食堂からおやつをくすねてくる班
　　良くやってくれた
　　いいぞ、この調子だ
　

　
［これは恋人になってから初めて迎えた時の……？
　それとも、もう少し先の未来かな。

　何れにせよ、どんな時代だって
　その日は特別な彼女に普段以上に感謝を伝える日。
　流歌が大切じゃない時は一瞬たりともないんだけれど
　普段言わない分まで意識して伝えて良い日だ。］


　　生まれてきてくれてありがとう流歌
　　だいすきだよ
　　はい、あーん


［独占欲の強さで誰より早く言いたくて
　時計が０時を示した瞬間に伝えてから
　今日だけで何度伝えたかわからない言葉。
　鬱陶しがらずに受け止めて貰えるんじゃないかと
　調子に乗っているから懲りずに伝えてしまう。

　差し出すフォークにはケーキが載っている。
　流歌が好きだって言っていたやつ。
　甘くて美味しいけど、流歌自身には敵わないかな。］
　

　
［咀嚼で動くほっぺたが微笑ましくて
　眺めているだけで幸せな気持ちになる。

　そういえば、とふと思い出したように。］


　　今度花火大会やるけど、観に行く？


［観るなら浴衣を一緒に買いに行くのも良いかも。
　着付けは念のため予習してあって
　髪も出来ればやってあげたいとか考えている。

　かわいがって、あまやかして、いじわるもしたい。

　僕だけの、お姫様。*］
　

　　潮音に会うために生まれてきちゃいました。
　　……な、なんちゃって。
　　にはは。　

　　だいすき。
　　だいすきだよー

　　潮音ありがとう。だいすき！


　[　あーん、とおくちあけて
　　潮音にもあーんしてたべさせあいっこ。
　　人はそれをばかっぷると言うのかもしれません。

　　だって！
　　……だって。
　　言い足りないくらいなんだよ。

　　まだまだ片思いの期間のほうが
　　こいびと、になったより長くて。

　　今日はいつもより増し増しに
　　ありがとうもだいすきもくれるから
　　私もたくさん言えるんだよ。うれしい。　]

　

　　
　　

［　今日のケーキはミルフィーユ。
　　あーんはちょっとしにくいけど、
　　重なる生地　しあわせのあじ。　]


　　花火、大会……？
　　いく！
　　潮音といきたい！


　[　そろそろ浴衣新調しないとね、
　　ってママと話してたし
　　一緒に買いにいけたらいいな。

　　着付けしてもらえるのは想定外なんだけど。
　　浴衣って下着が、……下着が？？
　　きっとそんな事をなやむのは後の話。

　　何色の浴衣がいいかなって

　　うきうき、わくわく。　]

　

　　潮音とふたりで花火みにいくの
　　夢だったんだ
　　うれしい。


［　花火いくの初めてじゃなかったかもしれないし
　　それは大袈裟な夢だったかも。


　　でもうれしかったの、ほんとだよ。
　　潮音の隣で、空に光る花を　観られたなら。


　　この世界はどんな風にうつるんだろうね　］*

　
　

　
［照れながら言って笑って
　だいすきって伝えてくれる流歌がかわいい。］


　　うん。大好き。……嬉しいな
　　僕もその為に生まれて来たんだと思う


［途方の無い時間見つめ続けても飽きたりしない。
　寧ろ益々魅力と輝きを増して掌の中に。
　離してあげられる日がくることはない。］
　

　

　

　
［お隣さんの彼女とは家族ぐるみで仲が良くて
　イベントには互いの両親込みで参加しがちだから
　二人で花火、というのはなかったかも。

　それを夢とまで言う流歌の純真さが眩しい。>>6］


　　ふふ。大袈裟だなぁ。
　　でも、そんな所がまたかわいいよね、流歌は。
　　もっと欲を出しても良いんだよ。

　　浴衣、一緒に買いに行こうね。


［人間は汚いけれど、流歌はきれいだ。
　僕だけの流歌。
　きみの願いはなんだって叶えてあげたいよ。］
　

　

　　あ、クリームついてる。


［不意に見つめた唇を
　と軽い音を立てて攫っていく。］


　　これ・・甘くておいしいよね、本当。
　　　　　　　……ご馳走様。


［さて本当についてたかどうかは……、秘密だよ。*］
　

　
［お揃いの指輪とブレスレットの手で
　ハンガーを持っては身体に当てて。

　流歌にはどれも似合いそうで困ってしまうな。
　一緒に来たモールの浴衣売り場での素直な感想だ。］


　　……参ったな、全部かわいい。


［着た姿を想像するのと同時に
　乱した姿を想像するのは男のサガみたいなもので。
　……うん、実に良い。

　どれが良いと訊かれたとしても
　全部と答える役立たずっぷりを発揮していたかも。

　自分も黒か、流歌の選んだものと
　同系色の浴衣を買おうかとは考えつつ。*］
　

　［　自分で言うのはなんともなくても
　　　潮音に改めて出逢うために生まれた、
　　　って言われると
　　　ちょっぴり恥ずかしいというか、
　　　……照れるというか。

　　　でも悪いことじゃないもんね。　］




　　本当にそうなら、いいな。




［　願うのです。
　　……つよく。どうして、かな。　]
　

　だって。
　だって、


［　こっそり潮音を見ようとおもった前の花火大会は
　　ママがニヤニヤみてきたし！
　　そのあと友達にもあったりして、それどころじゃなかった。

　　煩悩まみれだよ！
　　欲しかないよ！

　　花火大会にかこつけて潮音を眺めたい。
　　セットであることが大事なの。　］



　　好きなんだもん……



　［　潮音には回答になってない返事
　　　してたかもしれないね。　]

　

　[　……なんてしてたら、不意打ち。>>10
　　ちょっぴりクリームの香る甘くてやわらかい唇が
　　音をたてて離れてく。

　　こゆとこがなんだか　ずるい。　]



　　はわ
　　



　[　おつきあいをして、でも！
　　はじめてのキスは待っててもらったのは

　　潮音の顔が間近にありすぎるのが
　　…………すきすぎて、照れちゃって
　　不意打ちは今でも慣れないんだけど、でも


　　私の彼氏くん、実はキス好きなのかも。
　　わたしだって、]

　[　ほんとはキスが好きなのは
　　私のほう、なんだけどね　]*

　

　[　お休みの日か、がっこの帰り
　　2人でやってきたモールで
　　選んだのは黒い浴衣。

　　潮音は黒好きかなって。
　　それにちょっと、大人っぽいかな、なんて。 ]



　　ぜんぶ、
　　……は、買えないけど
　　これ、どうかな？



［　黒に白百合の柄で
　　少しお嬢様みたいにみえたりする？


　　潮音も浴衣着てくれのかな。
　　期待してる目線は全く隠せてない。

　　甚平もかわいいけど
　　潮音が着るなら浴衣がいいな、なんて。

　　きらきら目を輝かせてる。　]*

　

　　もっかい？　うーん……


［アンコールに指で顎へ触れれば
　勿体ぶって唇をじーっと見つめる。
　そうしてそこの感度が高まった頃合いに
　……ああ、ついてた、なんて
　演技ががった台詞を吐いて再び唇を奪うんだ。
　先刻より少し長めに。］
　

　

　　……ご馳走様


［近づけるからキスもすきだけど
　キスがすきな流歌がすき。*］
　

　[　もっかい、……ってお願い
　　聞き遂げられるのをじっと待つ。

　　そんなに時間としては、たってすらいないのに
　　すごくお預けになった気持ち。　]
　　

　　ん、



　［　タイミングまで上手なのだから
　　　好きにならないわけなんて、ないんだよ　]
　

　［　これからも変わらず居られますように。



　　　新たに加わった新しいおと。
　　　左指に重なる指輪の音は小さく響く。




　　ねがいごと、
　　願い事、
　　


　　―――あ、れ。　]

　

　
　──　買い物　──

［流歌が選んだのは大人っぽい色と絵柄。>>16
　色素の薄い髪が映えてよく似合いそうだ。
　好きな色だから嬉しくもある。］


　　良いと思う、それ僕も好き


［流歌に着られたらどれでも
　かわいくなっちゃうんだけどね。

　きらきら輝く目が僕とメンズ浴衣を見てる。
　……何ともわかりやすい。
　勿論買うつもりだけども。］
　

　

　　僕はこれにしようかな


［手に取ったのは縦縞入りの黒の浴衣。
　これなら黒と黒が並んでも
　重くなりすぎないかな。
　流歌のかわいい姿が見られれば良いから
　自分のは何でも良いんだけどね。］
　

　
［さてレジに行こうかって時
　浴衣の隣のコーナーに目を留めて。］


　　……ね。これ試着して見せて欲しいな。


［学校帰りに持ってきた予算は浴衣分だけかな。
　冷やかしになっちゃうかも知れないけど、
　見てみたくって。……ダメかな？］
　

　
［指差したのは、
　浴衣と同じく大人っぽい、黒のビキニの水着。*］
　

　[　……ん。
　　
　　…………何も違和感を感じる必要もない
　　そんな願いのはずなのに。


　　どうしたのかな。
　　すごく切なくなってきて。

　　でもね、そのときは結局
　　その理由もわかんなくなったというか、
　　一瞬そだっただけの感情だったから。


　　もっかいが重なれば、
　　すぐに忘れちゃったかも。　］**


　

― おかいもの　―


　［　2人が並ぶ浴衣姿も無事決まった。
　　　潮音の浴衣は縦縞だって。
　　　立ってる姿はきっとさまになってる。
　　　また指折りその日が来るのを待つ日々になりそう。


　　　お会計を済ませようとして、　］



　　水着？
　　いーよ、私も見てみた……



　［　今年の夏休み、一度くらい
　　　海とかプールとか、なんて話したし。
　　　だから指先が指し示すものだって
　　　その延長でしかないと　思ってた。　］

　

　　い。




　［　潮音が指差した先にあったのは
　　　それこそ魅惑の黒ビキニ。
　　　黒には左右にある紐がはえるよね。
　　　
　　　……ちょっとだけだよ、って
　　　……潮音のお願いだから


　　　試着室に入ることになる。　]