだけだった。
(a2) 2022/06/06(Mon) 22:49:10

カナイを待っています。きっと、約束をした場所の傍で。

 叶

叶は容易く、その気配を見つける事が出来るでしょう。
場合によっては、あなたを呼んでいるようにすら。
静かに、しかし体中を軋ませて、待っているのです。
そして、いくつかの角を曲がった先に、それは居ました。

みし、ぱき。骨で形作られた片翼と手足が軋みます。
その中心で俯いていた顔が微かに上がり、
そして安堵の顔を見せました。
タブレットは足元に落ちていて、
骨の足の長さのせいで半ば浮いている少女に
それを拾う事は出来ないのでしょう。

だから、視線をあちらこちらに送るだけ。
和装が溶けてしまったせいで露わになった上半身。
両肩から肘までは、檸檬色と葡萄色の結晶に覆われています。
そして胸元をぎちぎちに締めているサラシの上部から、
鎖骨の上辺りまでを血の色をした結晶が守っているようです。


だから、口をはくはくと動かすだけ。

「よかった」


だから、涙を流すだけ。

「きてくれた」



そして、そして――それだけです。
少女は静かに待っています。
ただ、骨と結晶が軋む音が徐々に大きくなっていくでしょう。

今は、抑えているだけで。
少女の大部分は、考えているのです。
『変わりたい』
と。
その為に……あなたのすべてをたべてしまいたい、と。
『あなたになりたい』
、と。

少女は、あなたを待っています。
約束を果たしてくれるのを、待っています。

ナオアキは、骨を折った。
(a3) 2022/06/06(Mon) 23:17:12

【人】 跼蹐 カナイ

>>+0 >>+1 弓日向

「…内容、聞いてから考えてもいいですか」

「………わかりました、その時は…」
「…僕ならきっと、できますから」

────見付けた。

あなたと最後に会話をした場所。
会議室からやや遠い地点に位置する仮眠室、その方向。
他にも異様な気配は幾つかあったかもしれないけれど、
その位置から、どこか確信じみたものを感じて。

閉じた瞼をそっと上げて、歩き出す。
(1) 2022/06/06(Mon) 23:27:57

【人】 跼蹐 カナイ

>>+0 >>+1 弓日向

以前二人で歩いた道程を、今は一人で歩いている。

会議室を後にして、空気の良いとは言えない廊下を少し歩いて
一回、二回、角を曲がって、……

────三回目の角を曲がった所に、あなたは居た。

その凄絶な姿を見て、
あなたの代わりに悲鳴を上げるように軋む音を聞いて。
ああ、と。
息を吐くようにやるせなさを吐き出した。

──追想。
……気味が悪くとも、こうして確かに利益を齎しているのなら。
けれど、益にならないなら?……

……そしてあなたのそれは、あなたを何処まで、
どういったものにまで変化させ──変異させてしまうのか。……
(2) 2022/06/06(Mon) 23:28:44

【人】 跼蹐 カナイ

>>+0 >>+1 弓日向

「………弓日向さん…」

自分が協力しなければ、あなたはそうはならなかったのだろうか?
そんな事を今考えたところで、もはや何にもならないだろう。

「もう……戻れませんか?」

だからたった一つだけ、問いを投げ掛けた。
あなたがもう後戻りできないのだとしたら──
このままでは、恐ろしいものに成り果ててしまうのだとしたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
きっとあなたは、その答えを行動で示すしかないのだろうけど。
(3) 2022/06/06(Mon) 23:30:00


みし、ぱき、ばき。
骨の身体は、両の前足がゆっくりと、地面に向かっていきます。
四足歩行の構えをとろうとしているのでしょう。
震えながら、至極緩やかな動きで。

肉の身体は、たったひとつ。
ためらいと、かなしみと、あなたへの期待と喜びを込めて。
静かに、微笑んで。頷いてみせました。

「ころして」


確かにそう口が動いて――骨の前足が、地面に着きました。
ばき、べき。少女は、弓を引きました。
その向こうが神か、運命か、あなたかはわかりませんが。

次は、あなたの番です。

その大きな骨の手足と翼の根元を、結晶で補強しているようでした。


第二に。
仲間とされる二人を守る為にも、
ここはスケープゴートが必要だ。

奈尾さんはその点において大変都合がいい。
そういう打算も混ぜ込んでいなければ、
とても果敢に立ち向かうことなんて出来そうにない。

【人】 跼蹐 カナイ

>>+2 弓日向

人体には存在し得ないパーツが床へ近付いていく。
悲鳴じみた音を立てて、ゆっくりと。
その様相を見て胸の内に湧いたものは、恐怖ではなくて。

「…ああ……また僕は」

「死で何かを得た分、死で何かを失うんだ…」

ヒトとは異なる形状の骨。
四足歩行の──凡そイヌ科の特徴を呈するそれは。
唯一の慰めであり、拠り所だった、飼い犬あの子を想起するものだった。
あの子も自身が恐怖から解放されたすぐ後に旅立ってしまった。

「……でも、これは」

「きっと、おれにしかできない事だから」

どうせもう引き返せない自分がやるべき事だ。
それに、あなたの状態は、自身の内にある力で対処する事が。
恐らくあまりにも──適切なものだったから。

そして何より、同じ理不尽を受けた被害者のあなただから。
こんな形でも、その願いの一つくらい、
えたくて。

やりたい事・・・・・だ。だから引き返せない、引き返さない。
(4) 2022/06/07(Tue) 1:12:10

【人】 ハリの豺狼 カナイ

>>+2 弓日向

だから逃れる為ではなく、向き合う為に。

その四文字を確かに認識したその直後、
また一つばき二つべき、まるであなたの心の軋む音のようなむごい音。
それを聞きながら、叶はやはり逃げなかった。

──恐怖を呼び起こし、研ぎ澄ます。

殆どあなたの理性による制御を外れた意思が、
どのような行動を取ろうとも、それを回避しようともせず。

恐れるものは、あなたではなくて。
これまで、そしてこれからの自身の行いと、その発覚だ。

この力はある程度対象を目視できなければならないようだった。
だから回避などに感けている余裕など無くて、
何れにしてもあなたに正面から向き合うほかなかった。
(5) 2022/06/07(Tue) 1:13:54

【人】 ハリの豺狼 カナイ

>>+2 弓日向

──そして、それを向ける先は──叶うのであれば。

檸檬色の結晶でもなく、葡萄色の結晶でもなくて。

────パンッ!!!!

あなたの胸元を覆う、血色をした結晶が、一瞬にして爆ぜ散った。

皮膚を切り裂き、肉を突き刺し、骨と骨の間に潜り込む。

その部位を狙ったのは、元を断つ為に。
その次に、長く苦しませる事の無いように。
とはいえ今のあなたにとって、
それが確かに致命の一撃足り得るかはわからない。

そして、たとえそれが束の間の夢だったとしても、
まだ平穏だった頃の思い出を苦痛に変えたくはなかったから。
(6) 2022/06/07(Tue) 1:14:42
カナイは、この力を使う時の感覚が恐ろしくて。
(a4) 2022/06/07(Tue) 1:17:01

カナイは、それと同時に、どうしようもなく安心する。
(a5) 2022/06/07(Tue) 1:17:16

カナイは、多分、前に力を使った時からあまり時間が経っていない。
(a6) 2022/06/07(Tue) 1:18:24



あなたの独白。あなたの想起。
あなたの決意。あなたの――あなたとの、約束。
それらを聞き、想い、抱いて……

放たれた矢のように、その四ツ足は床を蹴りました。
あなたの全てを磨り潰して、啜る為。
愛しい人の胸に飛び込むように、跳びました。
その瞬間、あなたの目にはしっかりと。

血色の結晶が映っていました。


そしてそれは、激しく爆ぜるのでしょう。
空気を震わせて。身体を砕いて。その少女を壊します。

ぱき、ばき、と音がして。
それが肉体からか、結晶からか、骨の手足からか。
判別は難しいのでしょう。ただひとつわかる事は、
あなたの前には、結晶も、骨の手足も。
剥がれ落ちた血塗れの少女が転がっているという事です。



少女は、実にあっさりと、死んでいました。
きっと殆ど痛まなかった事でしょう。
きっと苦しまなかった事でしょう。

幾分か軽くなった少女が、
軽くなった分だけ血を床に広げて動かなくなっています。
その顔は、苦しみも、恨みも、つらみも、持っていません。

ただ、微笑んでいました。
最後に微かに動いた唇は、筋肉になんらか、
電気信号が通っただけかもしれません。
それでも、それを信じるなら――
『ありがとう』

たしかに、そう言っていたのです。


唯一、後に残ったのはつけっぱなしのタブレット。
きっと、少女がそうなる直前まで手にしていたのでしょう。
幾つもの変わりたい願望や、呪詛めいた言葉が沢山。
テキストファイルにいくつもいくつも、連なっています。

ずっと蓄積したそれらの末尾、一番最後の空白。
沢山の改行はきっと、その感情から遠ざけたかった言葉です。
そこに――

カナイに向けて。『いきて』と、遺しました。

カジヤマは、
「行くな、行くな、
行くな!!
(a7) 2022/06/07(Tue) 2:47:44

カジヤマは、咽がすり切れて、叫べない。身体が動かすことが出来ない。
(a8) 2022/06/07(Tue) 2:48:01

カジヤマは、篝屋の傷は、"    "
(a9) 2022/06/07(Tue) 2:53:00

【人】 ハリの豺狼 カナイ

>>+3 >>+4 弓日向

いつか見た決意を宿した瞳のように、真っ直ぐに、一直線に。
迫り来る勢いに、ほんの少し気圧されて。
それでも確かに視界に入ったものを見逃さなかった。

「…………ッ、…」

一瞬の集中の後、短く鋭く、残響を耳に残す破裂音。
結晶とも血飛沫とも、或いは肉の破片ともつかないような
ただただ赤いものが瞬時に飛散して、
もしかすると、硬い破片が幾らか自分も傷付けたかもしれない。
それはなるべくしてそうなる事だから。


西へ、太陽の沈む方角へ。
陽が傾いて、日向が翳る。
いつかまた陽が昇るその時まで。
(7) 2022/06/07(Tue) 5:03:52

【人】 ハリの豺狼 カナイ

>>+3 >>+4 弓日向

そうして刹那に嵐は過ぎ去って。

再びの静寂と、それから徐々に血臭に満たされ始めた廊下。
ゆっくりと広がっていく血溜まりと、横たわる少女を見た。

能力の起源に紐付いた奇妙な安堵は長続きしない。
だから今この胸の内を満たすものは。
その思いを理解できたばかりの少女を失った事によって齎された
喪失感と、悲しみと、それから人を手に掛けた罪悪感だった。

「………弓日向さん」

ほんの少し軽く、けれど脱力しきって重く。
まだ温かい身体をすぐ近くの仮眠室へ運び込んだ。
野晒しは忍びなく、けれど会議室へ連れて行くには憚られた。

「あなたはあの時自分の事を薄汚い人間と言ったけど、
 おれはそうは思いませんでした」

寝台へと寝かせて、瞼や唇が開いたままなら閉じさせて。
その横で殆ど唯一の遺品となるであろう端末に指を滑らせた。
連なる望みと、呪詛と、それから。
そして、あなたの最後の言葉を思い返して目を伏せた。

「おれの方がずっとどうしようもない」

そんな人殺しに感謝するだけでなく、生きろと言うなんて。
いったいこれから何処へ生きて行けと言うのだろう。
(8) 2022/06/07(Tue) 5:05:59

【人】 ハリの豺狼 カナイ

>>+3 >>+4 弓日向

「何にしたって。
 あなたが死んで泣く人間の一人くらいは、……
 ……事実として、居るみたいです」

どうせ誰も聞いていないのだから、
随分湿気を帯びた声を取り繕う必要もないだろう。
自分で殺しておいて悲しむなんて、
人殺しには身勝手すぎる気もするな、なんて思いはしたけど。
(9) 2022/06/07(Tue) 5:06:52

【人】 ハリの豺狼 カナイ

>>+3 >>+4 弓日向

だからそんな身勝手はすぐにしまい込んで。
きっとまた少し血に汚れた白衣の裾で目元を乱暴に拭った。

「神様なんて居ないかもしれないけど」

深く息をして、仮眠室を後にするべく立ち上がった。

「居ない方がいいのかもしれない」

だって、もし仮に、そんなものが居たら。

おれはそれを殺さなきゃ気が済まないから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たとえばこれが、誰かの描いた筋書きであるのだとしたら。
自分はその誰かを怨まずにはいられないだろう。
そしてきっと、それを殺さない限り。
自分に本当の意味での平穏が訪れる事は無いんだろう。

でなければ、真に恐ろしいものを取り除けはしないのだから。
(10) 2022/06/07(Tue) 5:07:37
カナイは、静かに電気を消して、仮眠室を後にした。
(a10) 2022/06/07(Tue) 5:08:01

カナイは、また声を聞く。きっと仮眠室を出て少し後の事。
(a11) 2022/06/07(Tue) 5:20:35

フカワは、全てが有耶無耶になってしまえたらと思った。
(a12) 2022/06/07(Tue) 5:45:29

【置】 トラジコメディ フカワ


『そうはならねえから……
 今はただ、明日を願うしかないんだ』

まだ切り出していない鉄パイプの上に、
引き伸ばした剥き出しのハンガーや導線を括り付けて、
コンドームとガムテープで補強し固定する。

己がひた隠しにする他愛もない秘密も、
誰かが背負い続ける痛みと罪、恐れも、
皆が抱える前までは僅かだった歪みも、
その全ては、いつか白日のもとに晒されてしまう。

逃げ続けることは不可能だ。
だから逃げない。消極的で、確かな理由。

安寧が脅かされることを恐れても、
脅かすものに立ち向かうことは、恐れてはいけない。

彼らもきっとそうである、はずだ。
(L0) 2022/06/07(Tue) 6:04:00
公開: 2022/06/07(Tue) 6:00:00

【置】 トラジコメディ フカワ


弱者は、踏み躙られ奪われるだけかもしれない。
どれだけ願っても明日は変わらないかもしれないし、
唐突に奪われる明日を、
取り戻すことすらできないかもしれない。

ただそれでも。与えられた安心を。用意してもらえた安全を。
享受して不安そのものから逃げるばかりでなく、
戦うこと、維持することにちゃんと意識を向けられたら。

価値のない自分の人生に初めて、意義が生まれるような気がした。


『オレの安心できる場所を、守って』


祈りは痛みに。苦しみに。
身体を侵食するソレは与えられた物への対価だ。
(L1) 2022/06/07(Tue) 6:13:28
公開: 2022/06/07(Tue) 6:10:00
フカワは、己の不運を呪って、愛した。
(a13) 2022/06/07(Tue) 6:14:27



『叶さん── 今からすぐ、会議室の方に来られますか』
『奈尾さんが害意を纏って近付いてきているのです』

努めて冷静さを保ちつつ、何とか言葉にしていく。

『大体の位置は……もう、すぐ近く。
 あと数刻もすれば到着してしまうくらい。

 出来るだけ時間を稼ぎます、
 獣などに気を付けつつ、急いで──お願いします』

トラジコメディ フカワは、メモを貼った。
(a14) 2022/06/07(Tue) 7:16:58


『篝屋さんからもそう聞きました』
『今すぐ向かいます』

『あの人は銃を持っていて、水で溶かされる?そうです』
『おれが聞いたのはそれだけ』

返るのは簡潔な応答。今は時間が惜しい。

【人】 ハリの豺狼 カナイ


仮眠室を出て、誰かの声を聞いた後。

弾かれたように廊下を駆け出して、
その傍らに気配を探る。読み取ろうとする。不安定な気配を。
今明確に排除すべき恐ろしいもの──奈尾の気配を。
進行方向がわかるのであれば、その背後に回り込むように。

殺さなければきっと殺される。
真に恐ろしいものから逃れるには、殺すしかない。
自分ならきっとできる。自分がやるしかない。


何れにしても脇目も振らず会議室への道を突っ切っていく。
元はドッグトレーナーを目指していたのだ。
犬と共に駆ける為の日々の名残は、まだ身体に残っている。
(11) 2022/06/07(Tue) 7:35:45
カナイは、猟犬じみて廊下を駆けて行く。狩るか狩られるかは、まだわからない。
(a15) 2022/06/07(Tue) 7:36:58

【置】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならない

 奈尾がやって来る方……銃声二発が鳴っていた場所は、
 叶らが彼女と相対した場所から随分遠くからだった。
あなたは死ななければならない

 そこから移動した彼女を迎えに行っていた叶が、
 今いた場所とはほとんど反対の位置で。
          あなたは死ななければならない

 会議室へと向かおうと思えば、
 叶が奈尾の背後に回っている暇などなかっただろう。
あなたは死ななければならない     
  あなたは死ななければならない
──奈尾の道中に誰もいなければ。
あなたは死ななければならない
あなたは死ななければならない

(L2) 2022/06/07(Tue) 8:22:34
公開: 2022/06/07(Tue) 8:25:00

【人】 トラジコメディ フカワ


『弊社の試験薬が』

『貴方様にご迷惑をおかけしてしまったこと』

『深くお詫びしたいところですが──』


 見ないうちに随分と変わり果ててしまったものだ。
 我々に投与された薬とは一体全体何だって言うのか。


「故に少々、お時間をいただけますでしょうか?」

針のような気配に震える瞼を開けて、
引き攣った微笑みを顔に貼り付け、奈尾の前に立ち塞がる。

眉間に皺を寄せてアンテナを握り締めれば、
其処彼処から軽くも不規則な足音が響き始める。
それはまるで行進(/パレード)の始まりを告げるように。
(12) 2022/06/07(Tue) 8:46:21

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならない         
パァンッ!! 
      あなたは死ななければならない
 開演に水を差す、なんとも無粋な音がした。
 あなたは死ななければならない
            あなたは死ななければならない
「アタシ、会議室に行かなきゃいけないの」
             あなたは死ななければならない
      あなたは死ななければならない
 一も二もない発砲。狙いは深和の足元。
 三半規管も狂ってきているのか、散弾のほとんどは深和を捉えなかった。
次もそうなるとは限らない。
あなたは死ななければならない         
「話は手短にしてくれるとうれしいかしら」
あなたは死ななければならない   
あなたは死ななければならない           
 「ねェ?」
あなたは死ななければならない      
 丈夫に作られていたはずの服は溶け、奈尾の上半身はほとんど露出していた。
 焼けた肉と黒いどろどろの中に、白が見え隠れ。
 斜め掛けにした鞄の肩紐も深く食い込み、骨が支えているようなものだった。
 深和からはあまり見えないが、状態としては背中が一番酷い。
あなたは死ななければならない  
 そんな状態にもかかわらず、これはまだ人の形を保って動いている。
(13) 2022/06/07(Tue) 10:10:08
 




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